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第5章 狂えるオルランド
13 決着、それぞれの帰路
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タタール王マンドリカルドは、外野の無責任な解説にわずかに顔をしかめた。
(何が「パルティアン・ショット」か……!
騎乗後退しつつ矢を放つ技など、狩猟を日常とする我が一族ならば、十を数えぬ子供でも為し得るわ!
やはりフランク人どもの無知蒙昧ぶりには反吐が出る……!)
彼の認識通り、遊牧騎馬民族にとって逃げながらの射撃は、一撃離脱戦術として基本中の基本である。彼らにとって戦争は狩りの延長上。古のパルティア王国だけでなく、スキタイ・匈奴・モンゴル帝国にも共通する。
にも関わらず欧州世界に「パルティアン・ショット」と名が伝わっているのは、古代ローマ帝国に対し脅威となった騎馬民族が、たまたまパルティアだったからに他ならない。
タタール武者は思考を切り替えた。外野の雑音に煩っている場合ではない。
インド王女マルフィサがいかな鋭く踏み込もうが、一瞬たりとも彼女の間合いに近づかせてなどいないが――すでに手持ちの矢は尽きかけている。
(噂以上の猛者よ。我が剛弓から放たれる矢の雨を、ここまでしのぎ切った騎士は一人もいなかった!
我が愛はドラリーチェ姫のモノなれど、この麗しき女傑を傍に侍らす事も悪くはあるまいなァ)
一方マルフィサも、深い傷こそないが度重なる猛禽の嘴の如き射撃を前に、裂傷を幾つも身体に刻まれていた。
流血は僅かでも、時間と共に体力と体温を奪い去る。こちらからマンドリカルドを傷つける術がない以上、持久戦は彼女に不利なのは明白であった。
(そろそろ決着が近いわね……)
立会人を務める女騎士ブラダマンテも、二人の体力と気力がすでに限界に近づきつつあるのを肌で感じていた。
「ここまで持ちこたえた褒美に教えてやろう、マルフィサ!
俺様の残りの矢は三本。コレを躱し切れば我が弓はもはや使えぬ!」
「――随分と親切な事だな? タタール王よ」
マンドリカルドの言葉に、マルフィサは額に汗を浮かべつつ微笑んだ。
「無論、親切心などではない。この三本で決着をつける!
たとえこの三本を撃ち尽くしたとしても――ゆめゆめ油断せぬ事だ!」
タタールの王は馬を走らせた。相変わらずの付かず離れず。絶妙な距離を保ち、マルフィサの馬を休ませない。
刹那。マンドリカルドは馬ごと高く跳び上がった。あれだけの長時間を駆け巡りながら、どこにそんな膂力が残っていたのかと驚愕する程の跳躍力!
「終わりだマルフィサ!」
折しも正午。真昼の太陽が最も空高く上る時。容赦なく照りつける陽光がマンドリカルドの馬影と重なり、インド王女の目を怯ませた。
歴戦の騎馬武者が絶好の機会を見逃す筈もなく、馬の跳躍が頂点に達した瞬間を狙い、三本同時に矢を放つ!
一本は必死の防戦で弾いたものの、二本目はマルフィサの脇腹に、三本目は馬の頭頂を貫いた!
「ぐうッ…………!?」
マルフィサは本能じみた戦士の勘で身体を捻り、腹部の矢は掠めただけだったが――タタール王の剛弓からの一撃は、それでも凄まじい衝撃を彼女に与えていた。
一方のマンドリカルドは、落下しつつ勝利を確信し笑みを浮かべ、弓を放り捨て腰の槌矛を抜き構える。続けざまの追撃で勝利をもぎ取るべく。
(クククク! マルフィサよ、そなたの馬は死んだ!
分かっていても逃れられまい! 覚悟を決める事だな……!)
視界を遮られながらもマルフィサは半月刀を上段に構え、迎え撃とうとしたが――馬の機動力が削がれた今となっては虚しい抵抗に見えた。
着地と同時に振り下ろされるタタール王の槌矛と、インド王女の半月刀が激しくぶつかり合った!
がぎんっ、と鈍い金属音が辺りに響き渡り――マルフィサの半月刀の刃は、半ばから折れた。
もともと腕力では互角。ならば落下の力を乗せたマンドリカルドの攻撃に軍配が上がるのは自明の理であった。
「ほう――今の一撃で叩き潰せると思ったのだがな!」
武器を失ったものの、未だ馬上に踏み止まるマルフィサに驚嘆の声を上げるマンドリカルド。
「強者を信奉する戦士として賞賛しよう! だが無駄な足掻きよ。
万策尽きたそなたに、次の俺様の攻撃を躱す術はないッ!」
「――本当に、そう思うのか?」
「!?」
次の瞬間、マルフィサは驚くべき行動に出た。屍と化した馬を蹴り――マンドリカルドの馬に飛び移ったのだ!
「往生際の悪い女よ! だが武器も折れたそなたに何ができる!?」
折れた刀はすでにマルフィサの手にはない。予備の武器はなく、彼女は丸腰だ。
そう思いマンドリカルドは、己の馬に手をかけた不埒者を槌矛で叩き落とそうとした。
「武器なら――ここにあるッ!!」
が――マルフィサは恐れるどころかさらに近づき、素早く右の拳をタタール王の顎に見舞った!
「ぎッ……ブほォ……ッ!?」
鍛え抜かれた女傑の鉄拳。かつてブラダマンテの兄リナルドに、兜越しに脳震盪を起こさせた威力は健在だ。
さしもの歴戦のタタール武者も、頭部に恐るべき衝撃を受けて意識が朦朧とし、途絶えてしまった。
(えぇえ……何なのこの脳筋な展開……
マルフィサって武器とか実は要らないんじゃ……?)
しかし戦闘狂の本能か、無意識の内にその手の槌矛を振り抜き――近すぎる間合ではあるものの、マルフィサを捕え馬上から叩き落とした。
マルフィサは咄嗟に受け身を取り、転がって体勢を立て直した。一方マンドリカルドは、彼女の拳で脳を揺さぶられたまま、遅れて力なく馬からずり落ちて地面に倒れた。
「おおおお! さすがはマルフィサ殿!」
「素晴らしい。あれだけ不利な状況を、拳一発で覆すとはッ」
「祈りが通じたようだな。神に感謝を捧げねば!」
「マルフィサはヒンドゥー教徒だから俺らの神、関係なくね?」
インド王女の奮闘に歓喜の声を上げる四人の騎士たち。しかし――
「そこまでよッ! 一騎打ちの勝者は――タタール王マンドリカルド!」
立会人たるブラダマンテの口から出た裁定は、マルフィサの敗北を告げるものだった。
「なッ……何を言っているんだブラダマンテ殿! 今の状況を見ろ。
マンドリカルドは気絶している! マルフィサ殿がその気になれば簡単にとどめを刺せるぞ!」
「一騎打ちの作法を忘れたの? 先に馬から落ちた方が負け。
先に落とされたのはマルフィサの方よ。マンドリカルドはその後だったわ」
女騎士の言葉に、マルフィサもうんうんと頷いている。
「口惜しいがブラダマンテの言う通りだ。まだまだこのマルフィサ、修行が足りんという事だな!
タタール王マンドリカルド。素晴らしい実力者だった。また手合わせを願いたいものだ」
戦いが終わり、血と汗にまみれながらも爽やかに笑顔を見せるインドの王女。
彼女のさばさばした物言いは、四人の騎士の不満を和らげるには十分すぎるほどだった。
「ぐッ……おのれ……このマンドリカルドとあろう者が……!
戦いの最中に意識を持っていかれるとは……何たる醜態……!」
一方早くも意識を取り戻したマンドリカルドは、勝者となった事を告げられても怒りに打ち震えていた。
無理もない。タタール王にとってフランク騎士の一騎打ちは、飯事に等しい遊戯のようなもの。軽んじていたルールに助けられての勝ちなど、彼にとって真の勝利ではなかった。戦場であれば、間違いなく自分の命は敵に奪われていただろう。
「この場は去ろう。俺様の目的はあくまでもオルランドだからな……
だが覚えておれマルフィサ。いずれ再び会いまみえよう。その時こそ、そなたを屈服させてみせるッ!」
「ははッ。そいつはいいな! 楽しみにしているぞマンドリカルド。その名と力、忘れまいぞ!
そして約束は約束。一騎打ちで敗北した以上、あたしはこれからアグラマン大王の下へ向かわねばならない」
(何だかんだ言いつつ、似た物同士で仲良さそうに見えるなぁこの二人――)
ブラダマンテはその光景を少しだけ微笑ましく思ったが……二人の決着は、そのまま旅の別れを意味する。
マンドリカルドが去った後、マルフィサはアグラマン大王の下へ参陣するため、一路西へと向かう事になった。四人の騎士はそれぞれの目的地へと旅立つ。
「短い間だったが、楽しかった。ブラダマンテ」
「ええ。また会いましょうね、マルフィサ」
「今度会う時は、敵同士かもしれんぞ?」
「それでもいいから。お互い――死なないように頑張りましょう!」
二人は別れを惜しみ、再会を誓い合う抱擁を行った。
そして半ば存在を忘れられていた、マイエンス家の騎士ピナベルとその妻だが――北西にある父アンセルモ伯のアルモリカ城を目指す事となった。
「何なら、護衛として同行しましょうか?」
「きっぱりとお断りしますッ!!」
ブラダマンテの申し出に、ピナベルは妻の後ろに隠れて拒絶した。
気の強い女性二人に囲まれ、肩身が狭くなるのを警戒しているらしい。
「心配しないでブラダマンテさん。ガヌロン伯爵にはあたくしから伝えるから。
たとえ夫が死んでも、引きずって帰りついてみせるから!」
「死にたくないです殺さないでくださいお願いします」
ピナベルの妻と女同士の奇妙な友情を築き上げたブラダマンテは――皆と別れ、一人マルセイユに帰還すべく南西に進路を取った。
(何が「パルティアン・ショット」か……!
騎乗後退しつつ矢を放つ技など、狩猟を日常とする我が一族ならば、十を数えぬ子供でも為し得るわ!
やはりフランク人どもの無知蒙昧ぶりには反吐が出る……!)
彼の認識通り、遊牧騎馬民族にとって逃げながらの射撃は、一撃離脱戦術として基本中の基本である。彼らにとって戦争は狩りの延長上。古のパルティア王国だけでなく、スキタイ・匈奴・モンゴル帝国にも共通する。
にも関わらず欧州世界に「パルティアン・ショット」と名が伝わっているのは、古代ローマ帝国に対し脅威となった騎馬民族が、たまたまパルティアだったからに他ならない。
タタール武者は思考を切り替えた。外野の雑音に煩っている場合ではない。
インド王女マルフィサがいかな鋭く踏み込もうが、一瞬たりとも彼女の間合いに近づかせてなどいないが――すでに手持ちの矢は尽きかけている。
(噂以上の猛者よ。我が剛弓から放たれる矢の雨を、ここまでしのぎ切った騎士は一人もいなかった!
我が愛はドラリーチェ姫のモノなれど、この麗しき女傑を傍に侍らす事も悪くはあるまいなァ)
一方マルフィサも、深い傷こそないが度重なる猛禽の嘴の如き射撃を前に、裂傷を幾つも身体に刻まれていた。
流血は僅かでも、時間と共に体力と体温を奪い去る。こちらからマンドリカルドを傷つける術がない以上、持久戦は彼女に不利なのは明白であった。
(そろそろ決着が近いわね……)
立会人を務める女騎士ブラダマンテも、二人の体力と気力がすでに限界に近づきつつあるのを肌で感じていた。
「ここまで持ちこたえた褒美に教えてやろう、マルフィサ!
