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洞窟を抜けて
アクシデント!
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今日はいい天気だった。試練の洞窟に挑戦するにはうってつけだった。
ボクの、ガルデンヘイム王国皇太子オルランド・グルン・ガルデンヘイムの初陣である。
「殿下、これより初陣ですな。四階層へと挑戦し、これをもってお父君に並ぶ殊勲を上げましょうぞ」
ドラゴンの神殿・・・かつて建国の始祖がこの洞窟をそう呼んだ。もう何百年も昔の話だ。
英傑の中の英傑、覇王の名をほしいままにした始祖がそう名づけ、冒険者達はその伝説の真実と栄光を求めて洞窟へと潜り、あるものは日々の糧のため浅い階層で魔物を狩り、ある者は洞窟の最深部に安置されているという伝説の武具を求めて日々挑戦し続けている。
どんな冒険者も三階層を超える事が出来れば一流とされる高難易度のダンジョン。伝説によればこの洞窟の地下には伝説のドラゴンである五龍がおり、その階に到達した者はその武具と彼らの力を得る事ができるのだという。始祖はその中で五龍と面会し、武術の手ほどきを受けた。そしてその武術をもって彼はこの国ガルデンヘイムを建国した。その時に持ち帰られた情報によってこの洞窟には五龍の力を宿した武具の存在と五龍の石像が安置されていること、そして世界には五つの神殿があるということがわかった。
しかしこの洞窟に住む魔物はとても強力で特に三階層を超えた瞬間にレベルが段違いに高くなり、高名な冒険者も必ずパーティを組み、万全の態勢で望まなければならない。
しかし四階層に住む魔物の素材は総じて全ての物が高額で取引され、さらにはその階層に生える薬草の類は効果も高く医療品としても高額にある。
そんな莫大な利益を得るためには四階層に降り、そこで魔物と戦い生き残るだけの力を示さねばボク達もまたこの洞窟の糧となるしかない。事実その洞窟では幾多の冒険者と、時には騎士団を従えた王族すら飲み込んできた。結局四階層よりも下の世界を知るのは始祖のみである。
そんな厳しい環境と夢を併せ持ったこの洞窟を何時しか人々はこう言った。
『試練の洞窟』と。
しかし、ボクはそれになんとしても挑まねばならないのだ。自らが父の子である事を示すために。
たとえ一人では難しくとも王族は三階層を突破し、四階層へと向かわねばならない。そしてその証として討伐した魔物の素材を持ち帰るのだ。
ガルデンヘイムの一族は屈強な騎士でなければならない。さもなくば王位を継ぐ資格無し。
王族に課せられる重い重責。最近の何代かの王族の試練に対する例外として単独ではなく兵を率いての遠征が許可されていたがそれだけ先代の王族に犠牲者が出たという事でもある。
皇太子としてちやほやされてきたボクにとって初めての試練だ。
騎士団が先行する中ボクも剣を片手に洞窟を進んでいく。
一階層、ランクの一番低い階層で冒険者達の生活の糧を生み出している階層。大抵はコボルトやゴブリンといった下級ランクの魔物が出現する。
年齢が若くともゴブリンくらいは狩れる。騎士団に所属するメンバーともなれば当然勝てるし、束になってきた所で同数を持って当ればまず負けない。
「下がって!魔法を使います!」
団体が近づいてくるのを見計らってボクは騎士団に随行する魔法使い達と共に魔法を行使する。
「火の精霊よ・・・敵を討て!ファイアボール!」
手のひらを翳して詠唱し、魔法を放つ。ボクの適性の火は攻撃に一番向いていて魔法の使い道もたくさんある。
「GYAAA!」
翳した手から飛び出した火球がコボルトの集団に直撃し、先頭のコボルトを焼き尽くした。
「お見事です、殿下」
騎士団に随行する魔法使いが言う。褒められるのは嬉しいけど此処はまだ一階層なのだ。
その証拠に二階、三階と深まるにつれて騎士団たちの余裕もなくなり、徐々に空気もピリピリとしてきた。
出現する魔物もゴブリンからオーク、オークからレッサーオーガとランクがどんどんと高くなり一対一から一対多を使って対処する事が多くなってくる。
『ぐあっ!』
『イーサンがやられた!』
けが人も階層を重ねるごとに多くなり、四階層へと続く階段を見つける頃には最初にいたメンバーの三分の一になっていた。治癒魔法を使える術者は少なく、よしんば使えたとしても帰りと本番の四階層を考えると使ってあげられないのだ。
なのでけが人は歩ける者は帰還し、動けない者は護衛をつけて帰りがけに回収していくのが基本だ。
「殿下、予想よりもかなり被害が出ましたがこれからが本番ですぞ」
随行する騎士団で一番の近衛隊長、フルンが言う。父が試練に挑んだ際に同行した彼は騎士団でも数少ない四階層の経験者である。
「フルン、四階層はどういう場所なの?」
「そうですな、言うなれば草原・・・といった所でしょうか。魔物が跋扈するという前置きがいりますがな」
そう言うとフルンは自身の顔についた大きな傷を撫でる。彼の顔のみならず全身についた傷は四階層での激闘でついたものらしい。
ボクの、ガルデンヘイム王国皇太子オルランド・グルン・ガルデンヘイムの初陣である。
「殿下、これより初陣ですな。四階層へと挑戦し、これをもってお父君に並ぶ殊勲を上げましょうぞ」
ドラゴンの神殿・・・かつて建国の始祖がこの洞窟をそう呼んだ。もう何百年も昔の話だ。
英傑の中の英傑、覇王の名をほしいままにした始祖がそう名づけ、冒険者達はその伝説の真実と栄光を求めて洞窟へと潜り、あるものは日々の糧のため浅い階層で魔物を狩り、ある者は洞窟の最深部に安置されているという伝説の武具を求めて日々挑戦し続けている。
どんな冒険者も三階層を超える事が出来れば一流とされる高難易度のダンジョン。伝説によればこの洞窟の地下には伝説のドラゴンである五龍がおり、その階に到達した者はその武具と彼らの力を得る事ができるのだという。始祖はその中で五龍と面会し、武術の手ほどきを受けた。そしてその武術をもって彼はこの国ガルデンヘイムを建国した。その時に持ち帰られた情報によってこの洞窟には五龍の力を宿した武具の存在と五龍の石像が安置されていること、そして世界には五つの神殿があるということがわかった。
しかしこの洞窟に住む魔物はとても強力で特に三階層を超えた瞬間にレベルが段違いに高くなり、高名な冒険者も必ずパーティを組み、万全の態勢で望まなければならない。
しかし四階層に住む魔物の素材は総じて全ての物が高額で取引され、さらにはその階層に生える薬草の類は効果も高く医療品としても高額にある。
そんな莫大な利益を得るためには四階層に降り、そこで魔物と戦い生き残るだけの力を示さねばボク達もまたこの洞窟の糧となるしかない。事実その洞窟では幾多の冒険者と、時には騎士団を従えた王族すら飲み込んできた。結局四階層よりも下の世界を知るのは始祖のみである。
そんな厳しい環境と夢を併せ持ったこの洞窟を何時しか人々はこう言った。
『試練の洞窟』と。
しかし、ボクはそれになんとしても挑まねばならないのだ。自らが父の子である事を示すために。
たとえ一人では難しくとも王族は三階層を突破し、四階層へと向かわねばならない。そしてその証として討伐した魔物の素材を持ち帰るのだ。
ガルデンヘイムの一族は屈強な騎士でなければならない。さもなくば王位を継ぐ資格無し。
王族に課せられる重い重責。最近の何代かの王族の試練に対する例外として単独ではなく兵を率いての遠征が許可されていたがそれだけ先代の王族に犠牲者が出たという事でもある。
皇太子としてちやほやされてきたボクにとって初めての試練だ。
騎士団が先行する中ボクも剣を片手に洞窟を進んでいく。
一階層、ランクの一番低い階層で冒険者達の生活の糧を生み出している階層。大抵はコボルトやゴブリンといった下級ランクの魔物が出現する。
年齢が若くともゴブリンくらいは狩れる。騎士団に所属するメンバーともなれば当然勝てるし、束になってきた所で同数を持って当ればまず負けない。
「下がって!魔法を使います!」
団体が近づいてくるのを見計らってボクは騎士団に随行する魔法使い達と共に魔法を行使する。
「火の精霊よ・・・敵を討て!ファイアボール!」
手のひらを翳して詠唱し、魔法を放つ。ボクの適性の火は攻撃に一番向いていて魔法の使い道もたくさんある。
「GYAAA!」
翳した手から飛び出した火球がコボルトの集団に直撃し、先頭のコボルトを焼き尽くした。
「お見事です、殿下」
騎士団に随行する魔法使いが言う。褒められるのは嬉しいけど此処はまだ一階層なのだ。
その証拠に二階、三階と深まるにつれて騎士団たちの余裕もなくなり、徐々に空気もピリピリとしてきた。
出現する魔物もゴブリンからオーク、オークからレッサーオーガとランクがどんどんと高くなり一対一から一対多を使って対処する事が多くなってくる。
『ぐあっ!』
『イーサンがやられた!』
けが人も階層を重ねるごとに多くなり、四階層へと続く階段を見つける頃には最初にいたメンバーの三分の一になっていた。治癒魔法を使える術者は少なく、よしんば使えたとしても帰りと本番の四階層を考えると使ってあげられないのだ。
なのでけが人は歩ける者は帰還し、動けない者は護衛をつけて帰りがけに回収していくのが基本だ。
「殿下、予想よりもかなり被害が出ましたがこれからが本番ですぞ」
随行する騎士団で一番の近衛隊長、フルンが言う。父が試練に挑んだ際に同行した彼は騎士団でも数少ない四階層の経験者である。
「フルン、四階層はどういう場所なの?」
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