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プロローグ
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「ウワァァァァァァァぁぁぁぁヴガヴァァァァ」
響く渡る慟哭。喉が焼ききれんばかりの叫び声。一人の男の絶叫がそこで木霊している。叫びは徐々に小さくなり、叫び疲れた男の頰には涙が伝って落ちていた。
心には憤怒と憎悪。黒い炎に前までの優しかった彼は焼かれ灰になった。
手には愛した人の亡骸を抱きしめて復讐を誓う。
「人間なんて……いなくなればいい。」
男は世界を救った勇者だった。
◆◆◆
「十二翼席会議を始める。」
白亜の宮殿そう形容するのがふさわしいであろう場所の一室。
一席を空けて12人が円卓を囲み、その中の一人が会議の始まりを告げる。
ここをいる人間には翼が生えており、ただの人間ではないことがわかる。
「んで、ミカエル。急に集めやがってどういう要件だコラ。」
円卓に足を乗せたガラの悪そうな少年。今日集められた彼らには召集の内容を伝えられていなかった。
「その汚い口を閉じなさい。ルシフェル。貴方が口を開くと空気が汚れるわ。というか息を止めて、死になさいな。今なら私が殺してあげるわよ。」
ガラの悪い青年、ルシフェルを冷罵したのは肩下まで伸ばした髪に均整のとれた肢体、作り物のような美しさを持った少女。
「んだとクソ女!」
「それよりクルガはどうしたのよ?」
「オイッ!無視をするな!」
「ほっほ、本当にお二人は仲がよろしいですね。」
「「よくない!」」
「ほっほほ、そうですかそうですか。」
恰幅の良い人の良さそうな中年ほどの男が茶々を入れる。
「今日、皆を集めたのはそのクルガについてだ。」
「どうせまた厄介ごとに頭突っ込んでそのその尻拭いをしてほしいってことだろオイ。話は見えてんだよ。んで今度はなんだ。俺たちに応援を要請するんだ。また、天変地異の阻止とか異世界の邪神ガァなんて言わねーよな!」
まんざらでもない。尻尾があったらブンブン揺れているであろうと思わせるぐらい声が弾んでいる。
「クルガの頼みなら喜んで行きます。なのでルシフェル貴方は来なくていいですよ。クルガが汚染されます。」
「はっ!黙れビッチが。人間の女に負けてクルガを取られたくせに。」
「私はビッチではありません! それに私は負けたわけではありません!貴方だってルシフェルに頼ってもらえなくてあの騎士に嫉妬してたくせに!」
「はっ!そんなことねぇし!ほらふいてんじゃねーぞオイ!」
「うふふ、本当にお二人は仲がよろしいですわね。」
「だからよくないっ!」
「うふふ。」
「グガァァ、その私は分かってますって顔が腹たつんだよ。つかよ話はそれちまったがクルガの願いならここに断る奴はいねぇちがうか?」
ここにいるのは天界(天翼族が住んでいる場所)を守護する天翼の中でも武に優れ高潔な意思を持つ十二人の騎士たち。前に勇者であるクルガが天翼族が使うという魔力とは別な力を使った戦闘技術を求めて天界に来た時にクルガに修行をつけたものたちであり、ともに天界を守った仲間たちだ。そのときに彼らと彼らの主君に認められたクルガは十二翼席の第零席を与えられたのだ。
みな、クルガのことが好きで彼の頼みであるならばことわない者たちばかりだ。
「だからよ今回もパッと片付けて祝杯をあげるぞオイ!」
ルシフェルの言葉にうなづく面々。彼らのやる気は十分。はやく終わらせて酒を飲む。クルガに会えると意気揚々としていた。
しかしルシフェルが言うような祝杯は上がらないだろう。
なぜなら
「皆、よく聞け。クルガは【堕天】した。
我々の此度の使命は元零席人界守護者クルガ・バゼルの処刑および断罪である。」
