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しおりを挟む「それにしても、リルちゃんは副長に動じないな。大概赤面して話にならんのだが」
デザートを口に運んでいると隊長に質問された。
「ああそれは、父も地元で警備隊してましたから。そこの警備隊にも顔のいい貴族がいましたよ。おかげで見慣れました」
貴族らしく礼を尽くされ赤面していた年頃はもう過ぎました。手の甲に唇を落とすヤツもいたせいで免疫が着いた。
と、説明した。
「慣れたのですか。なんだか逆に残念な気がします」
微笑む副長に思わず呟いてしまった。
三十過ぎれば皆おっさん……と。
食事を勝手に決めた四人組には腹が立つが、人と話す機会をもたらした事には感謝しよう。
引っ越してまだ日は浅い。
この街と人となりを知るにはいい機会だったと、切り替えることにした。
ご近所付き合いも大事だし、ここに住む以上人見知りをしてる場合じゃないし。
まあ、もう来ないだろうと、高を括り眠りについた。
だが、この機会が思わぬ方向に進んでいくのをこの時の私はまだ知らないーー。
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