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50.なんか出た
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「覚醒の効果が思った以上だった。覚醒中に得た知識は既に飛んでしまったけど」
「そうだったんですか! てっきり全てを知っているのだと思っていました」
「既に何でスケルタルドレイクを倒せたのかも分からん……」
「そ、そうですか……で、でも、倒せたんですから!」
「だな」
ヒラヒラ舞う笹がコレットの頭に落下した。
彼女の肩や俺の頭にも。
笹が舞う風景は美しいと言えるが、何でこんなに笹が大量にここにあるんだ?
さっきまで無かったよな。
ここで俺はあることを思い出す。
「スケルタルドレイクはエリアボスである」ってことを。
「パンダああああ! 報酬を笹に変えやがったなあああ!」
「ま、待ってください。コアラさん。怪我無く無事に倒せたんですし」
「離せ、コレット。そこで笹を喰っているふてえ野郎を仕留めないと気が済まない」
「だ、ダメですう。パンダさんも頑張ったじゃないですか」
「うがあああ」
「あ、コアラさん、何か落ちてますよ。古びた本みたいですけど」
「そんなことで俺が誤魔化されるとでも……」
コレットが俺を逃さぬよう抱きしめたまま、本とやらの前で膝を曲げしゃがみ込む。
何か不気味な装丁の本だなあ。
赤黒いザラついた皮のような素材でできていて、中央に髑髏が鍵を咥えたレリーフが刻まれている。
「グリモワールというそうですよ」
「待て、コレット。それに触れるな」
「は、はい」
「名前だけコーデックスに聞いたのか? 聞ける限り詳しい情報を集めてくれ」
「わ、分かりました……確かに不気味な見た目ですものね」
うん。
この本――グリモワールだったか。
とっても危険な空気を感じるんだ。触れると呪われたりしないか心配でな。
「コ、コアラさん……このアイテム……」
「どうした?」
「秘宝です!」
「ほう?」
「『ほう』じゃありませんよ! 秘宝ですよ! 秘宝!」
興奮した様子でコレットが俺のほっぺをむにゅーっとしてくるが、俺にとってユーカリ以外は等しく無価値なのだ。
秘宝だろうがドロップアイテムだろうが、変わらない。
そんなことより、コーデックスにちゃんと聞けたのかな?
「それ、触れても大丈夫なのか?」
「危険みたいです。アンデッド化するかもしれません」
「うーん、放置するわけにもいかねえし、ワーンベイダーに何とかしてもらえないか頼んでみるか」
「で、ですね。これは手に余ります」
つっても、ここにこのまま放置していて、またスケルタルドレイクが出て来たらたまらん。
「あ、あのお……」
「ん? どうした?」
「わたし、喋ってません」
あれ?
さっきの声、コレットじゃないとすると誰だ?
「あ、あのお……」
「コ、コアラさん! リスが喋ってます!」
「ん?」
コレットがその場で立ち上がり、俺をぎゅうっと抱きしめる。
だから、痛いってば。
どれどれ。
ほう。リスとな。これはリスには見えないけど、異世界ではリスって言うのか?
