134 / 197
第7章 オルランド討伐作戦
24 アストルフォの作戦と思惑
しおりを挟む
イングランド王子アストルフォが鷲頭を持つ空飛ぶ馬・幻獣ヒポグリフに乗り、猛攻から逃れたと思ったのも束の間。セリカン王グラダッソは、名馬バヤールの力を使い常識を越えた跳躍力を見せ――
「……馬鹿なッ……!?」
「死ねィ! アストルフォ!」
グラダッソが振り抜いた聖剣デュランダルの凶悪な一撃は、アストルフォを幻獣から叩き落とした。
「……が……はッ……!?」
凄まじい衝撃の割に、アストルフォは深手を負っていない事に気づいた。
見やった先には、おびただしい血を撒き散らしながら落下していく幻獣の姿があった。
(まさか、お前……ボクを庇ってくれたのか……?)
あちこちを冒険し、お世辞にも仲が良かったとは言えなかった。時には後ろ足で蹴られた事すらあったが。
この土壇場でヒポグリフは咄嗟に身を挺し、アストルフォを守ろうとしたのだ。
「チッ……まさか畜生が人間の為に命を投げ出すとはな」
グラダッソは舌打ちした。
「だが無駄な事よ。どのみちこの高さから落ちれば、貴様の主人は助かるまい!」
落馬したアストルフォは、地面に吸い込まれるように落ちていく。
弓矢も届かぬ高度である。落下の衝撃は凄まじかろう。仮に即死を免れたとしても、重傷を負い戦う事も叶うまい。
「うん……? あれは……」
グラダッソはアストルフォの落下先を見やった。
黒い煙の塊のような奇妙な空間が見える。誰も近寄らなかった為、戦いの際には無視していたが……不可解極まりない物質であった。しかし今のグラダッソには、バヤール着地の衝撃に備える事が先決だ。
アストルフォが暗黒空間に重なる、まさにその時。
「なッ……!?」
西側から猛スピードで低空飛行する、葦毛の駿馬の姿が映った。
(あれはもしや、かつてアンジェリカの弟が乗っていた魔馬か!
何故『翼』が生えている……!?)
翼ある魔馬ラビカンを駆るは、異教の騎士ロジェロこと黒崎八式。
ロジェロが暗黒空間を突き抜けたかと思うと、彼の背には瀕死のアストルフォが乗っていた。間一髪、救援が間に合ったのだ。
「……は……ははッ……来ると、信じていたよ……我が友ロジェロ」
「バッカ野郎! 嫌な予感がして大急ぎで来てみりゃあ、何勝手に死にかけてんだてめェ!
弱ェくせに無茶しすぎなんだよッ! カッコつけるためだけに犬死にとか、笑えねえ冗談だからな!」
ここぞとばかりに罵詈雑言を浴びせるロジェロに、アストルフォは安堵の笑みを浮かべてみせた。
ラビカンを旋回させ、滞空して地平を見下ろす黒崎。アストルフォの率いていた騎士たちは少数で、黒騎兵の波に飲まれている。
「……ロジェロ、あそこには近づくな。口惜しいが……もう彼らは手遅れだ」
「……分かって、るよ……ンな事……!」
口ではそう言いつつも、ロジェロの声には無念さがありありと滲み出ていた。
「ロジェロ殿、何しにここに来た。何故我が敵であるアストルフォを助けたか?」
バヤールを着地させたグラダッソが、大音声でロジェロに詰問する。全てを把握した上でわざと質問しているのだろう。声音には嘲りの色が濃く現れていた。
「オルランドは殺さなくても救える! 正気を取り戻せるんだ。
そうなればフランク・サラセン合同討伐軍の目的は消滅する! アストルフォの持つ瓶がその証拠だ!」
ロジェロは声を張り上げたものの……グラダッソは鼻で笑った。
「知っているとも。知った上で儂は、オルランドを殺そうと決めたのだ。
彼奴が生きておる限り、儂の命を脅かす事を知っておるからな!
この世界での儂の栄達の為にも、オルランドには死んで貰わねばならんのだ!」
「ロジェロ君……グラダッソはやはり……」アストルフォは驚愕していた。
「ああ、アンジェリカの言った通りだな。グラダッソにも、オレと同じ別世界の『魂』が宿っている。
だからこんな手の込んだ真似をして、オルランド抹殺を企んでるんだろう」
原典におけるグラダッソは、オルランドに一騎打ちを挑み――壮絶な死闘の末に敗れ、その命を落とす。
「奴」はそれを知っているのだ。だからこそマンドリカルドと和解し、協力体制を築く事ができたのだろう。
「というか……あの黒煙みてーなのは何なんだよ」ロジェロは尋ねた。
「あの中に、ブラダマンテとメリッサが閉じ込められている……」
「……マジか」
「ロジェロ……ボクの呪文書、さっきの一撃でどこかに落としてしまった。
探してくれ。あの空間の、解除方法が……載っている……」
「そうは言うけどよ。いくらラビカンで空が飛べるったって、グラダッソの化け物馬を躱しながら本を回収ってのは……」
「そこは心配ない……ボクが何とかする」
アストルフォが北の森を見ると、煙が立ち上っている。
「何だアレは……狼煙か?」
「ああ、そうだ。ピナベルからの……合図さ」
ロジェロは魔馬の高度を落とし、地上に降り立った。
「どうした? 敵わぬと見て降伏かね?」グラダッソが言った。
「そんな判断をするなら、戦う前に潔く白旗を上げるべきだったな。アストルフォよ、この惨状はお主のせいだ」
セリカンの荒ぶる王は勝ち誇り、悠然と馬の歩を進め近づいてきた。
「これが最後の警告だ、アストルフォ。『オルランドの心』を渡せ!
さすれば内通したロジェロ共々、捕縛するだけで命は保障してやろうぞ。
無論、後でたんまりと身代金を要求させてもらうがな」
グラダッソの提案に対し――美貌のイングランド王子は、息も絶え絶えに首を振った。
「残念だが……それはできない。
何故ならボクは今、『心』を持っていないからだ」
「…………何だと?」
アストルフォは外套や鞄を広げ、中身を全て地面にぶち撒けて見せた。
確かに彼の所持品の中に、ガラス瓶らしきものは見当たらない。
「北の森に逃げたピナベル達に、オルランドの心は託した。
ボクの役目は囮で、足止めの時間稼ぎだったのさ。今頃ピナベルが、オルランドを見つけ出して正気に戻している頃だろう」
「……おのれ、貴様ァァァァ!? この無謀な戦いはその為か!」
セリカン王の表情から余裕が消え、急激な焦燥感に囚われた。
「よくも儂をたばかったな……! 者ども、北へ向かうぞ!
兵の一部はここに残り、アストルフォとロジェロを八つ裂きにせよ!」
生き残った黒騎兵の大半を引き連れ、急ぎ北の森へと向かう。オルランドの心が戻れば、今回の作戦全てが無に帰すのである。
(まだちっとも安心できる状況じゃあねえが……グラダッソも、敵兵の大半も北へ向かってくれた。これなら呪文書を回収できる……!)
ロジェロはグラダッソの軍が陣形を変更している隙にラビカンを走らせ、アストルフォの落とした呪文書の下へと向かった。
「……馬鹿なッ……!?」
「死ねィ! アストルフォ!」
グラダッソが振り抜いた聖剣デュランダルの凶悪な一撃は、アストルフォを幻獣から叩き落とした。
「……が……はッ……!?」
凄まじい衝撃の割に、アストルフォは深手を負っていない事に気づいた。
見やった先には、おびただしい血を撒き散らしながら落下していく幻獣の姿があった。
(まさか、お前……ボクを庇ってくれたのか……?)
あちこちを冒険し、お世辞にも仲が良かったとは言えなかった。時には後ろ足で蹴られた事すらあったが。
この土壇場でヒポグリフは咄嗟に身を挺し、アストルフォを守ろうとしたのだ。
「チッ……まさか畜生が人間の為に命を投げ出すとはな」
グラダッソは舌打ちした。
「だが無駄な事よ。どのみちこの高さから落ちれば、貴様の主人は助かるまい!」
落馬したアストルフォは、地面に吸い込まれるように落ちていく。
弓矢も届かぬ高度である。落下の衝撃は凄まじかろう。仮に即死を免れたとしても、重傷を負い戦う事も叶うまい。
「うん……? あれは……」
グラダッソはアストルフォの落下先を見やった。
黒い煙の塊のような奇妙な空間が見える。誰も近寄らなかった為、戦いの際には無視していたが……不可解極まりない物質であった。しかし今のグラダッソには、バヤール着地の衝撃に備える事が先決だ。
アストルフォが暗黒空間に重なる、まさにその時。
「なッ……!?」
西側から猛スピードで低空飛行する、葦毛の駿馬の姿が映った。
(あれはもしや、かつてアンジェリカの弟が乗っていた魔馬か!
何故『翼』が生えている……!?)
翼ある魔馬ラビカンを駆るは、異教の騎士ロジェロこと黒崎八式。
ロジェロが暗黒空間を突き抜けたかと思うと、彼の背には瀕死のアストルフォが乗っていた。間一髪、救援が間に合ったのだ。
「……は……ははッ……来ると、信じていたよ……我が友ロジェロ」
「バッカ野郎! 嫌な予感がして大急ぎで来てみりゃあ、何勝手に死にかけてんだてめェ!
弱ェくせに無茶しすぎなんだよッ! カッコつけるためだけに犬死にとか、笑えねえ冗談だからな!」
ここぞとばかりに罵詈雑言を浴びせるロジェロに、アストルフォは安堵の笑みを浮かべてみせた。
ラビカンを旋回させ、滞空して地平を見下ろす黒崎。アストルフォの率いていた騎士たちは少数で、黒騎兵の波に飲まれている。
「……ロジェロ、あそこには近づくな。口惜しいが……もう彼らは手遅れだ」
「……分かって、るよ……ンな事……!」
口ではそう言いつつも、ロジェロの声には無念さがありありと滲み出ていた。
「ロジェロ殿、何しにここに来た。何故我が敵であるアストルフォを助けたか?」
バヤールを着地させたグラダッソが、大音声でロジェロに詰問する。全てを把握した上でわざと質問しているのだろう。声音には嘲りの色が濃く現れていた。
「オルランドは殺さなくても救える! 正気を取り戻せるんだ。
そうなればフランク・サラセン合同討伐軍の目的は消滅する! アストルフォの持つ瓶がその証拠だ!」
ロジェロは声を張り上げたものの……グラダッソは鼻で笑った。
「知っているとも。知った上で儂は、オルランドを殺そうと決めたのだ。
彼奴が生きておる限り、儂の命を脅かす事を知っておるからな!
