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冒険者のトイレ事情
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「エイラ! そっちにいったぞ!」
「任せて!」
私はこちらへと向かってくるゴブリンの棍棒を躱すと、隙だらけの首元を一閃した。
「ふぅ、これで終わりだな」
「はー疲れたー!」
辺りを見渡し他の魔物の気配がないことを確認すると、私はその場に腰を下ろした。
冒険者になって一ヶ月。
新人同士でパーティーを組んだ私とジークは、街外れにある森へとゴブリン討伐に来ていた。
ゴブリンは武器を持ったばかりの新人でも倒せる魔物であり、基本的に縄張りにしている森から出てくることはない。
しかし繁殖力が強く、放置しておくと瞬く間にその数を増やし森から溢れ出してしまう。
溢れたゴブリンは近隣の村落や街道を通る者を襲う可能性があるので、こうして定期的に間引く必要があるのだ。
一息ついたからだろうか。
私は尿意を催していた。
(うっ、街まではもちそうにないかな……)
この森は街からそれほど離れていない。
森を出れば地平の先に小さく街の外壁が見えるくらいだ。
ただそうはいっても徒歩となるとそれなりの時間はかかるし、万が一にも街に戻る途中で限界を迎えてしまえば、遮るものの一切ない平原で用を足すことになってしまう。
それだけは避けたい。
(仕方ないか……)
これまではこういったことがないよう街を出る前に用を足したり、水分補給を控えたりしていたのだが、冒険者を続けていればいずれは直面していた問題だろう。
「ジーク、少し周りの警戒任せていい?」
「ん? 別にいいけど、どうかしたのか?」
「その、ちょっと催しちゃって……」
異性であるジークにこの報告は恥ずかしいが、理由もなく離れるわけにはいかない。
「あ、ああ、わかった」
ジークは慌てて私から目を逸らした。
わずかに赤くなっている頬を見ると、さらに羞恥が込み上げてくる。
私は立ち上がると近くの茂みの中へと入った。
遠くへは行かない。
いつ魔物が襲ってくるかわからないからだ。
無防備な排泄中に襲われれば、たとえ相手がゴブリンであろうとも無事ではすまない。
あくまでジークの見える距離であり、それでいて気休め程度に私を隠してくれるところを選ぶ。
チラリとジークの方を見ると、紳士にもこちらに視線を向けないようにしてくれていた。
私は意を決してパンツとショーツを膝まで下ろした。
木漏れ日の揺れる森の中。
涼しい風が脚の間を抜けていく。
まだ出会って日の浅い異性が近くにいるというのに、こんな屋外で女の最も秘すべき場所を晒してしまっている。
その状況にはっとした私は慌ててしゃがみこんだ。
シュッ……シャアアアアァァァァ……
我慢していたせいか、その勢いは強かった。
股間から噴き出したゆばりが草の葉を濡らした。
葉を伝い、地に落ち、そして染み込んでいく。
しかし、染み込むより降り注ぐ量のが多いのだろう。
小さな水溜まりになるとジョボボボボと水音が響いた。
思いの外大きなその音に私はさっと顔を上げる。
相変わらずジークはこちらから目を逸らしてくれていた。
しかしこの距離だ、きっとジークにもこの音は聞こえてしまっているだろう。
見えずとも私が今行為の最中だということをジークは把握しているのだ。
(ぅぅぅぅ……)
見られたわけでもないのに、顔が熱くなる。
いつかは慣れるのかもしれない。
いちいちこの程度で恥ずかしがっていては冒険者はやっていけないだろう。
それでも今はまだ、この感情をすぐに処理できそうになかった。
チョロロロ……
勢いが弱まり、ようやく終わりを迎える。
実際はそれほど経っていないだろうが、私にはあまりにも長い時間だった。
近くに生えていた大きめの葉を千切り股間の水気を拭き取る。
その葉を水溜まりに落とすと、下着とパンツを戻した。
「ごめん、ありがとう」
「気にするな、お互い様だ」
気にするなといいつつ、ジークの顔はまだ赤かった。
「……帰りましょうか」
「そうだな」
街へ戻ろうとしたそのときだった。
「エイラッ!」
ジークが私を突き飛ばした。
その瞬間、私がいたところにゴブリンの振り下ろした棍棒が叩きつけられた。
私は慌てて状況を確認する。
ゴブリンの数は三体。
二体は既に接敵しており、一体はまだ茂みの奥にいた。
ジークが冷静に一体の首をはねる。
私も体勢を立て直すともう一体の首をはねた。
「ラストッ!」
三体目のゴブリンへと駆け出すジーク。
ゴブリン一体であれば問題ない。
あとは任せようと静観していたときだった。
「あっ!」
思わず声が漏れた。
何かに足をとられたジークがゴブリンの前で倒れたのだ。
私は慌てて駆け出すが間に合わない。
ゴブリンは好機とばかりに棍棒を振り下ろした。
あわや当たるかというところで、持ち前の反射神経でどうにか剣を滑り込ませ棍棒の直撃を避けるジーク。
その事にほっとしつつも、倒れた状態で上からの攻撃はいつまでも防げないだろう。
ようやくたどり着いた私はがむしゃらに棍棒を振り下ろし続けるゴブリンの首をはねた。
「ありがとうエイラ、助かった」
「ジークが森の中で足をとられるなんて珍しいわね」
「ああ、なんかここだけぬかるんで、て……」
そこで私たちは察した。
ジークの足下、そのぬかるみの原因を。
よく見るとジークの服には倒れたときについたであろうシミもあった。
「エイラッ、違う! わざとじゃないんだ!」
慌てるジーク。
「イッ、イヤあああああっ!!」
羞恥に限界を迎えた私は叫ばずにはいられなかった。
「任せて!」
私はこちらへと向かってくるゴブリンの棍棒を躱すと、隙だらけの首元を一閃した。
「ふぅ、これで終わりだな」
「はー疲れたー!」
辺りを見渡し他の魔物の気配がないことを確認すると、私はその場に腰を下ろした。
冒険者になって一ヶ月。
新人同士でパーティーを組んだ私とジークは、街外れにある森へとゴブリン討伐に来ていた。
ゴブリンは武器を持ったばかりの新人でも倒せる魔物であり、基本的に縄張りにしている森から出てくることはない。
しかし繁殖力が強く、放置しておくと瞬く間にその数を増やし森から溢れ出してしまう。
溢れたゴブリンは近隣の村落や街道を通る者を襲う可能性があるので、こうして定期的に間引く必要があるのだ。
一息ついたからだろうか。
私は尿意を催していた。
(うっ、街まではもちそうにないかな……)
この森は街からそれほど離れていない。
森を出れば地平の先に小さく街の外壁が見えるくらいだ。
ただそうはいっても徒歩となるとそれなりの時間はかかるし、万が一にも街に戻る途中で限界を迎えてしまえば、遮るものの一切ない平原で用を足すことになってしまう。
それだけは避けたい。
(仕方ないか……)
これまではこういったことがないよう街を出る前に用を足したり、水分補給を控えたりしていたのだが、冒険者を続けていればいずれは直面していた問題だろう。
「ジーク、少し周りの警戒任せていい?」
「ん? 別にいいけど、どうかしたのか?」
「その、ちょっと催しちゃって……」
異性であるジークにこの報告は恥ずかしいが、理由もなく離れるわけにはいかない。
「あ、ああ、わかった」
ジークは慌てて私から目を逸らした。
わずかに赤くなっている頬を見ると、さらに羞恥が込み上げてくる。
私は立ち上がると近くの茂みの中へと入った。
遠くへは行かない。
いつ魔物が襲ってくるかわからないからだ。
無防備な排泄中に襲われれば、たとえ相手がゴブリンであろうとも無事ではすまない。
あくまでジークの見える距離であり、それでいて気休め程度に私を隠してくれるところを選ぶ。
チラリとジークの方を見ると、紳士にもこちらに視線を向けないようにしてくれていた。
私は意を決してパンツとショーツを膝まで下ろした。
木漏れ日の揺れる森の中。
涼しい風が脚の間を抜けていく。
まだ出会って日の浅い異性が近くにいるというのに、こんな屋外で女の最も秘すべき場所を晒してしまっている。
その状況にはっとした私は慌ててしゃがみこんだ。
シュッ……シャアアアアァァァァ……
我慢していたせいか、その勢いは強かった。
股間から噴き出したゆばりが草の葉を濡らした。
葉を伝い、地に落ち、そして染み込んでいく。
しかし、染み込むより降り注ぐ量のが多いのだろう。
小さな水溜まりになるとジョボボボボと水音が響いた。
思いの外大きなその音に私はさっと顔を上げる。
相変わらずジークはこちらから目を逸らしてくれていた。
しかしこの距離だ、きっとジークにもこの音は聞こえてしまっているだろう。
見えずとも私が今行為の最中だということをジークは把握しているのだ。
(ぅぅぅぅ……)
見られたわけでもないのに、顔が熱くなる。
いつかは慣れるのかもしれない。
いちいちこの程度で恥ずかしがっていては冒険者はやっていけないだろう。
それでも今はまだ、この感情をすぐに処理できそうになかった。
チョロロロ……
勢いが弱まり、ようやく終わりを迎える。
実際はそれほど経っていないだろうが、私にはあまりにも長い時間だった。
近くに生えていた大きめの葉を千切り股間の水気を拭き取る。
その葉を水溜まりに落とすと、下着とパンツを戻した。
「ごめん、ありがとう」
「気にするな、お互い様だ」
気にするなといいつつ、ジークの顔はまだ赤かった。
「……帰りましょうか」
「そうだな」
街へ戻ろうとしたそのときだった。
「エイラッ!」
ジークが私を突き飛ばした。
その瞬間、私がいたところにゴブリンの振り下ろした棍棒が叩きつけられた。
私は慌てて状況を確認する。
ゴブリンの数は三体。
二体は既に接敵しており、一体はまだ茂みの奥にいた。
ジークが冷静に一体の首をはねる。
私も体勢を立て直すともう一体の首をはねた。
「ラストッ!」
三体目のゴブリンへと駆け出すジーク。
ゴブリン一体であれば問題ない。
あとは任せようと静観していたときだった。
「あっ!」
思わず声が漏れた。
何かに足をとられたジークがゴブリンの前で倒れたのだ。
私は慌てて駆け出すが間に合わない。
ゴブリンは好機とばかりに棍棒を振り下ろした。
あわや当たるかというところで、持ち前の反射神経でどうにか剣を滑り込ませ棍棒の直撃を避けるジーク。
その事にほっとしつつも、倒れた状態で上からの攻撃はいつまでも防げないだろう。
ようやくたどり着いた私はがむしゃらに棍棒を振り下ろし続けるゴブリンの首をはねた。
「ありがとうエイラ、助かった」
「ジークが森の中で足をとられるなんて珍しいわね」
「ああ、なんかここだけぬかるんで、て……」
そこで私たちは察した。
ジークの足下、そのぬかるみの原因を。
よく見るとジークの服には倒れたときについたであろうシミもあった。
「エイラッ、違う! わざとじゃないんだ!」
慌てるジーク。
「イッ、イヤあああああっ!!」
羞恥に限界を迎えた私は叫ばずにはいられなかった。
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