83 / 197
第5章 狂えるオルランド
17 オルランド来訪の恐怖・その2
しおりを挟む
最初に異変に気づいたのは、牛飼いの家族の子供だった。
放浪の美姫アンジェリカから報酬として受け取った、大粒のルビーを嵌めこんだ銀製の腕輪が光っているのを見つけた。
これはかつてオルランドが彼女に贈った物。アンジェリカは探知の魔術をかけ、最強騎士の接近を知る方法としていた。
「ねえ、父上。腕輪がキレイに光ってるよ――」
子供の言葉を聞き、牛飼いの父は急ぎアンジェリカとメドロのいる家の中へ報せに行った。腕輪が光ったら教えて欲しいとあらかじめ言われていた為だ。
牛飼いからの報せを受け、美姫の顔は見る間に青ざめた。それまでの幸福な時間が、一瞬にして弾け飛ぶほどの衝撃だった。
(嘘、オルランドがこんなに早く――!?
今まで私がメドロと一緒にいる間、彼がここに来た事なんてなかったのにッ)
もう何日もここで過ごしている。近隣の農民に聞き込みをすれば、アンジェリカ達の居場所はたちどころに知られるだろう。
つまりもう、オルランドとの邂逅は避けられないという事だ。
今までのアンジェリカであれば、オルランド来訪の恐怖に震え、何も考える事ができなかったかもしれない。
しかし今の彼女は――立ち上がった。決意を瞳に秘めて。
「アンジェリカ――?」
未だ目の見えぬメドロが、美姫の雰囲気の変わった事に気づいたか、不安そうな声を上げたが。
「大丈夫よ、メドロ。昔馴染みの客人が来ただけ。
ジャンさん。私を探しているであろう騎士様のところへ、案内してちょうだい」
契丹の王女アンジェリカは、牛飼いの主人に静かに告げたのだった。
**********
農村に入ったフランク最強の騎士オルランドは――向こうからやってくる輝かんばかりの美姫の姿に、やや意外そうな顔をした。
ここに潜伏しているならば今までと同様、大慌てで逃げ出すとばかり思っていたのだ。それがこちらを視認しても、なお見据えたまま近づいてくる。
(何だ……? これが本当にあのアンジェリカか……?
目の中に怯えの色は残っているが、このオルランドに屈するために出てきた風ではない……全てを諦めた顔ではない。何を企んでいる?……気に入らんな!)
放浪の美姫アンジェリカは、表情に疲労を滲ませながらも――ギラギラした瞳を輝かせて言った。
「お久しぶりね、ブルターニュ伯オルランド様。
こんな所まで追いかけてくるなんて! よくここが分かったわね」
「――まさかそちらから、俺に声をかけてくるとは思わなかったぞ。
どういう風の吹き回しだ? このオルランドの求婚に応じていただけるのか?」
もはや騎士らしく振る舞う事もなく、素の疑問を投げかけてくるオルランド。
アンジェリカは笑みを浮かべた。上辺を取り繕う気もないのなら、やりやすい。
「オルランド様……いえ、オルランド。貴方には幾度も危機を救ってもらったし、パリへの護衛をしてもらった事もあるわ。
数え切れないほどの騎士としての貢献。とっても感謝している……でも。
ひとつ聞かせてちょうだい。私を、カタイの王女アンジェリカを妻にしたとして――本当に愛して下さるの?」
アンジェリカの問い。意外にも未だかつて、尋ねた事はなかった。
オルランドから己の妻となるよう、幾度となく愛を求められたものの――その後の生活や扱いについては一度も触れられていない。
「アンジェリカ。俺が貴女を求めている理由は――責務だ。
世界一の美姫たる貴女は、これまでにも多くの男から求められてきた。
仮にその誰かの求めに応じたとしよう。だがその男がもし弱ければどうなる?
貴女を奪おうとする他の男たちから守り切れず、そのまま死ぬ事になるだろう」
オルランドは淀みなく語った。その口調は自信に漲っており、絶対の理として確信しているのがありありと見て取れた。
「世間一般でいう愛と、俺の語る愛は違うモノかもしれん。
アンジェリカ。もはや俺を愛せとは言わぬ。貴女が俺を愛するなら、応じる用意もあるが――望む望まざるに関わらず、貴女の居場所は俺の傍しかない。
俺の下に来るがいい、アンジェリカ。さすれば貴女は解放される。世の男たちの求めに煩わされる心配はない。
最強たるこのオルランドが、貴女を惑わす全ての障害を排除しよう。
俺からは何も強要せぬ。好きにするといい。俺はただ、貴女を手に入れたという証が欲しい。それだけなのだ」
オルランドの奇妙な提案。だが実はアンジェリカは、この返答を予想していた。
初めて彼と出会った、シャルルマーニュの御前試合にて――確かにあの場にいた騎士たちは全員、フランク人・サラセン人問わず、アンジェリカの魅力に心奪われていた。ただ一人――オルランドを除いては。
アンジェリカはその事に気づいていた。オルランドだけに自分の誘惑の術が通じなかった事を、その冷たい瞳を見て把握していた。彼に見つめられる事は、全てを見透かされているようで――恐怖でしかなかった。
何より不可解だったのは、誘惑されていないにも関わらず……オルランドが執拗にアンジェリカを追いかけ続けてきた事だ。この男は彼女の魅力や誘惑に影響された訳ではない。なのに何故求めてくるのか?
今まで恐ろしくて、どうしても訊けなかった理由。精一杯の勇気を振り絞って、恐怖を乗り越えたアンジェリカは、知る事ができた。
しかし同時に――オルランドの回答は完全な真実でもないと、アンジェリカは見抜いてしまった。
この男が欲しているのはアンジェリカ自身でも、その愛でもない。単に「世界一の美姫」を娶ったという事実だけだ。それを利用し、何を企んでいるのか定かではないが――
「素敵な提案ね。でも――ごめんこうむるわ。
何故なら私を煩わせている男の中に、オルランド。貴方も入っているから。
それに今、私はとっても機嫌が悪いの。貴方の求めに応じてなんて、やらない」
アンジェリカの声は震えている。だがはっきりとした拒絶だった。
その澄んだ藍色の瞳の奥に、恐怖の色は消えていない。にも関わらずオルランドから目を逸らさない。
フランク最強の騎士は、そんな怯えながらも堂々とした美姫の態度に――憤怒の感情が湧き起こった。
「そうか――それは残念だ。こちらも騎士として出来うる限り、貴女の意思を尊重する形を取りたかったのだが。
仕方あるまい。この手は使いたくなかったが――貴女を守るためだ。どうか悪く思わないで欲しい」
オルランドの言葉は、穏やかな水面のような静けさがありながら――深淵に潜む不気味な、ドス黒い「何か」を感じ取り、アンジェリカは背筋が泡立った。
「何を……する気なの? オルランド」
「麗しきアンジェリカよ。今ならまだ間に合う。貴女の口から、俺に従うと誓って欲しい。
さもなければ――この農村の人々。異教徒を匿った罪深き者たちとして断罪し、根絶やしにしなければならない」
「!?」
最強騎士の鬼畜な物言いに、アンジェリカの表情は強張った。そしてすぐに後悔した。迂闊だった。オルランドの真の狙いにもう少し早く気づいていれば、平静を装うべきだったのだ。
「ほう、瞳の恐怖の色が濃くなったね? アンジェリカ。
どうやらこの村に、殺して欲しくない『大切な誰か』がいるという事かな?」
「ぐッ…………!」
からかうように笑みを大きくするオルランドに、アンジェリカは唇を噛んだ。
放浪の美姫アンジェリカから報酬として受け取った、大粒のルビーを嵌めこんだ銀製の腕輪が光っているのを見つけた。
これはかつてオルランドが彼女に贈った物。アンジェリカは探知の魔術をかけ、最強騎士の接近を知る方法としていた。
「ねえ、父上。腕輪がキレイに光ってるよ――」
子供の言葉を聞き、牛飼いの父は急ぎアンジェリカとメドロのいる家の中へ報せに行った。腕輪が光ったら教えて欲しいとあらかじめ言われていた為だ。
牛飼いからの報せを受け、美姫の顔は見る間に青ざめた。それまでの幸福な時間が、一瞬にして弾け飛ぶほどの衝撃だった。
(嘘、オルランドがこんなに早く――!?
今まで私がメドロと一緒にいる間、彼がここに来た事なんてなかったのにッ)
もう何日もここで過ごしている。近隣の農民に聞き込みをすれば、アンジェリカ達の居場所はたちどころに知られるだろう。
つまりもう、オルランドとの邂逅は避けられないという事だ。
今までのアンジェリカであれば、オルランド来訪の恐怖に震え、何も考える事ができなかったかもしれない。
しかし今の彼女は――立ち上がった。決意を瞳に秘めて。
「アンジェリカ――?」
未だ目の見えぬメドロが、美姫の雰囲気の変わった事に気づいたか、不安そうな声を上げたが。
「大丈夫よ、メドロ。昔馴染みの客人が来ただけ。
ジャンさん。私を探しているであろう騎士様のところへ、案内してちょうだい」
契丹の王女アンジェリカは、牛飼いの主人に静かに告げたのだった。
**********
農村に入ったフランク最強の騎士オルランドは――向こうからやってくる輝かんばかりの美姫の姿に、やや意外そうな顔をした。
ここに潜伏しているならば今までと同様、大慌てで逃げ出すとばかり思っていたのだ。それがこちらを視認しても、なお見据えたまま近づいてくる。
(何だ……? これが本当にあのアンジェリカか……?
目の中に怯えの色は残っているが、このオルランドに屈するために出てきた風ではない……全てを諦めた顔ではない。何を企んでいる?……気に入らんな!)
放浪の美姫アンジェリカは、表情に疲労を滲ませながらも――ギラギラした瞳を輝かせて言った。
「お久しぶりね、ブルターニュ伯オルランド様。
こんな所まで追いかけてくるなんて! よくここが分かったわね」
「――まさかそちらから、俺に声をかけてくるとは思わなかったぞ。
どういう風の吹き回しだ? このオルランドの求婚に応じていただけるのか?」
もはや騎士らしく振る舞う事もなく、素の疑問を投げかけてくるオルランド。
アンジェリカは笑みを浮かべた。上辺を取り繕う気もないのなら、やりやすい。
「オルランド様……いえ、オルランド。貴方には幾度も危機を救ってもらったし、パリへの護衛をしてもらった事もあるわ。
数え切れないほどの騎士としての貢献。とっても感謝している……でも。
ひとつ聞かせてちょうだい。私を、カタイの王女アンジェリカを妻にしたとして――本当に愛して下さるの?」
アンジェリカの問い。意外にも未だかつて、尋ねた事はなかった。
オルランドから己の妻となるよう、幾度となく愛を求められたものの――その後の生活や扱いについては一度も触れられていない。
「アンジェリカ。俺が貴女を求めている理由は――責務だ。
世界一の美姫たる貴女は、これまでにも多くの男から求められてきた。
仮にその誰かの求めに応じたとしよう。だがその男がもし弱ければどうなる?
貴女を奪おうとする他の男たちから守り切れず、そのまま死ぬ事になるだろう」
オルランドは淀みなく語った。その口調は自信に漲っており、絶対の理として確信しているのがありありと見て取れた。
「世間一般でいう愛と、俺の語る愛は違うモノかもしれん。
アンジェリカ。もはや俺を愛せとは言わぬ。貴女が俺を愛するなら、応じる用意もあるが――望む望まざるに関わらず、貴女の居場所は俺の傍しかない。
俺の下に来るがいい、アンジェリカ。さすれば貴女は解放される。世の男たちの求めに煩わされる心配はない。
最強たるこのオルランドが、貴女を惑わす全ての障害を排除しよう。
俺からは何も強要せぬ。好きにするといい。俺はただ、貴女を手に入れたという証が欲しい。それだけなのだ」
オルランドの奇妙な提案。だが実はアンジェリカは、この返答を予想していた。
初めて彼と出会った、シャルルマーニュの御前試合にて――確かにあの場にいた騎士たちは全員、フランク人・サラセン人問わず、アンジェリカの魅力に心奪われていた。ただ一人――オルランドを除いては。
アンジェリカはその事に気づいていた。オルランドだけに自分の誘惑の術が通じなかった事を、その冷たい瞳を見て把握していた。彼に見つめられる事は、全てを見透かされているようで――恐怖でしかなかった。
何より不可解だったのは、誘惑されていないにも関わらず……オルランドが執拗にアンジェリカを追いかけ続けてきた事だ。この男は彼女の魅力や誘惑に影響された訳ではない。なのに何故求めてくるのか?
今まで恐ろしくて、どうしても訊けなかった理由。精一杯の勇気を振り絞って、恐怖を乗り越えたアンジェリカは、知る事ができた。
しかし同時に――オルランドの回答は完全な真実でもないと、アンジェリカは見抜いてしまった。
この男が欲しているのはアンジェリカ自身でも、その愛でもない。単に「世界一の美姫」を娶ったという事実だけだ。それを利用し、何を企んでいるのか定かではないが――
「素敵な提案ね。でも――ごめんこうむるわ。
何故なら私を煩わせている男の中に、オルランド。貴方も入っているから。
それに今、私はとっても機嫌が悪いの。貴方の求めに応じてなんて、やらない」
アンジェリカの声は震えている。だがはっきりとした拒絶だった。
その澄んだ藍色の瞳の奥に、恐怖の色は消えていない。にも関わらずオルランドから目を逸らさない。
フランク最強の騎士は、そんな怯えながらも堂々とした美姫の態度に――憤怒の感情が湧き起こった。
「そうか――それは残念だ。こちらも騎士として出来うる限り、貴女の意思を尊重する形を取りたかったのだが。
仕方あるまい。この手は使いたくなかったが――貴女を守るためだ。どうか悪く思わないで欲しい」
オルランドの言葉は、穏やかな水面のような静けさがありながら――深淵に潜む不気味な、ドス黒い「何か」を感じ取り、アンジェリカは背筋が泡立った。
「何を……する気なの? オルランド」
「麗しきアンジェリカよ。今ならまだ間に合う。貴女の口から、俺に従うと誓って欲しい。
さもなければ――この農村の人々。異教徒を匿った罪深き者たちとして断罪し、根絶やしにしなければならない」
「!?」
最強騎士の鬼畜な物言いに、アンジェリカの表情は強張った。そしてすぐに後悔した。迂闊だった。オルランドの真の狙いにもう少し早く気づいていれば、平静を装うべきだったのだ。
「ほう、瞳の恐怖の色が濃くなったね? アンジェリカ。
どうやらこの村に、殺して欲しくない『大切な誰か』がいるという事かな?」
「ぐッ…………!」
からかうように笑みを大きくするオルランドに、アンジェリカは唇を噛んだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢が攻略対象ではないオレに夢中なのだが?!
naomikoryo
ファンタジー
【★♪★♪★♪★本当に完結!!読んでくれた皆さん、ありがとうございます★♪★♪★♪★】
気づけば異世界、しかも「ただの数学教師」になってもうた――。
大阪生まれ大阪育ち、関西弁まるだしの元高校教師カイは、偶然助けた学園長の口利きで王立魔法学園の臨時教師に。
魔方陣を数式で解きほぐし、強大な魔法を片っ端から「授業」で説明してしまう彼の授業は、生徒たちにとって革命そのものだった。
しかし、なぜか公爵令嬢ルーティアに追いかけ回され、
気づけば「奥様気取り」で世話を焼かれ、学園も学園長も黙認状態。
王子やヒロイン候補も巻き込み、王国全体を揺るがす大事件に次々と遭遇していくカイ。
「ワイはただ、教師やりたいだけやのに!」
異世界で数学教師が無自覚にチートを発揮し、
悪役令嬢と繰り広げる夫婦漫才のような恋模様と、国家規模のトラブルに振り回される物語。
笑いとバトルと甘々が詰まった異世界ラブコメ×ファンタジー!
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主』
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる