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再会
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「私…王都へ行くわ」
「お嬢様…!?」
気になって仕方がない。いや、知らずにはいられない。
いったいリュオディス様に何があったのか。
何故、まだお若いのに、国王の座を退いたのか。
何もかも分からないまま、ここでじっとなんてしていられなかったのだ。
「では私もお供します。身支度、お手伝いしますね」
「うん。ありがとう」
ではさっそく…と、テーブルから立ち上がった、その時──
「にゃん」
「…………えっ、タマ?」
椅子から立ち上がった途端、私の服の裾をタマが掴んできた。
そしてタマは『着いてこい』とばかりに、家の外へ向かって歩き始めたのだ。
「着いて来いって……こと?」
不思議に思いつつタマの後姿を見ていると、タマは振り向いてコクコクと頷くそぶりを見せる。なにかしら??と思いつつ、私はとりあえず着いて行ってみることにした。
「にゃん!」
私が着いてくるのを目にすると、タマは嬉しそうに一声鳴いて、トコトコと歩いて菜園の方へ向かった。
「タマ……どこまで行くの?」
タマは後ろも見ずに歩き続け、ほんのつい先刻、畑作業をしていた場所まで私を案内してくれた。そしてそこで私はようやく、タマが私をここへ連れてこようとした理由に気付かされたのだった。
「や……野菜泥棒!!??」
誰も居ないはずの私の菜園に、ウロウロと動く人影があったのだ。
赦すまじ野菜泥棒!!
私はとっさに近くに置いてあった鍬を持ち、誰何するためにじりじりと人影に近づいた。
遠目には解らなかったが近づいてみて相手が男だと解る。男は植えてある野菜の苗をじっと眺めたり、そっと葉を触ったりしていた。まだ実もついてないのに何を見てるんだろ??と、少し不思議に思うが警戒は解かない。
「この野菜泥棒!!私の菜園で何してるの!!」
鍬の攻撃範囲まで近づいた私は、す~っと息を吸うと威嚇のために大声を上げた。
テンパっていたせいか、私の背後でタマがぶんぶん首を振りながら、必死にスカートの裾を引っ張っていることにも気付かなかった。いやだって泥棒とか初めてて、心臓バクバクで緊張してたんだもん。仕方ないよね??
「アウラ!!」
「………へ?」
私は鍬を振り上げたまま固まってしまった。
何故なら振り向いた野菜泥棒が、単なる野菜泥棒じゃなかった、というか……いやあの、なんでここに貴男が??と思うような、あまりにも意外過ぎる人物で。
「リュオディス陛下……じゃなくて殿下…じゃなくて…えええ!?」
「元気そうだね。久しぶり、アウラ」
それはこっちの台詞なんだけど。
えっ。
ついさっきミィナから退位したって聞いたばかりで。
だからなにか体の不調とかあるんじゃないかって、すごく心配してて。
全然、元気そうなんですけど!?
「あの…え??……ど、どうしてここに…」
「驚かせようと思って黙って来たんだけど…驚かせすぎちゃったかな?」
リュオディス殿下…いや、陛下…ううっ、なんて呼んで良いか解らないから、リュオディス様で良いか??──は私が振り上げた鍬をチラ見し、くすりと苦笑いを浮かべた。
「あ……あはは…」
その視線に気付いた私は、そっと鍬を下して背後に隠す。
「変わらないね、アウラ。嬉しいよ」
「リュオディス様も、お変わりなく…」
10年ぶりの再会。
もちろん年月の分は年を取っているが、私もリュオディス様もまだ20代だから、そこまで容姿に変化はない──と思う。たぶん。いや、貴族として暮らしていた頃より、日焼けしちゃったかもだけど。
「お嬢様…!?」
気になって仕方がない。いや、知らずにはいられない。
いったいリュオディス様に何があったのか。
何故、まだお若いのに、国王の座を退いたのか。
何もかも分からないまま、ここでじっとなんてしていられなかったのだ。
「では私もお供します。身支度、お手伝いしますね」
「うん。ありがとう」
ではさっそく…と、テーブルから立ち上がった、その時──
「にゃん」
「…………えっ、タマ?」
椅子から立ち上がった途端、私の服の裾をタマが掴んできた。
そしてタマは『着いてこい』とばかりに、家の外へ向かって歩き始めたのだ。
「着いて来いって……こと?」
不思議に思いつつタマの後姿を見ていると、タマは振り向いてコクコクと頷くそぶりを見せる。なにかしら??と思いつつ、私はとりあえず着いて行ってみることにした。
「にゃん!」
私が着いてくるのを目にすると、タマは嬉しそうに一声鳴いて、トコトコと歩いて菜園の方へ向かった。
「タマ……どこまで行くの?」
タマは後ろも見ずに歩き続け、ほんのつい先刻、畑作業をしていた場所まで私を案内してくれた。そしてそこで私はようやく、タマが私をここへ連れてこようとした理由に気付かされたのだった。
「や……野菜泥棒!!??」
誰も居ないはずの私の菜園に、ウロウロと動く人影があったのだ。
赦すまじ野菜泥棒!!
私はとっさに近くに置いてあった鍬を持ち、誰何するためにじりじりと人影に近づいた。
遠目には解らなかったが近づいてみて相手が男だと解る。男は植えてある野菜の苗をじっと眺めたり、そっと葉を触ったりしていた。まだ実もついてないのに何を見てるんだろ??と、少し不思議に思うが警戒は解かない。
「この野菜泥棒!!私の菜園で何してるの!!」
鍬の攻撃範囲まで近づいた私は、す~っと息を吸うと威嚇のために大声を上げた。
テンパっていたせいか、私の背後でタマがぶんぶん首を振りながら、必死にスカートの裾を引っ張っていることにも気付かなかった。いやだって泥棒とか初めてて、心臓バクバクで緊張してたんだもん。仕方ないよね??
「アウラ!!」
「………へ?」
私は鍬を振り上げたまま固まってしまった。
何故なら振り向いた野菜泥棒が、単なる野菜泥棒じゃなかった、というか……いやあの、なんでここに貴男が??と思うような、あまりにも意外過ぎる人物で。
「リュオディス陛下……じゃなくて殿下…じゃなくて…えええ!?」
「元気そうだね。久しぶり、アウラ」
それはこっちの台詞なんだけど。
えっ。
ついさっきミィナから退位したって聞いたばかりで。
だからなにか体の不調とかあるんじゃないかって、すごく心配してて。
全然、元気そうなんですけど!?
「あの…え??……ど、どうしてここに…」
「驚かせようと思って黙って来たんだけど…驚かせすぎちゃったかな?」
リュオディス殿下…いや、陛下…ううっ、なんて呼んで良いか解らないから、リュオディス様で良いか??──は私が振り上げた鍬をチラ見し、くすりと苦笑いを浮かべた。
「あ……あはは…」
その視線に気付いた私は、そっと鍬を下して背後に隠す。
「変わらないね、アウラ。嬉しいよ」
「リュオディス様も、お変わりなく…」
10年ぶりの再会。
もちろん年月の分は年を取っているが、私もリュオディス様もまだ20代だから、そこまで容姿に変化はない──と思う。たぶん。いや、貴族として暮らしていた頃より、日焼けしちゃったかもだけど。
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