異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

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洞窟を抜けて

ピンチ?!

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四階層・・・。緊張の面持ちで歩を進める騎士団とボク。魔法使い達も冷静さを保ちつつもどこか不安げだ。彼らとて外に出れば何処に出ても恥かしくない一流の冒険者や騎士団なのである。にも関わらず彼らの目は緊張の色を隠しきれて居なかった。

「四階層で手ごろな魔物といえば・・・そうですな、サンセットウルフか首狩り兎のどちらかでしょうか」
「サンセットウルフも首狩り兎も高ランクの魔物だよね・・・」
「左様で、特に首狩り兎の攻撃はほらこの通り凄まじいものですぞ」

フルンはそういうと首についた傷を指し示す。一部えぐれたような傷ができていて実物を見ずともその一撃が普通なら必殺の一撃であることを教えてくれている。
サンセットウルフは文字通り夕焼けのような毛色をした魔狼の一種で群れで行動し、一体でも驚異的な戦闘能力を秘めている。

「ねらい目はサンセットウルフですな、どういうわけかこの階層ではどの魔物も群れないのです。その代わりに能力が高くなっているようですが・・・」

そう言われると確かにそちらの方がいいのかもしれない。魔物は冒険者ギルドや王国の騎士団で脅威度によってランク分けされており、Gから順番に上がりGFDCBASとなっている。
首狩り兎は対処の困難さと命の危険からB、サンセットウルフは群れの為Aだが単体だとCよりのBだといわれている。素早いが単体だと集団戦法が使えないので首狩り兎ほどは一撃で致命傷を負う確率が低いのだ。

「でもサンセットウルフも強力なんだよね」
「ご安心めされい、その為の我等でございますぞ。彼奴等の得意な集団戦法を我等が取るのです」

まず騎士が退路を断ち、盾を用いて攻撃を防ぎつつ動きを制限した上で魔法で仕留めるというのが魔物を仕留める常道である。

「一階層で見せたファイアボールの威力ならばサンセットウルフを仕留める事も適いましょう」
「そうかな・・・だといいんだけど」

どこか拭いきれない不安を他所に階段を降り切ると目の前に古びたドアがあった。どうやら此処が第四階層の入り口らしい。フルンが先頭に立ちドアノブを捻る。

「この先が第四階層です、皆気を引き締めるのですぞ」

一人ずつドアを潜る。その先にあるのはフルンの言葉通り広大な草原。太陽のように輝く水晶の天井は鳥が飛び立てるほどに高く広い。鳥のさえずりといいたかったがどう見ても魔物の咆哮なので気付かれないように移動し、全員でかたまって行動する。

「殿下、ドアの位置を忘れないでくだされ。最悪の場合お一人でもあのドアを潜りご帰還ください」
「う・・・うん」
「そう気負いますな、私が健在ならば時間稼ぎ位は・・・」

『GURUAAAAA!』

フルンが言いかけた所で地響きと共に耳を劈くような咆哮が聞こえてきた。思わず足が竦むような叫びに皆が顔を見合わせ、体を震わせた。

「バーサーカーレックスが来る!」

悲鳴のような叫びが誰かから上がった。バーサーカーレックス。
それは暴竜とも呼ばれる巨大なドラゴンのような姿をした魔物でドラゴンには遠く及ばないもののその脅威度は文句なくSクラスであり、軍が作戦を練って鎮圧に当たるもの。当然ながらボクたちでは歯が立つ相手ではない。

「逃げろ!ドアまで走るんだ!」

何時になく焦った声が聞こえてくる。フルンの声だ。騎士達も魔法使い達も周囲を警戒しつつも一目散にドアまで走っていく。

「もう少し・・・えっ?」

ドアに近づこうとした魔法使いを見下ろす大きな目。その大きな目に射竦められ、立ち尽くした。

「な、なぜヤツがドアの前に・・・」

ニヤリと笑みを浮かべたような、そんな表情を浮かべたバーサーカーレックスは大口を開けると魔法使い達の体を地面ごと舐めるようにえぐり取って飲み込んだ。

「ひ、ひぃぃぃぃぃ!」

叫び声を上げてきた道を引き返そうとする騎士を見つけると後ろから噛み付いて上へと放り投げるとスナック菓子のように口でキャッチして飲み込んでしまう。

「奴め・・・知恵をつけおったか!」

フルンが大剣を抜いて剣を構えるが対するバーサーカーレックスは余裕の面持ちで彼らを見下ろしている。

「私が時間を稼ぐ!その隙に殿下を連れて逃げるのだ!」

「は、はい!」

フルンの怒号に漸く意識を取り戻した騎士達の生き残りはボクを護るように展開するとフルンと同時に駆け出した。

「食らうがよい!大穿槍!」

フルンの剣が魔力の輝きを帯びて半透明の刀身を形成して大きな槍のようになるとそれが高速で撃ち出されバーサーカードラゴンの腹を打った。

『GUO?!  GAAA!』

一瞬驚いたような表情をしたが相手もすぐさま反撃に出る。僕達を一旦視界から外してフルンを相手にするようだ。

「殿下、今の内に!」
「フルン・・・」
「殿下・・・なっ!」

騎士に促されるまま足を進めた僕達の前にさらに厄介な敵が現れる。
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