82 / 197
第5章 狂えるオルランド
16 アンジェリカとメドロ
しおりを挟む
パリから少し南に下った、オルレアンとの中間にある農村にて。
瀕死の重傷を負ったサラセン人メドロは、放浪の美姫アンジェリカに救出され、手厚い治療を受けていた。
アンジェリカは幾度となく、この場面を繰り返してきた。
その度にメドロを死の淵から救い、看病を続けるうちに庇護欲めいた感情が湧き起こり、やがてそれは恋に至る。
一方メドロもまた、献身的に尽くしてくれる美女アンジェリカに惹かれ、同じく恋心を抱く。
やがて二人は愛を育み、出逢えた事を感謝する詩文を各所に書き残し、お互いの将来を誓い合ってカタイの国へと旅立つのである。
ところが――アンジェリカにとって誤算だったのは、今回に限ってメドロの傷が深かった事だ。
生命の危機は早々に脱する事ができたが、メドロの視力はいつまでも回復せず、アンジェリカの顔を認識できなかったのである。
(どういう事なの? どうして……? 今までの世界線だったら、メドロはすぐに立ち直れていた筈なのに……!)
槍で刺された傷は癒え、身体も不自由なく動かせるようになったのに、どうしても視力だけが戻らない。
アンジェリカは焦燥していた。自分の顔を見る事ができない以上、自分をどう思ってくれるのだろうか――自信がない。
「――アンジェリカさん。オイラなんかの為に、ありがとう。
でもどうして、ここまでしてくれるんですか?」
メドロの治療は、協力してくれた牛飼いの家を借りて行われていた。
アンジェリカが朝食の用意をし、メドロの口に運ぶ。目が見えない以上、彼女が介護する他は無い。
「どうしてって――その。ほら。えっと――ほ、放っておけないじゃない。
あんなに血を流して、死にかけていたんですもの」
放浪の美姫は、自分でも不思議なくらい言葉に詰まっていた。
数多くの男たちを魅了し、手玉に取り、利用してきた筈の彼女が。
この平凡で何の取り柄も無い、朴訥な若者に対してだけ、ひどく不器用になってしまう。まるで初めての恋に戸惑う少女のように。
(ああ……今すぐにでも打ち明けてしまいたい。
何度もこの物語世界を繰り返していて、貴方と出会うたびに貴方に惹かれ続けていたって事を。
今こうして出会うずっと前から、貴方を好いていて心待ちにしていたんだって――)
無論、そんな突拍子もない事を言い出せる筈がない。相手を混乱させるだけだ。アンジェリカは口をつぐんだ。
今のしどろもどろな言葉も、詭弁もいい所だ。戦場で傷を負っていたのはメドロだけではない。
怪我人を放置できず助けようとしたというなら、他にもいた犠牲者にだって手を差し伸べて然るべきなのに。
アンジェリカはメドロを選んだ。そう、メドロだけを。
「…………」
朝食の介助をしている間、二人は無言だった。
この辺鄙な農村では、水同然の薄味のスープやカチカチに固まった黒パンくらいしか手に入らない。牛飼いの家族もアンジェリカから報酬を受け取ったとはいえ、好意で自宅を貸与してくれているのだ。余り無茶な要求はできなかった。
「大分、持ち直してきたようね。食欲も増してきているし」
「そう、ですね――本当に。
フランク騎士に囲まれた時、死を覚悟していたのに……こうして生き延びられるなんて、思ってもみなかった。
これも全部、アンジェリカさんのお陰です」
「そんな事――ないわ。だって未だに、メドロの目は治っていないのだし」
「ここまで尽くしてくれたアンジェリカさんのお顔を拝めないのが残念です。
きっとさぞかし、お美しい方なんでしょうね」
メドロは微笑んで、食事を続けたが――黒パンが手からこぼれ落ちた。
咄嗟にアンジェリカは、床に落とすまいと手を伸ばす。
しかし勢い余って、アンジェリカはうっかりメドロの手を掴んでしまった。
「あっ、その――ご、ごめんなさい!」
二人の距離が縮まる。何故だろう。幾度となく見た光景。幾度となく手を触れ、肌を重ねてきた男の筈なのに。
今この瞬間。ただ手を握るだけでアンジェリカの鼓動は跳ね上がった。慌ててキャッチした黒パンをメドロの手に押し付け、自分の手を離す。
(な、なな何でこんなに動揺してるの!? 全然私らしくない……!)
アンジェリカは自分でも、己の行動の拙さが理解できなかったが――やがて思い至った。
あれほど辟易していた美貌と、誘惑の術に。彼女は知らず知らずの内に依存していたのだ。
己の魅力にほだされ、言い寄って来る男たちにうんざりしていた癖に。
いざ自分の惚れた男に、その一切が通じないと分かると――言い出せなかった。言い寄れなかった。自分に全く自信が持てなかった。
いつも男たちにやっているような思わせぶりな振る舞いをして、メドロに高慢な女だと思われてしまったらどうしよう。
数多の男に尽くされ、求婚されながら――メドロ以外の男を顧みなかった、軽薄な女だと思われてしまったら――アンジェリカの中で、不安と恐怖がどんどん膨れ上がっていく。メドロの手を慌てて離したのは、湧き起こる負の感情を悟られまいとした結果かもしれない。
「アンジェリカさん――」
「な、何?」
「オイラ、頭が悪いから上手く言えないかもしれないけど、その――
今までずっと、苦しんできたんだね」
「!?」
メドロの突然の言葉に、アンジェリカは大きく目を見開いた。
「ど、どうして――そう思うの?」
「触れた指から、微かに震えが伝わってきて――オイラの死んだ母親の手に、似てたんだ。
オイラの家、貧乏でさ。母は弱音を吐かない人だったけど――長いこと、耐えて耐えて耐え抜いて――そのまま逝ってしまった。恨み言のひとつもなく」
その時、メドロは思ったそうだ。
最期の瞬間くらい、洗いざらいぶち撒けてくれても良かったのに。
母はとても優しかったが、悩みも恨みも打ち明けられないほど、自分は信頼されていなかったのだろうか、と。
「ひょっとしたら――本当に恨んでなかったのかも、しれないじゃない」
「そうだね。言わなかった以上――本当のところは、母にしか分からない。
でも母は苦しんでいた。あんな酷い仕打ちを受けて、苦しまなかった筈がない。苦しみを抱えたまま、誰にも理解される事なく死んでしまった」
ここまで言って、メドロは言葉を切った。
そして済まなさそうに俯いた。
「――ああ、ごめん。アンジェリカさんもそうだ、と言いたい訳じゃなくって。
ただ、似ている気がしただけなんだ。的外れだったら謝るから――」
普通、自分の母親に似ている、などと言われて気分を良くする女性はいない。
メドロは後悔した。つい口に出してしまった陰気な言葉に、アンジェリカは幻滅してしまったかもしれない。
しかしアンジェリカの反応は違った。
彼女は涙を流していた。苦しみを抱えたまま、誰にも言えずにいる――今まさにアンジェリカはそうであったから。
「泣いて――いるのかい? アンジェリカさん。
オイラのせいだね。オイラがおかしな事を言ったから――」
「違う。違うの――そんな風に言って貰えるなんて、思ってなかったから」
彼女の苦しみの全てに理解が及ぶ事はない。何故ならアンジェリカの「魂」は、メドロとは違う世界を生きているのだから。
しかしメドロには伝わった。ただ手を触れただけで。アンジェリカが疲れ果てている事を察した。目が見えていない今だからこそ、アンジェリカを美姫としてではなく、一人の弱りはてた普通の女性として扱ってくれた。
「それだけ苦しんでいるのに。アンジェリカさんは優しい人だね。
普通、追い詰められた人は他人を労わる余裕なんてない筈だから」
いつの間にか、立場が逆転していた。
メドロの身体の傷を癒していたアンジェリカは、自分の心の傷をメドロに癒されていた。
アンジェリカは今までに受けた酷い仕打ちや苦労、運命を罵ったりした。しかしメドロはアンジェリカの負の側面も平然と受け入れた。むしろ抱えていて当然だとさえ言った。
目映いばかりの美貌や、誘惑の力が意味を為さずとも。メドロはメドロだった。
今まで繰り返された世界線の通り、二人はいつしか――恋に落ちていた。
(ああ、やっぱり――私たちはこうなる運命だったのね。
何度世界を繰り返しても。メドロに出会い、メドロと共に生きて。
どんな美男だろうと、屈強な勇者であろうと。決して持ち合わせていないモノを彼は持っている――!)
長い苦難の旅路の末、ようやく辿り着いた幸福な時間。アンジェリカの「魂」は久しく感じた事のない、無上の喜びに満ちていた。
今回もまた、自分はメドロと結ばれるんだ――そう思っていた矢先。
二人の行く末に暗い影を落とす、重い足音がすぐ傍まで迫っていた。
美姫アンジェリカを求め、ずっと追いかけていたフランク最強の騎士オルランドの到来である。
瀕死の重傷を負ったサラセン人メドロは、放浪の美姫アンジェリカに救出され、手厚い治療を受けていた。
アンジェリカは幾度となく、この場面を繰り返してきた。
その度にメドロを死の淵から救い、看病を続けるうちに庇護欲めいた感情が湧き起こり、やがてそれは恋に至る。
一方メドロもまた、献身的に尽くしてくれる美女アンジェリカに惹かれ、同じく恋心を抱く。
やがて二人は愛を育み、出逢えた事を感謝する詩文を各所に書き残し、お互いの将来を誓い合ってカタイの国へと旅立つのである。
ところが――アンジェリカにとって誤算だったのは、今回に限ってメドロの傷が深かった事だ。
生命の危機は早々に脱する事ができたが、メドロの視力はいつまでも回復せず、アンジェリカの顔を認識できなかったのである。
(どういう事なの? どうして……? 今までの世界線だったら、メドロはすぐに立ち直れていた筈なのに……!)
槍で刺された傷は癒え、身体も不自由なく動かせるようになったのに、どうしても視力だけが戻らない。
アンジェリカは焦燥していた。自分の顔を見る事ができない以上、自分をどう思ってくれるのだろうか――自信がない。
「――アンジェリカさん。オイラなんかの為に、ありがとう。
でもどうして、ここまでしてくれるんですか?」
メドロの治療は、協力してくれた牛飼いの家を借りて行われていた。
アンジェリカが朝食の用意をし、メドロの口に運ぶ。目が見えない以上、彼女が介護する他は無い。
「どうしてって――その。ほら。えっと――ほ、放っておけないじゃない。
あんなに血を流して、死にかけていたんですもの」
放浪の美姫は、自分でも不思議なくらい言葉に詰まっていた。
数多くの男たちを魅了し、手玉に取り、利用してきた筈の彼女が。
この平凡で何の取り柄も無い、朴訥な若者に対してだけ、ひどく不器用になってしまう。まるで初めての恋に戸惑う少女のように。
(ああ……今すぐにでも打ち明けてしまいたい。
何度もこの物語世界を繰り返していて、貴方と出会うたびに貴方に惹かれ続けていたって事を。
今こうして出会うずっと前から、貴方を好いていて心待ちにしていたんだって――)
無論、そんな突拍子もない事を言い出せる筈がない。相手を混乱させるだけだ。アンジェリカは口をつぐんだ。
今のしどろもどろな言葉も、詭弁もいい所だ。戦場で傷を負っていたのはメドロだけではない。
怪我人を放置できず助けようとしたというなら、他にもいた犠牲者にだって手を差し伸べて然るべきなのに。
アンジェリカはメドロを選んだ。そう、メドロだけを。
「…………」
朝食の介助をしている間、二人は無言だった。
この辺鄙な農村では、水同然の薄味のスープやカチカチに固まった黒パンくらいしか手に入らない。牛飼いの家族もアンジェリカから報酬を受け取ったとはいえ、好意で自宅を貸与してくれているのだ。余り無茶な要求はできなかった。
「大分、持ち直してきたようね。食欲も増してきているし」
「そう、ですね――本当に。
フランク騎士に囲まれた時、死を覚悟していたのに……こうして生き延びられるなんて、思ってもみなかった。
これも全部、アンジェリカさんのお陰です」
