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しおりを挟む妹が俺の所へ引っ越して来たのは半年前。
両親が亡くなり身寄りが俺だけになったからだ。
仕事で里帰りできず両親の埋葬や墓など妹に任せたままだった。
妹が来た初日は気疲れか熱を出し寝込んだ。
熱に魘されながら大泣きした妹。
両親が亡くなり、心細いところで知らぬ地へと引っ越しだ。肉体的にも疲れただろうが、精神疲労は計り知れないだろう。
泣き噦る妹を宥めながら看護したのは何時振りか。
妹の頭を撫でながら感慨に浸ったが、これを言うと妹の機嫌が悪くなり、食事に激辛を仕込まれる。
泣いて抱きつく妹が懐かしかっただけなのに。
理不尽だ。
妹は回復すると家の事をしてくれた。
薬の調薬中に接客してくれるのも助かった。
男の独身生活では食生活もいい加減になる。
妹の飯は普通に美味い。
妹のおかげで生活圏まで手が回らず荒れ気味だった生活が潤うようになった。
妹も配達を手伝ってくれるが、隣の警備隊詰所への薬の配達は俺がしている。
流石に男がひしめく中に妹を行かせる訳にはいかないからだ。
俺が配達すると隊員達に文句を言われるが聞く気はない。
「お前じゃなく、ルリちゃんに配達させろよ!」
「潤いを寄越せ!」
「男じゃつまらねー」
「癒しも薬師の仕事では?」
「襲わないから!」
おい!最後のヤツ!
聞き捨てならないぞ!
絶対妹に配達させねぇ!!
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