俺様の残りの矢は三本。コレを躱し切れば我が弓はもはや使えぬ!」
「――随分と親切な事だな? タタール王よ」
マンドリカルドの言葉に、マルフィサは額に汗を浮かべつつ微笑んだ。
「無論、親切心などではない。この三本で決着をつける!
たとえこの三本を撃ち尽くしたとしても――ゆめゆめ油断せぬ事だ!」
タタールの王は馬を走らせた。相変わらずの付かず離れず。絶妙な距離を保ち、マルフィサの馬を休ませない。
刹那。マンドリカルドは馬ごと高く跳び上がった。あれだけの長時間を駆け巡りながら、どこにそんな膂力が残っていたのかと驚愕する程の跳躍力!
「終わりだマルフィサ!」
折しも正午。真昼の太陽が最も空高く上る時。容赦なく照りつける陽光がマンドリカルドの馬影と重なり、インド王女の目を怯ませた。
歴戦の騎馬武者が絶好の機会を見逃す筈もなく、馬の跳躍が頂点に達した瞬間を狙い、三本同時に矢を放つ!
一本は必死の防戦で弾いたものの、二本目はマルフィサの脇腹に、三本目は馬の頭頂を貫いた!
「ぐうッ…………!?」
マルフィサは本能じみた戦士の勘で身体を捻り、腹部の矢は掠めただけだったが――タタール王の剛弓からの一撃は、それでも凄まじい衝撃を彼女に与えていた。
一方のマンドリカルドは、落下しつつ勝利を確信し笑みを浮かべ、弓を放り捨て腰の槌矛を抜き構える。続けざまの追撃で勝利をもぎ取るべく。
(クククク! マルフィサよ、そなたの馬は死んだ!
分かっていても逃れられまい! 覚悟を決める事だな……!)
視界を遮られながらもマルフィサは半月刀を上段に構え、迎え撃とうとしたが――馬の機動力が削がれた今となっては虚しい抵抗に見えた。
着地と同時に振り下ろされるタタール王の槌矛と、インド王女の半月刀が激しくぶつかり合った!
がぎんっ、と鈍い金属音が辺りに響き渡り――マルフィサの半月刀の刃は、半ばから折れた。
もともと腕力では互角。ならば落下の力を乗せたマンドリカルドの攻撃に軍配が上がるのは自明の理であった。
「ほう――今の一撃で叩き潰せると思ったのだがな!」
武器を失ったものの、未だ馬上に踏み止まるマルフィサに驚嘆の声を上げるマンドリカルド。
「強者を信奉する戦士として賞賛しよう! だが無駄な足掻きよ。
万策尽きたそなたに、次の俺様の攻撃を躱す術はないッ!」
「――本当に、そう思うのか?」
「!?」
次の瞬間、マルフィサは驚くべき行動に出た。屍と化した馬を蹴り――マンドリカルドの馬に飛び移ったのだ!
「往生際の悪い女よ! だが武器も折れたそなたに何ができる!?」
折れた刀はすでにマルフィサの手にはない。予備の武器はなく、彼女は丸腰だ。
そう思いマンドリカルドは、己の馬に手をかけた不埒者を槌矛で叩き落とそうとした。
「武器なら――ここにあるッ!!」
が――マルフィサは恐れるどころかさらに近づき、素早く右の拳をタタール王の顎に見舞った!
「ぎッ……ブほォ……ッ!?」
鍛え抜かれた女傑の鉄拳。かつてブラダマンテの兄リナルドに、兜越しに脳震盪を起こさせた威力は健在だ。
さしもの歴戦のタタール武者も、頭部に恐るべき衝撃を受けて意識が朦朧とし、途絶えてしまった。
(えぇえ……何なのこの脳筋な展開……
マルフィサって武器とか実は要らないんじゃ……?)
しかし戦闘狂の本能か、無意識の内にその手の槌矛を振り抜き――近すぎる間合ではあるものの、マルフィサを捕え馬上から叩き落とした。
マルフィサは咄嗟に受け身を取り、転がって体勢を立て直した。一方マンドリカルドは、彼女の拳で脳を揺さぶられたまま、遅れて力なく馬からずり落ちて地面に倒れた。
「おおおお! さすがはマルフィサ殿!」
「素晴らしい。あれだけ不利な状況を、拳一発で覆すとはッ」
「祈りが通じたようだな。神に感謝を捧げねば!」
「マルフィサはヒンドゥー教徒だから俺らの神、関係なくね?」
インド王女の奮闘に歓喜の声を上げる四人の騎士たち。しかし――
「そこまでよッ! 一騎打ちの勝者は――タタール王マンドリカルド!」
立会人たるブラダマンテの口から出た裁定は、マルフィサの敗北を告げるものだった。
「なッ……何を言っているんだブラダマンテ殿! 今の状況を見ろ。
マンドリカルドは気絶している! マルフィサ殿がその気になれば簡単にとどめを刺せるぞ!」
「一騎打ちの作法を忘れたの? 先に馬から落ちた方が負け。
先に落とされたのはマルフィサの方よ。マンドリカルドはその後だったわ」
女騎士の言葉に、マルフィサもうんうんと頷いている。
「口惜しいがブラダマンテの言う通りだ。まだまだこのマルフィサ、修行が足りんという事だな!
タタール王マンドリカルド。素晴らしい実力者だった。また手合わせを願いたいものだ」
戦いが終わり、血と汗にまみれながらも爽やかに笑顔を見せるインドの王女。
彼女のさばさばした物言いは、四人の騎士の不満を和らげるには十分すぎるほどだった。
「ぐッ……おのれ……このマンドリカルドとあろう者が……!
戦いの最中に意識を持っていかれるとは……何たる醜態……!」
一方早くも意識を取り戻したマンドリカルドは、勝者となった事を告げられても怒りに打ち震えていた。
無理もない。タタール王にとってフランク騎士の一騎打ちは、飯事に等しい遊戯のようなもの。軽んじていたルールに助けられての勝ちなど、彼にとって真の勝利ではなかった。戦場であれば、間違いなく自分の命は敵に奪われていただろう。
「この場は去ろう。俺様の目的はあくまでもオルランドだからな……
だが覚えておれマルフィサ。いずれ再び会いまみえよう。その時こそ、そなたを屈服させてみせるッ!」
「ははッ。そいつはいいな! 楽しみにしているぞマンドリカルド。その名と力、忘れまいぞ!
そして約束は約束。一騎打ちで敗北した以上、あたしはこれからアグラマン大王の下へ向かわねばならない」
(何だかんだ言いつつ、似た物同士で仲良さそうに見えるなぁこの二人――)
ブラダマンテはその光景を少しだけ微笑ましく思ったが……二人の決着は、そのまま旅の別れを意味する。
マンドリカルドが去った後、マルフィサはアグラマン大王の下へ参陣するため、一路西へと向かう事になった。四人の騎士はそれぞれの目的地へと旅立つ。
「短い間だったが、楽しかった。ブラダマンテ」
「ええ。また会いましょうね、マルフィサ」
「今度会う時は、敵同士かもしれんぞ?」
「それでもいいから。お互い――死なないように頑張りましょう!」
二人は別れを惜しみ、再会を誓い合う抱擁を行った。
そして半ば存在を忘れられていた、マイエンス家の騎士ピナベルとその妻だが――北西にある父アンセルモ伯のアルモリカ城を目指す事となった。
「何なら、護衛として同行しましょうか?」
「きっぱりとお断りしますッ!!」
ブラダマンテの申し出に、ピナベルは妻の後ろに隠れて拒絶した。
気の強い女性二人に囲まれ、肩身が狭くなるのを警戒しているらしい。
「心配しないでブラダマンテさん。ガヌロン伯爵にはあたくしから伝えるから。
たとえ夫が死んでも、引きずって帰りついてみせるから!」
「死にたくないです殺さないでくださいお願いします」
ピナベルの妻と女同士の奇妙な友情を築き上げたブラダマンテは――皆と別れ、一人マルセイユに帰還すべく南西に進路を取った。
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