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「村に外国人…それも、俺らの国の人間が来ただと…??」
夕方遅く帰宅したリアムは、微かに残る人の匂いに気付いて、蓮に誰か来たかと問うた。隠す事でもないから夕食の時にでも話そうと思っていた蓮は、警戒心の欠片も無く見知らぬ来訪者の事をリアムに話す。
「この村の奥に野鳥観測に良い場所があるって言ってた。希少な鳥も見られるんだって」
「それだけか??…他に何か言っていなかったか?」
「ううん…??他には何も…」
リアムの不審げな様子に蓮は、安心させようと笑いながら言葉を継ぐ。
「大丈夫だよ、リアム。俺、家の中に入れたりしなかったし、あの人、そんなに悪い人じゃなさそうだったから…」
まったく疑っていない蓮の無邪気な様子に、返ってリアムは不安と危機感とを感じた。だが、セオドア・ライアンと名乗った金髪の男は、麓までの道を尋ねるとさっさと帰って行ったという。
「………………ッ」
ただの偶然か?にしてはこんな極東の、さらに山奥の過疎村に、自分達と同じ故郷を持つ人間が来るなんて?
それは確率的に考えてもあまりに怪し過ぎて、リアムは不審に思わずにはいられなかった。
「何も無かったから良いが…あまり人間を信用するなよ、蓮」
「え…う、うん。ごめん、リアム」
久しぶりにリアム以外の他人と話して、少し気分が浮き立っていた蓮は、リアムの剣幕に驚いてしょんぼりと項垂れてしまう。そんな彼の様子を目にして、リアムは少し言い過ぎたかと反省した。
「…………蓮」
この村に住み着いてから数ヶ月、そして、3年前から続く逃避行の様な人目を憚る生活。その間、蓮はほとんどリアム以外の存在と接していなかった。そんな隠れ住む日々を想えば、蓮のはしゃぎたい気持ちも良く解る。
「悪かった…蓮…ちょっと知らねえ匂いを嗅いで、神経質になっちまったみたいだ」
「ううん…リアムは悪くないよ…ごめん。俺、もっと気を付けるから…」
リアムは、落ち込んだ蓮を抱き寄せて、撥ねた黒い髪に鼻先を埋めた。蓮もそんなリアムの胸に顔を寄せ、子犬の様にくふんと鼻を鳴らして甘える。
「蓮…蓮……」
甘い雌の香りに誘われるように、リアムはそのまま蓮に口付けた。蓮もまた、大好きなリアムの匂いに安堵し、もっともっとと求める様に唇を受け入れる。
「リアム…ん、ふ……ッ」
するりと着ていたシャツを脱がされ、リアムの大きな掌で素肌を愛撫されると、蓮の身体の奥からじんわりと熱が込み上げてきた。そうする内に彼のズボンの中から、雄を誘う雌の匂いが立ち昇り、リアムの過敏な嗅覚と発情期の欲望とを刺激する。
「蓮…イイ匂いだ…食っちまいてえ…」
「あ、あ…ああ、ん、リアム…イイよ…俺の、事…ッ」
食べて。最後まで言わせずにリアムは噛み付くような口付けで蓮の唇を塞ぎ、華奢で小さな身体を床の上に横たえさせた。邪魔なズボンと下着を乱暴に剥ぎ取り、すでに濡れ始めた蓮の後孔に、褐色の長い指を突き入れ水音を立てながら解きほぐす。
「う、あ、あっ、リアムの指…指が…あっあっ」
「スゲエ濡れてんぜ…蓮…ッ」
「んっ、ん、だって…リアムが…リアムの目が…俺を見てて…」
人獣化したリアムの姿も好きだが、人の姿をしたリアムはもっと好き。そう言って蓮は、リアムの野獣の様な厚めの唇に自らの唇を寄せた。可愛らしい蓮の告白にリアムは興奮して頬を熱くし、解すのもソコソコに自身の昂りを蜜を滴らせる後孔に押し入れる。
「ひっ…!!!あっ、あっ、リアムッ、イイっ」
「蓮のココも最高だぜ…熱くて…狭くて…」
人獣化している時とは違う感覚と快楽に、蓮は白い頬を染めて善がった。
「リア、リ、アム、ああっ、好き…ッ、リアム、好き…っっ」
人型と人獣では中を抉るリアムの硬く太いモノの感触も異なるが、それよりも何よりも蓮は、大好きな彼の顔を見ながら揺さぶられるのが堪らなく好きなのだ。お陰で蓮は、普段の彼よりも可愛らしい嬌声を上げて、余計にリアムの雄を煽り立ててしまう。
「キス…して、リア、キスしたい…キス…ッ」
「蓮…そんな煽るなって…歯止め利かなくなんだろ…」
リアムも、そういう蓮が可愛くて、愛しくて堪らなかった。求められるまま何度も口付けしながら、リアムは激しく腰を突き上げ、愛しい番の中に欲望を解き放つのだった。
夕方遅く帰宅したリアムは、微かに残る人の匂いに気付いて、蓮に誰か来たかと問うた。隠す事でもないから夕食の時にでも話そうと思っていた蓮は、警戒心の欠片も無く見知らぬ来訪者の事をリアムに話す。
「この村の奥に野鳥観測に良い場所があるって言ってた。希少な鳥も見られるんだって」
「それだけか??…他に何か言っていなかったか?」
「ううん…??他には何も…」
リアムの不審げな様子に蓮は、安心させようと笑いながら言葉を継ぐ。
「大丈夫だよ、リアム。俺、家の中に入れたりしなかったし、あの人、そんなに悪い人じゃなさそうだったから…」
まったく疑っていない蓮の無邪気な様子に、返ってリアムは不安と危機感とを感じた。だが、セオドア・ライアンと名乗った金髪の男は、麓までの道を尋ねるとさっさと帰って行ったという。
「………………ッ」
ただの偶然か?にしてはこんな極東の、さらに山奥の過疎村に、自分達と同じ故郷を持つ人間が来るなんて?
それは確率的に考えてもあまりに怪し過ぎて、リアムは不審に思わずにはいられなかった。
「何も無かったから良いが…あまり人間を信用するなよ、蓮」
「え…う、うん。ごめん、リアム」
久しぶりにリアム以外の他人と話して、少し気分が浮き立っていた蓮は、リアムの剣幕に驚いてしょんぼりと項垂れてしまう。そんな彼の様子を目にして、リアムは少し言い過ぎたかと反省した。
「…………蓮」
この村に住み着いてから数ヶ月、そして、3年前から続く逃避行の様な人目を憚る生活。その間、蓮はほとんどリアム以外の存在と接していなかった。そんな隠れ住む日々を想えば、蓮のはしゃぎたい気持ちも良く解る。
「悪かった…蓮…ちょっと知らねえ匂いを嗅いで、神経質になっちまったみたいだ」
「ううん…リアムは悪くないよ…ごめん。俺、もっと気を付けるから…」
リアムは、落ち込んだ蓮を抱き寄せて、撥ねた黒い髪に鼻先を埋めた。蓮もそんなリアムの胸に顔を寄せ、子犬の様にくふんと鼻を鳴らして甘える。
「蓮…蓮……」
甘い雌の香りに誘われるように、リアムはそのまま蓮に口付けた。蓮もまた、大好きなリアムの匂いに安堵し、もっともっとと求める様に唇を受け入れる。
「リアム…ん、ふ……ッ」
するりと着ていたシャツを脱がされ、リアムの大きな掌で素肌を愛撫されると、蓮の身体の奥からじんわりと熱が込み上げてきた。そうする内に彼のズボンの中から、雄を誘う雌の匂いが立ち昇り、リアムの過敏な嗅覚と発情期の欲望とを刺激する。
「蓮…イイ匂いだ…食っちまいてえ…」
「あ、あ…ああ、ん、リアム…イイよ…俺の、事…ッ」
食べて。最後まで言わせずにリアムは噛み付くような口付けで蓮の唇を塞ぎ、華奢で小さな身体を床の上に横たえさせた。邪魔なズボンと下着を乱暴に剥ぎ取り、すでに濡れ始めた蓮の後孔に、褐色の長い指を突き入れ水音を立てながら解きほぐす。
「う、あ、あっ、リアムの指…指が…あっあっ」
「スゲエ濡れてんぜ…蓮…ッ」
「んっ、ん、だって…リアムが…リアムの目が…俺を見てて…」
人獣化したリアムの姿も好きだが、人の姿をしたリアムはもっと好き。そう言って蓮は、リアムの野獣の様な厚めの唇に自らの唇を寄せた。可愛らしい蓮の告白にリアムは興奮して頬を熱くし、解すのもソコソコに自身の昂りを蜜を滴らせる後孔に押し入れる。
「ひっ…!!!あっ、あっ、リアムッ、イイっ」
「蓮のココも最高だぜ…熱くて…狭くて…」
人獣化している時とは違う感覚と快楽に、蓮は白い頬を染めて善がった。
「リア、リ、アム、ああっ、好き…ッ、リアム、好き…っっ」
人型と人獣では中を抉るリアムの硬く太いモノの感触も異なるが、それよりも何よりも蓮は、大好きな彼の顔を見ながら揺さぶられるのが堪らなく好きなのだ。お陰で蓮は、普段の彼よりも可愛らしい嬌声を上げて、余計にリアムの雄を煽り立ててしまう。
「キス…して、リア、キスしたい…キス…ッ」
「蓮…そんな煽るなって…歯止め利かなくなんだろ…」
リアムも、そういう蓮が可愛くて、愛しくて堪らなかった。求められるまま何度も口付けしながら、リアムは激しく腰を突き上げ、愛しい番の中に欲望を解き放つのだった。
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