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ー猛毒ー
③⑥
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──パーティー当日。
着飾ったエリュテイカは華やかで以前の輝きを取り戻したようだった。
彼女の容姿は男女問わず周囲の目を惹きつける。
お飾りの妻にはもってこいだと思っていた時だった。
なんとヴィジョン伯爵とガルビン男爵がアーテルム帝国軍団長で公爵のルアン・ゲルヘルに斬殺されたのだ。
もはやパーティーどころではない。
ヴィジョン伯爵の娘であるライラもその場で首を斬られてしまう。
ルアンは皇帝から自国民を含む奴隷売買について命を受けて、やってきたという。
もちろんチェルヴォニとシュヴァルツが踏み込んでいたあの地下の悪趣味なショーのこともだ。
そして奴隷たちを運んでいたガルビン男爵の方は何故かヴィジョン伯爵よりも酷い目に遭わせるつもりのようだ。
(ガルビン男爵に強い恨みがあるのだろうか……)
彼らが悪に手を染めていたことはわかっていたが、チェルヴォニは見ないふりをしていた。
自分も楽しめるからと考えていたのだが、まさかこんなことになるなんて思ってもみなかった。
彼らはアーテルム帝国や隣国から連れ出した民を奴隷として国に運んではあのような下劣なショーを開いていたらしい。
そのことをシュヴァルツやチェルヴォニの前で笑顔で話すルアン。
その隣にはダルモンテ王家から出て行き、死んだことにされたはずの元第二王女フラーウムの姿があった。
彼女は以前王城にいた見窄らしい姿とはまったく違う。
まるで蛹から蝶になったように美しい姿で堂々とルアンの隣に立っている。
表情を変えないダルモンテ国王はさすがと言ったところか。
王妃とリリアンはルアンとフラーウムを交互に見つつ驚愕している。
しかしルアンの端正な顔立ちやフラーウムがまとう豪華なドレスを見てリリアンは嫉妬心をむき出しにしていた。
その姿は醜く見ていられないほどだ。
虐げていたフラーウムがルアンに溺愛されて自分よりも幸せになっていることが許せないのだろう。
周囲が彼女たちが何かするのではと慌てる一方でシュヴァルツやチェルヴォニは自分が関わっていたことがバレないかそわそわしていた。
(仮面をつけていたから大丈夫なはずだ。絶対にバレない)
チラリとシュヴァルツと目を合わせて頷いた。
だからその時、エリュテイカの唇が弧を描いていたことなどまったく気がつかないままだった。
もうパーティーどころではなかった。
なんとか場を納めて、この件に関わっていたものたちを処刑することを提案するもののルアンやアーテルム帝国側の気は収まらないらしい。
それも当然だと思いつつ、ルアンはリリアンと王妃が心底気に入らずに処分したいと考えているようだった。
(まさか彼女たちがフラーウムを虐げていたことがバレているとでもいうのか!? その復讐に……?)
関わった貴族たちも処罰を受けたが、チェルヴォニは謝罪を繰り返す日々を送っていた。
尻拭いをさせたくてもヴィジョン伯爵やガルビン男爵はもういない。
こんなことならいっそのことチェルヴォニの首も切ってくれたらと思うほどに苦しい状況だった。
奴隷の身に落とされた者たちはダルモンテ王国を恨んでいるようだ。
この件がきっかけで再びアーテルム帝国との関係に亀裂が入るのではないかと恐れていた。
(そろそろサフィードに連絡を取らなければ……! またアーテルム帝国と緊迫状態になればアイツも酒と女遊びをやめて目を覚ますだろう)
チェルヴォニはサフィードに連絡をとるために手紙を送ろうとした時だった。
「──サフィードが死んだ!?」
衝撃の事実にチェルヴォニは耳を疑った。
そこでサフィードの近況を初めて知ることになる。
酒や女に溺れていき、領民や屋敷の使用人からも嫌われていたそうだ。
やっとやり直そうとしたのも束の間、今まで献身的にサフィードを支えていた妻、フィオーネの前で自分の胸に短剣を突き刺して自害したらしい。
何故わざわざフィオーネの前で死んだのか。
その理由はわからないが彼の部屋に転がっていた大量の酒瓶があったことから酔って錯乱した勢いでやったのではないかとのことだった。
(サフィードが、そこまで追い詰められていたとは……!)
どうしてもっと早く連絡を取らなかったのか、彼を気にしなかったのか後悔ばかりだ。
特にこの緊迫した状況ではサフィードが国境を守ってくれなければダルモンテ王国はすぐに陥落してしまう。
サフィードの力が必要だと思った矢先に彼は死んでしまった。
その一件からフィオーネは心を病んでアーテルム帝国に帰ってしまったらしい。
彼女はサフィードがこうなったことの責任を感じているそうだ。
だが誰もフィオーネを責める者はいなかった。
屋敷の使用人や領民の皆が、彼女が懸命に堕落していたサフィードを支えていたと讃えるのだ。
これではダルモンテ王国の評判は下がり、アーテルム帝国は上がる一方だろう。
辺境を守る者はおらず、今はサフィードの親戚内で誰が継ぐか相談しているらしいが戦いに自ら赴くような物好きはそうそういない。
それほどサフィードの力は凄まじかったのだろう。
アーテルム帝国もダルモンテ王国に対して、裏切り行為を行ったとして攻め入るチャンスになっている。
着飾ったエリュテイカは華やかで以前の輝きを取り戻したようだった。
彼女の容姿は男女問わず周囲の目を惹きつける。
お飾りの妻にはもってこいだと思っていた時だった。
なんとヴィジョン伯爵とガルビン男爵がアーテルム帝国軍団長で公爵のルアン・ゲルヘルに斬殺されたのだ。
もはやパーティーどころではない。
ヴィジョン伯爵の娘であるライラもその場で首を斬られてしまう。
ルアンは皇帝から自国民を含む奴隷売買について命を受けて、やってきたという。
もちろんチェルヴォニとシュヴァルツが踏み込んでいたあの地下の悪趣味なショーのこともだ。
そして奴隷たちを運んでいたガルビン男爵の方は何故かヴィジョン伯爵よりも酷い目に遭わせるつもりのようだ。
(ガルビン男爵に強い恨みがあるのだろうか……)
彼らが悪に手を染めていたことはわかっていたが、チェルヴォニは見ないふりをしていた。
自分も楽しめるからと考えていたのだが、まさかこんなことになるなんて思ってもみなかった。
彼らはアーテルム帝国や隣国から連れ出した民を奴隷として国に運んではあのような下劣なショーを開いていたらしい。
そのことをシュヴァルツやチェルヴォニの前で笑顔で話すルアン。
その隣にはダルモンテ王家から出て行き、死んだことにされたはずの元第二王女フラーウムの姿があった。
彼女は以前王城にいた見窄らしい姿とはまったく違う。
まるで蛹から蝶になったように美しい姿で堂々とルアンの隣に立っている。
表情を変えないダルモンテ国王はさすがと言ったところか。
王妃とリリアンはルアンとフラーウムを交互に見つつ驚愕している。
しかしルアンの端正な顔立ちやフラーウムがまとう豪華なドレスを見てリリアンは嫉妬心をむき出しにしていた。
その姿は醜く見ていられないほどだ。
虐げていたフラーウムがルアンに溺愛されて自分よりも幸せになっていることが許せないのだろう。
周囲が彼女たちが何かするのではと慌てる一方でシュヴァルツやチェルヴォニは自分が関わっていたことがバレないかそわそわしていた。
(仮面をつけていたから大丈夫なはずだ。絶対にバレない)
チラリとシュヴァルツと目を合わせて頷いた。
だからその時、エリュテイカの唇が弧を描いていたことなどまったく気がつかないままだった。
もうパーティーどころではなかった。
なんとか場を納めて、この件に関わっていたものたちを処刑することを提案するもののルアンやアーテルム帝国側の気は収まらないらしい。
それも当然だと思いつつ、ルアンはリリアンと王妃が心底気に入らずに処分したいと考えているようだった。
(まさか彼女たちがフラーウムを虐げていたことがバレているとでもいうのか!? その復讐に……?)
関わった貴族たちも処罰を受けたが、チェルヴォニは謝罪を繰り返す日々を送っていた。
尻拭いをさせたくてもヴィジョン伯爵やガルビン男爵はもういない。
こんなことならいっそのことチェルヴォニの首も切ってくれたらと思うほどに苦しい状況だった。
奴隷の身に落とされた者たちはダルモンテ王国を恨んでいるようだ。
この件がきっかけで再びアーテルム帝国との関係に亀裂が入るのではないかと恐れていた。
(そろそろサフィードに連絡を取らなければ……! またアーテルム帝国と緊迫状態になればアイツも酒と女遊びをやめて目を覚ますだろう)
チェルヴォニはサフィードに連絡をとるために手紙を送ろうとした時だった。
「──サフィードが死んだ!?」
衝撃の事実にチェルヴォニは耳を疑った。
そこでサフィードの近況を初めて知ることになる。
酒や女に溺れていき、領民や屋敷の使用人からも嫌われていたそうだ。
やっとやり直そうとしたのも束の間、今まで献身的にサフィードを支えていた妻、フィオーネの前で自分の胸に短剣を突き刺して自害したらしい。
何故わざわざフィオーネの前で死んだのか。
その理由はわからないが彼の部屋に転がっていた大量の酒瓶があったことから酔って錯乱した勢いでやったのではないかとのことだった。
(サフィードが、そこまで追い詰められていたとは……!)
どうしてもっと早く連絡を取らなかったのか、彼を気にしなかったのか後悔ばかりだ。
特にこの緊迫した状況ではサフィードが国境を守ってくれなければダルモンテ王国はすぐに陥落してしまう。
サフィードの力が必要だと思った矢先に彼は死んでしまった。
その一件からフィオーネは心を病んでアーテルム帝国に帰ってしまったらしい。
彼女はサフィードがこうなったことの責任を感じているそうだ。
だが誰もフィオーネを責める者はいなかった。
屋敷の使用人や領民の皆が、彼女が懸命に堕落していたサフィードを支えていたと讃えるのだ。
これではダルモンテ王国の評判は下がり、アーテルム帝国は上がる一方だろう。
辺境を守る者はおらず、今はサフィードの親戚内で誰が継ぐか相談しているらしいが戦いに自ら赴くような物好きはそうそういない。
それほどサフィードの力は凄まじかったのだろう。
アーテルム帝国もダルモンテ王国に対して、裏切り行為を行ったとして攻め入るチャンスになっている。
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