不老不死になって困ってます!

東雲

文字の大きさ
3 / 5
1章

3.国王として

しおりを挟む
時間を少し遡りフィリアがリズに眠らされた後。
リズは国王にフィリアについて報告するために国王がいるであろう場所へと向かう。

国王の書斎。そこには国王のほかには信に足ると判断されたものだけが立ち入ることが許される。普段は王族か国王の親友の宰相と文官が何名かがいる。


コンコンコン

「リズベット・ワイズマン・フランベルジュでございます。国王様にお話ししたいことが。」

いつもはフルネームでは言わない。ワイズマンを出すときは重要な要件があるときだけとそう決めてある。


「入れ。」

王の返答があって初めてこの部屋には入ることが許される。吸血鬼に由来した魔術の応用らしく高等な魔術によってこの部屋は守られている。許可がないものは入ることはできない。

「失礼します。」

「して。何ようだ。ワイズマン。」

いつもは優しく朗らかな国王だがリズがワイズマンに名前を出したことでただ事ではないことが起きていると判断したため今この部屋には厳かな雰囲気が漂っている。


リズはこの部屋にいる国王以外のものに視線をむける。

「国王様。」

「良いだろう。」

リズの意図を受け取った国王は部屋にいるものを外に出す。


全員が出たことを確認したリズは防音に侵入疎外の結界をかける。

「厳重だな。」

「注意することに越したことはありません。」

「ここにはワシが許可を出さなければ入ることはできない。しかも毎回だ。」

そんなことはリズだってわかっている。


ツカツカと音を鳴らしながら部屋の奥にある国王の机まで歩く。

「お嬢様が目を覚まされました。」

「なに!?それは誠か!?」

それまで緊張感を漂わせていた国王は花が咲いたように表情を明るくさせ喜んだ。


「こうしてはおれん!フィリアのところに行かなければ!心配していた国民たちにも姿を見せてやらなければならん。よし皆をあつめろ!」

「国王様!」

リズは深刻な泣きそうな顔になりながら国王を見つめる。


「お嬢様のスキルが発現しました。それも最悪なものです。」

「なに。説明してくれ。」

リズにを見てただ事ではないと思った国王は再度椅子に座り、説明を求めた。リズはワイズマンを名乗ったのだ。めったなことでは使わない。ということはこれは深刻なことが起きているのだということだ。


「お嬢様のユニークスキルは不老不死です。」

国王の息が止まった。


リズは国王にフィリアのステータスについて説明した。称号についても種族についても不可解なことが多すぎると。


フィリアのスキルについて広まれば間違いなく争いが起きることを。



「なるほどな...。これは確かにただことではないな。」

父としてはフィリアには幸せに暮らしてほしい。だが運命はそれを許さないだろう。


フィリアがこの国を混乱させることは確実。王として私情を挟むことは許されない。


「リズ・ワイズマン」

「はっ!」

「フィリア・グランを幽閉塔に隔離。いまだ目を覚まさず病に伏せているということにしろ。」

王として国を守らなければならない。

「妻たちにこのことについて話してからフィリアに会いに行く。あとのことはそれから伝える。」

「かしこまりました。」


国王としての決断が求められている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】

きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
【毎週火木土更新】 自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ――― 当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。 なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

家を建てたら創造神に壊されたので、神界に就職しました

猫吉
ファンタジー
事故で死んだ俺は異世界に転生し、 現代の知識を使って商売を成功させ、二年三か月。 やっとの思いで念願のマイホームが―― 粉砕した。 原因は空から降ってきた謎の少年――ではなく、創造神。 曰く、 「この世界の管理に、一般人の視点が欲しくて雇いに来た」 家はもうない。 地上に未練もない。 というわけで俺、神界に就職することになりました。 年収は平均の七十倍! 福利厚生は神! 衣・食・住、すべて一流! こうして俺は、神々が暮らす世界で住み込み勤務を始める。 そんな中、初めて呼ばれた「上級神会議」。 神話でしか聞いたことのない面々がずらりと揃う中、 提示された議題は―― 「今日の夕食、何にする?」 魔法と技術が入り混じるこの世界を、 こんな神々は本当に平和に管理できるのか……? これは、 世界を作った“その後”の神様たちと、 巻き込まれた一般人が送る、 ちょっと人間くさいコメディファンタジー!

戦えない魔法で追放された俺、家電の知識で異世界の生存率を塗り替える

yukataka
ファンタジー
安全を無視したコスト削減に反対した結果、 家電メーカーの開発エンジニア・三浦恒一は「価値がない」と切り捨てられた。 降格先の倉庫で事故に巻き込まれ、彼が辿り着いたのは――魔法がすべてを決める異世界だった。 この世界では、魔法は一人一つが常識。 そんな中で恒一が与えられたのは、 元の世界の“家電”しか召喚できない外れ魔法〈異界家電召喚〉。 戦えない。派手じゃない。評価もされない。 だが、召喚した家電に応じて発現する魔法は、 戦闘ではなく「生き延びるための正しい使い方」に特化していた。 保存、浄化、環境制御―― 誰も見向きもしなかった力は、やがて人々の生活と命を静かに支え始める。 理解されず、切り捨てられてきた男が選ぶのは、 英雄になることではない。 事故を起こさず、仲間を死なせず、 “必要とされる仕事”を積み上げること。 これは、 才能ではなく使い方で世界を変える男の、 静かな成り上がりの物語。

処理中です...