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第一章

ゴブリンの村でハプニング!?

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先程、自称魔王のスライムに言われたゴブリンの村へ行く途中、俺は俺の能力について調べてみた。
まず分かったこと。
この世界にはサブスキルとユニークスキルがあること。
ユニークスキルはその生物につき一個しかない特別な能力のこと。
サブスキルはその生物につき何個でも所持できる能力のこと。
しかしユニークスキル程強い能力は見つかっていないらしい。
自称魔王から聞いた。
俺のユニークスキルはまだ分からない。
サブスキルは先程出来た通り巨大化。
次に調べている途中に気がついたのは、
『模倣(姿をコピーする的なやつ)』と、
『分身(3体までで力は減る)』
この2つが分かった。
次に分かったこと。
それは、能力を同時に発動出来ないこと。
俺だけかもしれないが、どう組み合わせても能力を同時に発動させることは出来なかった。
調べている内に、ゴブリンの村へ着いた。
3キロと言われ、結構時間がかかると思っていたが、
流石は猫(多分)。
かなり早く着いた。
30分程度だろうか?
時計が無いのでわからないが、それぐらいだろう。
ゴブリンの村に着き、門番的なやつを口説いていると、村長的なゴブリンが出てきた。
会話の中でわかったこと。
俺の能力がもう一つ分かった。
『翻訳』だ。
異種族の言語を翻訳し、それを会話の中で使うというものだ。
出てきた村長らしきゴブリンは、俺に話しかけてきた。
「貴方は猫又ですな?
そんなランクBの種族がどうしてゴブリンなんかの村に?」
「あぁ。俺は猫又のクリス・エルトという。
ちなみに亜種らしい。
俺は他世界から転生してきた元人間だ。
良ければ俺をこの村に住ませてくれないか?
ああ!勿論危害を加えるつもりは毛頭ない。」
「でしたら私達の村を案内させて頂きますね!」
後ろから子供らしきゴブリンが出てきた。
「あぁ、助かる。」
俺はゴブリンに村を案内させられた。
結果は案の定、最低だった。
謎の藁みてぇな屋根で作られた、如何にも縄文時代にあったであろう家。
ボロボロの服。
汚れきった家具。
こんなので生活しているゴブリンを、ある意味尊敬した。
「えっと…クリス様、貴方はどうしてここに?」
「あぁそれか?
それはな…魔王のスライムに紹介させられたからだ。
確かリュミエル…だったか?」
「なんと!あの魔王リュミエル様とお知り合いで!
そしてリュミエル様はこんな村を紹介して下さったのですか!?
なんとありがたい…」
村長は泣いて喜んでいた。
俺は思った。
そんな喜ぶ?
「そしてお前、名前は?」
「名前…ですか?
私達、低級種族は名など持っていません。
持っておられるのはランクCからの上級種族だけで御座います。」
そんな話をしていると、
先程通った門の方から、ドラが響き渡った。
「襲撃~!ルー・ガルーの襲撃~!」
「ルー・ガルー?なんだそりゃ?」
「ルー・ガルー…またの名をワーウルフ。
つまりは人狼です!
早く逃げましょう!
この村も潰されかねないです!」
「いや、人狼か…俄然そいつに興味が湧いてきた。」
「いえしかし…」
「よし、すぐに戦闘準備をしろ!
戦えるものはすぐに柵の前で弓を持ち待機!
女子供は村の裏に逃げろ!」
俺はすぐに命令を出し、その人狼に会いに行った。
それを見て俺は、(人狼じゃねぇじゃん…)
そう思った。
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