霊感令嬢の視る仕事。〜視るだけの楽なお仕事?視るだけです厄介事はお断りします!〜

たちばな樹

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二章

23

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すみません。お昼の投稿遅くなりました。
よろしくお願いします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「よし!全快!」

窓の外を眺めながら握り拳を掲げて自分を鼓舞した。

〈元気なのはいいが、無理はダメじゃよ〉
『うん。もう大丈夫!無理しないよ!』

謎の解決に向けて動かなければ!
家に帰れない!


パシンと両手で頬を打った。

『無理せず頑張る!』
〈その意気じゃ〉

じじさまと顔を見合わせて笑った。






◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇


「体調はどうだい?無理してはいないか?」

ファルシュさんが気遣い心配そうに声をかけてくれた。

「大丈夫です。もう平気だから」
「無理はしないように」
「そうです。言わないのはダメだ」

心配から過剰に気にかけてくることに若干気が重くなる。こんなことで心配してもらうことに慣れていなくて戸惑ってしまう。マアディン卿も心配追随発言にも困った。気遣いされなれていないのだ。




マアディン卿が私の部屋に迎えに来たその時も一悶着があった。


「何であんなことしたのか」の質問に笑うだけだし。体調の心配して抱き抱えて運ぼうとするし。オカンか!
「田舎の貧乏貴族は丈夫だから」と言うも、「倒れた人の言葉は信用してあげません」と言われてしまった。

道中気恥ずかしくてたまらなかった。
もー!人を揶揄うなら、揶揄い返すよ!
アチラの方々にお願いして!



◇◆◇


「さて、皆が集まったのだが。話しは何かな?」

アエス王子が周りを見回した。

私が話しがあるとアエス王子に伝えてとファルシュさんに伝言を頼んだ。
そして今アエス王子の執務室に集まることになった。

「神殿について何か分かったことでも?」

ファルシュさんに聞かれた。
その質問に頷いた私だが、ちょっと自信がなくて視線が泳いでしまう。

「はい。集まって貰ったのは神殿についてですが。気になることがありまして……」

口澱む私に皆の視線が集まるのが居た堪れず居心地が悪い。

意を決して顔を上げ発言した。

「王様の後ろのアチラの方が怪しいんです!」

その発言に三人が顔を合わせた。
だよね?王様相手だもん。戸惑うよね。

「どう怪しいのかな?」
「四代前の王様が背後にいらっしゃるのです。レギール・ゼス・キュイベル王だと聞きました。白い長めの髭が特徴の王様です。
そのレギール王が神殿の話しをした時、ビクリと反応したんです。挙動不審というか……」

「明らかに何か隠しているような」と歯切れの悪いことしか言えない。
上手くニュアンスが伝えらなくてもどかしい。

アエス王子は優雅に足を組み、暫く考え込むと、「父上に話してこよう」と席を立った。


アエス王子から話を通してもらえば話は早くすみそうだ。でも王様との謁見を考えるとズンと気が滅入る思いがした。

霊体王様なら気楽話せるのに。
これで何もなかったら不敬罪とかにならないといいんだけどと心配になった。


◇◆◇


「許可が出たから応接室に行くよ」

アエス王子が許可を得て戻ってきた。

許可がもらえて良かったのか、これで違ってたらどうなるか。シーソーのように気持ちがガタガタ揺れている。

勢いよく、ふうと息を吐き、悩んでも仕方ない!と気持ちを切り替えてソファーから立ち上がり足を踏み出した。



さて苦手なカーテシーを頭の中でおさらいだ!

足が攣りませんように!




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