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四章
⑥⑧
袖や胸元、スカートの真ん中部分はレースがふんだんに使われている。
煌びやかではあるが上品で素敵なドレスだと思った。
「これって……」
「リュドヴィック様から、ディアンヌ様へのプレゼントですよ」
「……!」
どうやらリュドヴィックからパーティーに着ていくドレスがプレゼントされたようだ。
カードには『今度は一緒に選びに行こう』と書かれている。
最近、パーティーの準備に忙しくしており、リュドヴィックと顔を合わせていない。
だけどこうしてドレスを用意してくれたことは嬉しく思っていた。
ディアンヌは目を輝かせながら、美しいドレスを眺めていた。
「…………綺麗」
「絶対、ディアンヌ様に似合いますよ!」
「こんな素敵なドレス……わたしに着こなせるかしら」
「ディアンヌ様はもう少しご自分の可愛らしさを自覚した方がいいですわ」
「ララ、気を遣ってくれてありがとう」
「わたしは気を遣っているわけではありませんから!」
ララは自信満々に言ってはくれているが、ディアンヌの容姿は可愛らしくはあるが目立つ方ではない。
銀色の髪飾りや、ディアンヌを気遣ってくれたのかヒールが低めな靴。
すべてドレスに合わせて用意したのだとわかる。
リュドヴィックがディアンヌのために選んでくれたのだと思うと、嬉しくてたまらない。
「ワタシ、ディアンヌ様のためにがんばりますから!」
ララが何故か気合いを入れているようだが、ディアンヌはよくわからないままだ。
「パーティーが楽しみですねっ!」
「そうね! がんばらないと」
最近ではディアンヌの努力する姿を見て、ベルトルテ公爵邸の中で自然と味方も増えてきた。
カトリーヌがいなくなったことも大きいが、ベルトルテ公爵家のために尽くしているディアンヌを認めてくれているような気がしていた。
リュドヴィックのディアンヌへの態度が変わったからかもしれないが、それでも嬉しかった。
(リュドヴィック様に会ったら、ドレスのお礼を言わないと……!)
ディアンヌは明るい気持ちでララと話していたのだった。
──そしてパーティー当日。
ディアンヌはドキドキとする胸を押さえていた。
鏡に映る自分の姿はまるで別人のように見える。
水色のドレスに銀色の金具に青い宝石があしらわれたネックレス。
同じ宝石をあしらった耳元で揺れているイヤリングを見つめながら三日前のことを思い出していた。
なんと郊外の別邸から前公爵と夫人がこのアクセサリーを届けにベルトルテ公爵邸まで足を運んでくれたのだ。
リュドヴィックが難しい顔をしながらディアンヌの元にやってきて二人の訪問を告げる。
レッスンを受けていたディアンヌも急いで支度を整えてサロンに向かった。
挨拶を終えるとリュドヴィックがディアンヌを抱き寄せるようにして腕を回す。
「今更、ディアンヌとの結婚を反対するつもりならお帰りください」
「……!」
緊張感が漂う室内は静寂に包まれていた。
「私は彼女を心から愛しています。手放すつもりはありません」
リュドヴィックの言葉にディアンヌの顔は真っ赤になっていく。
彼はディアンヌを安心させるように笑みを浮かべていた。
何も言わない二人を見て緊張していたディアンヌだったが、ゆっくりと頭を下げる。
そして二人の前で堂々とした対応で口を開く。
「まだまだ力不足ではありますが、ベルトルテ公爵家の名に恥じぬよう努力していくつもりです」
ディアンヌがそういうと夫人が前に出る。
そして「二人の結婚に反対するつもりはないわ」と、言った後にディアンヌの前で足を止めた。
煌びやかではあるが上品で素敵なドレスだと思った。
「これって……」
「リュドヴィック様から、ディアンヌ様へのプレゼントですよ」
「……!」
どうやらリュドヴィックからパーティーに着ていくドレスがプレゼントされたようだ。
カードには『今度は一緒に選びに行こう』と書かれている。
最近、パーティーの準備に忙しくしており、リュドヴィックと顔を合わせていない。
だけどこうしてドレスを用意してくれたことは嬉しく思っていた。
ディアンヌは目を輝かせながら、美しいドレスを眺めていた。
「…………綺麗」
「絶対、ディアンヌ様に似合いますよ!」
「こんな素敵なドレス……わたしに着こなせるかしら」
「ディアンヌ様はもう少しご自分の可愛らしさを自覚した方がいいですわ」
「ララ、気を遣ってくれてありがとう」
「わたしは気を遣っているわけではありませんから!」
ララは自信満々に言ってはくれているが、ディアンヌの容姿は可愛らしくはあるが目立つ方ではない。
銀色の髪飾りや、ディアンヌを気遣ってくれたのかヒールが低めな靴。
すべてドレスに合わせて用意したのだとわかる。
リュドヴィックがディアンヌのために選んでくれたのだと思うと、嬉しくてたまらない。
「ワタシ、ディアンヌ様のためにがんばりますから!」
ララが何故か気合いを入れているようだが、ディアンヌはよくわからないままだ。
「パーティーが楽しみですねっ!」
「そうね! がんばらないと」
最近ではディアンヌの努力する姿を見て、ベルトルテ公爵邸の中で自然と味方も増えてきた。
カトリーヌがいなくなったことも大きいが、ベルトルテ公爵家のために尽くしているディアンヌを認めてくれているような気がしていた。
リュドヴィックのディアンヌへの態度が変わったからかもしれないが、それでも嬉しかった。
(リュドヴィック様に会ったら、ドレスのお礼を言わないと……!)
ディアンヌは明るい気持ちでララと話していたのだった。
──そしてパーティー当日。
ディアンヌはドキドキとする胸を押さえていた。
鏡に映る自分の姿はまるで別人のように見える。
水色のドレスに銀色の金具に青い宝石があしらわれたネックレス。
同じ宝石をあしらった耳元で揺れているイヤリングを見つめながら三日前のことを思い出していた。
なんと郊外の別邸から前公爵と夫人がこのアクセサリーを届けにベルトルテ公爵邸まで足を運んでくれたのだ。
リュドヴィックが難しい顔をしながらディアンヌの元にやってきて二人の訪問を告げる。
レッスンを受けていたディアンヌも急いで支度を整えてサロンに向かった。
挨拶を終えるとリュドヴィックがディアンヌを抱き寄せるようにして腕を回す。
「今更、ディアンヌとの結婚を反対するつもりならお帰りください」
「……!」
緊張感が漂う室内は静寂に包まれていた。
「私は彼女を心から愛しています。手放すつもりはありません」
リュドヴィックの言葉にディアンヌの顔は真っ赤になっていく。
彼はディアンヌを安心させるように笑みを浮かべていた。
何も言わない二人を見て緊張していたディアンヌだったが、ゆっくりと頭を下げる。
そして二人の前で堂々とした対応で口を開く。
「まだまだ力不足ではありますが、ベルトルテ公爵家の名に恥じぬよう努力していくつもりです」
ディアンヌがそういうと夫人が前に出る。
そして「二人の結婚に反対するつもりはないわ」と、言った後にディアンヌの前で足を止めた。
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