21 / 30
21.悪役令嬢は呼ばれ方を気にするようです
しおりを挟む
グストン商会は平民街のなかでも、貴族街近くの、いわゆる高級住宅街の一角にその本店を構えている。
五階建てのその建物は、公爵令嬢として大きな屋敷で過ごしていた頃はわからなかったが、平民として平屋の新居を見たあとなら、その立派なたたずまいに思わず圧倒されてしまう。
身分というものは、自己を支える重要な因子の一つだ。
これまで公爵令嬢として、それにふさわしい、堂々とした振る舞いをしてきたアリシア。
しかし、平民となってしまった今、本当に自分はこの立派な建物に入っていいのか、自信が持てなくなってしまっていた。
普通の貴族令嬢なら、ここまで急激に小心者になることはないだろう。
貴族であった頃と同じように、堂々と店内に入っていくに違いない。
しかし、アリシアの場合、前世の記憶があるせいで、平民になるということに抵抗がなく、その分平民に染まりやすかった。
心の隅で、後日出直そうかしら、と尻込みしてしまいそうになっているが、メリアとの幸せな未来を想像して、グッとお腹に力をいれ踏みとどまる。
(グストン商会がいくら大商家とはいっても、その客は貴族だけでなく平民も含まれるわ。
私がお店に入っても問題はないはず)
深呼吸をして、覚悟を決めたアリシアが踏み出したそのときだった。
「アリシア様?」
「ひぅっ!」
突然名前を呼ばれたせいで、思わず変な声が漏れる。
振り替えると、果たしてそこにいたのはロバートだった。
「……ロバートさん?」
「アリシア様!
ご無事でしたか!」
「え、ええ」
興奮した様子で詰め寄るロバートに、アリシアは戸惑う。
「アリシア様が学園を退学になっただけでなく、ローデンブルク家を放逐されたと聞いたときは、驚きと心配で胸が張り裂けそうでしたが、元気な姿を見ることができて安心しました」
本当に心配してくれていたのだろう。
安堵しているロバートを見ていると、胸が温かくなった。
「それは、ご心配をおかけしました」
「それにしても、アリシア様がレイネス殿下を押し倒しただなんていう、根も葉もない噂が流れるなんて。
そんなこと、アリシア様に限ってあるはずがないのに。
そうですよね、アリシア様?」
根も葉もあるだけに、アリシアを信じている、ロバートのまっすぐな視線が痛い。
「あのロバートさん?
ここでは少々目立ってしまうので、どこか別の場所に……」
興奮して大声で話すロバートに、何事かと通行人が視線を向けている。
話題が話題なだけに、あまり注目を浴びるのは、居心地が悪い。
「私としたことが興奮のあまり、つい。
失礼しました。
どうぞ、こちらへ」
ロバートの案内で応接室へと通される。
着の身着のままの放逐だったので、アリシアが現在身にまとっているのは、公爵令嬢として愛用していたドレスのうちの一着だ。
その立ち居振舞いは洗練されていて、周りから見れば、まさか平民だとは思わないだろう。
「先ほどは失礼いたしました。
ところで、どうしてうちの商会の前に?」
お茶を用意してくれた従業員を下がらせたロバートが尋ねた。
いざ本人を前にすると、切り出しにくい話題だ。
もし、面と向かって今後の取引を断られでもしたら、と思うと躊躇ってしまう。
ロバートとは、それなりに親しい関係を築いてきたつもりだ。
だからこそ、断られたときに受けるショックは大きい。
商売とは、情を優先するべきものではないということは理解している。
大商人の息子であるロバートも、商人として、アリシアとの取引に価値があるか評価するはずだ。
アリシアとの繋がりより、商売を優先するであろうことは想像に難くない。
それでも、もしかしたらと期待してしまうのは、夢を見すぎているのだろうか。
しばしの間、顔を伏せて、言い淀んでいたアリシアだったが、覚悟を決めた表情でロバートを見据えた。
「先ほどの様子だと、既にご存じのようですが。
この度、私、アリシアはローデンブルク家を放逐されて、平民となりました。
ロバートさんには、魔道具のことでお世話になってきましたが、これからも同様にお付き合いしていただけるのか、不安になってしまい、こうしてお尋ねしに来た次第です」
アリシアの思い詰めた雰囲気にあてられ、表情を強ばらせていたロバートだったが、アリシアの話を聞いて、力を抜いた。
「なんだ、そんなことでしたか。
私は、いえ、グストン商会は、アリシア様が貴族だから取引をしていたわけではありません。
アリシア様の提案する商品に魅力を感じたから、商売をしていたのです。
ですから、たとえ平民になろうが、アリシア様の提案する商品に魅力を感じる限り、取引をこちらから破棄することはありませんので、どうぞご安心を」
微笑むロバートを見て、アリシアは胸を撫で下ろした。
どうやら、新たな職探しをする必要はなさそうだ。
「ロバートさん、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いします、アリシア様」
「今の私は平民ですから、様はいりませんよ。
それよりむしろ、私の方こそ、ロバート様とお呼びした方がいいかしら?
