13 / 44
13.蹴散らせ
しおりを挟む
唸り声をあげて今にもとびかかってこようとするディンダロスたちをけん制しつつ、イブロはクロエに向けて叫ぶ。
「クロエ、お前さんだけが残るのは無しだ。この先、他にディンダロスがいないってんなら、お前さんとソルに先に行ってもらうんだがな」
「……冷静に思考していたつもりが……とんだ見落としでした。申し訳ありません。イブロさん」
クロエは目前に危険が迫っているというのに、背筋を伸ばし綺麗な礼を行う。
なるほど、こいつらを前にしても怖気つくことはないようだな。イブロは感心し、首をゴキゴキと鳴らす。
そうなのだ。庭に六匹もいるのなら、館の中にもいると考える方が自然だ。下手に別れるよりは、全力を持って迅速に排除する方が確実かつ早いとイブロは考える。
「ソル……下がっていろ。こいつらは俺が……やる」
しかしソルは下がろうとしない。こいつは俺の獲物だと言わんばかりにディンダロスたちを睨みつける。
全く……イブロは肩を竦め、前を向く。
「怪我すんじゃねえぞお。ソル、一緒にやるぞ!」
「敵はディンダロスです。それが分からぬイブロさんでは……」
「分かっているさ。問題ない」
イブロは身の丈ほどもあるダマスク鋼の棒を振りかぶると何かを待つように膝を落としギリギリと腕に力を込めた。
次の瞬間、ソルが耳をつんざくような咆哮をあげビリビリとディンダロスたちを揺らす。
その時には既にイブロがディンダロスのうち一匹へダマスク鋼の棒を振り下ろしており、不意を突かれたディンダロスは反応をする間もなく頭を叩き潰されてしまった。
「……な、なんという。あの硬いディンダロスの頭を……」
クロエの驚きの声。
イブロの武器の真骨頂は重さにある。ミスリル製のガーゴイルでさえ、イブロの攻撃で削られたのだ。それが硬い毛皮や頭蓋に覆われているとはいえ、所詮は生物。イブロに砕けぬはずがない。
突然のことに浮足立つディンダロス達をよそにイブロは体を駒のように回転させ、その勢いを持って更に一匹仕留めた。
これで残り四匹。
しかし、ここからは奇襲が通じない。
四匹に囲まれたならいかなイブロとはいえ苦戦は必須。しかし、一匹へソルが躍りかかると激しい格闘戦に突入した。
「イブロさん、一匹は私が」
「ありがてえ。二匹なら……」
余力を残して倒し切れるはずだ。イブロは残った二匹と対峙する。
こいつらが処刑人のペットならば、俺は何とも思わなかっただろう。彼らとて仕事でやっているだけなのだ。恨みも買うし、身を守るにこいつらは最適だということも分かる。
しかし……ここにいるディンダロスは違う。
誰だか知らねえが、これだけの数を育てることができるほどの人肉を調達したに違いない。少女を浚い何をするのか想像をしたくもないが、犠牲者の最期はディンダロスの餌になっていることは容易に推測できた。
反吐が出る。
イブロは正義感の強い方ではない。むしろ、そういった面倒なことを嫌う。しかし彼はこれまで二度、自らの責で友人の命を失っている。
その経験が、彼を憤らせるのだ。好き好んでディンダロスを育てるような輩に対して。
ディンダロスはただの獣ではない。雷獣のように高い知性を持つそれらはイブロが手ごわいとみるや、左右に分かれ息をそろえて同時に彼をかぎ爪で引き裂かんと飛び掛かる。
それに対しイブロはその場で腰を落とし両手を高くあげ……しかとダマスク鋼の棒を握りしめ体を思いっきり捻った。
迫るディンダロス。その鼻っ面をダマスク鋼の棒がうなりをあげて強打する。その間にももう一方のディンダロスがかぎ爪を振るってくる。しかし、風車のように回転したダマスク鋼の棒がもう一方のディンダロスを額から押しつぶしたのだった。
倒れ伏す二匹のディンダロスを見下ろすイブロの顔はすぐれない。無理して体を酷使し捻ったため、腰がギシギシと悲鳴をあげているからだ。
ソルとクロエはどうなった……? イブロは腰をさすりながらも首を回し一人と一匹の様子を確かめる。
ソルはというと、野獣同士の戦いとはこうだと如実に示すものとなっていた。ディンダロスは固い皮膚と鋭い爪を持つ耐久型のパワーファイター。それに対し雷獣はスピード。それに尽きる。
イブロからディンダロスを引き離したソルは圧倒的なスピードを持ってディンダロスの前から消えた。いや、消えたように見えた。
彼は目に見えぬくらいの速度で手近な木に登っていたのだ。
視界から消えたソルを探し唸り声をあげるディンダロスが首をあげたその時……
――風が横切った。
落ちるディンダロスの首。
華麗に着地するソルはフンと顎をあげ、どうだとばかりにイブロを見やる。
いかな硬い皮膚と毛皮を誇るディンダロスとはいえ、空から勢いをつけた雷獣の一撃を耐えることはできなかったようだった。
一方のクロエは独特の足音を立てぬ歩法を駆使し、ディンダロスの爪を避けつつ一撃を加える。既に数度、ディンダロスを切りつけているがその表皮を傷つけることがかなわずにいた。
元々クロエの暗器であるサイを使った格闘法は対人戦に特化したものなのだ。彼の任務は悪漢からお嬢様を護ること。となれば、彼の想定する敵とは「人間」になる。それ故極めた格闘術。
もちろん、モンスター相手であっても他の者に引けを取ることなどないのだが……ディンダロスの硬さとは相性が悪い。
「傷がつかないのでしたら……傷がつくところを刺すだけです……」
クロエは秀麗な顔に微笑を浮かべ、上半身を後ろに逸らす。そこを駆け抜けるディンダロスの爪。
交差すること数度、クロエの頭脳はディンダロスの動きの解析を完全に終えていた。クロエには手に取るようにディンダロスの動きが見える。予測できる。
故に、次に奴が来るのはここだ。クロエは右腕を鞭のようにしならせてサイを振るう。
そこへディンダロスが飛び込んできて、そのまま吸い込まれるようにサイが獣の目に突き刺さった。
絶叫をあげるディンダロスへクロエは冷静にもう一方の目にサイを突き立て止めを刺す。
彼は仕事は終わったとばかりに華麗に背筋を伸ばすと、メガネを指先でクイっとあげ踵を返したのだった。
「終わったようだな……」
全てのディンダロスを倒し終え、イブロの元に集まるソルとクロエ。
「イブロさん、イブロさんほど強い方を見たのは初めてです」
クロエはサイを懐に仕舞い込み、上品に胸へ手をあてイブロを称賛するように会釈をする。
「相性が良かっただけさ」
「しかし、イブロさん」
クロエがソルへ目を向ける。ソルはもう準備はできたとばかりに、腰を落とし待ち構えているではないか。
「あ、いや」
「一刻を争います。どうぞ」
「仕方ねえ……」
イブロは渋々ソルへまたがるのだった。
庭にはもう敵はいないようで、ソルに導かれ彼らは館の前までたどり着く。
間近で見る洋館は遠くから見る以上に荒れ果てた様子が見て取れた。本当にここに住んでいる者がいるのか疑わしいくらいに……。
そこら中に蜘蛛の巣が張り巡らされ、蔦が絡まり放題、ところどころ朽ちて崩れ落ちた箇所も見受けられる。
ただ、入り口の鉄の扉だけは固く閉められており、扉に埃はかぶっていない。つまり、長らく開かずの扉になってはいないということだ。
「いくぞ」
イブロはソルから降りると、一人と一匹へ声をかける。
無事でいてくれよ……イブロはそう祈りながら重い鉄の扉を開けるのだった。
「クロエ、お前さんだけが残るのは無しだ。この先、他にディンダロスがいないってんなら、お前さんとソルに先に行ってもらうんだがな」
「……冷静に思考していたつもりが……とんだ見落としでした。申し訳ありません。イブロさん」
クロエは目前に危険が迫っているというのに、背筋を伸ばし綺麗な礼を行う。
なるほど、こいつらを前にしても怖気つくことはないようだな。イブロは感心し、首をゴキゴキと鳴らす。
そうなのだ。庭に六匹もいるのなら、館の中にもいると考える方が自然だ。下手に別れるよりは、全力を持って迅速に排除する方が確実かつ早いとイブロは考える。
「ソル……下がっていろ。こいつらは俺が……やる」
しかしソルは下がろうとしない。こいつは俺の獲物だと言わんばかりにディンダロスたちを睨みつける。
全く……イブロは肩を竦め、前を向く。
「怪我すんじゃねえぞお。ソル、一緒にやるぞ!」
「敵はディンダロスです。それが分からぬイブロさんでは……」
「分かっているさ。問題ない」
イブロは身の丈ほどもあるダマスク鋼の棒を振りかぶると何かを待つように膝を落としギリギリと腕に力を込めた。
次の瞬間、ソルが耳をつんざくような咆哮をあげビリビリとディンダロスたちを揺らす。
その時には既にイブロがディンダロスのうち一匹へダマスク鋼の棒を振り下ろしており、不意を突かれたディンダロスは反応をする間もなく頭を叩き潰されてしまった。
「……な、なんという。あの硬いディンダロスの頭を……」
クロエの驚きの声。
イブロの武器の真骨頂は重さにある。ミスリル製のガーゴイルでさえ、イブロの攻撃で削られたのだ。それが硬い毛皮や頭蓋に覆われているとはいえ、所詮は生物。イブロに砕けぬはずがない。
突然のことに浮足立つディンダロス達をよそにイブロは体を駒のように回転させ、その勢いを持って更に一匹仕留めた。
これで残り四匹。
しかし、ここからは奇襲が通じない。
四匹に囲まれたならいかなイブロとはいえ苦戦は必須。しかし、一匹へソルが躍りかかると激しい格闘戦に突入した。
「イブロさん、一匹は私が」
「ありがてえ。二匹なら……」
余力を残して倒し切れるはずだ。イブロは残った二匹と対峙する。
こいつらが処刑人のペットならば、俺は何とも思わなかっただろう。彼らとて仕事でやっているだけなのだ。恨みも買うし、身を守るにこいつらは最適だということも分かる。
しかし……ここにいるディンダロスは違う。
誰だか知らねえが、これだけの数を育てることができるほどの人肉を調達したに違いない。少女を浚い何をするのか想像をしたくもないが、犠牲者の最期はディンダロスの餌になっていることは容易に推測できた。
反吐が出る。
イブロは正義感の強い方ではない。むしろ、そういった面倒なことを嫌う。しかし彼はこれまで二度、自らの責で友人の命を失っている。
その経験が、彼を憤らせるのだ。好き好んでディンダロスを育てるような輩に対して。
ディンダロスはただの獣ではない。雷獣のように高い知性を持つそれらはイブロが手ごわいとみるや、左右に分かれ息をそろえて同時に彼をかぎ爪で引き裂かんと飛び掛かる。
それに対しイブロはその場で腰を落とし両手を高くあげ……しかとダマスク鋼の棒を握りしめ体を思いっきり捻った。
迫るディンダロス。その鼻っ面をダマスク鋼の棒がうなりをあげて強打する。その間にももう一方のディンダロスがかぎ爪を振るってくる。しかし、風車のように回転したダマスク鋼の棒がもう一方のディンダロスを額から押しつぶしたのだった。
倒れ伏す二匹のディンダロスを見下ろすイブロの顔はすぐれない。無理して体を酷使し捻ったため、腰がギシギシと悲鳴をあげているからだ。
ソルとクロエはどうなった……? イブロは腰をさすりながらも首を回し一人と一匹の様子を確かめる。
ソルはというと、野獣同士の戦いとはこうだと如実に示すものとなっていた。ディンダロスは固い皮膚と鋭い爪を持つ耐久型のパワーファイター。それに対し雷獣はスピード。それに尽きる。
イブロからディンダロスを引き離したソルは圧倒的なスピードを持ってディンダロスの前から消えた。いや、消えたように見えた。
彼は目に見えぬくらいの速度で手近な木に登っていたのだ。
視界から消えたソルを探し唸り声をあげるディンダロスが首をあげたその時……
――風が横切った。
落ちるディンダロスの首。
華麗に着地するソルはフンと顎をあげ、どうだとばかりにイブロを見やる。
いかな硬い皮膚と毛皮を誇るディンダロスとはいえ、空から勢いをつけた雷獣の一撃を耐えることはできなかったようだった。
一方のクロエは独特の足音を立てぬ歩法を駆使し、ディンダロスの爪を避けつつ一撃を加える。既に数度、ディンダロスを切りつけているがその表皮を傷つけることがかなわずにいた。
元々クロエの暗器であるサイを使った格闘法は対人戦に特化したものなのだ。彼の任務は悪漢からお嬢様を護ること。となれば、彼の想定する敵とは「人間」になる。それ故極めた格闘術。
もちろん、モンスター相手であっても他の者に引けを取ることなどないのだが……ディンダロスの硬さとは相性が悪い。
「傷がつかないのでしたら……傷がつくところを刺すだけです……」
クロエは秀麗な顔に微笑を浮かべ、上半身を後ろに逸らす。そこを駆け抜けるディンダロスの爪。
交差すること数度、クロエの頭脳はディンダロスの動きの解析を完全に終えていた。クロエには手に取るようにディンダロスの動きが見える。予測できる。
故に、次に奴が来るのはここだ。クロエは右腕を鞭のようにしならせてサイを振るう。
そこへディンダロスが飛び込んできて、そのまま吸い込まれるようにサイが獣の目に突き刺さった。
絶叫をあげるディンダロスへクロエは冷静にもう一方の目にサイを突き立て止めを刺す。
彼は仕事は終わったとばかりに華麗に背筋を伸ばすと、メガネを指先でクイっとあげ踵を返したのだった。
「終わったようだな……」
全てのディンダロスを倒し終え、イブロの元に集まるソルとクロエ。
「イブロさん、イブロさんほど強い方を見たのは初めてです」
クロエはサイを懐に仕舞い込み、上品に胸へ手をあてイブロを称賛するように会釈をする。
「相性が良かっただけさ」
「しかし、イブロさん」
クロエがソルへ目を向ける。ソルはもう準備はできたとばかりに、腰を落とし待ち構えているではないか。
「あ、いや」
「一刻を争います。どうぞ」
「仕方ねえ……」
イブロは渋々ソルへまたがるのだった。
庭にはもう敵はいないようで、ソルに導かれ彼らは館の前までたどり着く。
間近で見る洋館は遠くから見る以上に荒れ果てた様子が見て取れた。本当にここに住んでいる者がいるのか疑わしいくらいに……。
そこら中に蜘蛛の巣が張り巡らされ、蔦が絡まり放題、ところどころ朽ちて崩れ落ちた箇所も見受けられる。
ただ、入り口の鉄の扉だけは固く閉められており、扉に埃はかぶっていない。つまり、長らく開かずの扉になってはいないということだ。
「いくぞ」
イブロはソルから降りると、一人と一匹へ声をかける。
無事でいてくれよ……イブロはそう祈りながら重い鉄の扉を開けるのだった。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる