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第22話 佐々木からの情報(2)
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これは確信じゃない。
可能性が少し高くなっただけ。
アキがカミシロ山へ行ったなんて、ナツは信じたくなかった。
『ナツ? 聞いてる?』
「あぁ、聞いてる」
『それで、その……どうする?』
「どうするって?」
佐々木が何を言いたいのかナツには分かっていた。
だけど、敢えて聞き返した。
『カミシロ山……行ってみる?』
「行かない」
『え?』
「なんだよ?」
『ナツ。アキちゃん、探しに行かないのか?』
それが当たり前のようにナツへ聞いてくる佐々木。
「なんでオレがアキを探しに行かなきゃいけないんだよ」『だって……』
「アキと安田がカミシロ山へ行ったっていう確かな証拠はない。もし本当に行ってたら、理由は何にしろ勝手にカミシロ山へ行った奴のためにオレが呪われろって?」
『そこまで言ってないだろ』
「今、オレに『行ってみる?』って聞いたよな。佐々木は呪われると分かっててカミシロ山へ行けるのか?」
『それは……やだけど……』
「いいか? オレとお前は男だ。カミシロ山は《男子禁制》の私有地だ。行ったら呪われる。お前の知り合いの親戚のお兄さんがカミシロ山へ足を踏み入れて精神病棟に入院してるんだろ?」
『……うん』
数日前に教室で佐々木本人が言っていたことだ。
呪われたかは別として被害に遭っている男性がいるのは事実なのだ。
「なぁ、佐々木。お前、アキを見掛けたこと誰かに言ったか?」
『……まだ誰にも言ってない。ナツに初めて言った』
「なんで?」
『アキちゃんを見掛けたのに気付いたのってついさっきなんだよ。母さんから「典子ちゃんが帰って来てないみたいなんだけど、静流なにか知らない?」って聞かれて思い出したんだ』
「そのままおばさんに言えば良かっただろ」
『だって……アキちゃんも帰って来てないこと知ったのちょっと前だし、関係ないと思ったんだ。母さんに言って、もし本当にそれでアキちゃんがカミシロ山へ行ってたら、「なんで止めなかったの!」ってめっちゃ怒られそうで……』
「そっか。なら、アキを見たことは誰にも言うな」
『え?』
「アキは佐々木を見てなかったんだろ? 他に目撃者がいないなら余計なことは言うな。大人に任せようぜ。オレたちに出来ることは何もねぇよ」
『……そうだな』
ナツは佐々木に口止めをした。
「アキが帰って来たらL*NEする。あ、でも、そろそろ母さんが帰って来るからスマホに触る時間はないと思う。明日学校で話そうぜ」
『大丈夫なのか?』
「いつものことだ。じゃあな」
『おい、ナ……』
佐々木の返事を待たずにナツは自分から通話を切った。
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これは確信じゃない。
可能性が少し高くなっただけ。
アキがカミシロ山へ行ったなんて、ナツは信じたくなかった。
『ナツ? 聞いてる?』
「あぁ、聞いてる」
『それで、その……どうする?』
「どうするって?」
佐々木が何を言いたいのかナツには分かっていた。
だけど、敢えて聞き返した。
『カミシロ山……行ってみる?』
「行かない」
『え?』
「なんだよ?」
『ナツ。アキちゃん、探しに行かないのか?』
それが当たり前のようにナツへ聞いてくる佐々木。
「なんでオレがアキを探しに行かなきゃいけないんだよ」『だって……』
「アキと安田がカミシロ山へ行ったっていう確かな証拠はない。もし本当に行ってたら、理由は何にしろ勝手にカミシロ山へ行った奴のためにオレが呪われろって?」
『そこまで言ってないだろ』
「今、オレに『行ってみる?』って聞いたよな。佐々木は呪われると分かっててカミシロ山へ行けるのか?」
『それは……やだけど……』
「いいか? オレとお前は男だ。カミシロ山は《男子禁制》の私有地だ。行ったら呪われる。お前の知り合いの親戚のお兄さんがカミシロ山へ足を踏み入れて精神病棟に入院してるんだろ?」
『……うん』
数日前に教室で佐々木本人が言っていたことだ。
呪われたかは別として被害に遭っている男性がいるのは事実なのだ。
「なぁ、佐々木。お前、アキを見掛けたこと誰かに言ったか?」
『……まだ誰にも言ってない。ナツに初めて言った』
「なんで?」
『アキちゃんを見掛けたのに気付いたのってついさっきなんだよ。母さんから「典子ちゃんが帰って来てないみたいなんだけど、静流なにか知らない?」って聞かれて思い出したんだ』
「そのままおばさんに言えば良かっただろ」
『だって……アキちゃんも帰って来てないこと知ったのちょっと前だし、関係ないと思ったんだ。母さんに言って、もし本当にそれでアキちゃんがカミシロ山へ行ってたら、「なんで止めなかったの!」ってめっちゃ怒られそうで……』
「そっか。なら、アキを見たことは誰にも言うな」
『え?』
「アキは佐々木を見てなかったんだろ? 他に目撃者がいないなら余計なことは言うな。大人に任せようぜ。オレたちに出来ることは何もねぇよ」
『……そうだな』
ナツは佐々木に口止めをした。
「アキが帰って来たらL*NEする。あ、でも、そろそろ母さんが帰って来るからスマホに触る時間はないと思う。明日学校で話そうぜ」
『大丈夫なのか?』
「いつものことだ。じゃあな」
『おい、ナ……』
佐々木の返事を待たずにナツは自分から通話を切った。
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