貴族ではなくとも、ボルグ王国有数の大商会のご子息。
その権力は、並みの貴族をしのぐでしょう。
ただの平民にすぎない私が、馴れ馴れしく呼ぶのは失礼かもしれませんね」
「いや、いや、いや!
様など不要です、アリシア様!
どうぞ、これまで通りお呼びください」
慌てた様子で否定してくるロバート。
やはり、慣れ親しんだ呼ばれ方でないと、違和感があるのだろう。
「そうですか?
では、これまで通りロバートさんと呼ばせていただきますね。
それより、私が『さん』づけなのに、ロバートさんが『様』をつけて呼んでいては、格好がつきません。
どうぞ、アリシアとお呼びください」
アリシアの提案に戸惑いがある様子だったが、少しすると諦めたように呟いた。
「で、ではアリシアさん、と」
「はい!」
アリシアは気がつかなかった。
その笑みは柔らかく、ロバートの心を揺さぶっていたということに。
そして、その揺れによって、ロバートの思いが溢れだそうとしていたことにも。
五階建てのその建物は、公爵令嬢として大きな屋敷で過ごしていた頃はわからなかったが、平民として平屋の新居を見たあとなら、その立派なたたずまいに思わず圧倒されてしまう。
身分というものは、自己を支える重要な因子の一つだ。
これまで公爵令嬢として、それにふさわしい、堂々とした振る舞いをしてきたアリシア。
しかし、平民となってしまった今、本当に自分はこの立派な建物に入っていいのか、自信が持てなくなってしまっていた。
普通の貴族令嬢なら、ここまで急激に小心者になることはないだろう。
貴族であった頃と同じように、堂々と店内に入っていくに違いない。
しかし、アリシアの場合、前世の記憶があるせいで、平民になるということに抵抗がなく、その分平民に染まりやすかった。
心の隅で、後日出直そうかしら、と尻込みしてしまいそうになっているが、メリアとの幸せな未来を想像して、グッとお腹に力をいれ踏みとどまる。
(グストン商会がいくら大商家とはいっても、その客は貴族だけでなく平民も含まれるわ。
私がお店に入っても問題はないはず)
深呼吸をして、覚悟を決めたアリシアが踏み出したそのときだった。
「アリシア様?」
「ひぅっ!」
突然名前を呼ばれたせいで、思わず変な声が漏れる。
振り替えると、果たしてそこにいたのはロバートだった。
「……ロバートさん?」
「アリシア様!
ご無事でしたか!」
「え、ええ」
興奮した様子で詰め寄るロバートに、アリシアは戸惑う。
「アリシア様が学園を退学になっただけでなく、ローデンブルク家を放逐されたと聞いたときは、驚きと心配で胸が張り裂けそうでしたが、元気な姿を見ることができて安心しました」
本当に心配してくれていたのだろう。
安堵しているロバートを見ていると、胸が温かくなった。
「それは、ご心配をおかけしました」
「それにしても、アリシア様がレイネス殿下を押し倒しただなんていう、根も葉もない噂が流れるなんて。
そんなこと、アリシア様に限ってあるはずがないのに。
そうですよね、アリシア様?」
根も葉もあるだけに、アリシアを信じている、ロバートのまっすぐな視線が痛い。
「あのロバートさん?
ここでは少々目立ってしまうので、どこか別の場所に……」
興奮して大声で話すロバートに、何事かと通行人が視線を向けている。
話題が話題なだけに、あまり注目を浴びるのは、居心地が悪い。
「私としたことが興奮のあまり、つい。
失礼しました。
どうぞ、こちらへ」
ロバートの案内で応接室へと通される。
着の身着のままの放逐だったので、アリシアが現在身にまとっているのは、公爵令嬢として愛用していたドレスのうちの一着だ。
その立ち居振舞いは洗練されていて、周りから見れば、まさか平民だとは思わないだろう。
「先ほどは失礼いたしました。
ところで、どうしてうちの商会の前に?」
お茶を用意してくれた従業員を下がらせたロバートが尋ねた。
いざ本人を前にすると、切り出しにくい話題だ。
もし、面と向かって今後の取引を断られでもしたら、と思うと躊躇ってしまう。
ロバートとは、それなりに親しい関係を築いてきたつもりだ。
だからこそ、断られたときに受けるショックは大きい。
商売とは、情を優先するべきものではないということは理解している。
大商人の息子であるロバートも、商人として、アリシアとの取引に価値があるか評価するはずだ。
アリシアとの繋がりより、商売を優先するであろうことは想像に難くない。
それでも、もしかしたらと期待してしまうのは、夢を見すぎているのだろうか。
しばしの間、顔を伏せて、言い淀んでいたアリシアだったが、覚悟を決めた表情でロバートを見据えた。
「先ほどの様子だと、既にご存じのようですが。
この度、私、アリシアはローデンブルク家を放逐されて、平民となりました。
ロバートさんには、魔道具のことでお世話になってきましたが、これからも同様にお付き合いしていただけるのか、不安になってしまい、こうしてお尋ねしに来た次第です」
アリシアの思い詰めた雰囲気にあてられ、表情を強ばらせていたロバートだったが、アリシアの話を聞いて、力を抜いた。
「なんだ、そんなことでしたか。
私は、いえ、グストン商会は、アリシア様が貴族だから取引をしていたわけではありません。
アリシア様の提案する商品に魅力を感じたから、商売をしていたのです。
ですから、たとえ平民になろうが、アリシア様の提案する商品に魅力を感じる限り、取引をこちらから破棄することはありませんので、どうぞご安心を」
微笑むロバートを見て、アリシアは胸を撫で下ろした。
どうやら、新たな職探しをする必要はなさそうだ。
「ロバートさん、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いします、アリシア様」
「今の私は平民ですから、様はいりませんよ。
それよりむしろ、私の方こそ、ロバート様とお呼びした方がいいかしら?
貴族ではなくとも、ボルグ王国有数の大商会のご子息。
その権力は、並みの貴族をしのぐでしょう。
ただの平民にすぎない私が、馴れ馴れしく呼ぶのは失礼かもしれませんね」
「いや、いや、いや!
様など不要です、アリシア様!
どうぞ、これまで通りお呼びください」
慌てた様子で否定してくるロバート。
やはり、慣れ親しんだ呼ばれ方でないと、違和感があるのだろう。
「そうですか?
では、これまで通りロバートさんと呼ばせていただきますね。
それより、私が『さん』づけなのに、ロバートさんが『様』をつけて呼んでいては、格好がつきません。
どうぞ、アリシアとお呼びください」
アリシアの提案に戸惑いがある様子だったが、少しすると諦めたように呟いた。
「で、ではアリシアさん、と」
「はい!」
アリシアは気がつかなかった。
その笑みは柔らかく、ロバートの心を揺さぶっていたということに。
そして、その揺れによって、ロバートの思いが溢れだそうとしていたことにも。
0
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
『偽りの血筋が溢れる世界で、ただ一人の君を見つけ出す 〜捨てられた公爵家の猫は騎士団長に溺愛されて逃げられません〜』
高瀬あい
恋愛
「にゃーーーーー!!(待てやコラァーーーー!)」
野良暮らしを逞しく満喫中の長毛種の猫。その中身は、高慢な義母によって魔物の森へ捨てられた成人女性の転生者だった。
獲物の魔力を少しだけ「チュウチュウ」と吸って、お返しに相手をピカピカに浄化し、傷を癒す。
そんな能力のおかげて気楽な自給自足な生活を送っていたある日、主人公は誘拐されかけた少年を助け(というか魔獣に激突し)、血まみれの冷徹騎士団長・エリオットに拾われてしまう。
「汚い。……洗おう」
「にゃーん!(お風呂は嫌! 離しなさいこのイケボ!)」
お揃いのリボンを結ばれ、美味しい魔力のご飯を献上される至福の贅沢生活。
しかし、生活費代わりとして騎士団長の中にある魔力の淀みを夜な夜な癒やすうち、その力は「聖獣」として覚醒していき、邪な輩の目を引くことに。
「お前は絶対渡さないよ。お前の帰る場所は、私の元だけだーー」
騎士団長からのヤバい溺愛を盾に、幸せペット生活、守らせていただきます!
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
断罪後の気楽な隠居生活をぶち壊したのは誰です!〜ここが乙女ゲームの世界だったなんて聞いていない〜
白雲八鈴
恋愛
全ては勘違いから始まった。
私はこの国の王子の一人であるラートウィンクルム殿下の婚約者だった。だけどこれは政略的な婚約。私を大人たちが良いように使おうとして『白銀の聖女』なんて通り名まで与えられた。
けれど、所詮偽物。本物が現れた時に私は気付かされた。あれ?もしかしてこの世界は乙女ゲームの世界なのでは?
関わり合う事を避け、婚約者の王子様から「貴様との婚約は破棄だ!」というお言葉をいただきました。
竜の谷に追放された私が血だらけの鎧を拾い。未だに乙女ゲームの世界から抜け出せていないのではと内心モヤモヤと思いながら過ごして行くことから始まる物語。
『私の居場所を奪った聖女様、貴女は何がしたいの?国を滅ぼしたい?』
❋王都スタンピード編完結。次回投稿までかなりの時間が開くため、一旦閉じます。完結表記ですが、王都編が完結したと捉えてもらえればありがたいです。
*乙女ゲーム要素は少ないです。どちらかと言うとファンタジー要素の方が強いです。
*表現が不適切なところがあるかもしれませんが、その事に対して推奨しているわけではありません。物語としての表現です。不快であればそのまま閉じてください。
*いつもどおり程々に誤字脱字はあると思います。確認はしておりますが、どうしても漏れてしまっています。
*他のサイトでは別のタイトル名で投稿しております。小説家になろう様では異世界恋愛部門で日間8位となる評価をいただきました。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる