42 / 197
第3章 最強騎士オルランド
9 ロジェロvsオルランド
しおりを挟む
最強騎士オルランドからの一騎打ちの申し出。
ロジェロ――黒崎八式はあっさりと受諾した。
「さすがは音に聞こえしサラセン騎士、ロジェロ殿」オルランドは笑みを浮かべ言った。
「このオルランド、貴殿に敬意を表し全力で行かせて貰おう。
ただ残念ながら、今の俺には馬がない。戦いは最初から両刃剣を用いた地上戦とさせていただこうか?」
「……ああ、それで構わねえぜ」ロジェロは答えた。
ロジェロとて自棄になった訳ではない。自分が一騎打ちに応じた方が勝算があると思ったからだ。
オルランド相手にブラダマンテ――司藤アイを危険に晒す訳にはいかない。さりとて最弱騎士アストルフォでは結果は火を見るより明らかだ。
聖剣デュランダルを携えたオルランドの恐ろしさを、黒崎は原典を読み嫌と言うほど知っている。
オルランドはここに来る以前、火縄銃を配備したフリジア(註:オランダ北部の地名)王の軍勢にたった一人で立ち向かい、殲滅している。
またこの後、マイエンス家に連なるアンセルモ伯爵の郎党百人余りをも撫で斬りにする。「あの悪名高きマイエンス家の連中だ、悪い事をしているに違いない!」と頭から決めつけてかかり、ロクに話も聞かずに、である。
上記事例のツッコミ所に呆れ返る読者も多かろうが。
要するにハリウッド映画のタフガイ主人公の如く、多対一の戦いにおいて無双というか虐殺するのがオルランドの得意技である。
ロジェロをはじめ、ブラダマンテやアストルフォもれっきとした騎士。複数人で挑むのは卑怯な行いであるし、ルール無用の乱戦ではオルランドを調子づかせ逆に危険なのだ。
故に騎士道の作法に則り、一騎打ちの申し出を受けるのはロジェロ的にはオルランドの動きを制限でき、かえって勝機が見えてくるのである。
「騎士どうしで合意の上という事なら、ボクも異存はない!
よってこのアストルフォが、オルランド君とロジェロ君の一騎打ちの立ち合いを務めさせていただくよ!
ルールも決めておこう。どちらかの身体に傷がつくか、武器を落とした方の負けとする!」
アストルフォは立場上はフランク王国側の騎士だ。
故に彼から一騎打ちのルール提案、しかもロジェロ側に有利なものが出てきたのは渡りに船だった。
オルランドは全身が異常に硬く、刃物で傷つける事はできない。それはロジェロの持つ魔剣ベリサルダを以てしても同じ事だろう。
相手の武器を落とした時点で勝敗が決するなら、致命傷を負わせる事に腐心せずとも勝ち目があるという事なのだ。
(ありがとよ、アストルフォ……ただのお調子者のアフォじゃあなかったんだな!
公平な立会人のフリをしつつ、戦いを有利に運んでくれるとは……いいサポートをしてくれるじゃねえか)
黒崎は内心、アストルフォの機転を有難く思ったが……ひょっとしたら彼は天然で言っているだけかもしれない。
「……ロジェロ。大丈夫なんでしょうね?」
ブラダマンテ――司藤アイはこっそり近寄り、ロジェロに心配そうに耳打ちしてくる。
「心配すんな。確かにロジェロは毎回攫われるイメージがあるが、戦績自体は優秀だし、結構強いんだぜ。
それに今回の目的はアンジェリカを逃がす為の時間稼ぎだし、決着をつけたい時はあいつのデュランダルを叩き落とせばいい」
黒崎は務めて楽観的に振舞い、アイを安心させようとした。
内心は不安である。アイには話していないが、騎士ロジェロは聖剣デュランダルと実は相性が悪い。
大分先の話だが原典では、デュランダルを持った騎士と戦って瀕死の重傷を負う場面があるのだ。
(幸い原典のロジェロと違い、オレ自身がデュランダルの恐ろしさを知っている。
とにかく当たったら鎧なんかじゃ斬撃を防げねえ。そこは用心しないとな――)
双方の準備が整った。二人の周囲には一騎打ちの立会人を務めるアストルフォ。ブラダマンテ、メリッサ、ロジェスティラ、その他大勢の騎士たちが固唾を飲んで見守っている。
ロジェロとオルランドは一騎打ちに臨む構えを取り――それぞれ両刃剣を同時に抜いた。
先に仕掛けたのはオルランドだった。無造作かつ自然な踏み込みだったが、デュランダルに込められた殺気が一気に膨れ上がるのをロジェロは感じた。
ぎんっ、と鋭い金属音と火花が散る。オルランドの聖剣とロジェロの魔剣が斜めに交差し、鍔迫り合いの格好となった。
「ほう……! この俺のデュランダルを受け止めるとは!
やるねえロジェロ殿! 並の剣であれば兜ごと叩き折れていただろうに!」
「ケッ……ほざいてろ。オレの剣ベリサルダだって、そんじょそこらのナマクラじゃねえ」
受け止める事には成功したが、ロジェロは冷や汗を浮かべていた。単純な力ではオルランドの方が段違いに上で、押し負けないよう踏ん張るのがやっとだった。
「ベリサルダだと……どこか見覚えのある剣だと思ったが、貴殿の手に渡っていたとはな。
こいつは面白くなってきた! 久々に楽しめる戦いになりそうだ」
ロジェロの持つ魔剣ベリサルダ。元々はファレリーナなる魔女の手によって鍛え上げられた、対魔法用の武器である。この剣で斬れば、いかに強力な魔法的防護であろうと無視して損傷を与えられるのだ。
先日の魔女アルシナとの戦いで、彼女の肉体を容易く斬り裂けたのもベリサルダの魔力あってこそ。
ベリサルダはファレリーナを退治したオルランドの手に渡り、その後サラセン人の大泥棒ブルネロによって盗まれる。
そのブルネロの身に危機が迫った時、たまたま居合わせて救ったのがロジェロであった。その礼としてベリサルダを譲り受けたのだ。
(単純な力じゃ勝てねえし、いくらベリサルダでもオルランドの身体に傷をつけるのは無理だ。
何とかしてデュランダルをやり過ごし続けるか、叩き落とすための隙を伺わねえとな……)
ロジェロは一瞬腕を引き、オルランドの剣を滑らせるように横に逃れ、再び距離を取った。
オルランドは再び打ちかかって来た。振るわれる斬撃はいずれも、身体に触れたが最後、鎧兜など用を成さない必殺の一撃だ。
確かにオルランドの怪力から振るわれる剣は、受け流しながらでも凄まじい重圧が刃越しに伝わり、徐々にロジェロの体力を奪っていく。
だが幸いにしてロジェロの真骨頂は、防御を主軸にした遅滞戦術にある。
デュランダルの刃は危険だ。しかし魔女の力を宿したベリサルダで防ぐ事は可能だと分かった。
長時間耐え忍ぶには到底保たないが、アンジェリカが逃亡完了するまでの間なら――
(……大丈夫。何とかなる――はずだ。してみせるッ!)
ところが黒崎の思惑を見透かしたのか、オルランドの野性的な顔から突然表情が消えた。
「貴殿……俺に勝とうと思ってないな?」
「……どうだかな」
ロジェロはとぼけて見せたが、最強の騎士は憮然としていた。
「腰抜けが。時間稼ぎのつもりなら――無駄だという事を分からせてやる」
オルランドの持つ聖剣デュランダルが、奇妙な輝きを帯び始めた。
ロジェロ――黒崎八式はあっさりと受諾した。
「さすがは音に聞こえしサラセン騎士、ロジェロ殿」オルランドは笑みを浮かべ言った。
「このオルランド、貴殿に敬意を表し全力で行かせて貰おう。
ただ残念ながら、今の俺には馬がない。戦いは最初から両刃剣を用いた地上戦とさせていただこうか?」
「……ああ、それで構わねえぜ」ロジェロは答えた。
ロジェロとて自棄になった訳ではない。自分が一騎打ちに応じた方が勝算があると思ったからだ。
オルランド相手にブラダマンテ――司藤アイを危険に晒す訳にはいかない。さりとて最弱騎士アストルフォでは結果は火を見るより明らかだ。
聖剣デュランダルを携えたオルランドの恐ろしさを、黒崎は原典を読み嫌と言うほど知っている。
オルランドはここに来る以前、火縄銃を配備したフリジア(註:オランダ北部の地名)王の軍勢にたった一人で立ち向かい、殲滅している。
またこの後、マイエンス家に連なるアンセルモ伯爵の郎党百人余りをも撫で斬りにする。「あの悪名高きマイエンス家の連中だ、悪い事をしているに違いない!」と頭から決めつけてかかり、ロクに話も聞かずに、である。
上記事例のツッコミ所に呆れ返る読者も多かろうが。
要するにハリウッド映画のタフガイ主人公の如く、多対一の戦いにおいて無双というか虐殺するのがオルランドの得意技である。
ロジェロをはじめ、ブラダマンテやアストルフォもれっきとした騎士。複数人で挑むのは卑怯な行いであるし、ルール無用の乱戦ではオルランドを調子づかせ逆に危険なのだ。
故に騎士道の作法に則り、一騎打ちの申し出を受けるのはロジェロ的にはオルランドの動きを制限でき、かえって勝機が見えてくるのである。
「騎士どうしで合意の上という事なら、ボクも異存はない!
よってこのアストルフォが、オルランド君とロジェロ君の一騎打ちの立ち合いを務めさせていただくよ!
ルールも決めておこう。どちらかの身体に傷がつくか、武器を落とした方の負けとする!」
アストルフォは立場上はフランク王国側の騎士だ。
故に彼から一騎打ちのルール提案、しかもロジェロ側に有利なものが出てきたのは渡りに船だった。
オルランドは全身が異常に硬く、刃物で傷つける事はできない。それはロジェロの持つ魔剣ベリサルダを以てしても同じ事だろう。
相手の武器を落とした時点で勝敗が決するなら、致命傷を負わせる事に腐心せずとも勝ち目があるという事なのだ。
(ありがとよ、アストルフォ……ただのお調子者のアフォじゃあなかったんだな!
公平な立会人のフリをしつつ、戦いを有利に運んでくれるとは……いいサポートをしてくれるじゃねえか)
黒崎は内心、アストルフォの機転を有難く思ったが……ひょっとしたら彼は天然で言っているだけかもしれない。
「……ロジェロ。大丈夫なんでしょうね?」
ブラダマンテ――司藤アイはこっそり近寄り、ロジェロに心配そうに耳打ちしてくる。
「心配すんな。確かにロジェロは毎回攫われるイメージがあるが、戦績自体は優秀だし、結構強いんだぜ。
それに今回の目的はアンジェリカを逃がす為の時間稼ぎだし、決着をつけたい時はあいつのデュランダルを叩き落とせばいい」
黒崎は務めて楽観的に振舞い、アイを安心させようとした。
内心は不安である。アイには話していないが、騎士ロジェロは聖剣デュランダルと実は相性が悪い。
大分先の話だが原典では、デュランダルを持った騎士と戦って瀕死の重傷を負う場面があるのだ。
(幸い原典のロジェロと違い、オレ自身がデュランダルの恐ろしさを知っている。
とにかく当たったら鎧なんかじゃ斬撃を防げねえ。そこは用心しないとな――)
双方の準備が整った。二人の周囲には一騎打ちの立会人を務めるアストルフォ。ブラダマンテ、メリッサ、ロジェスティラ、その他大勢の騎士たちが固唾を飲んで見守っている。
ロジェロとオルランドは一騎打ちに臨む構えを取り――それぞれ両刃剣を同時に抜いた。
先に仕掛けたのはオルランドだった。無造作かつ自然な踏み込みだったが、デュランダルに込められた殺気が一気に膨れ上がるのをロジェロは感じた。
ぎんっ、と鋭い金属音と火花が散る。オルランドの聖剣とロジェロの魔剣が斜めに交差し、鍔迫り合いの格好となった。
「ほう……! この俺のデュランダルを受け止めるとは!
やるねえロジェロ殿! 並の剣であれば兜ごと叩き折れていただろうに!」
「ケッ……ほざいてろ。オレの剣ベリサルダだって、そんじょそこらのナマクラじゃねえ」
受け止める事には成功したが、ロジェロは冷や汗を浮かべていた。単純な力ではオルランドの方が段違いに上で、押し負けないよう踏ん張るのがやっとだった。
「ベリサルダだと……どこか見覚えのある剣だと思ったが、貴殿の手に渡っていたとはな。
こいつは面白くなってきた! 久々に楽しめる戦いになりそうだ」
ロジェロの持つ魔剣ベリサルダ。元々はファレリーナなる魔女の手によって鍛え上げられた、対魔法用の武器である。この剣で斬れば、いかに強力な魔法的防護であろうと無視して損傷を与えられるのだ。
先日の魔女アルシナとの戦いで、彼女の肉体を容易く斬り裂けたのもベリサルダの魔力あってこそ。
ベリサルダはファレリーナを退治したオルランドの手に渡り、その後サラセン人の大泥棒ブルネロによって盗まれる。
そのブルネロの身に危機が迫った時、たまたま居合わせて救ったのがロジェロであった。その礼としてベリサルダを譲り受けたのだ。
(単純な力じゃ勝てねえし、いくらベリサルダでもオルランドの身体に傷をつけるのは無理だ。
何とかしてデュランダルをやり過ごし続けるか、叩き落とすための隙を伺わねえとな……)
ロジェロは一瞬腕を引き、オルランドの剣を滑らせるように横に逃れ、再び距離を取った。
オルランドは再び打ちかかって来た。振るわれる斬撃はいずれも、身体に触れたが最後、鎧兜など用を成さない必殺の一撃だ。
確かにオルランドの怪力から振るわれる剣は、受け流しながらでも凄まじい重圧が刃越しに伝わり、徐々にロジェロの体力を奪っていく。
だが幸いにしてロジェロの真骨頂は、防御を主軸にした遅滞戦術にある。
デュランダルの刃は危険だ。しかし魔女の力を宿したベリサルダで防ぐ事は可能だと分かった。
長時間耐え忍ぶには到底保たないが、アンジェリカが逃亡完了するまでの間なら――
(……大丈夫。何とかなる――はずだ。してみせるッ!)
ところが黒崎の思惑を見透かしたのか、オルランドの野性的な顔から突然表情が消えた。
「貴殿……俺に勝とうと思ってないな?」
「……どうだかな」
ロジェロはとぼけて見せたが、最強の騎士は憮然としていた。
「腰抜けが。時間稼ぎのつもりなら――無駄だという事を分からせてやる」
オルランドの持つ聖剣デュランダルが、奇妙な輝きを帯び始めた。
0
あなたにおすすめの小説
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主』
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
悪役令嬢が攻略対象ではないオレに夢中なのだが?!
naomikoryo
ファンタジー
【★♪★♪★♪★本当に完結!!読んでくれた皆さん、ありがとうございます★♪★♪★♪★】
気づけば異世界、しかも「ただの数学教師」になってもうた――。
大阪生まれ大阪育ち、関西弁まるだしの元高校教師カイは、偶然助けた学園長の口利きで王立魔法学園の臨時教師に。
魔方陣を数式で解きほぐし、強大な魔法を片っ端から「授業」で説明してしまう彼の授業は、生徒たちにとって革命そのものだった。
しかし、なぜか公爵令嬢ルーティアに追いかけ回され、
気づけば「奥様気取り」で世話を焼かれ、学園も学園長も黙認状態。
王子やヒロイン候補も巻き込み、王国全体を揺るがす大事件に次々と遭遇していくカイ。
「ワイはただ、教師やりたいだけやのに!」
異世界で数学教師が無自覚にチートを発揮し、
悪役令嬢と繰り広げる夫婦漫才のような恋模様と、国家規模のトラブルに振り回される物語。
笑いとバトルと甘々が詰まった異世界ラブコメ×ファンタジー!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる