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6.ユーカリパワー
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えー、三日目になりました。
ユーカリの葉を求めて、今日も狩りに出かけるコアラです。
ユーカリサーチを使いつつ、ステルスの念仏を頭の中で唱えることにも慣れてきた。
スキル以外は全て順調。
どんなところでモンスターが眠っているか分かってきたことが大きい。
その証拠に、一時間ほどで既に三体のモンスターを仕留めているのだから。
さて、お次はっと。
ユーカリサーチを発動すると、赤い点が大量に集中している!
お、おおお。
こいつは……久々に来たな。大物が。
そろりそろりと枝を伝って赤い点に近づいて行く。
いたぞ。
ユーカリのベッドで眠る狼型のモンスターがな。
前回狩った時は、一撃で仕留めることができなくて死にそうな思いをした。
今回はどうかなあ。
危険?
そんなもの、大量のユーカリを前に引っ込むってもんだ。
コアラのユーカリに対する執着心を舐めちゃあいけねえ。
巨体を丸めて眠る狼は、頭を横に向けて眠っている。
前は地面に顎をつけるように眠っていたから、真上からストンといけたんだけど、今回は角度をつけないとダメだな。
焦るな。
観察しろ。
眉間に繋がるコースがあるかどうか、念入りにチェックしなきゃならない。
もし、コースが無いのなら諦めることも必要だ。
欲張ると死に繋がる。
これまでずっと上手くいっているから、今度もいけると勘違いしちゃあいけない。しくじると一撃死する状況は変わってない、と肝に銘じるべき……ユーカリ。
待て待て。
ユーカリに頭が支配されそうだった……。
いかんいかんと首を振り、冷静に周囲を見やる。
お、あそこからなら行けそうだな。
狼を挟んで反対側の枝から斜めに落下すれば、ちょうど眉間に当てれそうだ。
実際に見てみないと確定はできないけど……。
ソロソロと目的の枝に移動し、見下ろす。
よっし。行けそうだ。
槍をアイテムボックスに仕舞い込み、枝にぶら下がる。
ぶらーんぶらーんと勢いをつけ、飛び出す!
槍をアイテムボックスから出し、構える。
――グサリ。
穂先が狼の眉間に深く吸い込まれて行く。
槍の勢いはそれだけで止まらず、地面に突き刺さった。
と同時に狼がビクビクと全身を震わせ、ガクリと首から力が抜ける。
狼は抵抗することもなく、そのまま砂と化した。
「マ、マジか……」
驚きで思わず声を出してしまう。
急ぎ樹上に戻り、周囲を確認しホッと胸を撫でおろす。
俺? 強くなっている?
あれほど頑強に抵抗した狼をものの見事に一撃で仕留め切った。
ここに来て初めてレベルが上がったことを実感したぞ。
といっても、やることは変わらない。
まともにモンスターと対峙して勝てる気がしないのだ。
こんな小さなコアラが、比較的弱いと予想される角が生えた猪と格闘してねじ伏せることができるか?
俺は猪に跳ね飛ばされるビジョンしか浮かばないよ。
さてっと、周囲にモンスターはいないようだし回収するか。
狼はユーカリの葉十枚と牙、直径三センチほどの球体をドロップしていた。
球体は……目玉っぽい……見ないようにしてアイテムボックスに仕舞い込む。
◇◇◇
大量のユーカリの葉を獲得した俺はホクホクしながらも、ステルスを念じる。
おや? いつものメッセージが脳内に浮かばないじゃないか。
ひょっとしてステルスが発動した?
何か変化があるのか確かめないとな。次はいつスキルの発動が成功するのか分からんし。
考える時の癖で顎に手をやろうとした時、すぐに自分の変化に気が付いた。
腕が目視できない。
目だけで自分の足元を見てみると、足も見えず胴体も同じく見えない。
なるほど……ステルスの効果とは自分の体を透明にすることか。
つ、使い辛いな……。
自分の体が見えないから、枝から枝に飛び移る時とか自分の指先を目視できないんだ。
慣れるまでは辛いけど、モノにすればいろんな場面で使えそうではある。
もう一つ確認してみよう。
スンスン。
自分の腕を鼻につけ、ヒクヒクさせてみたら……臭い。獣臭い。
ダメか。匂いは消えない。
自分の腹に手で触れてみたところ、モフモフした感触と体温を感じ取れた。
ステルスでは姿を透明にするだけで、他はそのまんまのようだな。
それなりに目くらましにはなるだろうけど、視覚以外の部分は誤魔化すことができないってわけか。
「把握したところで、次に行くか」
声を出した瞬間に、自分の体が元に戻る。
……。
『スキルの使用に失敗しました』
ですよねええええ。
気を取り直し、次の獲物を探しに行く俺なのであった。
◇◇◇
十五体のモンスターを狩ったところで、今日のところは切り上げることにする。
夜明けまであと一時間くらいってところかなあ(コアラの腹時計による)。
『名前:草薙壮士
種族:コアラ
レベル:40
スキル:有
魔法:有』
レベルは順調に上がっている。だけど、徐々に上がり辛くなってきた印象だ。
レベルが四十になったところで、選択できるスキルが増えた。
新しく増えたスキルはこんな感じ。
『スキルマネンジメント
現在選択可能なスキル一覧
忍び足
ニンジュツ
槍
斧
鎖鎌
エンチャント
死霊魔法
テイム
水泳』
この中から「忍び足」とせっかく槍を使っているので「槍」スキルを修得した。
他にもある。
なんと、ついに固有スキルが増えたんだよ!
『スキル一覧
ユーカリサーチ
ユーカリパワー
ステルス 熟練度 34.2
探索 熟練度 15.4
解剖学 熟練度 12.1
動物学 熟練度 10.1
罠 熟練度 0
魔法 熟練度 0
治療 熟練度 0
道具作成 熟練度 0
忍び足 熟練度 0
槍 熟練度 0』
ユーカリパワー……まだ試してないけど、どんな効果を発揮するのか楽しみだ。
明日の探索で一度使ってみようかな。
少し早いけど、スキルの確認も終わったことだし寝るとしようか。
……。
…………。
目を瞑ったが、スキルのことが気になって眠れない。
夜明けまでまだ時間があるし、覚えたスキルを使ってみよう!
「忍び足」
『スキルの使用に失敗しました』
……。
「槍」
反応が無い。ってことは、ちゃんとスキルが発動しているのか?
スキル一覧を見てみたけど、熟練度が上がっていないじゃねえか。
槍は発動するスキルじゃなくて、槍を使えばあがるのかもしれない。
ラスト。お楽しみの固有スキルを使用してみるとしようか。
熟練度表記の無い固有スキルは、発動失敗が無いはず!
「ユーカリパワー」
な、何にいい。
勝手に手が動き、アイテムボックスから二十枚のユーカリを取り出してしまう。
あ、あああああああ。
ユーカリが緑の粉となって崩れ去り、俺の体に吸い込まれて行く。
なんて酷いスキルなんだと思っていたら、体の奥底から熱を感じ、みるみるうちに俺の全身をが熱くなる。
「こ、これは……」
試しに軽く枝を爪でこすってみると、軽々と枝を切り裂いた。
どうやら、筋力を一時的に引き上げるスキルみたいだけど……ユーカリが勿体無さ過ぎて使うことがためらわれる。
腹も膨れないしさ……。
やっぱりスキルなんて試すもんじゃなかった、とふて寝する。
ユーカリの葉を求めて、今日も狩りに出かけるコアラです。
ユーカリサーチを使いつつ、ステルスの念仏を頭の中で唱えることにも慣れてきた。
スキル以外は全て順調。
どんなところでモンスターが眠っているか分かってきたことが大きい。
その証拠に、一時間ほどで既に三体のモンスターを仕留めているのだから。
さて、お次はっと。
ユーカリサーチを発動すると、赤い点が大量に集中している!
お、おおお。
こいつは……久々に来たな。大物が。
そろりそろりと枝を伝って赤い点に近づいて行く。
いたぞ。
ユーカリのベッドで眠る狼型のモンスターがな。
前回狩った時は、一撃で仕留めることができなくて死にそうな思いをした。
今回はどうかなあ。
危険?
そんなもの、大量のユーカリを前に引っ込むってもんだ。
コアラのユーカリに対する執着心を舐めちゃあいけねえ。
巨体を丸めて眠る狼は、頭を横に向けて眠っている。
前は地面に顎をつけるように眠っていたから、真上からストンといけたんだけど、今回は角度をつけないとダメだな。
焦るな。
観察しろ。
眉間に繋がるコースがあるかどうか、念入りにチェックしなきゃならない。
もし、コースが無いのなら諦めることも必要だ。
欲張ると死に繋がる。
これまでずっと上手くいっているから、今度もいけると勘違いしちゃあいけない。しくじると一撃死する状況は変わってない、と肝に銘じるべき……ユーカリ。
待て待て。
ユーカリに頭が支配されそうだった……。
いかんいかんと首を振り、冷静に周囲を見やる。
お、あそこからなら行けそうだな。
狼を挟んで反対側の枝から斜めに落下すれば、ちょうど眉間に当てれそうだ。
実際に見てみないと確定はできないけど……。
ソロソロと目的の枝に移動し、見下ろす。
よっし。行けそうだ。
槍をアイテムボックスに仕舞い込み、枝にぶら下がる。
ぶらーんぶらーんと勢いをつけ、飛び出す!
槍をアイテムボックスから出し、構える。
――グサリ。
穂先が狼の眉間に深く吸い込まれて行く。
槍の勢いはそれだけで止まらず、地面に突き刺さった。
と同時に狼がビクビクと全身を震わせ、ガクリと首から力が抜ける。
狼は抵抗することもなく、そのまま砂と化した。
「マ、マジか……」
驚きで思わず声を出してしまう。
急ぎ樹上に戻り、周囲を確認しホッと胸を撫でおろす。
俺? 強くなっている?
あれほど頑強に抵抗した狼をものの見事に一撃で仕留め切った。
ここに来て初めてレベルが上がったことを実感したぞ。
といっても、やることは変わらない。
まともにモンスターと対峙して勝てる気がしないのだ。
こんな小さなコアラが、比較的弱いと予想される角が生えた猪と格闘してねじ伏せることができるか?
俺は猪に跳ね飛ばされるビジョンしか浮かばないよ。
さてっと、周囲にモンスターはいないようだし回収するか。
狼はユーカリの葉十枚と牙、直径三センチほどの球体をドロップしていた。
球体は……目玉っぽい……見ないようにしてアイテムボックスに仕舞い込む。
◇◇◇
大量のユーカリの葉を獲得した俺はホクホクしながらも、ステルスを念じる。
おや? いつものメッセージが脳内に浮かばないじゃないか。
ひょっとしてステルスが発動した?
何か変化があるのか確かめないとな。次はいつスキルの発動が成功するのか分からんし。
考える時の癖で顎に手をやろうとした時、すぐに自分の変化に気が付いた。
腕が目視できない。
目だけで自分の足元を見てみると、足も見えず胴体も同じく見えない。
なるほど……ステルスの効果とは自分の体を透明にすることか。
つ、使い辛いな……。
自分の体が見えないから、枝から枝に飛び移る時とか自分の指先を目視できないんだ。
慣れるまでは辛いけど、モノにすればいろんな場面で使えそうではある。
もう一つ確認してみよう。
スンスン。
自分の腕を鼻につけ、ヒクヒクさせてみたら……臭い。獣臭い。
ダメか。匂いは消えない。
自分の腹に手で触れてみたところ、モフモフした感触と体温を感じ取れた。
ステルスでは姿を透明にするだけで、他はそのまんまのようだな。
それなりに目くらましにはなるだろうけど、視覚以外の部分は誤魔化すことができないってわけか。
「把握したところで、次に行くか」
声を出した瞬間に、自分の体が元に戻る。
……。
『スキルの使用に失敗しました』
ですよねええええ。
気を取り直し、次の獲物を探しに行く俺なのであった。
◇◇◇
十五体のモンスターを狩ったところで、今日のところは切り上げることにする。
夜明けまであと一時間くらいってところかなあ(コアラの腹時計による)。
『名前:草薙壮士
種族:コアラ
レベル:40
スキル:有
魔法:有』
レベルは順調に上がっている。だけど、徐々に上がり辛くなってきた印象だ。
レベルが四十になったところで、選択できるスキルが増えた。
新しく増えたスキルはこんな感じ。
『スキルマネンジメント
現在選択可能なスキル一覧
忍び足
ニンジュツ
槍
斧
鎖鎌
エンチャント
死霊魔法
テイム
水泳』
この中から「忍び足」とせっかく槍を使っているので「槍」スキルを修得した。
他にもある。
なんと、ついに固有スキルが増えたんだよ!
『スキル一覧
ユーカリサーチ
ユーカリパワー
ステルス 熟練度 34.2
探索 熟練度 15.4
解剖学 熟練度 12.1
動物学 熟練度 10.1
罠 熟練度 0
魔法 熟練度 0
治療 熟練度 0
道具作成 熟練度 0
忍び足 熟練度 0
槍 熟練度 0』
ユーカリパワー……まだ試してないけど、どんな効果を発揮するのか楽しみだ。
明日の探索で一度使ってみようかな。
少し早いけど、スキルの確認も終わったことだし寝るとしようか。
……。
…………。
目を瞑ったが、スキルのことが気になって眠れない。
夜明けまでまだ時間があるし、覚えたスキルを使ってみよう!
「忍び足」
『スキルの使用に失敗しました』
……。
「槍」
反応が無い。ってことは、ちゃんとスキルが発動しているのか?
スキル一覧を見てみたけど、熟練度が上がっていないじゃねえか。
槍は発動するスキルじゃなくて、槍を使えばあがるのかもしれない。
ラスト。お楽しみの固有スキルを使用してみるとしようか。
熟練度表記の無い固有スキルは、発動失敗が無いはず!
「ユーカリパワー」
な、何にいい。
勝手に手が動き、アイテムボックスから二十枚のユーカリを取り出してしまう。
あ、あああああああ。
ユーカリが緑の粉となって崩れ去り、俺の体に吸い込まれて行く。
なんて酷いスキルなんだと思っていたら、体の奥底から熱を感じ、みるみるうちに俺の全身をが熱くなる。
「こ、これは……」
試しに軽く枝を爪でこすってみると、軽々と枝を切り裂いた。
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