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気付いてもらえないときのこと
知らない間の出来事について、その3の2
しおりを挟む「これから、用事について話します」
乙女かくあるべし、といった貌で、朱音観子は宣言した。
「おぉ、これが」
噂に聞いた宣言が、これほど決意的なものだとは。八代綾は思わず背筋を伸ばす。
「私、一昨日に告白したのです」
「あいつに?」
「はい」
「それで?」
「……私さえよければ、これからもそばで見ていてくれる……と」
「かぁーっ!」
やりきれない叫びに、あたりの木陰やらに隠れていた鳥たちが逃げるように飛び出した。
確かに意気地がなかったかもしれない。幼馴染というシード席に甘んじていたのかもしれない。そのペナルティがこの恋話だというのか。綾は神を恨んだ。噴水がある方からくしゃみが聞こえた気がした。
「しかし、続けて『告白の行く末も気になる』……と」
「かぁーっ! あの朴念仁ッ!」
「私、どうしたらいいでしょう……」
「倒しましょう! 女の敵だよあいつは! わたしはミルコちゃんの味方だよ!」
「ヤーちゃん……!」
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