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次の町 モリッツ
下っ端は・・・
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男性はそのまま片腕を庇いながら歩いていく。自分の家もあるが借家であるし、それも力づくで借り受けたもののため大家からのウケは良くなかったため帰る気にもならなかった。
「クソ・・・どうすっかな・・・」
腕がただの怪我で終わってくれれば逃げて他所の町でやり直すことも可能かもしれなかったが利き腕が使い物にならなくなったらもはや彼に出来ることはなにもない。もとより学も技術もないためにこんなことをやっていたのだ。
「あは、あの建物が貴方達のアジトなんだ?」
ぞっとするような声が後ろから聞こえ、思わず振り返ると先ほど自分達を叩きのめしたあの女性冒険者が忌々しい大男を連れて男性を見ている。そして兄貴分が机を叩く音と怒号を響かせる三階建ての建物を指さして声に負けない恐ろしい笑みを浮かべている。
「つ、尾けてやがったのか・・・!」
「ええ、もちろん。あれほどされて黙って見逃すと思った?甘い甘い!それに貴方達はさっきの昼食での話が初会合だとおもってるみたいだけれど・・・」
後ずさる男性に距離を詰めたリーシュは笑みを崩さず彼の胸倉を掴んで引き寄せる。
「アンタたちが潰そうとしてたギルドあるじゃない?あれウチの友達がやってて随分と困ってる。そんでもってここにきてサービス満点の喧嘩の大売り出しときた・・・そっちがその気ならオマケ付きで高く買ってあげるわ」
「・・・ま、まってくれよ!ここのギルドはともかく俺たちはもういいだろ?ケガも酷いし、もう嫌がらせどころか抵抗もできねえよ!」
「ふぅん」
男性が必死に自己弁護を始めるとリーシュは興味なさげに答えると男性を掴む手を離して言う。
「それじゃあ心を入れ替えて真っ当に生きる決心がついたってこと?」
「もうそれしか俺たちに選択肢はねえよ・・・」
「そっか、まあ死体を増やしてもしょうがないし・・・山賊狩りより手ごたえもないしね」
「さ、山賊狩り・・・?」
男性は目の前の少女が自分より遥かに血生臭い世界に生きていた事に驚愕すると共に芯からくる震えでまともに立つ事も出来ず壁に寄り掛かった。
(甘かったなんてもんじゃねえ・・・こいつら、俺たちみたいなチンピラなんか目じゃないレベルの始末屋じゃねえか・・・思えば血や刃物に対しても全然ビビってなかったが医者だからってわけじゃなかった!)
最初は大男が彼女を守っているからだと思った。得物もマチェットで武器というより野営具の一つ、隣にはチビ助が居てまるで親子かなにかみたいに優しげな雰囲気だった。だからわからなかった。
まるでコインを裏返したかのように豹変した彼女に男性は初めて気づいたのだ。彼女の恐ろしいもう一つの顔を。
「とりあえずさ、もう邪魔しないなら行ってもいいけど・・・ホント邪魔しないでよ?」
「わ、わかった・・・もうほっといてくれ・・・」
男性は怯えた様子でリーシュに手を振るとそのままよろつきながら歩いていった。
「あーあ、可愛そうな感じだったねあのおじさん」
「いいのよ、リッキー。やとわれだとしても鉄火場に出入りしているような人だもの、脛にいくらでも傷があるでしょうよ」
一気に老け込んだ様子で歩いていく男性をリッキーは横目で見ながら言う。私としてはああいうことは脛に傷を持つ人間がヘマをした時に降りかかる災難だと思っている。理不尽だと思うなら真っ当に生きる事だね。
「まあ、ああいう恐ろしい目に遭いたくなければあまり酷い事はしない方がいい。善っていうのは自分を守るための物でもあるから」
良き行いは悪しき出来事を遠ざけてくれる。必ずしも万能ではないけれどそれを行い正しい知識を得れば悪事を重ね続けた時よりもきっと良い運にも恵まれる。あのおじさん達は今まで重ねて来た悪事のツケを払うことになるだろうが、私はその中でもほんの切っ掛けに過ぎないのだ。
「彼らが小悪党なら・・・私達に会っただけで済むかもだけどね」
足や手の傷は決して浅くはないがかといって決して治らないものでもない。なぜなら先生がこの世界にはいるし、先生はふらっと何処かに出かけては大けがを負った人たちを無償かもしくは安い料金で治している。また、先生によれば金額を無視すればケガなら高級なポーションなどで治癒できる。素材が希少なため普通の人はなかなか作れないのだが私や先生は錬金術師であるのでそこらへんも容易である。治療に関して言うと先生は善を促す為に治しているところもあるので彼らが心を本当に入れ替えない限り会えるかは保障しかねるが。
「さて、ここからは悪党退治の時間だ・・・おじさんがやるよりも早く片付くかしらね」
諸悪の根源かはしらないが彼らの兄貴分、先ほど叩きのめした連中が詰め所に使っているらしいので潰す事に異議はない。とりあえず問題は方法だ。
「大騒ぎすると逃げられかねないし、悪事があれだけとも限らないから色々と調査も兼ねて忍び込むのがいいかな」
「どうやるの?」
自分で言っといてあれだがどうしたものか。
「クソ・・・どうすっかな・・・」
腕がただの怪我で終わってくれれば逃げて他所の町でやり直すことも可能かもしれなかったが利き腕が使い物にならなくなったらもはや彼に出来ることはなにもない。もとより学も技術もないためにこんなことをやっていたのだ。
「あは、あの建物が貴方達のアジトなんだ?」
ぞっとするような声が後ろから聞こえ、思わず振り返ると先ほど自分達を叩きのめしたあの女性冒険者が忌々しい大男を連れて男性を見ている。そして兄貴分が机を叩く音と怒号を響かせる三階建ての建物を指さして声に負けない恐ろしい笑みを浮かべている。
「つ、尾けてやがったのか・・・!」
「ええ、もちろん。あれほどされて黙って見逃すと思った?甘い甘い!それに貴方達はさっきの昼食での話が初会合だとおもってるみたいだけれど・・・」
後ずさる男性に距離を詰めたリーシュは笑みを崩さず彼の胸倉を掴んで引き寄せる。
「アンタたちが潰そうとしてたギルドあるじゃない?あれウチの友達がやってて随分と困ってる。そんでもってここにきてサービス満点の喧嘩の大売り出しときた・・・そっちがその気ならオマケ付きで高く買ってあげるわ」
「・・・ま、まってくれよ!ここのギルドはともかく俺たちはもういいだろ?ケガも酷いし、もう嫌がらせどころか抵抗もできねえよ!」
「ふぅん」
男性が必死に自己弁護を始めるとリーシュは興味なさげに答えると男性を掴む手を離して言う。
「それじゃあ心を入れ替えて真っ当に生きる決心がついたってこと?」
「もうそれしか俺たちに選択肢はねえよ・・・」
「そっか、まあ死体を増やしてもしょうがないし・・・山賊狩りより手ごたえもないしね」
「さ、山賊狩り・・・?」
男性は目の前の少女が自分より遥かに血生臭い世界に生きていた事に驚愕すると共に芯からくる震えでまともに立つ事も出来ず壁に寄り掛かった。
(甘かったなんてもんじゃねえ・・・こいつら、俺たちみたいなチンピラなんか目じゃないレベルの始末屋じゃねえか・・・思えば血や刃物に対しても全然ビビってなかったが医者だからってわけじゃなかった!)
最初は大男が彼女を守っているからだと思った。得物もマチェットで武器というより野営具の一つ、隣にはチビ助が居てまるで親子かなにかみたいに優しげな雰囲気だった。だからわからなかった。
まるでコインを裏返したかのように豹変した彼女に男性は初めて気づいたのだ。彼女の恐ろしいもう一つの顔を。
「とりあえずさ、もう邪魔しないなら行ってもいいけど・・・ホント邪魔しないでよ?」
「わ、わかった・・・もうほっといてくれ・・・」
男性は怯えた様子でリーシュに手を振るとそのままよろつきながら歩いていった。
「あーあ、可愛そうな感じだったねあのおじさん」
「いいのよ、リッキー。やとわれだとしても鉄火場に出入りしているような人だもの、脛にいくらでも傷があるでしょうよ」
一気に老け込んだ様子で歩いていく男性をリッキーは横目で見ながら言う。私としてはああいうことは脛に傷を持つ人間がヘマをした時に降りかかる災難だと思っている。理不尽だと思うなら真っ当に生きる事だね。
「まあ、ああいう恐ろしい目に遭いたくなければあまり酷い事はしない方がいい。善っていうのは自分を守るための物でもあるから」
良き行いは悪しき出来事を遠ざけてくれる。必ずしも万能ではないけれどそれを行い正しい知識を得れば悪事を重ね続けた時よりもきっと良い運にも恵まれる。あのおじさん達は今まで重ねて来た悪事のツケを払うことになるだろうが、私はその中でもほんの切っ掛けに過ぎないのだ。
「彼らが小悪党なら・・・私達に会っただけで済むかもだけどね」
足や手の傷は決して浅くはないがかといって決して治らないものでもない。なぜなら先生がこの世界にはいるし、先生はふらっと何処かに出かけては大けがを負った人たちを無償かもしくは安い料金で治している。また、先生によれば金額を無視すればケガなら高級なポーションなどで治癒できる。素材が希少なため普通の人はなかなか作れないのだが私や先生は錬金術師であるのでそこらへんも容易である。治療に関して言うと先生は善を促す為に治しているところもあるので彼らが心を本当に入れ替えない限り会えるかは保障しかねるが。
「さて、ここからは悪党退治の時間だ・・・おじさんがやるよりも早く片付くかしらね」
諸悪の根源かはしらないが彼らの兄貴分、先ほど叩きのめした連中が詰め所に使っているらしいので潰す事に異議はない。とりあえず問題は方法だ。
「大騒ぎすると逃げられかねないし、悪事があれだけとも限らないから色々と調査も兼ねて忍び込むのがいいかな」
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自分で言っといてあれだがどうしたものか。
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