偶然が生んだ最強種

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36.夢幻の森のダンジョンpart2

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「テリー様流石です!」


 そう言いながらテリーを労う蝉丸。
 他のメンバーも凄い凄いとテリーに声をかける。
 満更でもない表情のテリー!


 そんなテリーのステータスを見る。

 デストレント 危険度☆☆☆☆☆☆
 虎キメラ        危険度☆☆☆☆☆☆☆☆
 成金猿            危険度☆☆☆☆☆
 ルドン            危険度☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 さっきの巨人が如何に強いモンスター
 だったかが分かる。
 骨喰と同じ位かそれ以上。
 奥にあれ以上のモンスターが居る可能性もある。


 気を引き締めよう!!


 そう思いながら前に進む。
 道中槍が飛んできたり、火が吹き出されたり
 ダンジョンにありがちな罠が多数あった。

 しかし俺の嗅覚は罠を簡単に見破る

 更に進むと三つの分かれ道になっていた。
 嗅覚を頼りに探るとどれも同じ場所に
 繋がっていた。

 しかしどの道の先にも敵が待ち構えている。
 黒爺に何となく選んでもらう事にする。

「真ん中じゃな」
「分かった」

 真ん中の道を皆んなで進む!



 カチッ!



 またあの音!


 またも一つの部屋に変わる!


 今回孤立したのは



 蝉丸!!


 またも魔法陣が浮かび上がり現れたのは
 金色の巨大な蛇!

「ここまで来るとはやるじゃないか!
 私はアピナよろしく」

 進化したとはいえ大丈夫か蝉丸。

「テツ様!テリー様!この蝉丸の戦い見届けて
 くだされ!!」

 そんな死ぬ前の様な言葉を言い放ちアピナと
 睨み合う蝉丸!

 先に動いたのはアピナ!
 巨大な体を巧みに使い突進するアピナ!

 それを受け止める蝉丸!
 少し押されはしたがアピナの突進が止まる。

 そしてアピナの土手っ腹に拳を叩き込む蝉丸!
 やるじゃないか蝉丸!


「流石に中々強いですね!しかし」


 そう言うとアピナは蝉丸に素早く巻きつく!!
 そして一気に締め上げていく。



 これはヤバイ・・・



 しかし次の瞬間!

 蝉丸の身体が龍に変わっていく!

 そして締め上げていたアピナの身体を引きちぎる!

 苦悶の表情を浮かべるアピナ。
 更にそこに拳を叩き込む蝉丸!



 アピナの身体が消えて行く!
 蝉丸強ぇぇぇーーー!!



 そして再び元のダンジョンに戻る。
 一応ステータスをチェックする。



 アピナ 危険度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 さっきの巨人と同様の星の数。
 蝉丸もしかしたら五人で今一番強いんじゃ・・・

 そんな事を思いながら前に進むと今度は開けた
 場所に出た。

 一つのデカイ椅子がありそこに一人の男が
 座っていた。

「よく来たな!ルドンとアピナを倒すとは
 大したもんだ」

 そう言って話しかけて来たのはキセルを咥えた
 ライオンの顔をした5メートルはある大柄な男。

「俺の名はレオール・ルギトゥス元獣王だ」
「じ、獣王だと?」

 奴の自己紹介に驚き質問をする。
 何故獣王がこんな森のダンジョンに?

 そんな俺を見てレオールは喋りだした。
 獣人の国は強さ至上主義の国でレオールは
 若くして獣王の座に就いたらしい。

 しかしその若さ故にレオールは無謀な戦いを挑んだ
 この世のルールで関わっては行けない三人
 そう「鎖の無い者」に・・・

 その結果、獣人の国は半壊滅状態に。
 レオールはその者に自分の命を差し出すので
 許してほしいと交渉する。

 その者は断固として許さないと言ったらしい。
 しかし真っ黒な龍と鬼の男が許してやれと
 説得してくれたらしい。


「ちょ、ちょっとストップ!その黒の龍は
 ガランって名前か?」

「そ、そうだ!ガラン様を知っているのか?」

「じゃあひょっとしてだが怒らせた相手は
 デセオか?」

「その通りだ!!も、もしかして
 友達か、ですか?」


 自業自得とはいえ余程の経験をしたのか
 急に敬語に変わった。
 大丈夫、友達ではないと伝えると胸を撫で下ろし
 ていた。

 許す代わりにとこのダンジョンの見張りをデセオに
 頼まれたらしい。

 100年経ったら呼びに来るとデセオは言ったが
 100年経ってもデセオは来なかったらしい。
 そして今日で152年目になると言う。


 獣人族は寿命が長いんだな!
 ていうか絶対あの金髪忘れてるよな・・・


 デセオの元を訪ねればと言ったが勝手に此処を
 出たら殺すと言われたらしい。
 それに居場所が分からないと


「じゃあ代わりにガランに聞いてやろうか?」


 余りに可哀想になりそんな事を言ってしまった。
 レオールは大きな体で土下座をして泣いていた。
 それに仲間も倒しちゃった事に少し責任を感じた。



 仕方ない・・・



 ついでにあの金髪から金取り戻してやろうか?


 でも怒らすとヤバそうだよな・・・


 そして急遽俺達の目的地は
 ガランの城に変更された

 因みにテリーや蝉丸が倒した手下達はデセオが
 一人は寂しいだろうと置いて行った魔法で作成
 した物らしい。

 時間が経てば復活すると言っていた。



 責任感じたのに損したな・・・
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