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5.車椅子生活

車椅子生活①

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 それから数日間、わたしはベッドの上で時間を過ごした。
 歩けない、というのは本当に不便で嫌だった。

(リハビリはどうしたんだよ、リハビリは……!?)

 医師は毎日、わたしの所に顔を出すがリハビリの話は全く出なかった。
 一人では本当に何も出来ないからお母さんや看護師さんたちに“全て”やってもらった。
 歩けないから、一人でトイレにも行けなかった……。
 ベッドの上でトイレとか地獄だった……。




 そんなある日。

「さくらちゃん」
「はい」
「今日は、病院の中を探検してみよっか」
「はいっ! ……って、えっ!?」

 医師から提案された。

(わたし、歩けないのに一体、どうやって……?)

 わたしの頭の中はハテナでいっぱいだった。 

「嗚呼、大丈夫だよ。さくらちゃんは歩かなくて良いから」
「???」

 医師、何言ってるの?
 歩かなくちゃ、病院の中を探検なんて出来ないじゃん……。

「看護師さーん」
「はーい」

 看護師さんが医師に呼ばれて、わたしの前に何かを持ってきた。
 それは………。

「………車椅子」
「さくらちゃん。車椅子は初めて?」
「ううん」
「じゃあ、あるんだね」
「うん。前にもわたし……この病院に入院したから」

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