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7.「綺麗な世界」
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「エスメラルダ、聞いてくれ! 恒久平和条約が結ばれたんだ!
それも二大国同時にだよ!」
まるで子犬のように、パタパタと駆けてきたピエドラに私は微笑んだ。
「まあ、それは良かったですね。これでこのフェルゼン王国の未来も安泰です」
「いやいや、どう考えてもおかしいって。
二大国がうちと態々平和条約なんて結ぶ理由がわからない」
「細かいことはいいじゃないですか。
これで殿下の目指す「綺麗な世界」にまた一歩近づいたのですから」
「それはそうかもしれないけど……」
どこか腑に落ちない様子のピエドラ。
まさか目の前にいる婚約者が、二大国を脅して結ばせただなんて夢にも思っていないだろう。
「それよりも、未来の平和が約束されたわけですし、もう婚約解消だなんて言い出しませんよね?」
「それは、まあ……。陛下にも、もの凄く怒られたし。
あんなに鬼気迫った様子の陛下を見るのは初めてだったよ」
よほど強く叱責されたのだろう。
ピエドラの顔がひきつっている。
(ピエドラにこんな顔をさせるなんて。陛下には後でお仕置きが必要ですね)
そのとき、フェルゼン王の背に悪寒が走ったのは言うまでもないだろう。
それも二大国同時にだよ!」
まるで子犬のように、パタパタと駆けてきたピエドラに私は微笑んだ。
「まあ、それは良かったですね。これでこのフェルゼン王国の未来も安泰です」
「いやいや、どう考えてもおかしいって。
二大国がうちと態々平和条約なんて結ぶ理由がわからない」
「細かいことはいいじゃないですか。
これで殿下の目指す「綺麗な世界」にまた一歩近づいたのですから」
「それはそうかもしれないけど……」
どこか腑に落ちない様子のピエドラ。
まさか目の前にいる婚約者が、二大国を脅して結ばせただなんて夢にも思っていないだろう。
「それよりも、未来の平和が約束されたわけですし、もう婚約解消だなんて言い出しませんよね?」
「それは、まあ……。陛下にも、もの凄く怒られたし。
あんなに鬼気迫った様子の陛下を見るのは初めてだったよ」
よほど強く叱責されたのだろう。
ピエドラの顔がひきつっている。
(ピエドラにこんな顔をさせるなんて。陛下には後でお仕置きが必要ですね)
そのとき、フェルゼン王の背に悪寒が走ったのは言うまでもないだろう。
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