「どうした? 唐突に話かけてきて」
こちらから話しかけると、びくううっと全身を震わせて茂みに隠れてしまった。
「こっちに攻撃の意思はない。そもそも、そっちから話しかけてきたんじゃないか」
「び、びば……」
ひょっこりと首だけ出した小動物は、地球で言うところのカワウソそっくりだ。
ただ、地球産と違って毛皮が真っ黒だけど。
「で、喋るカワウソが何の用だ?」
「た、助けて欲しいびば」
「助けるって唐突だな」
首を捻ると、コレットが突然叫ぶ。
「カワウソさん、アンデッドですよ!」
「へえ」
「『へえ』って、コアラさん、アンデッドなんですよ!」
「いや、まあ、アンデッドだろうがそうじゃなかろうが、他のモンスターを襲わないんだったらどっちでもいい」
「コアラさんらしいです」
ふむふむ。
コレットの腕からスルリと抜け出し、地面に降り立つ。
「それで、アンデッドなカワウソが俺に何をして欲しいんだ?」
「うそを元に戻して欲しいびば」
「元にって……アンデッドが元に戻れるもんなのか?」
「秘宝『世界樹』の元まで連れて行って欲しいびば。そこでどんな状態でも治療できる霊薬があると」
「うーん。余り興味が」
「世界樹はどんな実でもつけることができると聞くびば」
「それって、葉も含めてか?」
「そうびば」
「分かった。行こう。世界樹」
「コ、コアラさん……」
呆れたように天を仰ぐコレットだったが、行くに決まってるだろ。
世界樹とやらは、ユーカリの葉をつける。
なら、そこで俺の夢「ユーカリパラダイス」を実現できるじゃあないか。
「じゃあ、今すぐ案内してくれ」
「……場所は正確にはわからないびば……」
「なんとなくなら分かるのか?」
「世界樹はこの世で最も生気を放っているびば。アンデッドであるうそなら、感じ取れるびば」
「分かった。一緒に行こうか」
「ありがとうびば!」
よしよし、のんびりスローライフが見えて来たぞ。
ん、コレット。またしても俺を抱き上げてどういうつもりだ?
「話が唐突過ぎます! グリモワールはどうするんですか? それにカワウソさんがどうしてここにいるのかとか気にならないんですか?」
「細かいことは気にするもんじゃあない。だが、グリモワールは何とかしときたいな」
ここがアンデッドの森になったら困るし、そもそもの目的はこの地からアンデッドを無くすためだった。
「それなら、うそが持てるびば。アンデッドだから平気びば」
「そうか。よっし、解決したぞ。コレット」
コレットがすぐに突っ込みを入れる。
「ふ、封印とかできないんですか? 道すがらモンスターがアンデッド化とかしたら嫌です……」
「その可能性もあるか」
グリモワールはモンスターや人間をアンデッドに変えてしまう能力を持つ。
人間の場合は生死問わずぽいから、いろいろ危ないアイテムであることは確かだ。
秘宝っていうから役に立つものばっかりと思っていたけど、こいつはとんだ厄介者だよ。
「笹を回収したら、街に向かおう」
「はい!」
未だむしゃむしゃしているパンダが次の笹へ手を伸ばしたところで、アイテムボックスにその笹を仕舞い込む。
ははは。ざまあみろ。
『パンダは笹が食べたいようです』
脳内に抗議のメッセージが流れるが、無視してするすると大木の幹を登る。
◇◇◇
道中、カワウソの身の上話を聞いていると、こいつもいろいろ苦労したんだなあと思った。
カワウソは家族単位で巣を作って住んでいるらしく、野原や川で餌を取って幸せに暮らしていたそうだ。
時にビーバーとの縄張り争いなんてものもあったらしいが、概ね戦闘とは無縁で平和なものだった。
しかし、グリモワールが発見されてから事態が一変する。
グリモワールは人から人に渡り、所持者が滅しても消えることはない。
自らをアンデッド化し、強大な力を振るおうとする者もかつてはいたそうだが、ここ五十年間はとんとグリモワールの話は聞かなくなったという(コレット情報)。
先ほども述べたが、グリモワールは消えてなくなることはない。
権力とか力を振るうとかの意思がないモンスターがたまたまグリモワールを踏んづけたとしよう。その場合、そのモンスターがアンデッド化して、グリモワールを所持することになる。
グリモワールを所持するモンスターに触れると、アンデッド化してしまう。更にそいつを倒したとしても、グリモワールがドロップする。
こうしてグリモワール被害が拡大していったってわけだ。
カワウソの集落にもグリモワールが訪れ、アンデッド化の地獄絵図となってしまった。
多くはアンデッドとしての本源的な意思に抗らうことができず、生者を追い求め、襲い掛かるだけの存在になってしまう。
俺の元に来たカワウソのような例外的な者はいるにはいるが、極一部だけとのこと。
まあ、そうだよな。
人間の場合、アンデッド化して自分の意思が無くなってしまえば使おうとするものなんていない。
もっとも、カワウソと違って権力者は自分の意思を保てるようなんらかの儀式なり魔法なり使うんだろうけど……。
「そうだったんですか! てっきり全てを知っているのだと思っていました」
「既に何でスケルタルドレイクを倒せたのかも分からん……」
「そ、そうですか……で、でも、倒せたんですから!」
「だな」
ヒラヒラ舞う笹がコレットの頭に落下した。
彼女の肩や俺の頭にも。
笹が舞う風景は美しいと言えるが、何でこんなに笹が大量にここにあるんだ?
さっきまで無かったよな。
ここで俺はあることを思い出す。
「スケルタルドレイクはエリアボスである」ってことを。
「パンダああああ! 報酬を笹に変えやがったなあああ!」
「ま、待ってください。コアラさん。怪我無く無事に倒せたんですし」
「離せ、コレット。そこで笹を喰っているふてえ野郎を仕留めないと気が済まない」
「だ、ダメですう。パンダさんも頑張ったじゃないですか」
「うがあああ」
「あ、コアラさん、何か落ちてますよ。古びた本みたいですけど」
「そんなことで俺が誤魔化されるとでも……」
コレットが俺を逃さぬよう抱きしめたまま、本とやらの前で膝を曲げしゃがみ込む。
何か不気味な装丁の本だなあ。
赤黒いザラついた皮のような素材でできていて、中央に髑髏が鍵を咥えたレリーフが刻まれている。
「グリモワールというそうですよ」
「待て、コレット。それに触れるな」
「は、はい」
「名前だけコーデックスに聞いたのか? 聞ける限り詳しい情報を集めてくれ」
「わ、分かりました……確かに不気味な見た目ですものね」
うん。
この本――グリモワールだったか。
とっても危険な空気を感じるんだ。触れると呪われたりしないか心配でな。
「コ、コアラさん……このアイテム……」
「どうした?」
「秘宝です!」
「ほう?」
「『ほう』じゃありませんよ! 秘宝ですよ! 秘宝!」
興奮した様子でコレットが俺のほっぺをむにゅーっとしてくるが、俺にとってユーカリ以外は等しく無価値なのだ。
秘宝だろうがドロップアイテムだろうが、変わらない。
そんなことより、コーデックスにちゃんと聞けたのかな?
「それ、触れても大丈夫なのか?」
「危険みたいです。アンデッド化するかもしれません」
「うーん、放置するわけにもいかねえし、ワーンベイダーに何とかしてもらえないか頼んでみるか」
「で、ですね。これは手に余ります」
つっても、ここにこのまま放置していて、またスケルタルドレイクが出て来たらたまらん。
「あ、あのお……」
「ん? どうした?」
「わたし、喋ってません」
あれ?
さっきの声、コレットじゃないとすると誰だ?
「あ、あのお……」
「コ、コアラさん! リスが喋ってます!」
「ん?」
コレットがその場で立ち上がり、俺をぎゅうっと抱きしめる。
だから、痛いってば。
どれどれ。
ほう。リスとな。これはリスには見えないけど、異世界ではリスって言うのか?
「どうした? 唐突に話かけてきて」
こちらから話しかけると、びくううっと全身を震わせて茂みに隠れてしまった。
「こっちに攻撃の意思はない。そもそも、そっちから話しかけてきたんじゃないか」
「び、びば……」
ひょっこりと首だけ出した小動物は、地球で言うところのカワウソそっくりだ。
ただ、地球産と違って毛皮が真っ黒だけど。
「で、喋るカワウソが何の用だ?」
「た、助けて欲しいびば」
「助けるって唐突だな」
首を捻ると、コレットが突然叫ぶ。
「カワウソさん、アンデッドですよ!」
「へえ」
「『へえ』って、コアラさん、アンデッドなんですよ!」
「いや、まあ、アンデッドだろうがそうじゃなかろうが、他のモンスターを襲わないんだったらどっちでもいい」
「コアラさんらしいです」
ふむふむ。
コレットの腕からスルリと抜け出し、地面に降り立つ。
「それで、アンデッドなカワウソが俺に何をして欲しいんだ?」
「うそを元に戻して欲しいびば」
「元にって……アンデッドが元に戻れるもんなのか?」
「秘宝『世界樹』の元まで連れて行って欲しいびば。そこでどんな状態でも治療できる霊薬があると」
「うーん。余り興味が」
「世界樹はどんな実でもつけることができると聞くびば」
「それって、葉も含めてか?」
「そうびば」
「分かった。行こう。世界樹」
「コ、コアラさん……」
呆れたように天を仰ぐコレットだったが、行くに決まってるだろ。
世界樹とやらは、ユーカリの葉をつける。
なら、そこで俺の夢「ユーカリパラダイス」を実現できるじゃあないか。
「じゃあ、今すぐ案内してくれ」
「……場所は正確にはわからないびば……」
「なんとなくなら分かるのか?」
「世界樹はこの世で最も生気を放っているびば。アンデッドであるうそなら、感じ取れるびば」
「分かった。一緒に行こうか」
「ありがとうびば!」
よしよし、のんびりスローライフが見えて来たぞ。
ん、コレット。またしても俺を抱き上げてどういうつもりだ?
「話が唐突過ぎます! グリモワールはどうするんですか? それにカワウソさんがどうしてここにいるのかとか気にならないんですか?」
「細かいことは気にするもんじゃあない。だが、グリモワールは何とかしときたいな」
ここがアンデッドの森になったら困るし、そもそもの目的はこの地からアンデッドを無くすためだった。
「それなら、うそが持てるびば。アンデッドだから平気びば」
「そうか。よっし、解決したぞ。コレット」
コレットがすぐに突っ込みを入れる。
「ふ、封印とかできないんですか? 道すがらモンスターがアンデッド化とかしたら嫌です……」
「その可能性もあるか」
グリモワールはモンスターや人間をアンデッドに変えてしまう能力を持つ。
人間の場合は生死問わずぽいから、いろいろ危ないアイテムであることは確かだ。
秘宝っていうから役に立つものばっかりと思っていたけど、こいつはとんだ厄介者だよ。
「笹を回収したら、街に向かおう」
「はい!」
未だむしゃむしゃしているパンダが次の笹へ手を伸ばしたところで、アイテムボックスにその笹を仕舞い込む。
ははは。ざまあみろ。
『パンダは笹が食べたいようです』
脳内に抗議のメッセージが流れるが、無視してするすると大木の幹を登る。
◇◇◇
道中、カワウソの身の上話を聞いていると、こいつもいろいろ苦労したんだなあと思った。
カワウソは家族単位で巣を作って住んでいるらしく、野原や川で餌を取って幸せに暮らしていたそうだ。
時にビーバーとの縄張り争いなんてものもあったらしいが、概ね戦闘とは無縁で平和なものだった。
しかし、グリモワールが発見されてから事態が一変する。
グリモワールは人から人に渡り、所持者が滅しても消えることはない。
自らをアンデッド化し、強大な力を振るおうとする者もかつてはいたそうだが、ここ五十年間はとんとグリモワールの話は聞かなくなったという(コレット情報)。
先ほども述べたが、グリモワールは消えてなくなることはない。
権力とか力を振るうとかの意思がないモンスターがたまたまグリモワールを踏んづけたとしよう。その場合、そのモンスターがアンデッド化して、グリモワールを所持することになる。
グリモワールを所持するモンスターに触れると、アンデッド化してしまう。更にそいつを倒したとしても、グリモワールがドロップする。
こうしてグリモワール被害が拡大していったってわけだ。
カワウソの集落にもグリモワールが訪れ、アンデッド化の地獄絵図となってしまった。
多くはアンデッドとしての本源的な意思に抗らうことができず、生者を追い求め、襲い掛かるだけの存在になってしまう。
俺の元に来たカワウソのような例外的な者はいるにはいるが、極一部だけとのこと。
まあ、そうだよな。
人間の場合、アンデッド化して自分の意思が無くなってしまえば使おうとするものなんていない。
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