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次の町 モリッツ
お休み
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宿舎に戻ると一階は既に凡そが片付いており、一室にたくさんベッドが並んだ場所があった。先に連れて来た彼女達は子供たちと共にそこにおり、こちらに気づくと何人かがこちらに来た。
「おかえりなさい、ご無事でなによりです」
「ご無事で、って随分と・・・いや、ただいま、こんな時間まで起きてて大丈夫?疲れてない?」
大げさ、と言いかけて私はなんとか言葉を飲み込んだ。彼女達は何の変哲もない日常から突然此処に連れてこられたのだ。いつ何が起こるかわからないのは彼女達にとって身に染みていることだろう。
「ここもすこし汚れてはいましたが向こうに比べれば誤差みたいなものです。一通り寝泊りするだけのものはありますし」
ベッドは数台くっつけて子供たちを一か所に集めて寝かせ、それを挟むように大人が寝るスペースを作っている。
まだすこし埃っぽい気もするがそこは魔術師である私の出番だろう。
「ちょっと埃っぽいのはこうすればいいのよ」
指を弾いて魔法を発動する。生活用に改良された魔法だ。ベールの様に部屋を包んだ埃や微細なゴミが風に包まれ
人を避けて移動し、私が明けたドアを抜けて外に飛んで行った。
「今何を?」
「ん?ちょっとね」
埃っぽい匂いが消えたので綺麗にはなっただろう。残りのシーツなんかは洗わないといけないかもだけど。
部屋は照明がほとんどなく薄暗いのでおじさんやジェイナのように夜目の利く人じゃないと何が起こったかわからなかっただろうか。
「トンでもねえな、風の魔法か?」
「まあね」
実際にはただの風だと吹き飛ばすだけなのでいろいろ問題があるのだが風の魔法で塵に魔力を纏わせてからそれをそのまま風の魔法で操る操作をするわけだ。おじさんが驚いているのは普通のあの手の魔法だと人のいるところで埃を飛ばせば大変な事になるからだ。微細なコントロールが必要だし、魔力を小さいものに限定して行うのは思ったよりも難しい。
「それじゃあ明日からは此処の人の指示に従ってちょうだい、できる事は私達もしてあげるけど最後は自分でなんとかしてもらわないといけないからね」
「あの、それで・・・私達はいつまで此処にいてもいいんでしょうか?」
「ん?あぁ、それだけど・・・ま、この宿舎に他の利用者がくるまではいいんじゃない?保守点検をそっちでやってくれればさらにいいでしょうし、そこまで不安ならここで働けるか聞いてみたら?」
別嬪さんがここで働いてくれれば人は自然と増えるかもしれないしね。労働者の夫婦なんかには共働きで子供の面倒見るのに困ってる人もいるかもしれない。
「保育所だっけか・・・」
先生が開いていた孤児院、その中には両親が仕事だからとしばらく預けられる事もあった。大抵は一か月も開かない内にどちらかが迎えに来て帰っていくのが殆どだ。時折、そのまま孤児院で引き取ることになる不幸もあったが。
それでも共働きの人たちにとって子供を預けられる信頼のある施設はとても便利なものだ。そこにちょっとした教育などもあれば・・・っていうか先生のスタイルが実施できたらどこでも流行りそうな気はする。
(ま、それをするにはかなりのお金がいるけど・・・どうにかそれも商売にできないものかなぁ)
先生は私の知らないたくさんの功績があったのか、椅子に座っているだけでお金の詰まった袋が送られてきた。
その山盛りのお金を元手に先生は子供たちを育て、教育し、その子供たちが時折貴族の養子として引き取られて行って・・・さらに積まれるお金の袋。それくらいになればそんな施設も作れるんだろうなぁ。
「ふぁぁ・・・とりあえず私達も何処か場所とって寝ましょう」
欠伸が漏れ、リッキーがうつらうつらとし始めたのでそろそろ寝ようかと思うと女性たちが私に再び声をかけて来た。
「あの・・・」
「?」
端っこを陣取ろうとした私達を捕まえて彼女達はなぜか自分達の傍へと引っ張ってくる。
「どうしたのよ?」
「いや、その・・・あんまり離れてほしくなくて・・・」
困っておじさんを見るとおじさんにも何人かがやって来て近くのベッドに引っ張られている。ジェイナとリッキーも同様だ。リッキーはそもそも意識がほとんどないので運ばれている感じだが。
「す、すみません・・・ですが私達には頼る人が貴方達しかいないんです、いざとなったら私達は自分どころかこの子たちも守れません・・・あんなところにはもう戻りたくないし、戻らせたくないんです・・・」
「そう、そう言う事ね」
まだまだ彼女たちの恐怖は抜けてない、此処はまだ彼女達にとって見知らぬ場所のままなのだ。マックさんは優しくて正義漢なんだろうけど、この人たちにとっては『怖い男の人』に似てしまっても居るのだ。可哀想だけど強面だし。入り口に近いところにおじさん、次にジェイナ、それから私とリッキーでそこから奥に子供たち。私達と子供たちの間に女性たちが居る感じ。
(まあ、それで安心してくれるなら安いもんだけども)
おじさんと同等の扱いをされているジェイナが地味に傷ついている気がするがそこは後でフォローしてあげようっと。
「おかえりなさい、ご無事でなによりです」
「ご無事で、って随分と・・・いや、ただいま、こんな時間まで起きてて大丈夫?疲れてない?」
大げさ、と言いかけて私はなんとか言葉を飲み込んだ。彼女達は何の変哲もない日常から突然此処に連れてこられたのだ。いつ何が起こるかわからないのは彼女達にとって身に染みていることだろう。
「ここもすこし汚れてはいましたが向こうに比べれば誤差みたいなものです。一通り寝泊りするだけのものはありますし」
ベッドは数台くっつけて子供たちを一か所に集めて寝かせ、それを挟むように大人が寝るスペースを作っている。
まだすこし埃っぽい気もするがそこは魔術師である私の出番だろう。
「ちょっと埃っぽいのはこうすればいいのよ」
指を弾いて魔法を発動する。生活用に改良された魔法だ。ベールの様に部屋を包んだ埃や微細なゴミが風に包まれ
人を避けて移動し、私が明けたドアを抜けて外に飛んで行った。
「今何を?」
「ん?ちょっとね」
埃っぽい匂いが消えたので綺麗にはなっただろう。残りのシーツなんかは洗わないといけないかもだけど。
部屋は照明がほとんどなく薄暗いのでおじさんやジェイナのように夜目の利く人じゃないと何が起こったかわからなかっただろうか。
「トンでもねえな、風の魔法か?」
「まあね」
実際にはただの風だと吹き飛ばすだけなのでいろいろ問題があるのだが風の魔法で塵に魔力を纏わせてからそれをそのまま風の魔法で操る操作をするわけだ。おじさんが驚いているのは普通のあの手の魔法だと人のいるところで埃を飛ばせば大変な事になるからだ。微細なコントロールが必要だし、魔力を小さいものに限定して行うのは思ったよりも難しい。
「それじゃあ明日からは此処の人の指示に従ってちょうだい、できる事は私達もしてあげるけど最後は自分でなんとかしてもらわないといけないからね」
「あの、それで・・・私達はいつまで此処にいてもいいんでしょうか?」
「ん?あぁ、それだけど・・・ま、この宿舎に他の利用者がくるまではいいんじゃない?保守点検をそっちでやってくれればさらにいいでしょうし、そこまで不安ならここで働けるか聞いてみたら?」
別嬪さんがここで働いてくれれば人は自然と増えるかもしれないしね。労働者の夫婦なんかには共働きで子供の面倒見るのに困ってる人もいるかもしれない。
「保育所だっけか・・・」
先生が開いていた孤児院、その中には両親が仕事だからとしばらく預けられる事もあった。大抵は一か月も開かない内にどちらかが迎えに来て帰っていくのが殆どだ。時折、そのまま孤児院で引き取ることになる不幸もあったが。
それでも共働きの人たちにとって子供を預けられる信頼のある施設はとても便利なものだ。そこにちょっとした教育などもあれば・・・っていうか先生のスタイルが実施できたらどこでも流行りそうな気はする。
(ま、それをするにはかなりのお金がいるけど・・・どうにかそれも商売にできないものかなぁ)
先生は私の知らないたくさんの功績があったのか、椅子に座っているだけでお金の詰まった袋が送られてきた。
その山盛りのお金を元手に先生は子供たちを育て、教育し、その子供たちが時折貴族の養子として引き取られて行って・・・さらに積まれるお金の袋。それくらいになればそんな施設も作れるんだろうなぁ。
「ふぁぁ・・・とりあえず私達も何処か場所とって寝ましょう」
欠伸が漏れ、リッキーがうつらうつらとし始めたのでそろそろ寝ようかと思うと女性たちが私に再び声をかけて来た。
「あの・・・」
「?」
端っこを陣取ろうとした私達を捕まえて彼女達はなぜか自分達の傍へと引っ張ってくる。
「どうしたのよ?」
「いや、その・・・あんまり離れてほしくなくて・・・」
困っておじさんを見るとおじさんにも何人かがやって来て近くのベッドに引っ張られている。ジェイナとリッキーも同様だ。リッキーはそもそも意識がほとんどないので運ばれている感じだが。
「す、すみません・・・ですが私達には頼る人が貴方達しかいないんです、いざとなったら私達は自分どころかこの子たちも守れません・・・あんなところにはもう戻りたくないし、戻らせたくないんです・・・」
「そう、そう言う事ね」
まだまだ彼女たちの恐怖は抜けてない、此処はまだ彼女達にとって見知らぬ場所のままなのだ。マックさんは優しくて正義漢なんだろうけど、この人たちにとっては『怖い男の人』に似てしまっても居るのだ。可哀想だけど強面だし。入り口に近いところにおじさん、次にジェイナ、それから私とリッキーでそこから奥に子供たち。私達と子供たちの間に女性たちが居る感じ。
(まあ、それで安心してくれるなら安いもんだけども)
おじさんと同等の扱いをされているジェイナが地味に傷ついている気がするがそこは後でフォローしてあげようっと。
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