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二章
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最近の私のお仕事はーー。
潜入捜査!!
王様の背後の方から指を差された家の催しや舞踏会などに潜り込み、アチラの方々からのお話しを聞きに行ってます。
浮遊霊もいるし色々なアチラの方々から事情聴取です。
じじさま大活躍!!
壁の中、地下の更に下の地下金庫、引き出し二重底に、絨毯の下。
精霊さんにも頼んで探して貰った証拠の数々。
漏れなくファルシュさんにご報告。
なので、何件もの舞踏会への出席は、と・て・も、疲れました。
流石に綺麗なドレスで釣れませんよ!
休暇下さい!休暇!
もうお家帰りたいーー!!
それにね。護衛なんだけど。
私の護衛にマアディン近衛騎士がつくのは変だと思いますよ。
王族専属騎士なのに。
王の恩義ある方と言う立ち位置から護衛についてる、と言う設定らしい。
「護衛が王からの命です」
「でも大袈裟でしょ?」
「気にしてはダメです。それよりドレスとても似合っていて素敵ですよ」
「あ、ありがとうございます。褒められ慣れてないので、あまりそう言うのはいいです」
身振り手振りで恥ずかしさを誤魔化した。ちょっと厳つめ美丈夫に褒められたら照れてしまう。熱くなった頬を扇子を開いて隠した。
私は周りから、王族から目を掛けてもらえる貴重な人物として目をつけられて、ゴマすりが寄ってくる。
そうすると、嫉妬とやっかみ、妬み嫉み恨み辛みと山盛りに向けられる。
そしてついでにやってくる。
三人娘。
ロナータ・ファンファ侯爵令嬢を筆頭に、ティぺシュ・ストム伯爵とエーリイ・リツィミ伯爵だ。
この三人娘もパーティー来てたのねー。
「あら、最近噂のソルシエレ・レベナン子爵令嬢ではありませんか」
「王子の婚約者である公爵令嬢を差し置いて王子に取り入るとは」
「王宮に入り浸りとは。どんなご寵愛を?」
本当ーーに、いらないものばかりやってくる。相変わらずゴテゴテ着飾った派手ドレス。睥睨してもモノともしない強靭な精神をお持ちなのが羨ましい。
「寵愛などありません」
「どうだか知りませんわ。口では如何とでも言えるもの」
「宮中入りしていい気なものね」
「一緒に居る話しは耳に入りましてよ?」
それ王子やない。ファルシュさんや。影武者や。
とは言えないけど。見た目なら王子と一緒か。
ムムっと思わず顔が顰める。
周りが聞き耳を立てている。
貴重な情報を逃すまいと、周りに人垣が厚くなる。
私が顔を顰めたことで、「ほらみたことか」「図星でしょ?」「取り入るのがお上手で」と聞こえる内緒話をする三人娘。ニヤニヤと扇子で顔を隠しながら嘲笑し、こちらを見てヒソヒソと悪評を嘯く。
部が悪いのは私か、と及び腰になった時。
背中にトンと当たったのはーー
「彼女は将来王族つきになるので、その見習いで王宮に上っております。だからこその護衛。悪い虫がついては今後の仕事に差し障りがでますから。それだけ彼女は王より推重されていると言うことですよ。そちらの御令嬢の方々、言動にはお気をつけてください。悪い虫は排除されますからね」
「失礼な!」
「そちらこそ無礼でしてよ!」
「名乗りもせずに!」
詰め寄る三人娘に眉を顰めると、形だけの礼をとりファルシュさんは名乗った。
「私はフェルヌス公爵の遠縁のファルシュ・リヴィディエと申します」
三人娘がギョッと見た。
私もギョッと見た。
家名初めて知ったんだけど?
公爵家は三家ある。
フェルヌス公爵、アビティオ公爵、アパル公爵だ。
アビティオ公爵家は、御令嬢が王太子婚約者候補者なため勢力拡大中な家だ。
アパル公爵は、封建主義で王家に忠誠を誓う、忠義の臣下な一門。
フェルヌス公爵家は、一番権力がありながら、絶対的な中立を貫き通す家門だ。味方につけたら無敵とも言われる。
では敵にしたら?
