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ドラゴンと独立宣言の章
血筋とは
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無理矢理名乗りださせるのは不本意だが揉め事が酷くなると人的にも資金的にも被害が大きくなる・・・。
「権力を振りかざすのはどうにも好かないが・・・綺麗事ばかりでは何事も為せないか」
俺の五体に流れる魔力と立場を利用させてもらおう。その上でどうするかを考える・・・。
「アウロラ、こうなれば仕方ない・・・獣人の血を引いた者を広場へ集めてくれ」
「了解しました、ですがどうなさるのです?」
「俺の魔力を使って満月と同じ状況を作り出すのさ、一応・・・できるらしい」
ドラペディアによると満月が獣人に力を与えるのは潮の満ち引きと同じ要領で魔力が弱まったり強まったりする周期があるからだそうだ。つまり極端な話、外部から強い魔力を供給されればだれでも変身できるというわけである。
「そういえば力が弱まるといった時期を聞いた事がないが・・・」
「仮にあったとして、自らの弱点を晒すのは獣人ではなくともしないのでは?」
「言われてみれば当然か・・・」
体質的な問題かもしれないしな。そうなると自己申告か、もしくは年長者の意見が必要になる。
「さて・・・それでは俺は一足先に練習してみるか」
広場に一足先に向かい、俺はどうにかできるかとその場で変身してみる。
『グ・・・オオオ・・・』
人並の大きさにはちょっと遠いがそれでも常識的な大きさに落ち着けるようになった。突然の事でもなければ不意に巨大化することもないだろうか。
『ええっと、これから魔力の供給・・・か』
空気中に漂うマナや魔力の濃度を体から放出する魔力で一時的に濃くし、それを魔法陣のように決まった範囲に展開する事によって範囲の中の生物に影響を及ぼすのだ。しかしながらこれは非常に危険というか不確定な部分がある。
まず俺自身が体も魔力もけた違いで大きいという事。その上自分の魔力なので浴びたところでどうってことないが集める獣人達はそうはいかない。
『取り入れられる魔力の量はどれくらいなのだろうか・・・』
魔法道具で魔力を貯蔵し、適宜それを取り出して自分の魔力の代わりに当てるという事も珍しくはないがそれも出力自体は非常に細かいもので人間の常識レベルを超える魔力を一度に引き出す事はできないそうだ。
しかし人間の常識に当てはまらないこの体にはそう言った常識はもちろん通じない。コップ一杯の水を出すつもりが津波を起こしかねないのだ。
『まずはすくない量で・・・』
放出した魔力を自分を中心に円を描くように、そしてドライアイスの煙のように地面へと流れていくように。
すると目視できる魔力の波がゆっくりと円に広がり、地面を覆っていく。
「これは?」
『!・・・アウロラか、突然背中に乗るのはどうかと思うぞ』
重量を感じさせない彼女の着地と同時に伝わる心音と柔らかい感触。どうやら抱き着かれているようだ。
「しかしこれほどの濃い魔力となりますと迂闊に触れると大変かと」
『濃い・・・?』
「ええ、宝石を放り込めばたちまち魔石に成り果てるかと・・・瘴気と違い清浄で、生命力の源泉であるそれなので宝石を放り込むと自動でゴーレムが生まれるかもしれません」
そうなのか、まだ濃すぎるか・・・。
『なら・・・ふむっ』
魔力を一度霧散させてから再び魔力を展開する。すると今度は地面が見えるほどの濃さの色が。
『どうだ?』
「これなら人体にも悪影響は出ないでしょう、ですが、これでも心身への影響はゼロとはいきませんよ?」
『具体的に言うと?』
「獣人や魔獣は月の満ち欠けなどによる魔力の増大でテンションが高揚し、身体能力や精神が高まります」
ハイになってあちこち走り回ったり、恋をしたりと満月はかなり獣人達にとって重要な日のようだ。それを再現するとなると・・・。
『ハイになった獣人達の中から目的の者を探すのか・・・間違いがなければいいが・・・』
「ハーフなら大丈夫だと思います・・・たぶん」
たぶんなのか。混血しても顕現するレベルとなるとどうなるか心配だが・・・。
「国王様、我らに御用命と聞きはせ参じました」
そんなこんなしていると広場にやや遠巻きにだが混血のダークエルフ達が集まった。中には何人か直接顔見知りのダークエルフも混じっている。
『ご苦労、早速だが数名に別れてこの円の中に入って欲しい』
「この、魔力の泉に・・・ですか?」
『ああ、身に覚えのある者ばかりではないかもしれないが今回は獣人との混血による能力の発露を調べるための催しと思ってくれればいい』
「は、はあ・・・?」
実際は身辺調査なのだが変に勘繰られて見送られたりすると厄介だからな。
「それではまず私から・・・」
先頭に立っていたダークエルフの数人が恐る恐る円の中へと足を進める。
「権力を振りかざすのはどうにも好かないが・・・綺麗事ばかりでは何事も為せないか」
俺の五体に流れる魔力と立場を利用させてもらおう。その上でどうするかを考える・・・。
「アウロラ、こうなれば仕方ない・・・獣人の血を引いた者を広場へ集めてくれ」
「了解しました、ですがどうなさるのです?」
「俺の魔力を使って満月と同じ状況を作り出すのさ、一応・・・できるらしい」
ドラペディアによると満月が獣人に力を与えるのは潮の満ち引きと同じ要領で魔力が弱まったり強まったりする周期があるからだそうだ。つまり極端な話、外部から強い魔力を供給されればだれでも変身できるというわけである。
「そういえば力が弱まるといった時期を聞いた事がないが・・・」
「仮にあったとして、自らの弱点を晒すのは獣人ではなくともしないのでは?」
「言われてみれば当然か・・・」
体質的な問題かもしれないしな。そうなると自己申告か、もしくは年長者の意見が必要になる。
「さて・・・それでは俺は一足先に練習してみるか」
広場に一足先に向かい、俺はどうにかできるかとその場で変身してみる。
『グ・・・オオオ・・・』
人並の大きさにはちょっと遠いがそれでも常識的な大きさに落ち着けるようになった。突然の事でもなければ不意に巨大化することもないだろうか。
『ええっと、これから魔力の供給・・・か』
空気中に漂うマナや魔力の濃度を体から放出する魔力で一時的に濃くし、それを魔法陣のように決まった範囲に展開する事によって範囲の中の生物に影響を及ぼすのだ。しかしながらこれは非常に危険というか不確定な部分がある。
まず俺自身が体も魔力もけた違いで大きいという事。その上自分の魔力なので浴びたところでどうってことないが集める獣人達はそうはいかない。
『取り入れられる魔力の量はどれくらいなのだろうか・・・』
魔法道具で魔力を貯蔵し、適宜それを取り出して自分の魔力の代わりに当てるという事も珍しくはないがそれも出力自体は非常に細かいもので人間の常識レベルを超える魔力を一度に引き出す事はできないそうだ。
しかし人間の常識に当てはまらないこの体にはそう言った常識はもちろん通じない。コップ一杯の水を出すつもりが津波を起こしかねないのだ。
『まずはすくない量で・・・』
放出した魔力を自分を中心に円を描くように、そしてドライアイスの煙のように地面へと流れていくように。
すると目視できる魔力の波がゆっくりと円に広がり、地面を覆っていく。
「これは?」
『!・・・アウロラか、突然背中に乗るのはどうかと思うぞ』
重量を感じさせない彼女の着地と同時に伝わる心音と柔らかい感触。どうやら抱き着かれているようだ。
「しかしこれほどの濃い魔力となりますと迂闊に触れると大変かと」
『濃い・・・?』
「ええ、宝石を放り込めばたちまち魔石に成り果てるかと・・・瘴気と違い清浄で、生命力の源泉であるそれなので宝石を放り込むと自動でゴーレムが生まれるかもしれません」
そうなのか、まだ濃すぎるか・・・。
『なら・・・ふむっ』
魔力を一度霧散させてから再び魔力を展開する。すると今度は地面が見えるほどの濃さの色が。
『どうだ?』
「これなら人体にも悪影響は出ないでしょう、ですが、これでも心身への影響はゼロとはいきませんよ?」
『具体的に言うと?』
「獣人や魔獣は月の満ち欠けなどによる魔力の増大でテンションが高揚し、身体能力や精神が高まります」
ハイになってあちこち走り回ったり、恋をしたりと満月はかなり獣人達にとって重要な日のようだ。それを再現するとなると・・・。
『ハイになった獣人達の中から目的の者を探すのか・・・間違いがなければいいが・・・』
「ハーフなら大丈夫だと思います・・・たぶん」
たぶんなのか。混血しても顕現するレベルとなるとどうなるか心配だが・・・。
「国王様、我らに御用命と聞きはせ参じました」
そんなこんなしていると広場にやや遠巻きにだが混血のダークエルフ達が集まった。中には何人か直接顔見知りのダークエルフも混じっている。
『ご苦労、早速だが数名に別れてこの円の中に入って欲しい』
「この、魔力の泉に・・・ですか?」
『ああ、身に覚えのある者ばかりではないかもしれないが今回は獣人との混血による能力の発露を調べるための催しと思ってくれればいい』
「は、はあ・・・?」
実際は身辺調査なのだが変に勘繰られて見送られたりすると厄介だからな。
「それではまず私から・・・」
先頭に立っていたダークエルフの数人が恐る恐る円の中へと足を進める。
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