【完結】冷遇され続けた私、悪魔公爵と結婚して社交界の花形になりました~妹と継母の陰謀は全てお見通しです~

深山きらら

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第八章 薔薇は夜明けに

和解

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 今度は、封筒にちゃんと住所が書かれている。

 エリアナは、手紙を開いた。

「エリアナ姉様へ

 お久しぶりです。お元気でしょうか。
 わたくしはシルパフォンという村で暮らしています。
 この三年間で、わたくしは多くのことを学びました。
 本当の幸せとは何か。愛とは何か。
 そして、自分がどれほど愚かだったか。

 お姉様、許してほしいとは言いません。
 わたくしがしたことは、許されることではないから。
 でも、伝えたいことがあります。

 わたくしは今、村の学校で子供たちに読み書きを教えています。
 美しさでもなく、地位でもなく、ただ自分自身で生きています。
 そして、気づきました。これが、本当の幸せなのだと。
 お姉様が、ずっと前から知っていたことを、わたくしはやっと理解しました。

 いつか、お会いできる日が来るでしょうか。
 その時は、本当の自分として、お姉様の前に立ちたい。
 どうか、体をお大事に。
 リリアーナ」

 エリアナは、手紙を読み終えて、静かに涙を流した。

「エリアナ……」

 アレクシスが、彼女の肩に手を置いた。

「妹は、変わったのですね」
 エリアナは、囁いた。
「やっと、本当の幸せを見つけられたのかもしれません」

「彼女に、会いたいか?」

 エリアナは、少し考えた。
 そして、うなずいた。

「はい。いつか、会いたいです」
「なら、手配しよう」

 アレクシスは優しく微笑んだ。

「君が望むなら、私はすべてを支える」

 エリアナは、夫を見上げた。
 この人がいてくれるから、自分は強くいられる。
 この人の愛があるから、過去を許せる。

「ありがとう、アレクシス」
「いや、私こそ、君に感謝している」

 彼は、エリアナを抱きしめた。

「君が、私に愛することを教えてくれた」

 二人は、長い間抱き合っていた。

 数か月後、ヴァルモント夫妻はリリアーナを城に招待した。

 再会の日、エリアナは緊張していた。

「大丈夫か?」
 アレクシスが、心配そうに尋ねた。

「はい。もう、怖くはありません」
 エリアナは、微笑んだ。
「わたくしは、もう強いですから」

 馬車が到着すると、そこから降りてきたのは——
 以前とは全く違うリリアーナだった。

 質素な服を着て、化粧もほとんどしていない。
 でも、その表情は穏やかで、以前のような虚栄心の影はなかった。

「ヴァルモント公爵夫人……」

 リリアーナは、エリアナの前で礼をした。平民が貴族に対して行うのにふさわしい、完全な礼だ。

「お招きいただき、ありがとうございます」
「ようこそ、リリアーナ」

 エリアナは、妹を抱きしめた。
 リリアーナは、驚いて目を見開いた。そして、涙を流した。

「お姉様……わたくし……本当に、すみませんでした……」
「もういいのよ」
 エリアナは、優しく言った。
「過去は、過去です」

 二人は庭園を散歩した。
 薔薇が、美しく咲いている。

「お姉様、本当にお幸せそうで……」

 リリアーナが、囁いた。

「わたくしが憧れていた幸せを、お姉様は手に入れたのですね」

「あなたも、幸せになれるわ」
 エリアナは、妹の手を取った。
「本当の自分として生きれば」

「本当の自分……」
「そう。誰かと比べるのではなく、ただ自分らしく生きること。それが、幸せへの道よ」

 リリアーナはうなずいた。

「わたくし、今ならわかります。お姉様の言葉の意味が」
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