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楽の戦士トーチの章
204.公務員の楽屋
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有り触れた木製の扉を押すミルノに続いて、俺もギルドの中へと入った。
広々とはいかないものの、外のこじんまりとした印象と比較すると、比較的広い空間があった。
待ち合い用の椅子の正面に、カウンターテーブルと窓口があり、奥の方にミルノと同じ制服を着た数名の職員がいる。
「ただ今戻りました」
というミルノ挨拶に対して、ちらりとこちらに一礼して、すぐに視線を下ろす。
そしてパラパラと書類のめくり音だけが響く。
「静かなところだな」
俺が知っているギルドの雰囲気とは180度違う。
受付のテーブルには誰も座っていないし、そもそも誰かを迎え入れるような雰囲気がない。
「日没には閉館ですし、今日の業務はほとんど終わっていますからね。今から来客もないので、この時間は皆休憩に行ってるんですよ」
「結構閉めるの早いんだな」
酒場を併設したりしていないからだろうか。俺が知っているとこなんて、むしろ夕方から夜にかけて掻き入れ時みたいな雰囲気になるけど。
「公務員なんて大体そんなものですよ。図書館なんかも夜遅くまではやっていないでしょう」
「まあ、それは確かに」
あくまでも国営の施設として考えれば、妥当なところか。
「閉館したからと言って、そこで仕事が終わるわけでもないですし――どうぞ」
ミルノはすたすたと歩いていき、受付の横に並んでいる扉の一つを開けて、俺を招いた。
何もわからないので、とにかく彼女に従って部屋に入ると、中には四人が掛けられるテーブルと、簡易的な台所がある。
来客用の部屋か休憩室か、そんな雰囲気だ。
「お好きな所に座ってください」
と言われたので、俺は左側手前の椅子を引いて腰かける。
ミルノはすぐには座らずに、台所に立ちポットと棚からお茶か何かの包みを取り出した。
「別に気を遣わなくてもいいよ」
「私が飲みたいんです」
にべもなく言うと、平たい調理台にポットを置き、その周囲を指でなぞった。
すると、独特のふわっとした青みのある光が調理台から立ち上る。
広々とはいかないものの、外のこじんまりとした印象と比較すると、比較的広い空間があった。
待ち合い用の椅子の正面に、カウンターテーブルと窓口があり、奥の方にミルノと同じ制服を着た数名の職員がいる。
「ただ今戻りました」
というミルノ挨拶に対して、ちらりとこちらに一礼して、すぐに視線を下ろす。
そしてパラパラと書類のめくり音だけが響く。
「静かなところだな」
俺が知っているギルドの雰囲気とは180度違う。
受付のテーブルには誰も座っていないし、そもそも誰かを迎え入れるような雰囲気がない。
「日没には閉館ですし、今日の業務はほとんど終わっていますからね。今から来客もないので、この時間は皆休憩に行ってるんですよ」
「結構閉めるの早いんだな」
酒場を併設したりしていないからだろうか。俺が知っているとこなんて、むしろ夕方から夜にかけて掻き入れ時みたいな雰囲気になるけど。
「公務員なんて大体そんなものですよ。図書館なんかも夜遅くまではやっていないでしょう」
「まあ、それは確かに」
あくまでも国営の施設として考えれば、妥当なところか。
「閉館したからと言って、そこで仕事が終わるわけでもないですし――どうぞ」
ミルノはすたすたと歩いていき、受付の横に並んでいる扉の一つを開けて、俺を招いた。
何もわからないので、とにかく彼女に従って部屋に入ると、中には四人が掛けられるテーブルと、簡易的な台所がある。
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「お好きな所に座ってください」
と言われたので、俺は左側手前の椅子を引いて腰かける。
ミルノはすぐには座らずに、台所に立ちポットと棚からお茶か何かの包みを取り出した。
「別に気を遣わなくてもいいよ」
「私が飲みたいんです」
にべもなく言うと、平たい調理台にポットを置き、その周囲を指でなぞった。
すると、独特のふわっとした青みのある光が調理台から立ち上る。
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