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第二章

思ってたのと違うよ…

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俺は門の前に行き、仲間にでもしてやろうとした。
人狼と言われると、なんかかっこいいじゃん!
しかもランクC!
戦力になりそうだよな!
そう思いながらウキウキで来てみると…
完っ全にただのどデカイ狼がいた。
俺はゴブリン村長に聞いた。
「え?あれが人狼?」
「えぇ、あれがルー・ガルーで御座います。」
「マジか…」
まんま狼じゃん…『人』要素ないじゃん…
あれ?こんな意味わからんモンスターしかいないの?
この先不安でしかないんだが…
「おい。さっさとこの村の長を出すんだ。」
人狼(多分)ことルー・ガルー(多分)のトップ的な奴から声をかけられる俺。
俺は猫又として行くのは面倒なのでさっきの
自称魔王のスライムに模倣した。
色を赤に変え、魔王と悟られない様にして。
「我が名はクリス・エルト!
おぉ。お前がこの群れのトップか?
話がある。」
「ほう…スライムごときが我と話があると…
なんとも信じ難い光景だw」
リュミエルとか言うやつに続き、またしても笑われた。
それに乗って周りの狼野郎達も笑ってるしよ…
まぁそんなことはどうでもいい。
「話の続きだ。
お前達、俺の配下にならないか?」
は?
みたいな顔で見られる俺。
めっちゃ気不味い。
だってこう言いたいじゃん…
俺のがランク上だしさぁ…
「我らが貴様の配下だとぉ?
笑わせてくれるわw」
ムカつくな。
こういう奴等は力で屈服させるに限る。
「サブスキル、発動。分身」
俺は3匹に分かれ、模倣が解ける。
あ、そうか。
能力の同時使用はだめだったんだ。
「その姿…貴様、猫又だな?
しかしランクが上と言っても数の差で勝っている!
3匹程度に負ける我等ではないわ!」
もうどうでもよくなったので、そのルー・ガルーの長みたいなやつを、覚えた能力で倒すことにした。
「分身解除!サブスキル発動!『創造』!」
この創造という能力、なんと体積が100立方センチメートル以内の物(無機物)を作り出すことが出来るのだ!
どう?結構凄いでしょ?
でも代償は結構デカい。
なんせ俺の10分の1の魔力を使ってしまう。
諸刃の剣みたいな感じなのだ。
それを使って俺は大きめのナイフを作り出し、
ガルーの長にぶっ刺した。
そいつの血飛沫が舞う。
やっ…ちった…
完全に死んでしまった。
てっきり、こいつの部下みたいな奴等は逃げるか気が狂って全員で襲って来るのかと思っていたが、一匹だけ色の違う奴が、まさかの変身した。
下半身が人間になり、二足歩行になった。
人間っぽくなれるんじゃねぇか!
そりゃ人狼と呼ばれるわ…
最初っからその体しとけよ!
ボケ狙いなのか?あ?
「あれがヒューマンフォルム。
さっき形態がビーストフォルムで御座います」
村長が喋りかけてきた。
ポケモン博士かな?
そして数秒後、ガルー達が一斉に、
「我等は一生付いて行きます!クリス様!」
いきなりそんなことを言われ、
「え?え?」
と、俺はめちゃ動揺してしまった。
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