暗黙の了解の不可侵に近い家門。
流石にその家門に連なる人物に噛み付くほど短慮では無かったらしい。
しかもマアディン近衛騎士が真後ろにぬぅっと立つと三人娘は後退りした。
迫力がある偉丈夫だもんね。近衛騎士の隊服は格好良いけど近寄りがたい雰囲気。
三人娘は、マアディン近衛騎士とファルシュさんを交互に見ながら若干頬を染める。
物色したいのは分かるけど止めときなー。
無理な物件だよ。マアディン近衛騎士なら分かるけど、ファルシュさんは止めときなー。
私の心の声にじじさまだけが頷いていた。
「そ、そうなの。見習いなんて素晴らしいわね。良かったら我が家でお茶でもしながらお話しいたしませんこと?招待状をーー
「申し訳ありませんが、陛下の指示にて交友関係を改めるよう仰せつかっております。手紙の差し出しはご遠慮願いたい」
ファルシュさんがロナータ令嬢の言葉をぶった斬りした。ロナータ令嬢が目を見開いてファルシュさんを凝視している。顔を赤くして口を戦慄かせ、眉間に皺寄せたから怒ってるのがよく分かる。
言葉を遮るなんて侮辱に近いもんねー。
でも格上だから言い返せないね。やーい。
でも、ファルシュさん。
………交友改め、って。
口だけじゃん。
程のいい嘘じゃん。
だって私、友達いないもん。
知り合いもいないもん。
神殿引きこもりだもん。
改める相手なんかいないもーーん。
拗ねてやる。
『じじさま現実が冷たいよう』
〈ルシェや。これから作ればよろしい。ルシェはいい子じゃからな。すぐ作れるじゃろ〉
じじさまの慰めがなんだかとても悲しかった。
潜入捜査!!
王様の背後の方から指を差された家の催しや舞踏会などに潜り込み、アチラの方々からのお話しを聞きに行ってます。
浮遊霊もいるし色々なアチラの方々から事情聴取です。
じじさま大活躍!!
壁の中、地下の更に下の地下金庫、引き出し二重底に、絨毯の下。
精霊さんにも頼んで探して貰った証拠の数々。
漏れなくファルシュさんにご報告。
なので、何件もの舞踏会への出席は、と・て・も、疲れました。
流石に綺麗なドレスで釣れませんよ!
休暇下さい!休暇!
もうお家帰りたいーー!!
それにね。護衛なんだけど。
私の護衛にマアディン近衛騎士がつくのは変だと思いますよ。
王族専属騎士なのに。
王の恩義ある方と言う立ち位置から護衛についてる、と言う設定らしい。
「護衛が王からの命です」
「でも大袈裟でしょ?」
「気にしてはダメです。それよりドレスとても似合っていて素敵ですよ」
「あ、ありがとうございます。褒められ慣れてないので、あまりそう言うのはいいです」
身振り手振りで恥ずかしさを誤魔化した。ちょっと厳つめ美丈夫に褒められたら照れてしまう。熱くなった頬を扇子を開いて隠した。
私は周りから、王族から目を掛けてもらえる貴重な人物として目をつけられて、ゴマすりが寄ってくる。
そうすると、嫉妬とやっかみ、妬み嫉み恨み辛みと山盛りに向けられる。
そしてついでにやってくる。
三人娘。
ロナータ・ファンファ侯爵令嬢を筆頭に、ティぺシュ・ストム伯爵とエーリイ・リツィミ伯爵だ。
この三人娘もパーティー来てたのねー。
「あら、最近噂のソルシエレ・レベナン子爵令嬢ではありませんか」
「王子の婚約者である公爵令嬢を差し置いて王子に取り入るとは」
「王宮に入り浸りとは。どんなご寵愛を?」
本当ーーに、いらないものばかりやってくる。相変わらずゴテゴテ着飾った派手ドレス。睥睨してもモノともしない強靭な精神をお持ちなのが羨ましい。
「寵愛などありません」
「どうだか知りませんわ。口では如何とでも言えるもの」
「宮中入りしていい気なものね」
「一緒に居る話しは耳に入りましてよ?」
それ王子やない。ファルシュさんや。影武者や。
とは言えないけど。見た目なら王子と一緒か。
ムムっと思わず顔が顰める。
周りが聞き耳を立てている。
貴重な情報を逃すまいと、周りに人垣が厚くなる。
私が顔を顰めたことで、「ほらみたことか」「図星でしょ?」「取り入るのがお上手で」と聞こえる内緒話をする三人娘。ニヤニヤと扇子で顔を隠しながら嘲笑し、こちらを見てヒソヒソと悪評を嘯く。
部が悪いのは私か、と及び腰になった時。
背中にトンと当たったのはーー
「彼女は将来王族つきになるので、その見習いで王宮に上っております。だからこその護衛。悪い虫がついては今後の仕事に差し障りがでますから。それだけ彼女は王より推重されていると言うことですよ。そちらの御令嬢の方々、言動にはお気をつけてください。悪い虫は排除されますからね」
「失礼な!」
「そちらこそ無礼でしてよ!」
「名乗りもせずに!」
詰め寄る三人娘に眉を顰めると、形だけの礼をとりファルシュさんは名乗った。
「私はフェルヌス公爵の遠縁のファルシュ・リヴィディエと申します」
三人娘がギョッと見た。
私もギョッと見た。
家名初めて知ったんだけど?
公爵家は三家ある。
フェルヌス公爵、アビティオ公爵、アパル公爵だ。
アビティオ公爵家は、御令嬢が王太子婚約者候補者なため勢力拡大中な家だ。
アパル公爵は、封建主義で王家に忠誠を誓う、忠義の臣下な一門。
フェルヌス公爵家は、一番権力がありながら、絶対的な中立を貫き通す家門だ。味方につけたら無敵とも言われる。
では敵にしたら?
暗黙の了解の不可侵に近い家門。
流石にその家門に連なる人物に噛み付くほど短慮では無かったらしい。
しかもマアディン近衛騎士が真後ろにぬぅっと立つと三人娘は後退りした。
迫力がある偉丈夫だもんね。近衛騎士の隊服は格好良いけど近寄りがたい雰囲気。
三人娘は、マアディン近衛騎士とファルシュさんを交互に見ながら若干頬を染める。
物色したいのは分かるけど止めときなー。
無理な物件だよ。マアディン近衛騎士なら分かるけど、ファルシュさんは止めときなー。
私の心の声にじじさまだけが頷いていた。
「そ、そうなの。見習いなんて素晴らしいわね。良かったら我が家でお茶でもしながらお話しいたしませんこと?招待状をーー
「申し訳ありませんが、陛下の指示にて交友関係を改めるよう仰せつかっております。手紙の差し出しはご遠慮願いたい」
ファルシュさんがロナータ令嬢の言葉をぶった斬りした。ロナータ令嬢が目を見開いてファルシュさんを凝視している。顔を赤くして口を戦慄かせ、眉間に皺寄せたから怒ってるのがよく分かる。
言葉を遮るなんて侮辱に近いもんねー。
でも格上だから言い返せないね。やーい。
でも、ファルシュさん。
………交友改め、って。
口だけじゃん。
程のいい嘘じゃん。
だって私、友達いないもん。
知り合いもいないもん。
神殿引きこもりだもん。
改める相手なんかいないもーーん。
拗ねてやる。
『じじさま現実が冷たいよう』
〈ルシェや。これから作ればよろしい。ルシェはいい子じゃからな。すぐ作れるじゃろ〉
じじさまの慰めがなんだかとても悲しかった。
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