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本編
しおりを挟むもうすぐで長い戦争は終わるでしょう。
私たちの国メディアルは戦争を吹っかけてきた、隣国のセプティラスを抑えるために相手をしました。
前々から、セプティラスとの関係良いものでは無かったため、国王が慈悲を分ければ良くなるかと思っていましたが、変わりませんでした。
そのため、この戦争でも何を考えいるのか分かりませんでした。なぜなら、どんなに苦しい状況になっても戦い続けており、誰から見ても民が疲れ果てているのが分かっていたからです。
セプティラス国王は、何かに取り憑かれてしまったのでしょうか?
私は、王族に近い血筋だからこの事を知っているのですが、他の者に話したら反逆罪とされるため無闇に言えることではないのです。
前からセプティラスに捕虜などが居るのは知っていましたが、まさか王族に近い自分が捕まるほど切羽詰まっているとは思わず油断していました。
その日は、いつも通りの朝で王族の代わりに戦地が少し近い街へ公務と来ていました。
狙っていたとばかりに、外に出た途端あっさり捕まってしまいました。
────
──
─
体が上下に揺れている感覚があり目を覚ますと、鉄で出来た部屋にいました。揺れの感覚と部屋の造りから、たぶん戦艦の中なんでしょう。
体に異常はないかと触っていたら、細い首輪が着けられていました。
試しに魔法を放ってみましたが発動しませんでした。魔術不可のパッシブが掛かっているのでしょう。
何もする事が出来ないので、大人しく誰かが来るのを待っていました。
しばらくすると、足音が聞こえてきて扉を開けられました。
1番初めに部屋に入って来た男は、私が目覚めていることに気づき、ニヤリと笑った。
「お目覚めかね、リビア様?」
名前を調べて連れてこられたんだと気づき、抵抗するために声を上げた。
「っ!何が目的なのですか!?私を捕まえてもメディアルには何の影響もありませんわ!!」
「あれれれ、ホントかな?飛び級で大学院を卒業できるほど頭いいリビア様は、政治に口出しできるほどだって聞いたんだけど違ったのかな?」
目の前の男が言った言葉に驚きを隠せません。
私が政治に関わっているのを知っているのは、国の信頼のおける重鎮やセプティラスより安全で友好関係が深い国の1部しか知らない事……どこかで裏切りられたかもしれません。
「あれ、黙っちゃった?裏切りは怖いね、仲間は慎重に作んなきゃ。そうしないと今の状況になるんだから」
だんだん目の前の男に苛立ってきました。張り倒さないと気が済まないと思い、動こうとした時、男と一緒に入って来たもう1人が声を出しました。
「ティオ中佐、もうそれ以上は止めておいた方がいいと思います」
そう言ったのは、キレイなプラチナブロンドの髪をひとつに結んだ人だった。
「ああ?なんだお前、大尉のくせに生意気な口聞いてんなよ!!」
そう言うと、殴りつけて部屋から出ていきました。
呆気にとられましたが、慌てて殴られた人に駆け寄りました。
「だ、大丈夫ですか?」
「うっ……はは、平気ですよ。これくらい慣れてますんで」
平気で慣れていると言われても、辛そうに歪める顔は言葉を、信じられるものではありませんでした。
「無理しないで下さいませ。この首輪が無ければ治癒術をかけてあげますのに……どうする事も出来ないの私を許してください」
許されるものではないと俯いていると、首元に手が近づき驚いて固まっていたらカチッという音がしました。
「これで魔術が使えるよ。僕がここから出してあげるから、それまで僕以外に使う所見せないようにね」
罠かもしれないと思っていても、何故だか信じられる気がしました。魔術を使える事を確かめる為にも、目の前の人に治癒術をかけました。
「貴女は優しいですね。敵軍の私に治癒術をかけて下さるなんて」
「優しくなんてありませんわ。ただ、弱い立場の人に対しての慈悲や施しは誰にでも必要に思うだけです」
突っぱねるつもりで言った言葉を、目の前の人はニコニコしながら受け止めていました。聞いていたのか不安になってきました。
「あ、そうそう。僕の名前はねイルマっていうんだ。大尉だからまあまあ、位は高いから好きに呼び出してもいいよ」
「好意は有難く受け取っておきます」
「冷たい態度取らないでよ。毎食の度に会いに来るんだから」
毎食……1日3食だったら、1日に最低でも3回会わないといけない……
驚いて、顔を見たがニコニコしたままで何を考えいるのか分からなかった。
治癒術が終わると「ありがとね。今日は、もう遅いからじゃあね。おやすみ」と言って出ていってしまった。
─────────
それから、イルマが言った通りに毎食来て、何故か見張りだからと言って一緒に食べて1ヵ月以上が経った。
最初は、優しそうにしてて罠に陥れる気だと思っていましたが、1ヵ月も経つとそんな気は更々無いと気付き、イルマに好意を寄せていきました。
それから、周りには内緒で恋人として付き合い、イルマからリビィという愛称で呼ばれるようになりました。
そして2ヵ月も経とうとしている時、イルマに出撃命令が来ました。
イルマは海軍の分隊長を務めるため、大きな戦いがあると抜けなければいけないと言っていたので、きっと何か大きな戦いがあるのでしょう。
「リビィ、泣かないでおくれ。今まで話してから分かるだろうけど、セプティラスはこの戦いで負ける。そしたら、リビィは自由になれるよ」
泣いている私に優しく声をかけて、慰めてくれるイルマ。
「……イルマと会えなくなってしまうから泣いてるのですよ。それが分からないはずかないですよね」
私の悲痛な訴えを聞いて、抱きしめながら頭を撫でてくれました。イルマの匂いが心地よく感じ、心が満たされるのを感じました。
「リビィに誓うよ。僕は必ず、リビィの元へ帰ってくることを。情けないかもしれないけど、僕が行けそうになかったら探して欲しい」
そう言い私に、髪、額、唇、首筋、手首にキスをおとしていった。
くすぐったく、優しく甘い行為に私は、嬉しく思いイルマと同じようにキスをした。
次の日、イルマは出撃して行った。
──────────
数日が経ち、私がいる軍艦にセプティラスが敗戦したと情報が来ました。
私は、メディアルに無事に帰されたが、イルマの事が気になって色々な人に聞いてみたが、誰も知らないと言いました。
周りに「辛かっただろ」、「まだ若いのに守れなくて申し訳ない」、「心体に疲れているだろうから安静に過ごそうね」と気遣ってくれる言葉が、イルマとの日々を否定された気がしました。
私は、そんな事は無いと訴えても、周りは無理しなくても大丈夫だと言ってきました。
だんだん周りの言葉が信用出来ずに、部屋に閉じこもるようになりました。
周りは、私が過ちを犯すんではないかと思い、自殺防止のために色んなパッシブが付けられている腕輪を付けられました。
数年かけて、カウンセリングなどを受けてることによって、少し心に余裕が出来ました。
両親などは、私に結婚などの家の事は大丈夫だと言ってくれました。その言葉が、どんなに嬉しかった事とは誰も思わないでしょう。まだ、イルマとの可能性を失えずにいれたことだと知らずに。
─────────
何年も何十年も探してもイルマが見つかりません。
気づけば、いつの間にか老婆になっていました。
イルマを見つけられないまま生涯を終えるのは嫌だと思い必死に探していたある日の事でした。
最近は王城へ行けれるようになり、今日も城の庭園でお茶をしようとしていた時だった。
「ねえ知ってる?130年も前の戦争の事。この国と交易が多かった、動物界のカルテ王国の貴族が反逆罪で捕まっていたんだけど、近々釈放されるんだって」
「何で反逆罪なのに処刑されずに釈放なの?」
「それが……カルテ王国に脅しをかけるために捕まえていたらしいんだけど、口を割らないし、もうどうすることも出来ないから釈放って言っているらしいんだって」
「えー、もし本当に罪人だったらどうするのよ」
「大丈夫よ。その人、獣人の血が入っていて、体に番がいる印があるから、番の人に脅しをかけるとか言っとけば大人しくなるだって」
「なんか獣人が可哀想に思えるわ。そんなんじゃ、脅しのタネが分かるようなものじゃん」
「でねでね、その人めっちゃカッコイイらしいの!!」
「どんな?」
「確かね……イルマっていう名前で、プラチナブロンドの髪なんだ──」
メイド達の噂話を聞いていたら、ありえないものを耳にした。
イルマ、プラチナブロンドの髪で思いつくのは一人しか────
「貴女たち、その話ってホントかしら?」
気づけば、彼女たちの元へ行き話しかけていた。
「は、はい!私の夫であるフィン様が言っておられました」
「そう、そのイルマっていう人はどこにいらっしゃるのかしら?」
「王城から少し離れた塔に入れられているという事です」
「ありがとね、噂話も程々にするのよ」
「「はい!!」」
有益な情報を手に入れられたので、早速確認するために、人気のない所に行き、透明になる魔法を発動させました。
そしてメイド達が言っていた塔に着き、見張りの兵に気づかれないように中に入いりました。
螺旋階段が、長く続いてあったため浮遊魔法で最上階まで上がりました。
最上階の扉はガラス付きの木の扉だっため、ガラス越しから見ることにしました。
部屋の中央で木の椅子に縛り付けられているのは、プラチナブロンドの髪で横顔は紛れも無く昔と変わらないイルマの顔でした。
彼にやっと会えたことに感動して涙が出ていきました。
イルマは、もうすぐで自由の身になれて、どこかで会った番の人の元へと行くんだと潔く忘れるために、ココを離れようとしました。
「……リビィ?」
「っ!」
後ろからかけられた声に、思わず反応してしまいました。
「リ、リビィ……やっと、やっと会えた」
そんな声で呼ばないで欲しい、番の人に申し訳ないじゃない。
心を鬼にして、無視して立ち去ろうとしたら、後ろから叫び声と共にとんでもない音が聞こえました。
「リビィー!!待ってよ!!」
バキバキ!
「えっ!?」
縛られていたのが嘘のように、あっさりと椅子を壊して縄を引きちぎりながら、こっちに向かって走ってきていました。
恐怖を感じ、魔法で必死に降りていきました。
いきなりガシッと腕を捕まれ、動けずに後ろを見ると、イルマが抱きついてきました。
「リビィー、逃げるなんて酷いよ」
何が起こったのか理解がついていけず、しばらくの間、このままの状態が続いた。
─────
───
─
落ち着いた後、イルマの話を聞き番が私であることを知った。
「イルマ……私は、もうこんなお婆ちゃんになったのよ。番だと言われてもこんな歳じゃ……」
「それは、大丈夫だよ」
何が大丈夫なのでしょう?は!もしかして、イルマは知らぬ間に熟女を通り過ぎてしわくちゃのお婆ちゃんが好みになったんでしょうか!?
そんな私の胸中をよそに、イルマは突然深い口付けをしてきた。
されるがままで呆然とする私を無視して、呪文を唱え始めました。
「母なる大地、大地に息づく全ての生命
あなたは私たちの愛する全て
実り多き日々がやってきますように
真実の豊かさをどうか届けてください
祈りの言葉と心の祈りであなたを敬います
この行いをあなたと共に、太陽と共に祝福して下さい」
そう言い終わると、額にキスをしてきました。
何故か、体が軽くなったような気がして手を見ると、しわしわだった手が若かった頃のような肌に戻っていて驚きました。
「番としての契りを勝手に結んじゃったけど、ダメだったかな?」
「ダメじゃないわ……むしろ嬉しい……」
涙が溢れてきて止まらなく、しばらく階段で過ごしていました。
その後、王にイルマの事を話すと許して下さり、延びた寿命をイルマと共に幸せな日々を過ごしました。
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