この世界での儂の栄達の為にも、オルランドには死んで貰わねばならんのだ!」
「ロジェロ君……グラダッソはやはり……」アストルフォは驚愕していた。
「ああ、アンジェリカの言った通りだな。グラダッソにも、オレと同じ別世界の『魂』が宿っている。
だからこんな手の込んだ真似をして、オルランド抹殺を企んでるんだろう」
原典におけるグラダッソは、オルランドに一騎打ちを挑み――壮絶な死闘の末に敗れ、その命を落とす。
「奴」はそれを知っているのだ。だからこそマンドリカルドと和解し、協力体制を築く事ができたのだろう。
「というか……あの黒煙みてーなのは何なんだよ」ロジェロは尋ねた。
「あの中に、ブラダマンテとメリッサが閉じ込められている……」
「……マジか」
「ロジェロ……ボクの呪文書、さっきの一撃でどこかに落としてしまった。
探してくれ。あの空間の、解除方法が……載っている……」
「そうは言うけどよ。いくらラビカンで空が飛べるったって、グラダッソの化け物馬を躱しながら本を回収ってのは……」
「そこは心配ない……ボクが何とかする」
アストルフォが北の森を見ると、煙が立ち上っている。
「何だアレは……狼煙か?」
「ああ、そうだ。ピナベルからの……合図さ」
ロジェロは魔馬の高度を落とし、地上に降り立った。
「どうした? 敵わぬと見て降伏かね?」グラダッソが言った。
「そんな判断をするなら、戦う前に潔く白旗を上げるべきだったな。アストルフォよ、この惨状はお主のせいだ」
セリカンの荒ぶる王は勝ち誇り、悠然と馬の歩を進め近づいてきた。
「これが最後の警告だ、アストルフォ。『オルランドの心』を渡せ!
さすれば内通したロジェロ共々、捕縛するだけで命は保障してやろうぞ。
無論、後でたんまりと身代金を要求させてもらうがな」
グラダッソの提案に対し――美貌のイングランド王子は、息も絶え絶えに首を振った。
「残念だが……それはできない。
何故ならボクは今、『心』を持っていないからだ」
「…………何だと?」
アストルフォは外套や鞄を広げ、中身を全て地面にぶち撒けて見せた。
確かに彼の所持品の中に、ガラス瓶らしきものは見当たらない。
「北の森に逃げたピナベル達に、オルランドの心は託した。
ボクの役目は囮で、足止めの時間稼ぎだったのさ。今頃ピナベルが、オルランドを見つけ出して正気に戻している頃だろう」
「……おのれ、貴様ァァァァ!? この無謀な戦いはその為か!」
セリカン王の表情から余裕が消え、急激な焦燥感に囚われた。
「よくも儂をたばかったな……! 者ども、北へ向かうぞ!
兵の一部はここに残り、アストルフォとロジェロを八つ裂きにせよ!」
生き残った黒騎兵の大半を引き連れ、急ぎ北の森へと向かう。オルランドの心が戻れば、今回の作戦全てが無に帰すのである。
(まだちっとも安心できる状況じゃあねえが……グラダッソも、敵兵の大半も北へ向かってくれた。これなら呪文書を回収できる……!)
ロジェロはグラダッソの軍が陣形を変更している隙にラビカンを走らせ、アストルフォの落とした呪文書の下へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢が攻略対象ではないオレに夢中なのだが?!
naomikoryo
ファンタジー
【★♪★♪★♪★本当に完結!!読んでくれた皆さん、ありがとうございます★♪★♪★♪★】
気づけば異世界、しかも「ただの数学教師」になってもうた――。
大阪生まれ大阪育ち、関西弁まるだしの元高校教師カイは、偶然助けた学園長の口利きで王立魔法学園の臨時教師に。
魔方陣を数式で解きほぐし、強大な魔法を片っ端から「授業」で説明してしまう彼の授業は、生徒たちにとって革命そのものだった。
しかし、なぜか公爵令嬢ルーティアに追いかけ回され、
気づけば「奥様気取り」で世話を焼かれ、学園も学園長も黙認状態。
王子やヒロイン候補も巻き込み、王国全体を揺るがす大事件に次々と遭遇していくカイ。
「ワイはただ、教師やりたいだけやのに!」
異世界で数学教師が無自覚にチートを発揮し、
悪役令嬢と繰り広げる夫婦漫才のような恋模様と、国家規模のトラブルに振り回される物語。
笑いとバトルと甘々が詰まった異世界ラブコメ×ファンタジー!
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主』
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる