異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

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ガルデンヘイム王国王都で

路銀を得る為に・・・けど!

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突き当たりを目指して進むと『ギルド換金所』と書かれた看板が。目を凝らして見ると神経質そうな男性が宝石を磨きながら椅子に座っていた。

「こんにちわ、営業中?」
「そうだよ、換金かい?」

見た目とは裏腹に物腰は柔かそうだ。しかしながらその後に彼女が彼を嫌う理由がわかった。

「宝石が好きそうにみえるけどそれ以外も大丈夫?」
「問題ないさ、ただ最近は小遣い稼ぎに汚いモノを持ち込んできて困ってるのさ。臭いだけでも耐え難いというのにねぇ・・・宝石でも磨かないとやってられない」

どうやら魔物の素材に苦手意識があるようだ。これでは彼女が彼を好きになれないのは仕方ない事だ。

「あらそう、じゃあその大好きな宝石でも換金しようかしら」
「物欲は人並みなんだがね・・・鑑定はできるがやはり魔物の死骸より宝石の方が有難いのは事実だろう?」
「そうかしら・・・まあ、感じ方は人それぞれよね」

生物学者を祖父に、そして動物好きな私にとってはたとえ死骸でも動物に触れられるのは面白いと思うのだけど・・・。まして冒険者達が命がけで集めてきた物が駄目だ嫌だと考える事自体がギルド職員としてどうしようもないのかもね。

「とりあえずこれを換金して頂戴」

私はアイテム袋から洞窟で集めた宝石を一つ取り出して彼の前に置いた。

「これは・・・」
「いかほどになるのかしら?」

私が何気なく取り出したのは赤色に輝くルビー。深層では拳大の宝石がゴロゴロしていたが流石にそれを出すのは流石にアレなのでとりあえず一番小振りなものを出して見た。
小さければ大丈夫だろうという私の目論見とは裏腹に男性は低く唸りながら宝石をジッと見つめている。

「間違いないな・・・」
「何が?」
「これに価値はつけられない・・・」
「へ?」

そういうと男性は何処からかランプのような物を取り出して火をつけた。すると中心に空いた穴に
その宝石を嵌め込んだ。

「なにこれ・・・『愛しき我が妻、マルガレッテに我が生涯の愛を捧ぐ。ガルデンヘイム国王マンフレート・フォン・ガルデンヘイム』・・・わー」

鮮やかな金色に光が色を変え、壁に愛を捧ぐという誓約の一文が。天然の宝石の中にメッセージを金で描き、それを埋め込む事で光に当てると文字が浮かび上がる精巧な細工だ。
そういえばここらへんってガルデンヘイム王国っていうのか・・・、安牌のつもりが地雷を踏みぬいたらしい。

「これはちょうど百年前に試練の洞窟で消息を絶った三代ほど前の国王陛下のモノだ。とても値段はつけられないな」
「うへえ・・・じゃあ、えっと・・・これは?」

宝石を引っ手繰って別のモノを捜す。宝石はダメだ。今度は剣にしよう。この古びた短剣なら大丈夫だろう。

「・・・これは!五代国王愛用の宝剣『グルン・・・「やっぱナシ!」」

立て続けに地雷を踏みぬいた。引っ手繰ってアイテム袋に突っ込む。

「見かけない顔だが君は熟練冒険者かい?試練の洞窟には数多の冒険者の遺品と共に王族縁の品も沢山眠っている。立て続けに二つも出すなんて尋常じゃないよ」
「み、見間違いだよ!」
「見間違いとか贋作でもいいから国王に献上してみたらどうだい?もし本物なら遊んで暮らせるよ。仮に偽物でも精巧なら儀典に使ったりで用途は多いからね」

試練の洞窟では得た物の所有権は大抵拾ったものの物だが王族所縁の品となれば話は別。献上すれば高い謝礼がもらえるが隠匿したりするのは犯罪とのこと。

「うう・・・王族には会いたくないな・・・」
「なんだって?」
「こっちの話だよ」

あのお坊ちゃんに会ったら絶対面倒な事になるけど・・・これ以上王族所縁の品が出てきたら早速隠匿した罪で捕まっちゃう・・・。

「と、とりあえずツテを辿って王族の人に渡してもらうようにしよう・・・」
「王族にツテがあるならそちらに持っていったほうが早いな。換金できるものは他にあるかい?」
「後は魔物の素材ばかりだよ」
「・・・まあ、仕事だからやるけど」

仕方ないので洞窟で乱獲した蟹さんと蜘蛛さんの足を出すと彼はまた固まった。

「・・・えっと?」
「っと、すまない。これはケーブスパイダーとケーブシザークラブか・・・二つで金貨が必要だな」

そう言うと男性は小さい袋を用意すると金貨を一枚ずつ積み重ねていく。

「ケーブスパイダーの足は槍の柄にすると高価なんだ、傷が無いからさらに高くなるね。値段は金貨が八枚で八十万イーエンだね。それとケーブシザークラブの鋏と足、これはそのまま武器にするのもいいし小さく割って鎧に貼り付けると軽量な鎧になるんだ。高温で焼き固める必要があるんだけどこれも済ませてくれてるから・・・金貨九枚で九十万イーエンだね」

この世界の貨幣は単位がイーエン。そして貨幣はデカイ単位から

百万イーエンで大金貨
十万イーエンで金貨
一万イーエンで大銀貨
千イーエンで銀貨
百イーエンで銅貨
十イーエンで青銅貨
一イーエンで鉄貨となる。

「お金持ちだね、王都で最高級の宿でも一泊十万イーエンだから二週間は泊まれるよ」
「あ、あはは・・・そうだね」

ちょっとやらかし気味だったので素直に喜べないまま私は金貨を受け取ってギルドをそそくさと立ち去ることにした。

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