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第7章 オルランド討伐作戦
33 黒き悪夢の終わるとき★
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南フランスの海岸線にて。
異教の騎士ロジェロ、イングランド王子アストルフォ、尼僧メリッサらは、魔術師マラジジの力添えもあって危機を脱していた。
もっとも彼の扱う魔法は、傀儡を生み出す術。すでに殺された仲間の騎士の死体を操り、盾にするというおぞましい技であったが。
「背に腹は代えられねえよな……」
「ええ……仕方ありませんわ……」
不本意な手段といえど、疲弊の極みにあったメリッサや、重傷を負ったアストルフォにとっては有難い手助けだった。
黒崎も死体と共に戦うのは正直、薄気味悪かったが――生き残る為と割り切って戦い続けた。
やがてグラダッソの兵たちは、勝手に苦しみ出し倒れていく。
馬も兵も、姿形が薄れていき――溶けるように消え去った。
(司藤……やったのか。グラダッソの野郎を倒したんだな――!)
アストルフォと行動を共にしていた騎士たちの命の大半は失われたが。
グラダッソに敗れたアクィラン・グリフォン・サンソンの三人は、大した怪我もなくしぶとく生き残っていたのだった。
**********
サラセン帝国・討伐軍本陣にて。
テュルパン大司教率いるフランク王国の騎士団は、グラダッソの黒騎兵隊と互角の戦いを繰り広げていたが――
「……どうした事だ? 敵が勝手に倒れていくぞ……?」
「何か分からんが……助かった。今度こそ本当にッ!」
敵の騎兵たちは瞬く間に数を減じていき――やがてひとりでに全滅した。
疲労困憊していたインド王女マルフィサや、リナルドらクレルモン家の騎士たちは安堵の溜め息をつき。
救援に当たっていたスコットランド・南ドイツ連合軍は勝ち鬨を上げた。
**********
北の森にて。野人グィードと魔法使いアトラントの前で、走り続けていた黒騎兵たちは次々と倒れていった。
「なッ……何が起きたんだ……?」
「黒騎兵を操っていた者の、命が尽きたのだろう。
もはや幻術を維持する必要はなさそうじゃな」
敵の全滅と消滅を見届けたアトラントは、森に張り巡らせた「狼の回廊」の術を解き――逃げ延びていた騎士たちは命拾いした。
**********
全ての戦いを巻き起こしていた元凶・セリカン王グラダッソ。
女騎士ブラダマンテとの一騎打ちに敗れ、復活したオルランドによってとどめを刺された。
荒ぶる王の死によって、長く続いた戦闘もようやく終わったのである。
「助けを呼びに行きましょう。オルランドも、他の皆も――重傷者が沢山いるわ」
ブラダマンテ――司藤アイとて負傷はしていたが、メリッサが施した治癒の加護によって、他の重傷者に比べれば元気を取り戻していた。
「分かりました。それについてはお任せ下さい!」
フロリマールの妻フロルドリは直ちに馬に乗り、味方のいる陣営に助けを求めに行った。
オルランドやオリヴィエ、フロリマールといった名だたる十二勇士たちも、グラダッソ軍との激闘で負傷していた。早急に治療処置を行う必要があるだろう。
そんな中――地べたに大の字に倒れて気絶していた、マイエンス家のピナベルは目を覚ました。
うっすらと目を開けると――視界に映ったのは美人だが険のある、見覚えのある顔だった。
「げえっ……! 我が妻……!?」
「……心配して来て差し上げたというのに、また第一声がそれですの?」
ピナベルの妻は呆れたような声を上げたが――表情には赤みが差し、目も腫れぼったく見えたのは気のせいではないだろう。
「……ハハ、悪ィ……土壇場でまた、ヘマしちまった……
オルランドを正気に戻し、作戦の第一勲功を上げるつもり、だったんだけどなァ……」
「身の丈に合わない野心など抱くから、そんな目に遭うんですわ」
妻は倒れたピナベルの傍にしゃがみ込み、そっと手を差し伸べた。
「大体、臆病なクセに無茶するなんて、アナタのキャラじゃありません。
死んだらどうするの? あたくし、この歳で未亡人とかイヤですわよ!
夫に先立たれた妻が、一族からどういう目で見られ、どんな扱いを受けるか――ご存知ですの?
お手付きだからと腫物扱いされるならまだマシ! 酷い時は土間に押し込められ奴隷じみた作業をあてがわれて、一生過ごす羽目になるんですわ!」
激しい剣幕でまくし立てる婦人に、ピナベルは目を丸くしていたが――やがて困ったように一言、ボソリと呟いた。
「…………本当に、悪かったよ…………」
「アナタみたいなボンクラでも、あたくしの夫である事に代わりありません。
死なれたら困るんです! あたくしの心と暮らしの平穏のためにもねッ!」
言葉自体はつっけんどんだったが、不思議とピナベルは悪い気はしなかった。
「さ、家に帰りますわよ。怪我についてはご心配なく。
以前ブラダマンテに治療術を教えていただきましたから。安心して療養なさって下さいまし」
(……不安だなあ……)
**********
戦いが終わり、黒崎は女騎士の下に駆けつけた。
「ブラダマンテ! 無事……じゃねえな。前にも増してボロッボロじゃねえか」
「そういう、アンタだって……ひどい顔、じゃない……もうっ」
お互い泥と血に塗れ、薄汚れた顔を付き合わせて――笑い合った。
激しい苦闘の末どうにか生存し、再会できたのだ。喜ばない道理は無かった。
ブラダマンテ――司藤アイは、黒崎に顔を近づけてそっと囁いた。
「……ありがと、黒崎。下田教授から聞いたわ。
アンタのお陰で、暗黒空間から脱出する事ができた」
「……オレは何もしてねえよ。アストルフォの呪文書を読んでやっただけだ」
ぶっきらぼうに言い、目を逸らす黒崎。
真正面から礼を言われると、気恥ずかしい様子である。
「……ごめん、少しだけ……肩、貸してもらえる?
さすがにちょっと……疲れ、ちゃった……」
アイは弱々しく呟くと、返事も待たず前のめりに倒れそうになった。
黒崎も慌てて彼女の身体を支える。一瞬、嫌な予感が頭をよぎったが……すぐに聞こえ始めた、すうすうという寝息が不安を払拭させた。
屈強の騎士ロジェロの腕力を持つ黒崎には――鎧込みである点を差し引いても――ブラダマンテは軽く、そしてたおやかに思えた。
(こんな小さな身体で、マンドリカルドやグラダッソを相手取ったのか――
女騎士も凄いんだろうが……お前だって大したモンだよ、司藤)
この後、割り込んできたメリッサによって――疲れ切ったアイに寄り添う余韻を味わう暇もなかったが。
やがてあちこちの戦場で、負傷者の回収や、死者の弔いが執り行われ。
オルランドが正気を取り戻した事によって、討伐作戦は中止とされた。
また日を改めて、フランク国王シャルルマーニュと、アフリカ大王アグラマンとの間で新たな交渉の場が設けられる事となった。
**********
「……以上が戦況報告になります、大王様」
ガルボの老王ソブリノから、オルランド討伐作戦の経緯の一部始終を聞き入っていたアグラマン大王は――頬杖をついたまま、力の抜けた嘆息をした。
「ひっどい有様よねェ。グラダッソも、マンドリカルドも死んじゃって。
ロジェロとマルフィサは、フランク王国側に寝返っちゃったワケか。
もーなんていうかさァ。真面目に戦争するの、馬鹿馬鹿しいったらありゃしないわ」
優勢に近い五分の状況から、一転して大惨敗の報である。
しかしながら大王の顔には怒りも悲しみもない。むしろ不敵な笑みすら浮かんでいた。
「考えようによっては――都合がいい話かもしれないわね~。
ま、いいわ。シャルルマーニュとの交渉はやっておきましょ。『休戦』するためにもね」
「それと大王――例の鱗帷子の件ですが。
とうとう出所が、はっきりと特定されましたぞ」
ソブリノの追加報告に、アグラマンの耳がピクリと動く。
今となっては些末な話ではあるが、せっかく真相が発覚したのだ。聞いておいて損はないだろう。
「……ふゥん。アルジェリア王ロドモンが死ぬ前に着てた鎧だっけ?
一体どこの誰がが、あの悪趣味なオモチャを送り付けてきたってのよ」
「鱗帷子を積んだ船は、シチリア島発のものでした。東ローマ帝国領ですな。
積み荷を送り込んだのは、同帝国の皇太子レオで間違いございませぬ」
「……へえ。レオ皇太子が、ねえ……?」
サラセン帝国の首魁は興味なさげに、机の書類に再び目を落とした。
アグラマンは知る由もない。レオ皇太子の肉体に、司藤アイの憧れの先輩・綺織浩介の魂が宿っている事など。
(第7章 了)
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━
《 作者落書き・その10 》
司藤アイ。現実世界バージョン。
異教の騎士ロジェロ、イングランド王子アストルフォ、尼僧メリッサらは、魔術師マラジジの力添えもあって危機を脱していた。
もっとも彼の扱う魔法は、傀儡を生み出す術。すでに殺された仲間の騎士の死体を操り、盾にするというおぞましい技であったが。
「背に腹は代えられねえよな……」
「ええ……仕方ありませんわ……」
不本意な手段といえど、疲弊の極みにあったメリッサや、重傷を負ったアストルフォにとっては有難い手助けだった。
黒崎も死体と共に戦うのは正直、薄気味悪かったが――生き残る為と割り切って戦い続けた。
やがてグラダッソの兵たちは、勝手に苦しみ出し倒れていく。
馬も兵も、姿形が薄れていき――溶けるように消え去った。
(司藤……やったのか。グラダッソの野郎を倒したんだな――!)
アストルフォと行動を共にしていた騎士たちの命の大半は失われたが。
グラダッソに敗れたアクィラン・グリフォン・サンソンの三人は、大した怪我もなくしぶとく生き残っていたのだった。
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サラセン帝国・討伐軍本陣にて。
テュルパン大司教率いるフランク王国の騎士団は、グラダッソの黒騎兵隊と互角の戦いを繰り広げていたが――
「……どうした事だ? 敵が勝手に倒れていくぞ……?」
「何か分からんが……助かった。今度こそ本当にッ!」
敵の騎兵たちは瞬く間に数を減じていき――やがてひとりでに全滅した。
疲労困憊していたインド王女マルフィサや、リナルドらクレルモン家の騎士たちは安堵の溜め息をつき。
救援に当たっていたスコットランド・南ドイツ連合軍は勝ち鬨を上げた。
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北の森にて。野人グィードと魔法使いアトラントの前で、走り続けていた黒騎兵たちは次々と倒れていった。
「なッ……何が起きたんだ……?」
「黒騎兵を操っていた者の、命が尽きたのだろう。
もはや幻術を維持する必要はなさそうじゃな」
敵の全滅と消滅を見届けたアトラントは、森に張り巡らせた「狼の回廊」の術を解き――逃げ延びていた騎士たちは命拾いした。
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全ての戦いを巻き起こしていた元凶・セリカン王グラダッソ。
女騎士ブラダマンテとの一騎打ちに敗れ、復活したオルランドによってとどめを刺された。
荒ぶる王の死によって、長く続いた戦闘もようやく終わったのである。
「助けを呼びに行きましょう。オルランドも、他の皆も――重傷者が沢山いるわ」
ブラダマンテ――司藤アイとて負傷はしていたが、メリッサが施した治癒の加護によって、他の重傷者に比べれば元気を取り戻していた。
「分かりました。それについてはお任せ下さい!」
フロリマールの妻フロルドリは直ちに馬に乗り、味方のいる陣営に助けを求めに行った。
オルランドやオリヴィエ、フロリマールといった名だたる十二勇士たちも、グラダッソ軍との激闘で負傷していた。早急に治療処置を行う必要があるだろう。
そんな中――地べたに大の字に倒れて気絶していた、マイエンス家のピナベルは目を覚ました。
うっすらと目を開けると――視界に映ったのは美人だが険のある、見覚えのある顔だった。
「げえっ……! 我が妻……!?」
「……心配して来て差し上げたというのに、また第一声がそれですの?」
ピナベルの妻は呆れたような声を上げたが――表情には赤みが差し、目も腫れぼったく見えたのは気のせいではないだろう。
「……ハハ、悪ィ……土壇場でまた、ヘマしちまった……
オルランドを正気に戻し、作戦の第一勲功を上げるつもり、だったんだけどなァ……」
「身の丈に合わない野心など抱くから、そんな目に遭うんですわ」
妻は倒れたピナベルの傍にしゃがみ込み、そっと手を差し伸べた。
「大体、臆病なクセに無茶するなんて、アナタのキャラじゃありません。
死んだらどうするの? あたくし、この歳で未亡人とかイヤですわよ!
夫に先立たれた妻が、一族からどういう目で見られ、どんな扱いを受けるか――ご存知ですの?
お手付きだからと腫物扱いされるならまだマシ! 酷い時は土間に押し込められ奴隷じみた作業をあてがわれて、一生過ごす羽目になるんですわ!」
激しい剣幕でまくし立てる婦人に、ピナベルは目を丸くしていたが――やがて困ったように一言、ボソリと呟いた。
「…………本当に、悪かったよ…………」
「アナタみたいなボンクラでも、あたくしの夫である事に代わりありません。
死なれたら困るんです! あたくしの心と暮らしの平穏のためにもねッ!」
言葉自体はつっけんどんだったが、不思議とピナベルは悪い気はしなかった。
「さ、家に帰りますわよ。怪我についてはご心配なく。
以前ブラダマンテに治療術を教えていただきましたから。安心して療養なさって下さいまし」
(……不安だなあ……)
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戦いが終わり、黒崎は女騎士の下に駆けつけた。
「ブラダマンテ! 無事……じゃねえな。前にも増してボロッボロじゃねえか」
「そういう、アンタだって……ひどい顔、じゃない……もうっ」
お互い泥と血に塗れ、薄汚れた顔を付き合わせて――笑い合った。
激しい苦闘の末どうにか生存し、再会できたのだ。喜ばない道理は無かった。
ブラダマンテ――司藤アイは、黒崎に顔を近づけてそっと囁いた。
「……ありがと、黒崎。下田教授から聞いたわ。
アンタのお陰で、暗黒空間から脱出する事ができた」
「……オレは何もしてねえよ。アストルフォの呪文書を読んでやっただけだ」
ぶっきらぼうに言い、目を逸らす黒崎。
真正面から礼を言われると、気恥ずかしい様子である。
「……ごめん、少しだけ……肩、貸してもらえる?
さすがにちょっと……疲れ、ちゃった……」
アイは弱々しく呟くと、返事も待たず前のめりに倒れそうになった。
黒崎も慌てて彼女の身体を支える。一瞬、嫌な予感が頭をよぎったが……すぐに聞こえ始めた、すうすうという寝息が不安を払拭させた。
屈強の騎士ロジェロの腕力を持つ黒崎には――鎧込みである点を差し引いても――ブラダマンテは軽く、そしてたおやかに思えた。
(こんな小さな身体で、マンドリカルドやグラダッソを相手取ったのか――
女騎士も凄いんだろうが……お前だって大したモンだよ、司藤)
この後、割り込んできたメリッサによって――疲れ切ったアイに寄り添う余韻を味わう暇もなかったが。
やがてあちこちの戦場で、負傷者の回収や、死者の弔いが執り行われ。
オルランドが正気を取り戻した事によって、討伐作戦は中止とされた。
また日を改めて、フランク国王シャルルマーニュと、アフリカ大王アグラマンとの間で新たな交渉の場が設けられる事となった。
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「……以上が戦況報告になります、大王様」
ガルボの老王ソブリノから、オルランド討伐作戦の経緯の一部始終を聞き入っていたアグラマン大王は――頬杖をついたまま、力の抜けた嘆息をした。
「ひっどい有様よねェ。グラダッソも、マンドリカルドも死んじゃって。
ロジェロとマルフィサは、フランク王国側に寝返っちゃったワケか。
もーなんていうかさァ。真面目に戦争するの、馬鹿馬鹿しいったらありゃしないわ」
優勢に近い五分の状況から、一転して大惨敗の報である。
しかしながら大王の顔には怒りも悲しみもない。むしろ不敵な笑みすら浮かんでいた。
「考えようによっては――都合がいい話かもしれないわね~。
ま、いいわ。シャルルマーニュとの交渉はやっておきましょ。『休戦』するためにもね」
「それと大王――例の鱗帷子の件ですが。
とうとう出所が、はっきりと特定されましたぞ」
ソブリノの追加報告に、アグラマンの耳がピクリと動く。
今となっては些末な話ではあるが、せっかく真相が発覚したのだ。聞いておいて損はないだろう。
「……ふゥん。アルジェリア王ロドモンが死ぬ前に着てた鎧だっけ?
一体どこの誰がが、あの悪趣味なオモチャを送り付けてきたってのよ」
「鱗帷子を積んだ船は、シチリア島発のものでした。東ローマ帝国領ですな。
積み荷を送り込んだのは、同帝国の皇太子レオで間違いございませぬ」
「……へえ。レオ皇太子が、ねえ……?」
サラセン帝国の首魁は興味なさげに、机の書類に再び目を落とした。
アグラマンは知る由もない。レオ皇太子の肉体に、司藤アイの憧れの先輩・綺織浩介の魂が宿っている事など。
(第7章 了)
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《 作者落書き・その10 》
司藤アイ。現実世界バージョン。
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