ノーライフ・ガールは博士の最高傑作

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次の町 モリッツ

薬の買いだしに

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ジェイナを見送ってから少しして裏口からオーナーのおじさんが入ってきた。

「お早うございます、早速来ていただけましたか」
「ええ、それで・・・私はどうしたら?」
「そこなんですがまずはウチや同業の猟師さんの怪我を見てもらおうかと思ってます。」

朝にもちらっと聞いたがここの猟師さんは罠で猟をするときもあれば弓矢や剣や槍で直接仕留める事もあるという。
狙う獲物にもよるがここら辺は多種多様な動物がたくさんおり、小型から大型まである。畜産が必要ないくらいだそうだ。

「間引かないといけない魔物も多いですからケガをする人もそれなりです。流石に魔物相手は冒険者や古くからの猟師さんには敵いませんがウチでも獣を仕留めて店に供給するだけなら大丈夫!それくらいここは動物がたくさんいますよ」

古くから居る住人とは折り合いが悪いがそれでも魔物の狩りとなれば互いに協力しあってどうにかやっているそうだ。ま、そうでもしないとここら辺から生き物が居なくなるし下手をすると町もとんでもないことになるもんね。

「そう言う事ね、勤め先の景気がいいのはなによりよ。それじゃあ私は商売道具の補充にでも行こうかしら」
「採取ですか?」
「それもいいけどそれだと時間がかかりすぎるから今日は買いつけようかと思ってるわ」

幸い、薬師が足りないくらいにはお店もあるようだし。そこを見て買い付けもしていくのもいいかもしれない。

「そこでなんだけど薬屋さんどこか良い場所ある?」
「薬屋ですか・・・そうですね、良し悪しは分かりませんが大店をお教えしますよ」

そう言うとオーナーさんは大まかな場所と店の名前をそれぞれメモして渡してくれた。

「ありがと、これで町を出られない時でも何処で薬草を買えるかわかるわ」

メモにはガニバル商会と書かれている。聞いた事ないけど大丈夫かな。薬師が足りてないとは入ったときから聞いてるけども。

「さてと・・・ここら辺かな」

地図を頼りに来てみたもののどうにもあのウェイターさんよりは雑でわかりにくい。っていうかあの人ホントに本業は他にあるんじゃないだろうか?オーナーさんもそれなりに綺麗には書いてくれるんだけども。
後になって分かったことだがこの町の中心を作った人はどうやら建物の規格を設けた職人の集団だったらしく同じような大きさの建物が多い事が道の分かりにくい理由だった。しかしながらそれによって大きな建物でも間取りを固定することによって他の建物をたてるよりも必要経費も時間も少なく済むとの事だ。そして町の人は町の中心に行けば行くほど区画が綺麗に並んでいるので通り過ぎた道の本数を基準にしたりしていた。景色をアテに道を歩いていると知らない人は混乱しやすいんだそうだ。

「お姉ちゃん、もしかして迷子?」

突然の声。声の方を探してみるとリッキーよりも小さな子が私を見ていた。

「迷子か、うーん・・・そうかも」
「どこにいきたいの?」

身なりは質素に見えるがそれでも清潔感がある。割といいとこの子なんじゃないかな?

「薬屋さんかな、私こう見えてお医者さんの見習いなの。ケガとか病気を治す為の薬を買いに来たのよ」
「お医者さん!すごーい!」

無邪気にそう答える子供に私はつられて笑顔になる。先生ほど万能ではないけど薬学はそれなり、きっと役には立てるだろう。よほどの難病でもない限り。

「それじゃあウチのお店連れてってあげる!」
「君のお家は薬屋さんなの?」
「うん、小さいけど」

指でちょっとといったジェスチャーをしつつ小さな子は言う。断ってもいいけどちょっと可哀想だし案内してもらおうかな。物が手に入れば私としてはどうとでもなるしね。

「そっか、それじゃあお願いしようかな」
「うん!」

子供が私の手を引いて歩いていく。歩幅が違うので追い抜かさないようにするのが大変だ。しかし苦労している私をよそにこの子はとても嬉しそうに歩いていく。

「ここだよ!」

大通りから少しだけ離れた位置にあったちょっと古いというか、よく見ると規格が定められているらしい近所の建物と違いなんとも風情にあふれた木造の家だった。他の家はどちらかと言うとほぼ石造りの物が多かっただけに木造の、たしか・・・先生が言っていたカヤブキヤネという奴だろうか?藁束を乗せたような屋根だ。

「他と違って面白い見た目ね」
「そうでしょ!薬草を管理するのには木でできた家がぴったりなんだよ!」

薬草の保存方法は様々である。しかしながら大抵のもの、傷薬に使う薬草などは適度な湿度が必要である。完全に乾燥してしまうと薬効が変わってしまうものもあるからだ。

「お父さん、お医者さんが来たよ!」

戸を開けて子供が元気に駆け込んでいく。なんとも懐かしいというか、孤児院でもよく見た元気な子供の姿に似通っていて郷愁の念を起こす光景だった。お父さんというからには親御さんが健在なのだろう。

「はいはい、ごめんなさいね騒がしくって」

そう言う声と共に父親らしき男性が困ったように笑いながら入り口で立ち止まっている私に言う。薬草の調合中だったのか体から強烈な薬草の匂いが漂っていた。
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