「そんな事――ないわ。だって未だに、メドロの目は治っていないのだし」
「ここまで尽くしてくれたアンジェリカさんのお顔を拝めないのが残念です。
きっとさぞかし、お美しい方なんでしょうね」
メドロは微笑んで、食事を続けたが――黒パンが手からこぼれ落ちた。
咄嗟にアンジェリカは、床に落とすまいと手を伸ばす。
しかし勢い余って、アンジェリカはうっかりメドロの手を掴んでしまった。
「あっ、その――ご、ごめんなさい!」
二人の距離が縮まる。何故だろう。幾度となく見た光景。幾度となく手を触れ、肌を重ねてきた男の筈なのに。
今この瞬間。ただ手を握るだけでアンジェリカの鼓動は跳ね上がった。慌ててキャッチした黒パンをメドロの手に押し付け、自分の手を離す。
(な、なな何でこんなに動揺してるの!? 全然私らしくない……!)
アンジェリカは自分でも、己の行動の拙さが理解できなかったが――やがて思い至った。
あれほど辟易していた美貌と、誘惑の術に。彼女は知らず知らずの内に依存していたのだ。
己の魅力にほだされ、言い寄って来る男たちにうんざりしていた癖に。
いざ自分の惚れた男に、その一切が通じないと分かると――言い出せなかった。言い寄れなかった。自分に全く自信が持てなかった。
いつも男たちにやっているような思わせぶりな振る舞いをして、メドロに高慢な女だと思われてしまったらどうしよう。
数多の男に尽くされ、求婚されながら――メドロ以外の男を顧みなかった、軽薄な女だと思われてしまったら――アンジェリカの中で、不安と恐怖がどんどん膨れ上がっていく。メドロの手を慌てて離したのは、湧き起こる負の感情を悟られまいとした結果かもしれない。
「アンジェリカさん――」
「な、何?」
「オイラ、頭が悪いから上手く言えないかもしれないけど、その――
今までずっと、苦しんできたんだね」
「!?」
メドロの突然の言葉に、アンジェリカは大きく目を見開いた。
「ど、どうして――そう思うの?」
「触れた指から、微かに震えが伝わってきて――オイラの死んだ母親の手に、似てたんだ。
オイラの家、貧乏でさ。母は弱音を吐かない人だったけど――長いこと、耐えて耐えて耐え抜いて――そのまま逝ってしまった。恨み言のひとつもなく」
その時、メドロは思ったそうだ。
最期の瞬間くらい、洗いざらいぶち撒けてくれても良かったのに。
母はとても優しかったが、悩みも恨みも打ち明けられないほど、自分は信頼されていなかったのだろうか、と。
「ひょっとしたら――本当に恨んでなかったのかも、しれないじゃない」
「そうだね。言わなかった以上――本当のところは、母にしか分からない。
でも母は苦しんでいた。あんな酷い仕打ちを受けて、苦しまなかった筈がない。苦しみを抱えたまま、誰にも理解される事なく死んでしまった」
ここまで言って、メドロは言葉を切った。
そして済まなさそうに俯いた。
「――ああ、ごめん。アンジェリカさんもそうだ、と言いたい訳じゃなくって。
ただ、似ている気がしただけなんだ。的外れだったら謝るから――」
普通、自分の母親に似ている、などと言われて気分を良くする女性はいない。
メドロは後悔した。つい口に出してしまった陰気な言葉に、アンジェリカは幻滅してしまったかもしれない。
しかしアンジェリカの反応は違った。
彼女は涙を流していた。苦しみを抱えたまま、誰にも言えずにいる――今まさにアンジェリカはそうであったから。
「泣いて――いるのかい? アンジェリカさん。
オイラのせいだね。オイラがおかしな事を言ったから――」
「違う。違うの――そんな風に言って貰えるなんて、思ってなかったから」
彼女の苦しみの全てに理解が及ぶ事はない。何故ならアンジェリカの「魂」は、メドロとは違う世界を生きているのだから。
しかしメドロには伝わった。ただ手を触れただけで。アンジェリカが疲れ果てている事を察した。目が見えていない今だからこそ、アンジェリカを美姫としてではなく、一人の弱りはてた普通の女性として扱ってくれた。
「それだけ苦しんでいるのに。アンジェリカさんは優しい人だね。
普通、追い詰められた人は他人を労わる余裕なんてない筈だから」
いつの間にか、立場が逆転していた。
メドロの身体の傷を癒していたアンジェリカは、自分の心の傷をメドロに癒されていた。
アンジェリカは今までに受けた酷い仕打ちや苦労、運命を罵ったりした。しかしメドロはアンジェリカの負の側面も平然と受け入れた。むしろ抱えていて当然だとさえ言った。
目映いばかりの美貌や、誘惑の力が意味を為さずとも。メドロはメドロだった。
今まで繰り返された世界線の通り、二人はいつしか――恋に落ちていた。
(ああ、やっぱり――私たちはこうなる運命だったのね。
何度世界を繰り返しても。メドロに出会い、メドロと共に生きて。
どんな美男だろうと、屈強な勇者であろうと。決して持ち合わせていないモノを彼は持っている――!)
長い苦難の旅路の末、ようやく辿り着いた幸福な時間。アンジェリカの「魂」は久しく感じた事のない、無上の喜びに満ちていた。
今回もまた、自分はメドロと結ばれるんだ――そう思っていた矢先。
二人の行く末に暗い影を落とす、重い足音がすぐ傍まで迫っていた。
美姫アンジェリカを求め、ずっと追いかけていたフランク最強の騎士オルランドの到来である。
0
あなたにおすすめの小説
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
悪役令嬢が攻略対象ではないオレに夢中なのだが?!
naomikoryo
ファンタジー
【★♪★♪★♪★本当に完結!!読んでくれた皆さん、ありがとうございます★♪★♪★♪★】
気づけば異世界、しかも「ただの数学教師」になってもうた――。
大阪生まれ大阪育ち、関西弁まるだしの元高校教師カイは、偶然助けた学園長の口利きで王立魔法学園の臨時教師に。
魔方陣を数式で解きほぐし、強大な魔法を片っ端から「授業」で説明してしまう彼の授業は、生徒たちにとって革命そのものだった。
しかし、なぜか公爵令嬢ルーティアに追いかけ回され、
気づけば「奥様気取り」で世話を焼かれ、学園も学園長も黙認状態。
王子やヒロイン候補も巻き込み、王国全体を揺るがす大事件に次々と遭遇していくカイ。
「ワイはただ、教師やりたいだけやのに!」
異世界で数学教師が無自覚にチートを発揮し、
悪役令嬢と繰り広げる夫婦漫才のような恋模様と、国家規模のトラブルに振り回される物語。
笑いとバトルと甘々が詰まった異世界ラブコメ×ファンタジー!
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ?
――――それ、オレなんだわ……。
昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。
そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。
妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主』
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる