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6.拝啓、食器なるものを作ってみました
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その日の晩――。
『すたーたす
クラフト 熟練度9
採集 熟練度6
釣り 熟練度12
今日の成果 いっぱい釣りをしたよ』
カピーが投影してくれた「すたーたす」を眺め、熟練度の確かな伸びに手ごたえを感じる。
結構釣りをやったもんなあ。熟練度が一気にトップに躍り出た。
『デイリーガチャを引きますか?』
「うん」
『どこどこどこどーん』
さて今回は何が出るかな。
お、これは使える。
出てきたのは園芸用のスコップだった。
素手で土を掘り起こすのは大変だけど、小さくてもスコップがあれば大助かりだ。
なら、明日はさっそくスコップを使ってみようかな。
用が済んだとばかりに、ベッドの下で寝そべるカピーを両手で掴み上げてみる。
お、案外軽い。そのまま枕元に彼を置くとそのままベッドに顎をつけ目を瞑った。
「おやすみ。カピー」
「きゅっ」
顎を撫でると、可愛らしく鳴くカビーに癒される。
◇◇◇
――四日目。
軒先に吊るしておいた魚のチェックをしつつ、大きく伸びをするところから今日が始まった。
魚の捌き方なんて知らかなったけど、クラフトの特性でオートだったのだ。
クラフトという名前からして日曜大工的なところをカバーするのかと思いきや、料理にまで応用がきくなんて恐れ入った。
ありがたい。ありがたい。
釣りとクラフトの特性には足を向けて寝れないな。うん。
小魚は小骨をとって食べてしまったのだけど、ウツボは燻製にしてみたのだ。燻製のやり方も分からなかったけど、そこはクラフトパワーである。
万能なクラフトの特性だけど、僕の想像力が乏しいため、そこがボトルネックになっていた。
燻製だったら、写真で見たうろ覚えの知識だけで何となく煙でいぶしそれなりのものが出来上がったのだけど……ちゃんと保存食になっているのか不明。
クラフトは頭の中で思い描いたモノを形にしてくれる。恐らく熟練度によって限界があるのだと思う。
何が言いたいのかというと、僕の想像の範囲でしかモノを作ることができないってことさ。
病弱でアウトドアなんてやっていなかった僕にあるのは、本で読んだり写真で見た知識でしかない。
それでも、大いに僕の助けになっているのだけどね。
凶悪な顔をしたウツボも捌いて干していたら、スーパーで売っているウナギのような見た目になっている。
クラフトの特性で火起こしをして、ウツボの燻製を焙って朝食とした。
そのころになるとカピーも家の外まで出て来たけど、ウツボには興味がないらしい。
「いただきまーす」
もっしゃもっしゃ。
塩はないけど、海水で浸して燻製にしたから塩味がきいていてなかなかいける。
そういや、魚って燻製にするよりは一夜干しだっけ? 名前からして、開いて天日に干すのかな?
燻製と一夜干しとどっちが長持ちするのか分からん。次回は天日干しにも挑戦してみよう。
「ごちそうさま。カピー。果物をとってくるよ。ちょっとばかし待っててくれ」
四日目ともなると慣れたもので、ほんの30分ほどでスモモとコケモモを採取して戻って来る。
そのまま寝そべるカピーの近くに置くと、すぐに彼がもっちゃもっちゃやり始めた。
今日は他にやりたいことがあるから、ちゃっちゃと釣りを済ませてしまおう。
釣りだけど、浜辺で釣ることにしたんだ。
昨日は目の前で落とすだけですむ岩礁まで行ったけど、その必要がなくなったからね。
釣りの特性によって20メートル以上先にでも浮きを飛ばすことができるので、浜辺からでも十分深いところへ落とすことができる。
波打ち際で釣りをすること10回で、20センチほどのサバと10センチほどのキスを釣り上げることができた。今日はこんなものでいいだろ。
他にも加工し紐で繋がれた手のひらサイズの貝殻が二枚と小さなカニ、板切れのような何かを引っ張り上げた。
そして、小屋に戻るっと。
「今日はものつくりに挑戦だ。こいつを使ってね」
カピーに語りかけるも反応がない。目を開けてくれさえしなかった。
い、いいんだ。起きたらカピーのやつ、ビックリするぞ。
取り出したるはスコップである。
ざくざくと適当に土を掘り起こし……お、あったあった。あっさり見つかったよ。
僕の探していたのは粘土質の土だ。こいつと石を組み合わせて石窯を造りたいと思ってさ。
石ならそこら中にある。重いけどね……。
ひーひー言いながら石を集め、掘り起こした粘土の塊の傍に置く。
「完成図を思い描き、いでよ石窯よ」
ブロックを組み合わせたかのような縦に長い長方形を想像し手の平を集めた石と粘土に向ける。
すると見る見るうちに不揃いの石が組み上がり隙間を粘土が埋めていく。
ところが、予定の半分ほど組み上がったところで動きを止めてしまった。
「なるほど……素材が足りないのか……」
クラフトの特性はあくまで自動で思い描いた通りに作ってくれる力である。
無から有を作り出すわけじゃあないんだ。
つまり……物理的に素材が足りないとなると、作業の手が止まってしまう。
ちくしょう、やるしかないか。
また同じだけの石を集めなきゃならん。すでに腕がパンパンなのだけどここでやめるわけにはいかない。
翌日にして雨でも降られたら粘土が流れてまたやり直しになってしまう。
「……はあはあ。こ、これで」
再度、僕の手が緑に光り今度こそ石窯は完成したのだった。
直方体にするのではなく上を円形にした方がよかったかもしれない。
「あ、あああ。そっか。肝心なことを忘れていた」
更に石と粘土を集め、上部に煙突を取り付けて今度こそ完了となる。
へとへとになっているけど、ここからがお楽しみなんだよな。
そう思うと体も軽くなり嬉々として粘土をかき集める。
ここから先はクラフトに頼らず自分の手でやってみることに。
粘土をこね、皿、コップの形にして……よっし。こんなもんかな。
案外うまく形を作ることができたので、本命の土鍋作りに挑戦だ。
「こんなもんか? 焼いてみないことには分からないけど。これでいいか」
石窯の粘土を固めるために火入れをしないといけない……はず。
ならば、一緒に土器も作っちゃおうって腹なのだ。
乾燥させておいた茎の長い雑草の束を石窯にくべて焼き入れ前の皿、コップ、土鍋をそっと中に置く。
せっかくなのでデイリーボーナスでもらった100円ライターで火をつけ、火の様子をみつつ更なる燃料を放り込んだ。
後は一晩おいて様子見しよう。
明日の朝が楽しみだ!
作業が終わった時にはすっかり暗くなっていて、急ぎ魚を焼いて食事にする。
カピーには朝とってきたフルーツの残りで我慢してもらった。
その後はもうへとへとで、崩れ落ちるようにベッドに倒れ込む。
それでもカピーの映す映像が終わるまではちゃんと意識を保つことができた。
『デイリーガチャを引きますか?』
「うん」
『どこどこどこどーん』
どれだけ疲れていても、気になることがあれば体が動くんだな。
宝箱を開けると、中には指サックが入っていた。
クラフトの特性があるから使いどころが……と心の中でぼやきつつベッドに戻るとすぐに意識が遠くなる。
こうして順調な四日目が終わったのだった。しかし、五日目になると事態は急展開を見せる。
『すたーたす
クラフト 熟練度9
採集 熟練度6
釣り 熟練度12
今日の成果 いっぱい釣りをしたよ』
カピーが投影してくれた「すたーたす」を眺め、熟練度の確かな伸びに手ごたえを感じる。
結構釣りをやったもんなあ。熟練度が一気にトップに躍り出た。
『デイリーガチャを引きますか?』
「うん」
『どこどこどこどーん』
さて今回は何が出るかな。
お、これは使える。
出てきたのは園芸用のスコップだった。
素手で土を掘り起こすのは大変だけど、小さくてもスコップがあれば大助かりだ。
なら、明日はさっそくスコップを使ってみようかな。
用が済んだとばかりに、ベッドの下で寝そべるカピーを両手で掴み上げてみる。
お、案外軽い。そのまま枕元に彼を置くとそのままベッドに顎をつけ目を瞑った。
「おやすみ。カピー」
「きゅっ」
顎を撫でると、可愛らしく鳴くカビーに癒される。
◇◇◇
――四日目。
軒先に吊るしておいた魚のチェックをしつつ、大きく伸びをするところから今日が始まった。
魚の捌き方なんて知らかなったけど、クラフトの特性でオートだったのだ。
クラフトという名前からして日曜大工的なところをカバーするのかと思いきや、料理にまで応用がきくなんて恐れ入った。
ありがたい。ありがたい。
釣りとクラフトの特性には足を向けて寝れないな。うん。
小魚は小骨をとって食べてしまったのだけど、ウツボは燻製にしてみたのだ。燻製のやり方も分からなかったけど、そこはクラフトパワーである。
万能なクラフトの特性だけど、僕の想像力が乏しいため、そこがボトルネックになっていた。
燻製だったら、写真で見たうろ覚えの知識だけで何となく煙でいぶしそれなりのものが出来上がったのだけど……ちゃんと保存食になっているのか不明。
クラフトは頭の中で思い描いたモノを形にしてくれる。恐らく熟練度によって限界があるのだと思う。
何が言いたいのかというと、僕の想像の範囲でしかモノを作ることができないってことさ。
病弱でアウトドアなんてやっていなかった僕にあるのは、本で読んだり写真で見た知識でしかない。
それでも、大いに僕の助けになっているのだけどね。
凶悪な顔をしたウツボも捌いて干していたら、スーパーで売っているウナギのような見た目になっている。
クラフトの特性で火起こしをして、ウツボの燻製を焙って朝食とした。
そのころになるとカピーも家の外まで出て来たけど、ウツボには興味がないらしい。
「いただきまーす」
もっしゃもっしゃ。
塩はないけど、海水で浸して燻製にしたから塩味がきいていてなかなかいける。
そういや、魚って燻製にするよりは一夜干しだっけ? 名前からして、開いて天日に干すのかな?
燻製と一夜干しとどっちが長持ちするのか分からん。次回は天日干しにも挑戦してみよう。
「ごちそうさま。カピー。果物をとってくるよ。ちょっとばかし待っててくれ」
四日目ともなると慣れたもので、ほんの30分ほどでスモモとコケモモを採取して戻って来る。
そのまま寝そべるカピーの近くに置くと、すぐに彼がもっちゃもっちゃやり始めた。
今日は他にやりたいことがあるから、ちゃっちゃと釣りを済ませてしまおう。
釣りだけど、浜辺で釣ることにしたんだ。
昨日は目の前で落とすだけですむ岩礁まで行ったけど、その必要がなくなったからね。
釣りの特性によって20メートル以上先にでも浮きを飛ばすことができるので、浜辺からでも十分深いところへ落とすことができる。
波打ち際で釣りをすること10回で、20センチほどのサバと10センチほどのキスを釣り上げることができた。今日はこんなものでいいだろ。
他にも加工し紐で繋がれた手のひらサイズの貝殻が二枚と小さなカニ、板切れのような何かを引っ張り上げた。
そして、小屋に戻るっと。
「今日はものつくりに挑戦だ。こいつを使ってね」
カピーに語りかけるも反応がない。目を開けてくれさえしなかった。
い、いいんだ。起きたらカピーのやつ、ビックリするぞ。
取り出したるはスコップである。
ざくざくと適当に土を掘り起こし……お、あったあった。あっさり見つかったよ。
僕の探していたのは粘土質の土だ。こいつと石を組み合わせて石窯を造りたいと思ってさ。
石ならそこら中にある。重いけどね……。
ひーひー言いながら石を集め、掘り起こした粘土の塊の傍に置く。
「完成図を思い描き、いでよ石窯よ」
ブロックを組み合わせたかのような縦に長い長方形を想像し手の平を集めた石と粘土に向ける。
すると見る見るうちに不揃いの石が組み上がり隙間を粘土が埋めていく。
ところが、予定の半分ほど組み上がったところで動きを止めてしまった。
「なるほど……素材が足りないのか……」
クラフトの特性はあくまで自動で思い描いた通りに作ってくれる力である。
無から有を作り出すわけじゃあないんだ。
つまり……物理的に素材が足りないとなると、作業の手が止まってしまう。
ちくしょう、やるしかないか。
また同じだけの石を集めなきゃならん。すでに腕がパンパンなのだけどここでやめるわけにはいかない。
翌日にして雨でも降られたら粘土が流れてまたやり直しになってしまう。
「……はあはあ。こ、これで」
再度、僕の手が緑に光り今度こそ石窯は完成したのだった。
直方体にするのではなく上を円形にした方がよかったかもしれない。
「あ、あああ。そっか。肝心なことを忘れていた」
更に石と粘土を集め、上部に煙突を取り付けて今度こそ完了となる。
へとへとになっているけど、ここからがお楽しみなんだよな。
そう思うと体も軽くなり嬉々として粘土をかき集める。
ここから先はクラフトに頼らず自分の手でやってみることに。
粘土をこね、皿、コップの形にして……よっし。こんなもんかな。
案外うまく形を作ることができたので、本命の土鍋作りに挑戦だ。
「こんなもんか? 焼いてみないことには分からないけど。これでいいか」
石窯の粘土を固めるために火入れをしないといけない……はず。
ならば、一緒に土器も作っちゃおうって腹なのだ。
乾燥させておいた茎の長い雑草の束を石窯にくべて焼き入れ前の皿、コップ、土鍋をそっと中に置く。
せっかくなのでデイリーボーナスでもらった100円ライターで火をつけ、火の様子をみつつ更なる燃料を放り込んだ。
後は一晩おいて様子見しよう。
明日の朝が楽しみだ!
作業が終わった時にはすっかり暗くなっていて、急ぎ魚を焼いて食事にする。
カピーには朝とってきたフルーツの残りで我慢してもらった。
その後はもうへとへとで、崩れ落ちるようにベッドに倒れ込む。
それでもカピーの映す映像が終わるまではちゃんと意識を保つことができた。
『デイリーガチャを引きますか?』
「うん」
『どこどこどこどーん』
どれだけ疲れていても、気になることがあれば体が動くんだな。
宝箱を開けると、中には指サックが入っていた。
クラフトの特性があるから使いどころが……と心の中でぼやきつつベッドに戻るとすぐに意識が遠くなる。
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