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第18話:それでも僕は・・・(その4)(完結)

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それからしばらくして、圭太は沙由美の家に呼ばれた。
(そういえば個人的にちゃんと招待されたのは初めてかもしれない。)
曰く「しばらく寂しかったから、独り占めしたくなっっちゃった」との事。
家に着くと(着くなり当たり前のように女装させられたが)
普通にお茶を出され、談笑して過ごした。
(今日はやけに平和だな・・・)と思う圭太だったが、
途中で背後から抱きしめられた。

「もう・・・本当に・・・いなくなっちゃうかと思ったのよ」
「沙由美先生・・・」
「ちょっとだけこうしてていい?」
「・・・・・」
お互いの鼓動がお互いの身体に響きあう。

しばしの時間の後、二人は口づけを交わす。
「んっ・・・」
「あっ・・・」
長い時間唇を重ねた後、二人とも息を荒げながら見つめ合う。
「ねぇ、ベッド行こうよ」
「・・・はい」
そのまま二人で寝室に向かう。
ベッドに入ると、沙由美は圭太の来ているブラウスのボタンを外し、
ブラの下にある乳首を吸う。まだ敏感に感じる部分ではないが、
シチュエーションで興奮したのか、圭太は顔を赤らめた。
ちゅぱ・・・ちゅぱ・・・ちゅぱ
乳首をつままれ、舌で愛撫され、圭太は次第に呼吸が荒くなる。
「はぁ、はぁ・・・」
「じゃあショーツ脱いで・・・」スカート中のショーツに手をかける。
それに合わせて圭太がショーツから両足をするりと抜いて、
スカートの中には何もなくなる。
「相変わらずツルツルしてて、かわいいおちん〇んね・・・」
「毎日・・・手入れしてますから」
既に大きくなっているそれを優しく握る。
「はぅっ!」圭太が小さく喘ぐ。
「どうして欲しいの?」
「えっと・・・その、お願いします」
「何をどうすればいいの?」と沙由美が意地悪く聞く。
「僕のを・・・手で・・・して下さい」と恥ずかしそうに圭太がいう。
「よくできました♪」と言って、 圭太のものを扱き始める。
しゅっ、しゅっ、しゅっ・・・
「あああ・・・」「どう?」「とても・・・気持ちがいいです。」
圭太は耳まで真っ赤になる。
沙由美との関係はこれが初めてではないのだが、
恥ずかしいものはやはり恥ずかしいようだ。
「ふーん・・・」
そういうと沙由美は、突然圭太のものを口に含んだ。
じゅるっ、じゅるるるる!
「ひゃうん!」圭太が腰を引く。しかし沙由美はそれを逃さない。
すべて口で受け止める。
「んむっ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・」
「もう・・・いいかな?」と沙由美が圭太に馬乗りになる。
「はい・・・」
そして沙由美がゆっくりと腰を落としていく。
ずぶぶっ!
「ああっ!」圭太が声を上げる。
沙由美が腰を動かすと、それに合わせるように圭太も動く。
まるで二人がぐちゃぐちゃに溶け合って
一つになるような感覚に襲われる。
じゅぶっじゅぶっじゅぶっ・・・・
「はぁ・・・はぁ・・・」
「もっと激しく動いてもいいわよ?」
「でも僕が先に果ててしまうかもしれません」と圭太が言う。
「大丈夫、イくときは一緒よ」と沙由美が言った。
「は、はいっ」
そう言って二人は更に動きを早めた。
「あんっ、あっ、ああっ!」沙由美が声を上げ、絶頂を迎える。
びゅるっ!! それと同時に圭太のものも沙由美の中で弾ける。
その後二人は幾度となく絶頂を迎えた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」
沙由美が圭太の上に覆いかぶさり、お互い息を整える。
しばらくして落ち着いた後、「先生・・・」と圭太が話しかけてきた。
何か思うところがあるようだ。
「何?」と沙由美が答える。

「・・・人間は遅かれ早かれ成長します。
いくら僕でもいつまでもこの容姿ではいられないでしょう。
もしこの先僕がもっと成長して、橙ちゃんのように
女装が似合わない体格になったら、
その時先生は僕をどうしますか・・・」
無表情で、まるで本でも読むように
感情のこもらない声で圭太は聞く。
正直答えを聞くのが怖い質問だ。
感情の置き場がわからない。

「う~ん、そうなったら『かわいい』は卒業かもね。」
その答えを聞いて圭太は(やっぱり・・・)と寂しそうな顔を見せる。
「でも勘違いしないでね。『卒業』は『お別れ』ではないのよ。
だって君はその時きっと『素敵な大人』なってるから。」
「え?!」
「だって今の君は、女装してる自分と普段の自分に
折り合いをつけて自分の中で共存させてるのよ。
だから男性の気持ちも女性の気持ちも、
きちんと両方理解できる素敵な大人になれると思うわ。」
(僕が・・・素敵な大人に・・・?)

圭太の顔がみるみると赤くなっていく。
自分の悩みを的確に見抜かれていた。
そして自分がどんな人間なのか理解してくれている。
それがとても嬉しかった。
そんな圭太を見て、沙由美は
「それに男の子の『かわいい』時期は
女の子のそれよりもずっと短いんだから、
楽しめるだけ楽しまないと勿体ないもの!」
と言って圭太をぎゅっと抱き寄せた。
すると圭太は、沙由美の胸に顔を押し付けるようにして、 
泣き出してしまった。
(本当に・・・僕はこの人に敵わないな・・・)と思いながら。
******

数日後。
圭太は今日も部室に行く。
そして相変わらず沙由美に女装させられ弄られる。
(部員のみんなが頑張って僕を連れ戻してくれたんだな)
それについてお礼を言うと、口々に「嫌いじゃないから」
「いなく・・・なってほしく・・・なかったですから」
「押しがいなくなったらここに来た意味がありませぬ!」
と言ってくれた。
そしてまたいつものように、皆で楽しくお茶をする。
(※最近は翠と真由里がよく出入りするようになったため、
コスプレHばかりではなくなっている。)
この時間が、圭太はとても好きだった。

橙知とは秘密を知る数少ない仲間として再び友人になった。
「ケイ、何かあったらいつでも相談しろよ。」
とぶっきらぼうに言ってくる。
「ありがとう、橙ちゃん。」そう返すと、
彼は照れくさそうに眼をそらす。
「しかし橙ちゃんが美少女モデルだったなんてな~」
圭太がからかうように言う
「だからもうその話はするな!」
「今の橙ちゃん見たら俺が言ったところで
だれも信用しないと思うよ」
「・・・ム、そればかりは身長が伸びてくれて助かったと思ってる。」
「背が伸びすぎたって言ってたけどどれぐらいだったの?」
「1年で25cm程だったかな・・・?165cmを超えたから
子供服モデルが厳しくなって・・・」
そこまで言いかけたとこで、
橙知は圭太が固まっていることに気が付く。
「どうした」「・・・なんでもない・・・」明らかにひきつった笑いを見せる。
(その時点で今の俺より10cmも高いじゃないか・・・!)
身長コンプレックスのある圭太にとっては恐ろしい話であった。
地味に精神にダメージを負いながら、
(いつか成長して、絶対カッコよくて素敵な大人目指してやる!!!)
と圭太は心に誓うのだった。

おわり
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