【完結】辺境伯の溺愛が重すぎます~追放された薬師見習いは、領主様に囲われています~

深山きらら

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愛に満ちた日々

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 そして、季節が一巡りした頃。
 アディのお腹に、新しい命が宿った。
 その知らせを聞いたルーファスは、言葉を失った。

「……本当に?」

「はい」アディは幸せそうに微笑んだ。「私たちの、赤ちゃんです」

 ルーファスは、アディを優しく抱きしめた。

「ありがとう……アディ……」

 その声は、感動で震えていた。
 だが、次の瞬間、彼の顔が真剣になった。

「今日から、お前の仕事は大幅に削減だ」
「え……」
「診察は週に三日まで。薬草採集は禁止。重いものを持つのも禁止。階段の昇り降りも、必ず私が付き添う」
「る、ルーファス様、それは過保護すぎます!」
「当然だ。お前と子供の安全が最優先だ」

 ルーファスの溺愛は、これからさらに加速していくことが確実だった。
 アディは苦笑しながらも、その愛情の深さに、幸せを感じていた。



 それから数年後。
 領主館の庭では、小さな女の子が走り回っていた。
 母親似の優しい顔立ちと、父親譲りの蒼い瞳を持つ、可愛らしい少女だった。

「お父様、お母様、見て見て!」

 少女が摘んだ花を見せると、ルーファスとアディは優しく微笑んだ。

「きれいだね、リリア」アディが娘の頭を撫でた。
「ああ、よく見つけたな」ルーファスも娘を褒めた。

 リリアは嬉しそうに笑って、また庭を駆け回っていった。
 その様子を見守りながら、ルーファスはアディの手を取った。

「幸せか?」
「はい」アディは心から微笑んだ。「とても」
「私もだ」

 ルーファスは、アディの額にキスをした。

「お前と出会えて、本当によかった。これからも、ずっと一緒だ」
「はい、ずっと一緒です」

 夕陽が、幸せな家族を優しく照らしていた。

 かつて王都を追われ、絶望の中にいた薬師見習いは、今、誰よりも幸せな女性になっていた。
 そして、かつて心を閉ざしていた氷の辺境伯は、今、誰よりも愛情深い夫であり、父親になっていた。

 二人の愛は、これからも永遠に続いていく――【完】
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