異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

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ガルデンヘイム王国王都で

装いを整えて

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紅茶を出してもらいしばらく談笑していた所、ドアがコンコンとノックされる。

「お待たせいたしました」

そう言うと先ほどの紳士の男性が入ってきた。随分と早いがどうやら完成したようだ。

「早いですね」
「当店は既製品を予め用意し、お客様の要望を聞いてそれから服を調える方法で服を仕立てており、その方法で早さと品質を両立させていただいております」

さっそく頂いた服を着てみると赤の燕尾服のような上着と白のズボンが眩しい素敵な乗馬服だ。ボタンは金色に輝き、飾り緒も上品な仕上がりである。

「うふふ、これなら王子様の前にでても恥かしくないね」
「お褒めに預かり光栄でございます」

実際は比喩でもなんでもないんだけどね。けどこのズボンは頑丈そうだし、着心地も悪くない。
仕上がりのクオリティとスピードの凄さは高級ホテルに二週間泊まれる代金をつぎ込んだだけはある。彼らの目には私は一体どのように見えているのだろう?お金持ちの令嬢?凄い冒険者?
露出癖の持ち主とか思われてたらいやだな・・・。

「とりあえずこの袋だけはつけとかないとね・・・っと」

くるくると小さく纏めるとポーチっぽくなるのでそのままベルトに引っ掛けておく。アイテム袋はないと困るからね。開いた口に貫頭衣を押し込み、店を上機嫌で後にした。

「ふふふ」

おもわず笑みがこぼれる。やっぱりおしゃれな服を手に入れたらテンションが上がっても仕方ないのだ。このまま歌っても良いくらい気分がいい、気分はさながら下校途中。
そんな事を考えていると私の右手をちょいちょいと引っ張る誰かが。

「ん?」
「お姉ちゃん、何処行くの?」
「おめかしして出かける場所って何処だとおもう?」

身なりがあまりよろしくない女の子だった。身なりに似つかわしくない綺麗な瞳がそう問いかけるので逆に問いかけて見る。すると女の子はうーんうーんと首を傾げて一生懸命考えている。

「ぶー、時間切れ。それとオイタも中止ね」
「えっ?」
「ぷぎゃ!」

足元に魔法で石ころを生み出すとそれをかかとで真後ろに蹴る。すると後ろから可愛い声が聞こえてきた。振り返ると私のアイテム袋を掴もうと手を伸ばした状態で今まさに後ろに倒れこむ男の子の姿が。

「人のモノを盗んじゃ駄目って言われなかった?」
「な、なんでわかったの?」
「その綺麗な目に映ってたの。悪さなんかしちゃ駄目だって言ってるよ」

そう言うと女の子は目を押さえて首を傾げる。実際は気配の察知を師匠に叩き込まれた事と不自然に駆け寄る足音が聞こえたからだけど子供にそれを言っても仕方ないよね。

「うう・・・」
「兄ちゃん・・・どうしよう」

私の隣をすり抜けて倒れている男の子に駆け寄る女の子。どうやら男の子の妹ちゃんらしい。

「別に気にしてないけど相手見てやった方がいいんじゃない?」
「うー・・・」

ちょっと強く蹴り過ぎたかな?そう思いつつ近寄ると男の子は素早く立ち上がって私のアイテム袋を掏り取っていった。お約束と言えばお約束だ。

「引っかかったな!やーいやーい!」
「兄ちゃーん、待ってよー」

捨て台詞を残して走り去っていってしまった。妹ちゃんちょっとついて行くの辛そうだったけど大丈夫かな。

「お嬢さん、追いかけなくて大丈夫なんですか?騎士団とか呼びましょうか?」
「まあ大丈夫だよ、あれはちょっと特別製だからね」

通行人が心配してくれるのをやんわり断っておく。アイテム袋がこの世界でどれほどの価値があるのかはわからないがあのアイテム袋も師匠達の謹製であり、所持者に場所を教えてくれる。最悪鎧などと同じく召還できるので無問題なのだ。

「ボチボチ探せば見つかるからねぇ」

気配は遠ざかっているがそれでも場所ははっきりとわかる。私は路地裏に移ると雷の魔法を建物の壁から屋根へと走らせる。

「追いかけるついでに練習しよっと」

師匠直伝の技、『迅雷閃』を使うと雷の魔法が走った箇所を高速に滑るように移動できる。ギリギリ知覚できるレベルのスピードなので激突注意である。普通の人には瞬間移動してるように見えるのではないだろうか。

「おっとっと・・・屋根が焦げちゃった」

雷は高温の様だ。摩擦熱とかだったりすると靴とかがえらい事になりそうだけど貰った靴も大丈夫そうだ。どうやら迅雷閃の弊害だろう。性能を調べながら私は迅雷閃で高い建物へと移動し、気配を探ってチビッ子達を追いかける。

「空中でも大丈夫なんだ・・・凄い技だね」

魔力の消費は多いが回復量が勝っているので全然問題ない。最悪距離を伸ばせば短発で済むので長距離移動も出来るだろう。そう思いつつ空中に浮遊するように移動していると直ぐに彼らに追いつく事が出来た。どんどんと建物がみすぼらしいものに変わっていくと思ったら此処らへんは俗にいうスラム街なのかな?そこに彼らは入っていくようだった。
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