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第7章 オルランド討伐作戦
26 ピナベルvsグラダッソ
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女騎士ブラダマンテ。ムーア人騎士ロジェロ。尼僧メリッサ。イングランド王子アストルフォ。
四人は久方ぶりの再会を果たしたが、状況は最悪と言ってよかった。
積み重なるフランク人騎士の屍。馬も容赦なく圧殺されている。
四人を取り囲むは、異国風のいでたちの、表情も見えぬ黒衣黒馬の騎兵部隊。
「何なのよ、コイツら……」ブラダマンテはうんざりした様子で呻いた。
「グラダッソの兵隊だ。あの野郎、どこからともなく騎兵を呼び寄せるっていう、反則まがいの異能持ちらしい」
解説するロジェロもまた、半信半疑な風で吐き捨てるように言った。
グラダッソ自ら北の森に向かい、騎兵の大半を引き連れて行ったため、今ここにいるのはせいぜい三十騎ほどだ。
しかしアストルフォの仲間はほぼ全滅している。四人のうち、騎乗できているのはロジェロのみ。
暗黒空間を解除し、危機を脱したばかりだというのに、難事は容赦なく迫りつつあるのだった。
(大怪我したアストルフォや、騎士ほどの戦闘能力のないメリッサを庇いながらじゃ、厳しいってレベルじゃねえ……
ここまで来て、数の暴力の前に詰みとか……笑えねえよな……クソッ)
ロジェロは皆を守るように前に出る。形だけでも気圧されまいとするように。
虚勢である事は誰の目にも明らかだが、心まで屈していない事を示したかった。
「……切羽詰まっておるようだな」
不意に背後から声がした。
絶望的な苦境に追い込まれた四人に、意外な協力者が現れた瞬間だった。
**********
北の森にて。
アストルフォの部隊から離れ、北に逃れたフランク騎士たちは、森の中で着々と準備を進めていた。
「……オイ、一体誰だ? 勝手に狼煙なんか炊きやがったのはッ」
「どうせピナベルだろ。他に誰がいるんだ?」
しかし狼煙については報されていなかったらしい。デンマークの騎士ドゥドンのイラついた台詞に、モブ騎士四人組の一人「野人」グィードが呆れ声で答えた。
「まったくピナベルの野郎ときたら……鳴りもしない角笛を一生懸命吹いてたかと思ったら。
森の中の作業を小生たちに押し付けて、フラッといなくなりやがって。一人だけ逃げたのかと思ったぜ」
「文句ばかり言っても仕方あるまい。遅かれ早かれ、敵の騎兵は森の中に侵入してくるだろう。
『ここ』でなら多少はやりようがある。有利な状況である内に迎え撃つべきだ」
狼煙に気づいたのか、グラダッソ率いる黒騎兵の部隊は砂塵と共に、森に近づきつつあった。
「やァやァ諸君! 準備は万端かね?」
能天気な声で、ニヤニヤ笑いの痩せぎすの男――ピナベルが姿を現した。
「ピナベルてめェ。どこ行ってやがった?」
「まーまー落ち着き給えよドゥドン君。アストルフォが殿軍を引き受けてくれた今、ボクが司令塔なんだ。
司令塔ってのは指示を出すのが仕事。あっちこっちで下準備の管理とかしなきゃならんから大変なんだよね。分かる?」
ドゥドンの剣呑な言葉を、からかうようにいなすピナベル。
「ときにグィード君。仕掛けの数に不足は無かったかい?」
「アンタが調達したカネが潤沢だったからな。そこら辺は抜かりはない。
森の猟師も何人か雇えたし、問題はないハズさ」
「大変結構! そんじゃま、おもてなししてやりますかね~っと」
ピナベルは敵騎兵を遠くに見て、会食でも楽しむかのように軽い声を上げた。
しかしその目は鋭い眼光を帯び、罠にかかる獲物を狙う猛禽のようでもあった。
「クックック。アストルフォの財力。グィードの裏の人脈と技術。そこにボクの悪知恵が加われば!
光と闇が合わさり最強に見える、何だかスゴそうな必殺の布陣の完成さ! 相手は死ぬ!」
「……悪知恵に長けてるって自覚はあるんだな、お前……」
ドゥドンのげんなりした口調にも、ピナベルは悪役めいた高笑いを上げるだけだった。
**********
セリカン王グラダッソの率いる騎兵隊が、北の森に到達した。
アストルフォが命懸けで足止めした分、時間を稼がれてしまった。
恐らく森の中では、ピナベルらが十分な備えをしているだろう。
(足跡や馬の蹄跡からして、連中はせいぜい二十人前後といったところか。
何を企んでおるのか知らぬが、無駄な事よ。絶対的な数の差は覆らぬ)
グラダッソは笑みを浮かべ、五十騎を先発隊として森の中へ送り込んだ。
馬を駆る黒衣の軍勢が、鬱蒼と茂る森林を疾走する。
この先遣にして、ピナベルらの倍以上。装備も実力も比べるべくもない、のだが――
先頭を走る馬が、突如張られたロープに足を取られ、派手に転倒した。
別の獣道から進軍していた騎士も、地面に設置された鉄製の仕掛け挟み――トラバサミ、あるいはベア・トラップと呼ばれるもの――や、落とし穴に引っかかり、次々と横転する。後続の騎兵も倒れた仲間が邪魔で、思うように動けなくなった。
ピナベルは木に登り、次々と罠にかかる騎兵の醜態を嬉しそうに眺めていた。
「障害物のない平原ならばいざ知らず、森の中の騎兵なんざ怖くもなんともねェ!
カネにモノを言わせ、この森の狩狼官を買収できたのが幸いだったぜ」
狩狼官とは、いわゆる狼狩りのプロである。中世の欧州において、家畜を脅かし群れで狩りを行う狼は、人々にとって恐怖の的であった。
狼対策は古来より行われていた。歴史上初めて公的に設け、シャルルマーニュが各地に派遣したのが狩狼官。彼らは狼を追い詰める為さまざまな犬を飼い慣らし、また罠も開発した。
グィードも「野人」の異名を持つ狩狼官の一人。それ故スムーズに、森の狼狩りの協力を得られたのだ。
「騎兵は狼に比べたらカワイイものだ。臭いを誤魔化す必要もないし、森の中じゃ迷子の羊みてえなモンだからな」
森の木々に機動力を制限され、罠にかかり動きを止められては、さしもの騎兵も形無しである。ドゥドンやグィードの号令によって矢が射かけられていく。
グラダッソの第一陣が全滅するのも時間の問題であった。
**********
「第一陣の騎兵部隊……完全に沈黙です。グラダッソ王」
「慌てる事はない。すぐに次の部隊を差し向けよ。
お前たちは儂の命令を絶対に裏切らぬハズだな? ならば進め。臆するな!
死した役立たずどもの屍は乗り越えよ。敵は少数だ。森の罠もいずれ尽きる」
「…………御意」
グラダッソはあくまで余裕の姿勢を崩さなかった。
森の中の罠など想定内。それを上回る兵を送り込み、蹂躙すればよいだけだ。
そしてグラダッソには、蹂躙を可能にするだけの異能がある。
セリカンの荒ぶる王の背後から、先刻の倍にも匹敵する新たな騎兵が現れ、森の中へと進撃した。
決して飢えず、疲れも知らず。何より王命に忠実な彼らは、躊躇う事がない。
「貴様らの浅知恵など、時間稼ぎの足しにもならんと証明してくれるわ」
四人は久方ぶりの再会を果たしたが、状況は最悪と言ってよかった。
積み重なるフランク人騎士の屍。馬も容赦なく圧殺されている。
四人を取り囲むは、異国風のいでたちの、表情も見えぬ黒衣黒馬の騎兵部隊。
「何なのよ、コイツら……」ブラダマンテはうんざりした様子で呻いた。
「グラダッソの兵隊だ。あの野郎、どこからともなく騎兵を呼び寄せるっていう、反則まがいの異能持ちらしい」
解説するロジェロもまた、半信半疑な風で吐き捨てるように言った。
グラダッソ自ら北の森に向かい、騎兵の大半を引き連れて行ったため、今ここにいるのはせいぜい三十騎ほどだ。
しかしアストルフォの仲間はほぼ全滅している。四人のうち、騎乗できているのはロジェロのみ。
暗黒空間を解除し、危機を脱したばかりだというのに、難事は容赦なく迫りつつあるのだった。
(大怪我したアストルフォや、騎士ほどの戦闘能力のないメリッサを庇いながらじゃ、厳しいってレベルじゃねえ……
ここまで来て、数の暴力の前に詰みとか……笑えねえよな……クソッ)
ロジェロは皆を守るように前に出る。形だけでも気圧されまいとするように。
虚勢である事は誰の目にも明らかだが、心まで屈していない事を示したかった。
「……切羽詰まっておるようだな」
不意に背後から声がした。
絶望的な苦境に追い込まれた四人に、意外な協力者が現れた瞬間だった。
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北の森にて。
アストルフォの部隊から離れ、北に逃れたフランク騎士たちは、森の中で着々と準備を進めていた。
「……オイ、一体誰だ? 勝手に狼煙なんか炊きやがったのはッ」
「どうせピナベルだろ。他に誰がいるんだ?」
しかし狼煙については報されていなかったらしい。デンマークの騎士ドゥドンのイラついた台詞に、モブ騎士四人組の一人「野人」グィードが呆れ声で答えた。
「まったくピナベルの野郎ときたら……鳴りもしない角笛を一生懸命吹いてたかと思ったら。
森の中の作業を小生たちに押し付けて、フラッといなくなりやがって。一人だけ逃げたのかと思ったぜ」
「文句ばかり言っても仕方あるまい。遅かれ早かれ、敵の騎兵は森の中に侵入してくるだろう。
『ここ』でなら多少はやりようがある。有利な状況である内に迎え撃つべきだ」
狼煙に気づいたのか、グラダッソ率いる黒騎兵の部隊は砂塵と共に、森に近づきつつあった。
「やァやァ諸君! 準備は万端かね?」
能天気な声で、ニヤニヤ笑いの痩せぎすの男――ピナベルが姿を現した。
「ピナベルてめェ。どこ行ってやがった?」
「まーまー落ち着き給えよドゥドン君。アストルフォが殿軍を引き受けてくれた今、ボクが司令塔なんだ。
司令塔ってのは指示を出すのが仕事。あっちこっちで下準備の管理とかしなきゃならんから大変なんだよね。分かる?」
ドゥドンの剣呑な言葉を、からかうようにいなすピナベル。
「ときにグィード君。仕掛けの数に不足は無かったかい?」
「アンタが調達したカネが潤沢だったからな。そこら辺は抜かりはない。
森の猟師も何人か雇えたし、問題はないハズさ」
「大変結構! そんじゃま、おもてなししてやりますかね~っと」
ピナベルは敵騎兵を遠くに見て、会食でも楽しむかのように軽い声を上げた。
しかしその目は鋭い眼光を帯び、罠にかかる獲物を狙う猛禽のようでもあった。
「クックック。アストルフォの財力。グィードの裏の人脈と技術。そこにボクの悪知恵が加われば!
光と闇が合わさり最強に見える、何だかスゴそうな必殺の布陣の完成さ! 相手は死ぬ!」
「……悪知恵に長けてるって自覚はあるんだな、お前……」
ドゥドンのげんなりした口調にも、ピナベルは悪役めいた高笑いを上げるだけだった。
**********
セリカン王グラダッソの率いる騎兵隊が、北の森に到達した。
アストルフォが命懸けで足止めした分、時間を稼がれてしまった。
恐らく森の中では、ピナベルらが十分な備えをしているだろう。
(足跡や馬の蹄跡からして、連中はせいぜい二十人前後といったところか。
何を企んでおるのか知らぬが、無駄な事よ。絶対的な数の差は覆らぬ)
グラダッソは笑みを浮かべ、五十騎を先発隊として森の中へ送り込んだ。
馬を駆る黒衣の軍勢が、鬱蒼と茂る森林を疾走する。
この先遣にして、ピナベルらの倍以上。装備も実力も比べるべくもない、のだが――
先頭を走る馬が、突如張られたロープに足を取られ、派手に転倒した。
別の獣道から進軍していた騎士も、地面に設置された鉄製の仕掛け挟み――トラバサミ、あるいはベア・トラップと呼ばれるもの――や、落とし穴に引っかかり、次々と横転する。後続の騎兵も倒れた仲間が邪魔で、思うように動けなくなった。
ピナベルは木に登り、次々と罠にかかる騎兵の醜態を嬉しそうに眺めていた。
「障害物のない平原ならばいざ知らず、森の中の騎兵なんざ怖くもなんともねェ!
カネにモノを言わせ、この森の狩狼官を買収できたのが幸いだったぜ」
狩狼官とは、いわゆる狼狩りのプロである。中世の欧州において、家畜を脅かし群れで狩りを行う狼は、人々にとって恐怖の的であった。
狼対策は古来より行われていた。歴史上初めて公的に設け、シャルルマーニュが各地に派遣したのが狩狼官。彼らは狼を追い詰める為さまざまな犬を飼い慣らし、また罠も開発した。
グィードも「野人」の異名を持つ狩狼官の一人。それ故スムーズに、森の狼狩りの協力を得られたのだ。
「騎兵は狼に比べたらカワイイものだ。臭いを誤魔化す必要もないし、森の中じゃ迷子の羊みてえなモンだからな」
森の木々に機動力を制限され、罠にかかり動きを止められては、さしもの騎兵も形無しである。ドゥドンやグィードの号令によって矢が射かけられていく。
グラダッソの第一陣が全滅するのも時間の問題であった。
**********
「第一陣の騎兵部隊……完全に沈黙です。グラダッソ王」
「慌てる事はない。すぐに次の部隊を差し向けよ。
お前たちは儂の命令を絶対に裏切らぬハズだな? ならば進め。臆するな!
死した役立たずどもの屍は乗り越えよ。敵は少数だ。森の罠もいずれ尽きる」
「…………御意」
グラダッソはあくまで余裕の姿勢を崩さなかった。
森の中の罠など想定内。それを上回る兵を送り込み、蹂躙すればよいだけだ。
そしてグラダッソには、蹂躙を可能にするだけの異能がある。
セリカンの荒ぶる王の背後から、先刻の倍にも匹敵する新たな騎兵が現れ、森の中へと進撃した。
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