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第二章 【世界を護る役割】
第四節 提案
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トレイシー、クレノと共に大広間を後にし歩きながら会話を続ける。
「レナトゥスくんは第六星巡り部隊とかなり仲が良さそうにしていたからね、私は少しだけ寂しい思いを感じていたよ」
「よく言うぜ。俺たちが会話してると必ず間に入ってきてただろ?トレイシーこそ、あいつらと仲良さそうだったじゃねえか」
「ふふふ、嫉妬してくれているのか?嬉しいなぁ」
俺とトレイシーの会話を一歩後ろで聞いていたクレノは疑問をうかべるように首をかしげる。
「…とても親密そうに見えるのですが、トレイシーさんとレナトゥス・リィン・リーディルクさんは恋人関係なのですか?」
思わずつんのめりそうになった。
確かにトレイシーとは昔からの距離感で接してしまうところがある。だが俺にとっては悪友、もしくは年の近い姉としての感覚が強い。それを、まさか恋人関係と誤解されることになってしまうとは…。
「それは違う」
「ふふ、違うよ」
お互い息ぴったりに否定の言葉を口にする。
「レナトゥスくんとの関係は……昔馴染みって言った方が早いのかな。彼が第三星巡り部隊の護だった時からの馴染みだよ」
「第三星巡りの…護…?」
驚いたように目を丸くしてクレノは俺を凝視してきた。
ぱちり、と瞬きをした後には表情は戻っていたが、じっと凝視してくる視線は途切れない。視線によって焦げ付きそうになる錯覚すら覚えたところで、トレイシーは名案を思い付いた。とでもいうように掌を叩く。
「そうだ、クレノ。護として不安があるって言っていたね。それならば、レナトゥスくんに教わったらいいよ」
「は?」
「…ですが、僕には第四星巡りがあります」
「あいつ等は気分屋だからね、生真面目なクレノとは少し相性が悪い。前も不満そうにしていたじゃないか」
「ちょ、おい。いったい何の話をして…」
俺が関係する話なのは分かるが、当人の俺には全くもってなんの話か分からない。
「不満は…ありました。大いに。けれど他部隊の人に頼むほど技術的に悪かったわけでもありません」
「ふふふ、それはね。別の人を知らないからそう言えるんだよ。クレノ、一つ助言だ。狭い海よりも、広い海を見た方がいい。広い海を見て、なおも気持ちが変わらないのであればそれはクレノの自由だよ」
「おいって…!」
話の流れが固まってしまう前に言葉を挟んだものの、クレノとトレイシーの間ではもう決定事項手前まで話が進んでいたようで、俺が話しかけた途端にっこりと笑みを浮かべたトレイシー。
悪友として接してきた俺の感覚が言っていた。
―また、面倒事を押し付けてくる。
「と、いうわけなんだ、レナトゥスくん。指導役として、クレノに護としての立ち振る舞いを教えてあげてほしいんだよ」
何が、「と、いうわけ」だ。
全く話が見えない。何故俺は他部隊の新米くんの指導役を任されているんだ?
「や、いやいやいや。なんで俺が?トレイシーの部隊にも護が二人いた筈だろ」
「ユーシスとエンリオは、クレノとは根本的に合わないんだよ。あいつ等は感覚型、クレノは頭脳型だからね。もっと言ってしまえば気分屋と生真面目じゃ反りが合わないのさ」
「だからって、なんで他部隊の俺が…」
「別に、毎日指導してほしいって言っているわけじゃないよ。特定の日、数時間程度でもクレノに教えてあげる時間を作ってほしいだけだ。私の部隊の護が教えるよりも、レナトゥスくんに教わる方がクレノは今よりも遥かに成長する。絶対にね」
―絶対。
トレイシーがこう断言するとき、それがどんな無理難題であろうと最終的には言った通りの結果になっている。
掌の上で転がされているような感覚がどうにも気に入らなくて、トレイシーからの面倒事は毎回断っている。筈なのに、口八丁に丸め込まれ、頷かざるを得ない状態に持っていかれるのだ。
正直に言えばトレイシーからの面倒事のおかげで、纏としての今の俺があると言ってもいいのだが…。
(面白ければすべて良し、とでも思ってそうなとこあるから素直に感謝できないんだよなぁ…)
不気味なほど深い笑みを浮かべるトレイシーに視線を向け、肺の空気がなくなるほど深くため息をつく。
「……クレノ、お前はいいのか?他部隊のやつに教えてもらうことになるんだぞ」
返事を返す前に、クレノの意志は聞いておきたかった。
いくらトレイシーといえども、本人が嫌だといえば無理強いはしない筈だ。…まぁ今の時点でクレノが拒否しようが肯定しようが、最終的な結果は変わらないと思うが。
「僕、は……」
思案するように足元を見て、一度だけトレイシーに視線を向けた後、クレノは覚悟を決めたような瞳で俺を見据えてきた。
「レナトゥス・リィン・リーディルクさんー僕は、貴方から直に護としての役割を教わりたい。誰に言われたからじゃなく、僕自身の意志で今、そう決めました」
「そうか…分かった」
「ふふふ、二人とも素直に頷いてくれてよかったよ。提案した甲斐があったってものだね」
俺の場合頷かざるを得ない状況にもってかれてたからだけどな。
「ま、クレノがもし断るようだったら私の部隊の護二人と、導の一人つけて教えていたかもだけどね」
「導の一人って、まさかリティさんですか…!?」
先ほどまで冷静に振舞っていたクレノが、見て分かるほど顔面蒼白にして体を震わせていた。
リティ、と言えば第四星巡り部隊の最古参の導だった筈。深く交流したことはないが、トレイシーと話す際に会話することもあり、その時の印象はほんわかした優しそうな女性だった記憶が。
俺の記憶と、クレノの挙動がどうにもかみ合っていない気がする…。
「うん、そうだね。リティに頼んでたかもしれないね」
「――ッ、僕はっレナトゥス・リィン・リーディルクさんに教わりますのでっ!リティさんとは、リティさんだけはっ、その……」
「分かってるよ。クレノ、レナトゥスくんから大いに学んでくるよ良いよ」
「…はい」
何か言いたげなクレノを横目で見ながら、トレイシーの考えに気づいた俺はやり切れない思いを抱く。クレノが拒否しようが肯定しようが――結局は、トレイシーの掌の上ってことだ。
「……ま、ともかく。これからよろしく頼むなクレノ」
「こちらこそ、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。―レナトゥスさん」
クレノの名前呼びは、親しくなった基準なのだろうか。クレノに直接指導することがなければ、あのままフルネームで呼ばれていたのだと思うとトレイシーの思惑に乗っかって良かったのだとも思えた。
ーものすっごく複雑な気持ちだが。
話を纏めたところで、各部隊部屋のある廊下までたどり着く。
「じゃあ、レナトゥスくん。日程が決まったら私に教えてほしい、クレノには私から伝えるよ」
「助かる。…じゃあな、トレイシー、クレノ」
「はい、レナトゥスさん」
第四星巡り部隊の一室の手前で、トレイシーとクレノと別れ俺は第一星巡り部隊の一室へと足を向ける。
「レナトゥスくんは第六星巡り部隊とかなり仲が良さそうにしていたからね、私は少しだけ寂しい思いを感じていたよ」
「よく言うぜ。俺たちが会話してると必ず間に入ってきてただろ?トレイシーこそ、あいつらと仲良さそうだったじゃねえか」
「ふふふ、嫉妬してくれているのか?嬉しいなぁ」
俺とトレイシーの会話を一歩後ろで聞いていたクレノは疑問をうかべるように首をかしげる。
「…とても親密そうに見えるのですが、トレイシーさんとレナトゥス・リィン・リーディルクさんは恋人関係なのですか?」
思わずつんのめりそうになった。
確かにトレイシーとは昔からの距離感で接してしまうところがある。だが俺にとっては悪友、もしくは年の近い姉としての感覚が強い。それを、まさか恋人関係と誤解されることになってしまうとは…。
「それは違う」
「ふふ、違うよ」
お互い息ぴったりに否定の言葉を口にする。
「レナトゥスくんとの関係は……昔馴染みって言った方が早いのかな。彼が第三星巡り部隊の護だった時からの馴染みだよ」
「第三星巡りの…護…?」
驚いたように目を丸くしてクレノは俺を凝視してきた。
ぱちり、と瞬きをした後には表情は戻っていたが、じっと凝視してくる視線は途切れない。視線によって焦げ付きそうになる錯覚すら覚えたところで、トレイシーは名案を思い付いた。とでもいうように掌を叩く。
「そうだ、クレノ。護として不安があるって言っていたね。それならば、レナトゥスくんに教わったらいいよ」
「は?」
「…ですが、僕には第四星巡りがあります」
「あいつ等は気分屋だからね、生真面目なクレノとは少し相性が悪い。前も不満そうにしていたじゃないか」
「ちょ、おい。いったい何の話をして…」
俺が関係する話なのは分かるが、当人の俺には全くもってなんの話か分からない。
「不満は…ありました。大いに。けれど他部隊の人に頼むほど技術的に悪かったわけでもありません」
「ふふふ、それはね。別の人を知らないからそう言えるんだよ。クレノ、一つ助言だ。狭い海よりも、広い海を見た方がいい。広い海を見て、なおも気持ちが変わらないのであればそれはクレノの自由だよ」
「おいって…!」
話の流れが固まってしまう前に言葉を挟んだものの、クレノとトレイシーの間ではもう決定事項手前まで話が進んでいたようで、俺が話しかけた途端にっこりと笑みを浮かべたトレイシー。
悪友として接してきた俺の感覚が言っていた。
―また、面倒事を押し付けてくる。
「と、いうわけなんだ、レナトゥスくん。指導役として、クレノに護としての立ち振る舞いを教えてあげてほしいんだよ」
何が、「と、いうわけ」だ。
全く話が見えない。何故俺は他部隊の新米くんの指導役を任されているんだ?
「や、いやいやいや。なんで俺が?トレイシーの部隊にも護が二人いた筈だろ」
「ユーシスとエンリオは、クレノとは根本的に合わないんだよ。あいつ等は感覚型、クレノは頭脳型だからね。もっと言ってしまえば気分屋と生真面目じゃ反りが合わないのさ」
「だからって、なんで他部隊の俺が…」
「別に、毎日指導してほしいって言っているわけじゃないよ。特定の日、数時間程度でもクレノに教えてあげる時間を作ってほしいだけだ。私の部隊の護が教えるよりも、レナトゥスくんに教わる方がクレノは今よりも遥かに成長する。絶対にね」
―絶対。
トレイシーがこう断言するとき、それがどんな無理難題であろうと最終的には言った通りの結果になっている。
掌の上で転がされているような感覚がどうにも気に入らなくて、トレイシーからの面倒事は毎回断っている。筈なのに、口八丁に丸め込まれ、頷かざるを得ない状態に持っていかれるのだ。
正直に言えばトレイシーからの面倒事のおかげで、纏としての今の俺があると言ってもいいのだが…。
(面白ければすべて良し、とでも思ってそうなとこあるから素直に感謝できないんだよなぁ…)
不気味なほど深い笑みを浮かべるトレイシーに視線を向け、肺の空気がなくなるほど深くため息をつく。
「……クレノ、お前はいいのか?他部隊のやつに教えてもらうことになるんだぞ」
返事を返す前に、クレノの意志は聞いておきたかった。
いくらトレイシーといえども、本人が嫌だといえば無理強いはしない筈だ。…まぁ今の時点でクレノが拒否しようが肯定しようが、最終的な結果は変わらないと思うが。
「僕、は……」
思案するように足元を見て、一度だけトレイシーに視線を向けた後、クレノは覚悟を決めたような瞳で俺を見据えてきた。
「レナトゥス・リィン・リーディルクさんー僕は、貴方から直に護としての役割を教わりたい。誰に言われたからじゃなく、僕自身の意志で今、そう決めました」
「そうか…分かった」
「ふふふ、二人とも素直に頷いてくれてよかったよ。提案した甲斐があったってものだね」
俺の場合頷かざるを得ない状況にもってかれてたからだけどな。
「ま、クレノがもし断るようだったら私の部隊の護二人と、導の一人つけて教えていたかもだけどね」
「導の一人って、まさかリティさんですか…!?」
先ほどまで冷静に振舞っていたクレノが、見て分かるほど顔面蒼白にして体を震わせていた。
リティ、と言えば第四星巡り部隊の最古参の導だった筈。深く交流したことはないが、トレイシーと話す際に会話することもあり、その時の印象はほんわかした優しそうな女性だった記憶が。
俺の記憶と、クレノの挙動がどうにもかみ合っていない気がする…。
「うん、そうだね。リティに頼んでたかもしれないね」
「――ッ、僕はっレナトゥス・リィン・リーディルクさんに教わりますのでっ!リティさんとは、リティさんだけはっ、その……」
「分かってるよ。クレノ、レナトゥスくんから大いに学んでくるよ良いよ」
「…はい」
何か言いたげなクレノを横目で見ながら、トレイシーの考えに気づいた俺はやり切れない思いを抱く。クレノが拒否しようが肯定しようが――結局は、トレイシーの掌の上ってことだ。
「……ま、ともかく。これからよろしく頼むなクレノ」
「こちらこそ、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。―レナトゥスさん」
クレノの名前呼びは、親しくなった基準なのだろうか。クレノに直接指導することがなければ、あのままフルネームで呼ばれていたのだと思うとトレイシーの思惑に乗っかって良かったのだとも思えた。
ーものすっごく複雑な気持ちだが。
話を纏めたところで、各部隊部屋のある廊下までたどり着く。
「じゃあ、レナトゥスくん。日程が決まったら私に教えてほしい、クレノには私から伝えるよ」
「助かる。…じゃあな、トレイシー、クレノ」
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