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次の町 モリッツ
酔っ払いと私達
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「龍の舌は何といってもキノコとは思えないほどの美味しさです!」
そう言うと彼女はナイフを取り出して表面を軽く切った。すると肉汁を思わせるような透明な水分が染み出し、ソースと混じって香ばしい匂いが。
「しかもこれだけの汁気をもっているのに・・・それっ」
どこからか取り出したソース用の小瓶を取り出した彼女は切れ込みにソースを垂らす。するとソースが染み込んでいくではないか。
「ソースとの馴染みかたもこの通りです!」
「凄いわね」
語彙がなくて残念だけどとにかく美味しそうだ。おすすめするだけある。
「他には・・・」
「ごめんなさい、とにかく一度食べてみてもいい?」
冷める冷める!せっかくなんだから出来立てを食べてみたいんだけど!
「おっとっと、そうでした!それでは次はまた機会に!」
そう言うと思い出したように彼女は業務に戻った。周囲の人は余り迷惑そうというか、怒った様子が無いあたりに彼女の癖というか名物的なものなんだろうか。
「それじゃあいただきますか・・・って貴方たちはまったく待ってくれないのね」
「あれ、終わった?食べないと冷めちゃうよ」
「そーそー、量がたくさんあるし」
よく見るとジェイナとリッキーは既に半分以上食べてしまっていた。先ほどは対応に不満だらけだったが労働者向けの食事が多くみられるこの町の例に洩れず二人の食べるステーキもボリューム満点でジェイナはともかくリッキーは少し苦戦している。しかし二人の食べるスピードを考えると味も悪くないようだ。
とりあえず一口、切って食べてみる。鉄板が焼いてあるのかそれほど冷めた感じもなかった。それになにより噛んだらまるで、本当にお肉みたいに肉汁があふれる。バターの香りとしつこくない旨味がマッチしてとても美味しい。
「確かにこれはオススメするだけあるわ、美味しい」
正直、キノコという食材を甘く見ていたかもしれない。そこまで下に見ていたわけでもなかったけど・・・。
こういうのを知ったら確かに誰かにオススメしたくなるわね。
「ホントに美味しいの?」
「ええ、次は自分で頼んでみるといいわ」
「ちょっと頂戴?」
フォークを手にこちらを見るジェイナ。しかし。
「ダメ、待ってくれない子にはあげない」
「けちー」
「リッキーを手伝ってあげなさいよ、そろそろ満腹なんじゃない?」
ジェイナがむくれた様子で言うが食べ終わってマスク姿なので可愛げもなにもあったものではない。
それはそれとしてリッキーが普段食べる量で考えると此処の町はちょっと多めだ。育ち盛りだから大丈夫かな、太らないと良いけど。
「ううぅ・・・もうお腹いっぱい・・・」
私が言うが早いかリッキーがギブアップ宣言した。ジェイナがリッキーが押しのけたお皿を受け取ってもぐもぐと食べ始める。流石というべきか彼女が食べ始めるとあっという間だ。
「食べすぎると太るわよ?」
「大丈夫、むしろ食べないと痩せちゃう」
何という高燃費ボディだろうか。まあ、ジェイナが摂取するエネルギーはジョンにも供給されるようなのでそれも仕方ないのだろうか。実質二人分だし。
「おう、別嬪さんぞろいの席に空きがあるじゃねえか~、酌してくれよぉ」
食べ終わりかける頃には回りはお酒の回った酔っ払いだらけになり、時折こうして絡んでくるおじさんが増えて来た。
「嫌、自分の席に戻りなさいよ」
「そういうなよぉ、ほら、チップだすよぉ・・・」
銅貨をちらつかせながら言う男性を押しのけて躱していたがあんまりしつこいのでどうしようかと思っているとジェイナが立ち上がった。
「うるさいおっさん」
「お、お、お、おーっ?!」
引きずっておじさんを連れて行くと服の襟を掴んで壁の高いところに引っ掛けて吊り上げてしまった。
「そこで飲んでるといい、景色も悪くないでしょ?」
「えー、酌してくれよぉ」
「私で我慢しな」
「がははー、ならいいぞお」
大らかなのか強かに酔っているのか酔っ払いは全く怒った素振りもない。それどころかジェイナが乱暴に注いだジョッキを受け取ってニコニコしている。ジェイナはあきれた様子でため息をつくとそのまま戻ってきて何事もなかったかのように果実水を飲み始める。
「悪い人じゃなさそうだけどねぇ・・・」
「仕方ない、酔っ払いはああいうもの」
覆面が注いだ酒が美味いー!と宙ぶらりんで叫ぶおじさんとそれをみて笑いながら乾杯するほかのおじさん達。
当たり前だが果実水しか飲んでいない私達はかなり浮いてしまっている。
「そういえばおじさん達遅いわね」
「遅いね・・・と噂をすれば」
げっそりした男の人とこれまたげんなりした様子のおじさんがこちらに戻ってきた。
「大丈夫?」
「昼に食べたモン全部出しやがったよ、あーあ・・・」
男の人を椅子に座らせるとおじさんも同じように椅子を引いて座る。
「酷い有様ね、しばらくは消化にいいモノ食べないとすぐトイレに逆戻りよ」
「マジかよ・・・この町でそんなとこあるのか?」
「さあてね、無いならしばらくはギルドで療養生活かしら」
そう考えると病人の為の食事を作るところとしてギルドで商売を始めるのもいいかもしれないわね。二日心によく聞く薬や食べ物とセットにすれば一般にも利益が見込めるかも。
そう言うと彼女はナイフを取り出して表面を軽く切った。すると肉汁を思わせるような透明な水分が染み出し、ソースと混じって香ばしい匂いが。
「しかもこれだけの汁気をもっているのに・・・それっ」
どこからか取り出したソース用の小瓶を取り出した彼女は切れ込みにソースを垂らす。するとソースが染み込んでいくではないか。
「ソースとの馴染みかたもこの通りです!」
「凄いわね」
語彙がなくて残念だけどとにかく美味しそうだ。おすすめするだけある。
「他には・・・」
「ごめんなさい、とにかく一度食べてみてもいい?」
冷める冷める!せっかくなんだから出来立てを食べてみたいんだけど!
「おっとっと、そうでした!それでは次はまた機会に!」
そう言うと思い出したように彼女は業務に戻った。周囲の人は余り迷惑そうというか、怒った様子が無いあたりに彼女の癖というか名物的なものなんだろうか。
「それじゃあいただきますか・・・って貴方たちはまったく待ってくれないのね」
「あれ、終わった?食べないと冷めちゃうよ」
「そーそー、量がたくさんあるし」
よく見るとジェイナとリッキーは既に半分以上食べてしまっていた。先ほどは対応に不満だらけだったが労働者向けの食事が多くみられるこの町の例に洩れず二人の食べるステーキもボリューム満点でジェイナはともかくリッキーは少し苦戦している。しかし二人の食べるスピードを考えると味も悪くないようだ。
とりあえず一口、切って食べてみる。鉄板が焼いてあるのかそれほど冷めた感じもなかった。それになにより噛んだらまるで、本当にお肉みたいに肉汁があふれる。バターの香りとしつこくない旨味がマッチしてとても美味しい。
「確かにこれはオススメするだけあるわ、美味しい」
正直、キノコという食材を甘く見ていたかもしれない。そこまで下に見ていたわけでもなかったけど・・・。
こういうのを知ったら確かに誰かにオススメしたくなるわね。
「ホントに美味しいの?」
「ええ、次は自分で頼んでみるといいわ」
「ちょっと頂戴?」
フォークを手にこちらを見るジェイナ。しかし。
「ダメ、待ってくれない子にはあげない」
「けちー」
「リッキーを手伝ってあげなさいよ、そろそろ満腹なんじゃない?」
ジェイナがむくれた様子で言うが食べ終わってマスク姿なので可愛げもなにもあったものではない。
それはそれとしてリッキーが普段食べる量で考えると此処の町はちょっと多めだ。育ち盛りだから大丈夫かな、太らないと良いけど。
「ううぅ・・・もうお腹いっぱい・・・」
私が言うが早いかリッキーがギブアップ宣言した。ジェイナがリッキーが押しのけたお皿を受け取ってもぐもぐと食べ始める。流石というべきか彼女が食べ始めるとあっという間だ。
「食べすぎると太るわよ?」
「大丈夫、むしろ食べないと痩せちゃう」
何という高燃費ボディだろうか。まあ、ジェイナが摂取するエネルギーはジョンにも供給されるようなのでそれも仕方ないのだろうか。実質二人分だし。
「おう、別嬪さんぞろいの席に空きがあるじゃねえか~、酌してくれよぉ」
食べ終わりかける頃には回りはお酒の回った酔っ払いだらけになり、時折こうして絡んでくるおじさんが増えて来た。
「嫌、自分の席に戻りなさいよ」
「そういうなよぉ、ほら、チップだすよぉ・・・」
銅貨をちらつかせながら言う男性を押しのけて躱していたがあんまりしつこいのでどうしようかと思っているとジェイナが立ち上がった。
「うるさいおっさん」
「お、お、お、おーっ?!」
引きずっておじさんを連れて行くと服の襟を掴んで壁の高いところに引っ掛けて吊り上げてしまった。
「そこで飲んでるといい、景色も悪くないでしょ?」
「えー、酌してくれよぉ」
「私で我慢しな」
「がははー、ならいいぞお」
大らかなのか強かに酔っているのか酔っ払いは全く怒った素振りもない。それどころかジェイナが乱暴に注いだジョッキを受け取ってニコニコしている。ジェイナはあきれた様子でため息をつくとそのまま戻ってきて何事もなかったかのように果実水を飲み始める。
「悪い人じゃなさそうだけどねぇ・・・」
「仕方ない、酔っ払いはああいうもの」
覆面が注いだ酒が美味いー!と宙ぶらりんで叫ぶおじさんとそれをみて笑いながら乾杯するほかのおじさん達。
当たり前だが果実水しか飲んでいない私達はかなり浮いてしまっている。
「そういえばおじさん達遅いわね」
「遅いね・・・と噂をすれば」
げっそりした男の人とこれまたげんなりした様子のおじさんがこちらに戻ってきた。
「大丈夫?」
「昼に食べたモン全部出しやがったよ、あーあ・・・」
男の人を椅子に座らせるとおじさんも同じように椅子を引いて座る。
「酷い有様ね、しばらくは消化にいいモノ食べないとすぐトイレに逆戻りよ」
「マジかよ・・・この町でそんなとこあるのか?」
「さあてね、無いならしばらくはギルドで療養生活かしら」
そう考えると病人の為の食事を作るところとしてギルドで商売を始めるのもいいかもしれないわね。二日心によく聞く薬や食べ物とセットにすれば一般にも利益が見込めるかも。
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