【完結】武道館の殺人 〜とある新聞部の事件簿〜

４日目

読者への挑戦状

　近年、さまざまな電子機器が発達したことにより、人間には時間がなくなり、ましてや、推理小説なるものを読むという物好きは、ほんの一握りの存在になってしまった。この現代において、推理小説に『読者への挑戦状』を挿入したところで、真剣に解くという読者も絶滅危惧種と化しているだろう。

　一刻も早くこの物語の真相を知りたければ、この挑戦状を読む必要はなく、気兼ねなく、次の解決編へと読み進めて欲しい。ただ、どうしてもこの小説の真相を自力で解きたいという物好きな読者も中にはいると推察する。

　そこで、作者は読者に挑戦する。挑戦する内容は、二つ。一つは、誰が藤沢智也を殺したのか。一つは、どのように殺したのか。ここでは、高崎を襲撃した犯人は問わない。

　これらの問いに対する答えを推理するための情報は、すでに出揃っている。読者諸君は、高崎と同じ思考回路を取ることができたならば、自ずとすべての謎を解明することができるだろう。
　
　武運を祈る。
───作者より