【完結】武道館の殺人 〜とある新聞部の事件簿〜

瑞光みどり

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4日目

第14節 残された家族

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 今日から通常授業が再開された。といっても、もともとは期末テストを行う予定で、尚且つそのテストは来週に延期されたため、授業はほぼすべて自習という形となった。テスト対策を完璧に進めていた生徒は時間を持て余し、全く手を付けていなかった生徒は安堵の表情を浮かべながら、各々の課題に静かに取り組んでいる。
 放課後。蒸し暑い文化館の階段を上り、部室の扉を開ける。窓から差し込む西日が、埃っぽく舞う空気を照らし出していた。私は他の部員たちが来るのを待たず、すぐに自分のスマートフォンを取り出し、昨日、佐渡部長から教えてもらった番号に電話をかけた。数回のコールの後に女性が出た。
「……もしもし」
「わたくし、嵯峨ノ原高校新聞部の高崎と申します。藤沢智也くんのお母様でいらっしゃいますでしょうか」
「……何の、ご用ですか。マスコミの方なら、お断りしています」
 声には深い疲労と、警戒心が滲んでいる。無理もない。息子さんを亡くされたばかりなのだ。
「いいえ、わたくしは報道機関の者ではございません。息子さんと同じ学校の、新聞部に所属している者です」
「……だから、何だとおっしゃるの」
「お辛い状況であることは重々承知しております。ですが、もしよろしければ、智也くんのことについて、少しだけお話をお伺いできないでしょうか」
「……切りますよ」
 拒絶の言葉が、冷たく響く。
「待ってください! ……お母様のお気持ち、お察しいたします。ですが、我々新聞部は、この事件の真相を必ず突き止め、生徒たちに伝えたいと考えております。そのためには、智也くんのことを知る必要があるのです。どうか、少しだけお時間をいただけないでしょうか」
「……あなたのような子供に、この気持ちが分かってたまるものですか!」
 感情的な声が、電話口から聞こえてきた。
「……私はまだ子供かもしれません。ですが、その痛み、その苦しみ、その辛さ、少しは理解できるつもりです。私も昔……大切な人を亡くしましたから……」
 電話の向こうで、息を呑む気配がした。長い、長い沈黙が流れる。諦めかけたその時だった。
「……」
「お母様、取材を、お願いできないでしょうか」
 さらに続く沈黙の後、ようやく、絞り出すような声が聞こえてきた。
「……分かりました。……少しだけなら」
 そうして、私は松戸とともに、重い使命感を胸に藤沢家へと向かった。他の部員を連れてこなかったのは、被害者遺族に直接会うのに、大人数で圧迫感を与えたくなかったのと、失礼がないようにしたかったからだ。
 辿り着いたのは、初夏の陽光が降り注ぐ閑静な住宅街だった。しかし、目的の家の近くまで来ると、その静けさとは不釣り合いな光景が目に飛び込んできた。数台のテレビ局の中継車が路上に列をなし、家の前には無数のカメラ、マイク、そして腕章をつけた報道関係者がひしめき合っている。彼らは家の様子を窺い、あるいは近隣住民に強引にインタビューを試みているようで、そこだけが異様な熱気と緊張感に包まれていた。
「どちらの社の方ですか!?」
「何か新しい情報でも!?」
 報道陣からの矢のような質問を黙って会釈でかわし、人垣を縫うようにして藤沢家の玄関へとたどり着いた。チャイムを鳴らす指が、微かに震える。
「……はい」
 インターホン越しに、電話と同じ、力のない女性の声が聞こえた。新聞部の高崎であると名乗ると、「……お待ちしておりました。どうぞ、お入りください」という声と共に、ゆっくりと玄関のドアが開かれた。
 そこに立っていた女性───藤沢くんの母、定子さん───は、電話の声から想像した以上に憔悴しきっていた。目は赤く腫れ、頬はこけ、顔色は土気色に近い。
「すみません、外が騒がしくて……。他のマスコミの方々には、今は……。あなたたちは、息子と同じ学校の生徒さんだと、佐渡くんからお聞きしましたので……どうぞ。何もお構いできませんが」
 力なく微笑む定子さんに促され、私たちは言葉少なめに「お邪魔します」と告げ、家に上がらせていただいた。
 リビングに通されると、そこにはワイシャツ姿の男性が、硬い表情でソファに深く腰掛けていた。感情を押し殺しているように見えるが、固く握りしめられた拳と、深く刻まれた眉間の皺が、内面の苦痛を雄弁に物語っている。
「嵯峨ノ原高校新聞部部長の高崎恭二です。こちらは、副部長の松戸孝太郎と申します。本日は、お忙しいところ、また、このような大変な時に、お時間をいただき、本当に申し訳ありません」
 私たちが改めて深々と頭を下げると、男性が重々しく口を開いた。
「……わざわざ、すまないね。息子の父、藤沢誠一郎です」
「……妻の定子です」定子さんも、か細い声で再び名乗った。
「息子が、学校でどんな様子だったのか……私たちも、少しでも知りたいと思っていましたから。あの子と同じ高校の君たちになら、話せることもあるかと思って……」誠一郎さんは、絞り出すように続けた。
 リビングの中央には、藤沢くんの写真が飾られていた。おそらく去年の夏、剣道部が県大会で優勝した時のものだろうか。少しはにかんだような、それでいて誇らしげな表情で仲間たちと並んでいる。その写真の中の、生命力に溢れた笑顔が、今のこの家の重苦しい現実を、より一層際立たせていた。
「どうぞ、ソファに腰掛けてください」
 定子さんに促され、私たちはソファに腰掛けた。定子さんは急須とコップを四つ持ってきて、ソファの前のテーブルに置き、お茶を注いでくれた。
 松戸が許可を得てボイスレコーダーの準備をする間、私は改めて取材の意図を伝えた。言葉を選びながら、私は最初の質問を口にした。
「まず……智也くんは、ご家庭では、どのようなお子さんでしたか?」
 私の問いに、定子さんが、遠い目をしてぽつりぽつりと話し始めた。
「智也は……本当に、手のかからない、優しい子でした。小さい頃から、困っている人がいると、自分から声をかけるような……。勉強も、こちらが口うるさく言わなくても、自分で計画を立ててきちんとやっていましたし、家の手伝いも、文句ひとつ言わずに……本当に、自慢の息子でした」
 話しながら、定子さんの目から大粒の涙が静かに溢れ落ちる。
「剣道は、高校に入ってから始められたのですよね。何かきっかけがあったのでしょうか?」
 今度は誠一郎さんが、僅かに口元を緩めて答えた。
「ええ。中学まではずっと野球部で、それなりに熱心にやっていたんですが……高校に入るときに、『これからは、個人で競い合うスポーツもやってみたい。武道にも興味があるんだ』と言い出しまして。私たちも驚いたんですが、本人が決めたことなら、と応援することにしたんです。まさか、あんなに夢中になるとは、当時は思いもよりませんでしたけど」
「毎日、竹刀を握らない日はないくらい、熱心でしたね」定子さんが続ける。「家に帰ってきてからも、夜、庭で素振りをしたり、剣道の雑誌を読みふけったり……。本当に、剣道が、そして剣道部が、心の底から好きだったんだと思います。先輩や同級生の話も、よくしていました。『今日は佐渡先輩にこんなアドバイスをもらったんだ』とか、『同期がすごく強くて刺激になる』とか……。部活の仲間たちと、本当に良い関係を築いているんだな、と安心して見ていました」
「剣道以外の学校生活は、いかがでしたか?」
「体育祭の実行委員をやったり、クラスの友達とも仲が良くて、たまに家に遊びに来ることもありました。誰とでも、分け隔てなく話せる子でしたから……」
 その言葉から、活発で、交友関係も広かった藤沢くんの姿が目に浮かぶようだった。
「今回のチームのメンバーに選ばれた時は、どんな様子でしたか?」
「それはもう、大変な喜びようでした」誠一郎さんが、目を細めて当時の様子を思い出すように語った。「『父さん、母さん、やったよ! 俺、レギュラーになった! 3年生ばっかりのチームだけど、先生も先輩も、俺を選んでくれたんだ!』って、本当に興奮して報告してきて。あんなに目を輝かせている智也を見たのは、久しぶりでした。……『絶対に、このチームで全国大会に行って、優勝するんだ』って、何度も何度も言っていました。私たちも、あの子が目標に向かって一生懸命頑張る姿を見るのが、本当に嬉しくて、誇らしくて……まさか、こんなことになるなんて……」
 誠一郎さんの声が、最後は慟哭のように震えた。その肩を、定子さんがそっと支える。
「事件のあった日……家を出る前の様子は、何か変わったことはありませんでしたか?」
「いいえ……特に、いつもと変わった様子は……なかったと思います」
 定子さんは必死に記憶を辿るように言った。
「朝も、『おはよう』って、いつも通り元気に挨拶して……『今日は部活休みだけど、自主練してくる。チームに入ったからには、もっと頑張らないと』って言って、普通に出ていきました。……それが、あの子と交わした、最後の会話になるなんて……本当に、夢であってほしいと、今でも……」
 再び、定子さんの肩が震え、言葉が途切れた。リビングに、ただただ重い沈黙が流れる。外の報道陣の喧騒が、まるで別世界の出来事のように感じられた。私たちは、かける言葉も見つからず、ただ静かに、ご両親の深い悲しみに寄り添うことしかできなかった。
 重い沈黙を破ったのは、これまで静かに記録を取っていた松戸だった。
「……お伺いしにくいことではありますが、事件当日の夜、お二人はどちらにいらっしゃいましたでしょうか」
 その問いに、誠一郎さんが、噛みしめるように答えた。
「私は、遅くまで仕事で……。22時頃に帰宅したのですが、その時にはもう、家の中は何とも言えない、重い空気で……」
 絞り出すような夫の言葉を引き継ぐように、定子さんがか細い声で続けた。
「私は、ずっと家に。一人で……。夕飯を作って、帰りを待っていたんです。でも、20時を過ぎても、21時を過ぎても、あの子は帰ってこない。メッセージを送っても、既読にさえならない……。胸騒ぎがして、学校に何度も電話したのですが、夜ですから、当然誰も出なくて……。いても立ってもいられず、警察にも電話したんです。『息子が帰ってこないんです』と。でも……」
 定子さんの目に、悔しさの色が濃く浮かんだ。
「警察の方には、『高校生の男の子でしょう。部活帰りに友達とどこかで遊んでいるんですよ。もう少し待ってみてください』と……そう、あしらわれてしまって……。それでも心配で、夫が帰宅してから、二人で何度も智也の携帯を鳴らしたのですが、繋がりませんでした。……私たちにできることは、もう何もなくて……。ただ、あの子の無事を祈って、信じて待つことしか……できなかったんです。どうして、あの時、もっと強く警察に訴えなかったのか。どうして、学校まで探しに行かなかったのか……」
 定子さんの言葉は再び涙に変わり、誠一郎さんがその肩を強く、しかし優しく抱き寄せた。ありふれた、ごく普通の夜。それが、取り返しのつかない後悔と、出口のない問いに苛まれる、長い長い夜に変わってしまったのだという事実が、重く、痛切に伝わってきた。
 しばらくの間、誰も口を開けなかった。やがて、私が意を決して、最も核心に触れる可能性のある質問を、細心の注意を払いながら切り出した。
「……智也くんから、学校や部活のことで、何か悩んでいるような話、あるいは、心配なことがあるような素振りは、事件前、ありませんでしたでしょうか。どんな些細なことでも構いません。例えば、人間関係で、何か気まずい思いをしているとか……」
 私の言葉に、ご両親は顔を見合わせ、しばらく考え込んだ。
「悩み、ですか……」
 誠一郎さんが腕を組んだ。
「あの子から、はっきり『悩んでいる』と聞いたことはありません。ですが……チームに入ってから、やはり相当なプレッシャーは感じていたようです。『先輩たちに、絶対に迷惑はかけられない』『足を引っ張るわけにはいかない』と、よく口にしていました」
「人間関係については……特に悩んでいるようなことは、聞いていませんでした」
 定子さんが、静かに付け加えた。
「あの子は、誰とでも仲良くできる子でしたから……。まさか、誰かに恨まれるようなことがあったとしたら……信じられません」
 その言葉からは、息子への深い信頼と、今回の事件に対する強い困惑が感じられた。藤沢くんが具体的に誰かとの関係に悩んでいたという証言は得られなかった。
「……そうですか。貴重なお話を、本当にありがとうございます」
 取材は、約1時間に及んだ。藤沢くんが、家族からの深い愛情を受け、自らの目標に向かって努力を惜しまない、将来を有望視された青年であったこと。剣道に情熱を燃やす一方で、学校生活も幅広く楽しみ、多くの友人や仲間に囲まれていたこと。そして、その輝かしい未来が、あまりにも突然、理不尽な暴力によって無残に断ち切られてしまったこと。それらを、私たちは痛切に感じ取った。
 最後に、誠一郎さんが、震える声ながらも、強い意志を込めて私たちに向き直って言った。
「……外は、ああいう状況です。正直に申し上げて、今は誰とも話したくない、というのが本音でした。ですが……あなたたちが、息子と同じ学校の生徒だと聞いて……あの子が生きた証を、あの子がどんなに素晴らしい人間だったかを、誰かに伝えてほしかったのかもしれません」
 誠一郎さんは、一度言葉を切った。
「……犯人が、憎いです。なぜ、智也がこんな目に遭わなければならなかったのか……。その理由が知りたい。そして、どんな理由があろうとも、犯人には、必ずその罪を償ってほしいと、心の底から願っています。……新聞部の皆さん、どうか……どうか、真実を明らかにしてください。智也のために……。お願いします」
 深々と頭を下げる誠一郎さんと、その隣で涙を流し続ける定子さんの姿に、私は返す言葉が見つからなかった。ただ、深く、深く頷くことしかできない。その言葉の重み、託された想いの重さが、ずしりと私の肩にのしかかった。我々新聞部は、必ずこの事件の真相を最後まで見届け、報道しなければならない。それが、藤沢くんと、そして残された遺族のために、私たちができる唯一のことなのだと、改めて強く心に刻んだ。本当のジャーナリズムとは何なのかを今、学んだような気がした。
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