ここにいる者たちが最も望まないことが使命内容だったのだから。
◆◆◆
響く渡る慟哭。喉が焼ききれんばかりの叫び声。一人の男の絶叫がそこで木霊している。叫びは徐々に小さくなり、叫び疲れた男の頰には涙が伝って落ちていた。
心には憤怒と憎悪。黒い炎に前までの優しかった彼は焼かれ灰になった。
手には愛した人の亡骸を抱きしめて復讐を誓う。
「人間なんて……いなくなればいい。」
男は世界を救った勇者だった。
◆◆◆
「十二翼席会議を始める。」
白亜の宮殿そう形容するのがふさわしいであろう場所の一室。
一席を空けて12人が円卓を囲み、その中の一人が会議の始まりを告げる。
ここをいる人間には翼が生えており、ただの人間ではないことがわかる。
「んで、ミカエル。急に集めやがってどういう要件だコラ。」
円卓に足を乗せたガラの悪そうな少年。今日集められた彼らには召集の内容を伝えられていなかった。
「その汚い口を閉じなさい。ルシフェル。貴方が口を開くと空気が汚れるわ。というか息を止めて、死になさいな。今なら私が殺してあげるわよ。」
ガラの悪い青年、ルシフェルを冷罵したのは肩下まで伸ばした髪に均整のとれた肢体、作り物のような美しさを持った少女。
「んだとクソ女!」
「それよりクルガはどうしたのよ?」
「オイッ!無視をするな!」
「ほっほ、本当にお二人は仲がよろしいですね。」
「「よくない!」」
「ほっほほ、そうですかそうですか。」
恰幅の良い人の良さそうな中年ほどの男が茶々を入れる。
「今日、皆を集めたのはそのクルガについてだ。」
「どうせまた厄介ごとに頭突っ込んでそのその尻拭いをしてほしいってことだろオイ。話は見えてんだよ。んで今度はなんだ。俺たちに応援を要請するんだ。また、天変地異の阻止とか異世界の邪神ガァなんて言わねーよな!」
まんざらでもない。尻尾があったらブンブン揺れているであろうと思わせるぐらい声が弾んでいる。
「クルガの頼みなら喜んで行きます。なのでルシフェル貴方は来なくていいですよ。クルガが汚染されます。」
「はっ!黙れビッチが。人間の女に負けてクルガを取られたくせに。」
「私はビッチではありません! それに私は負けたわけではありません!貴方だってルシフェルに頼ってもらえなくてあの騎士に嫉妬してたくせに!」
「はっ!そんなことねぇし!ほらふいてんじゃねーぞオイ!」
「うふふ、本当にお二人は仲がよろしいですわね。」
「だからよくないっ!」
「うふふ。」
「グガァァ、その私は分かってますって顔が腹たつんだよ。つかよ話はそれちまったがクルガの願いならここに断る奴はいねぇちがうか?」
ここにいるのは天界(天翼族が住んでいる場所)を守護する天翼の中でも武に優れ高潔な意思を持つ十二人の騎士たち。前に勇者であるクルガが天翼族が使うという魔力とは別な力を使った戦闘技術を求めて天界に来た時にクルガに修行をつけたものたちであり、ともに天界を守った仲間たちだ。そのときに彼らと彼らの主君に認められたクルガは十二翼席の第零席を与えられたのだ。
みな、クルガのことが好きで彼の頼みであるならばことわない者たちばかりだ。
「だからよ今回もパッと片付けて祝杯をあげるぞオイ!」
ルシフェルの言葉にうなづく面々。彼らのやる気は十分。はやく終わらせて酒を飲む。クルガに会えると意気揚々としていた。
しかしルシフェルが言うような祝杯は上がらないだろう。
なぜなら
「皆、よく聞け。クルガは【堕天】した。
我々の此度の使命は元零席人界守護者クルガ・バゼルの処刑および断罪である。」
ここにいる者たちが最も望まないことが使命内容だったのだから。
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