【完結】冷遇され続けた私、悪魔公爵と結婚して社交界の花形になりました~妹と継母の陰謀は全てお見通しです~

深山きらら

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第八章 薔薇は夜明けに

ずっと求めていたもの

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 ローズが生まれてから、ヴァルモント家は笑い声に満ちるようになった。
 小さな娘は、両親の愛情をたっぷりと受けて、すくすくと育っていった。

 エリアナは、母親としての喜びを噛みしめていた。
 娘を抱き、授乳し、子守唄を歌う。
 亡き母から受けた愛情を、今度は自分が与える番なのだと、エリアナは感じていた。

 アレクシスもまた、父親としての役割を真剣に果たしていた。
 公務で忙しい中でも、必ず娘と過ごす時間を作った。
 ローズを抱いて、城の庭園を歩く。優しく話しかける。

「お前は、愛されている。いつも、永遠に」

 その言葉を、何度も何度も繰り返した。まるで祈りのように。

 ローズは、両親の愛情を全身で受け止めて、明るく育っていった。
 琥珀色の瞳は母譲り、黒い髪は父譲り。
 そして、両親の最も良いところを受け継いだ、優しく強い子供だった。



 ローズが二歳になった頃、エリアナは再び妊娠した。

「また、子供ができました」

 エリアナが告げると、アレクシスは喜んで彼女を抱きしめた。

「素晴らしい。ローズに、兄弟ができるのだな」

 二人目の出産も無事に終わり、今度は男の子が生まれた。
「アラン」と名付けられた息子は、父親に似た青い瞳を持っていた。

 こうして、ヴァルモント家は四人家族となった。
 幸せな家族。
 愛に満ちた家族。
 エリアナは、毎日が奇跡のように感じられた。
  
 かつて、冷たい部屋で一人うつむいていた自分。
 誰にも愛されず、自分の価値も分からなかった自分。
 それが今は——
 愛する夫がいて、可愛い子供たちがいて、温かい家がある。



「お母様、見て !」

 ローズが、庭園から駆け戻ってきた。
 小さな手には、摘んだばかりの薔薇の花。

「まあ、綺麗ね」

 エリアナは、娘を抱き上げた。

「この薔薇、お母様にあげる !」
「ありがとう、ローズ」

 エリアナは、娘の頬にキスをした。
 ローズは、母親の愛情をたっぷりと受けて、輝くような笑顔を見せた。

 この笑顔を守りたい。
 エリアナは、心からそう思った。

 自分が失っていたものを、この子たちにはすべて与えたい。
 愛情、自信、居場所——すべて。




 ある日、エリアナは城の執務室で、領地の慈善活動の計画を立てていた。
 孤児院の拡張、学校の設立、貧しい家庭への支援。
 エリアナは、自分の経験を活かして、人々を助けることに情熱を注いでいた。

「エリアナ様、素晴らしい計画ですね」
 執事のセバスチャンが、感心して言った。
「あなた様の慈善活動は、領民たちに希望を与えています」

「わたくしは、かつて絶望していました」
 エリアナは、静かに言った。
「だからこそ、同じように苦しんでいる人々を助けたいのです」

 その時、アレクシスが部屋に入ってきた。

「エリアナ、話がある」
「何ですか?」
「隣国から、手紙が届いた」

 アレクシスは、一通の手紙を差し出した。

「誰からですか?」
「リリアーナだ」

 その名前を聞いて、エリアナの手が止まった。

 妹からの手紙——前回から、もう三年が経っていた。
 前回手紙をもらったとき、エリアナは返事を書きたかったのだが、封筒に妹の住所は書かれていなかったのだ。
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