勇敢で紳士的な奴は突然に現る。

孤猫

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突然の出会い

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  いつからだろう。この日々が、つまらない、と感じる様になったのは。


毎日学校に行って、たまに休みがあって、のんびり過ごす。
朝六時に起きて、顔を洗って、歯磨きをして、朝食をとって、着替えて、登校して勉強して、帰宅して、夜食を...毎日毎日繰り返す。別に特別な事もせず、過ごしていく。

「あっ...時間だ。」
カバンを持って、玄関に向かう。靴を履いて、扉を開けて
「行ってきます。」
一歩を踏み出すのも、だるく感じる。
いつもの道を通り、寄り道や近道はせず、学校まで進んで行く。ずっと家から、まっすぐと進み、三つ目の角を曲がると
「あ、ほのっおはよう!」
いつもの様に、秋野 咲葵が登校していた。
「おはよう」
この通りには、沢山の住宅が並んでいて、四、五人の友達が隣同士で、住んでいる。
多く友達が居る訳でもないし、少ない訳でもない。そして、友達は凄く優しい訳でもなければ、凄く冷たい訳でもない。
何だかんだ居心地の良い、人達だ。

「ほのぉ、数学の宿題見してぇ」
「また忘れたの?」
一昨日も、理科のレポートの宿題を忘れたらしく、私に縋ってきた。
「お願いしゃすっ、次はちゃんとやって来るからっ」
この間も、同じ事を言われた。いや、ずっと同じ事を言っている。
「はぁ、本当に?」
溜息混じりに私は少し、睨んでやった。
「ほんとほんとっ!...こ、今回だってやったけど、忘れちゃっただけだし!」
いや、それ逆に駄目。
「まあいいや、はい」
数学のノートを渡すと、まるで神様、佛様を見るかの様に、目を輝かせた。

走行している内に、もう学校の前まで来ていた。いつもこんなんだ。


私が通う、良坂高校は共学の、そこそこ頭の良い高校だ。と言っても、此処に受かったのは普通ラインの学力を備えていたからだ。結果、普通の高校だ。

「ふわぁ...穂梨ちゃん、おはようぉ」
寝癖付けまくりの、眠そうにあくびをする、佐々原 奏子。学級委員を務めている中学校からの親友だ。
「おはよう、また徹夜?」
「うぅ、ん」
もう寝そうな勢いだ。まあ仕方ないか。
「また徹夜か、お疲れさん。」
学級委員とは、大変なもので、学校のほとんどの事を任されるらしい。
最近、やけに校舎の落書きが増えて、困っているらしい。まあこの学校は、前から若干だが、荒れているからあまり疑問に思わない。
下駄箱に靴を入れ、教室に向かう。
教室までの道程は、少し落ち着いている。教室に着くと、チャイムが鳴り、五分後に先生が来る。ホームルームの時間も終わり、いつもと同じ様に過ごしていく。

昼休み、学級委員の奏子はもちろん仕事だし、秋野も今日は部で呼ばれているらしい。暇な時間が出来た。
私は、たまに昼寝に行く裏庭へ行った。
裏庭へは、普段飼育係が餌用に虫を捕まえに来るぐらいしか人が来ないので、とても寝やすい。

「はぁ落ち着く」
少し伸びをして、寝ようとした時、何処かで何かの鳴き声が聞こえた。

“みゃぁ”
この鳴き声は、普段耳にする。猫だ。
何処から、聞こえ

「おぅわっ!?」
何だ今の声、何処から聞こえてくるのかと、下を向くと猫はすでに足元にいた。
猫も、少し身体をびく付かせていた。
寝転がって、目をつぶっていたから、死人か何かと勘違いしたのだろ。

「ん?」
猫なのに、以外に大人しい。良く見ると、綺麗な青い目をしている。
まるで、サファイアの様だ。
綺麗な黒光りした毛並み。飼い猫なのだろうか。
でも、どうやって逃げ出したんだ?
こんなに綺麗に飼育しているのだから、ほんの数秒前まで、飼主の元に居たはずだ。まさか、捨て猫か?

「うぅん...うぅぅぅん」
そんな事を考えながら、ふと猫の方を見ると
「あれ?」
もうそこに、猫の姿は無かった。やはり、飼い猫だったのだろう。少し残念な気持ちがあるのは、自分の猫にしたかったと言う気持ちが少しあるからだ。
まあ飼い猫なら、仕方ない。

そんな事をしている内に、もう予鈴が鳴り終わり、昼休みは終わっていた。

「あっ、やばっ次移動だ」
あの猫に会うことは、もう二度と無いだろう。なら、写真ぐらい撮っておくべきだった、と凄く後悔している。こう見えても、結構な猫好きだ。

「あっ、ほの何処言ってたのっ」
「いやぁ...ちょっと、ね」
初めて遅刻した。
「へぇ、お前が遅刻なんて珍しいな」
先生が物珍しそうに、私と時計を交互に見る。そこまで、やられると例え先生でも、気分が悪い。


授業を終えた私は、とても不機嫌だった。

「まあまあ、そんなに不機嫌そうにしないでよぉ」
そりゃ、不機嫌にもなる。猫の事が頭から離れなくて、授業中目も口も開けながら、寝ていたんだ。
「まあ、さすがにあれは、ウケたけど」
そう、寝ている私の顔に美術部の男子が、先生の似顔絵を描きやがったのだ。以外にも似ていた為に、消さなかったらしく
『 おいっ!遊佐っふざけてるのかっ!!』
なんて、先生に怒られる始末だ。

「ま、まぁ私も寝てた時、後ろに“男の背中”っとか書かれたからっ 未だにそのシャツあるよ、ウケるでしょ!見せてあげよっかあぁ...」
元気付けようとしてくれるのは、凄く嬉しい...が、今の私には、全くウケん。

今日は、平凡な日常が悲劇の日常になった気がする。全ては、あの猫のせいだ。(全く猫は悪くない)


放課後、私は一人不機嫌に下校していたのだが、最悪な事に移動教室の時の噂を嗅ぎつけた、奴らがケラケラと笑っていた。

「うわぁぁ...」
私は、走って下校した。一言も喋らず、一度も振り返らず、ただひたすら走った。
今日の私は、恥ずかしさに耐え切れず、普段絶対に通ることの無い、道を通り帰る事にした。

「はあはあ...」
息を切らせながら、裏道に入った。
暗く細い道、人通りも少なく、余り通りたくない場所だが、今日は仕方ない。
「あぁ...最悪だ」
自分が以外にも、弱い人間だと言う事を知った。

“みゃぁぁ”

「っ...」
足にゾワっとする感覚と共に、この生き物が何なのか、直ぐに分かった。猫だ。
「お前…」
猫は、まるで私を慰めてくれているかのように、足に自分の身体を擦ってくる。
少し微笑ましくなった。私は、しゃがんで猫の頭や背中を優しく撫でた。
「可愛いいなあぁぁ...」
足に何か、生暖かい感覚があった。何か生温い

両手で持ち上げ、猫を移動させ

“ピチャッ”

「......。」
見てみると。あぁ、分かった。神は私に何の恨みがあると言うのか。

そう、もちろんそれは...こいつがした、
Yellow liquid.

「......ははっ...ああ」
許すマジ。


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