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ヒーローを創る話
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こんな時どうするのが正解なのかと頭をひねる。
自分の前にはいかにも柄の悪そうな男が3人、自分を囲むようにして立っている。頭の色は大凡色を抜きすぎたのではないかというような痛んだ金色。自分とは違ったその制服はこの辺りでは有名な不良校の制服。
頭が悪そうな見た目の彼らは仕切りにゲラゲラと笑いながら自分を囲み、金の催促をしてくる。
初めに断っておくが自分は決して彼らとお金の貸し借りをするような仲良しではない(なんなら自分は仲が良くてもしないくらい疑り深い)もっと言えば知り合いですらない(お前らは誰だ、はじめまして)そんな彼らに自分がお金を貸す理由はないように思うわけだ。
故に先ほどからの自分の答えは1択。
「嫌です」
こう答えるたびに彼らはまたゲラゲラと笑うのだ。なんなんだいい加減にしろ訳がわからん。彼らとは笑いのセンスが違うらしい。
まぁそんなわけでこうして囲まれ絡まれること約数分。いい加減疲れてきた。
さて、では何故自分がこんなに落ち着いているのかという問題についてを議題にあげようか。
きっとこいつはなんでこんなに冷めているんだと思う人が一定数いるであろうから。
だが、これは大した議題ではない。答えは単純だ。彼ら3人に例え殴りかかられようとも負ける気がしないからである。
きっと彼らは自分を小さくてひょろひょろしていて弱そうな脅せば言うことを聞きそうな奴だと思い絡んできてると思うのだが。確かに自分は一見ひょろひょろだし小さいがこれでも柔道の有段者である。身長は遺伝だし(両親ともに小さいんだから女が生まれたら可愛らしかったろうに)筋肉はただつきにくいだけである(これも遺伝だったりする、いっそ忌々しい)
まぁそんな訳で大したことだと思ってないから落ち着いているのだが、そうするときっと誰もが思うことだろう。
『とっとと殴って帰っちゃえば?』と。
しかし、そんな訳にもいかないのだ。それは単に自分がヒーローでないからなのだが。
「おい!!何やってんだ!!」
声のした方へと視線を向ける3人組。その先にはあまり強そうには見えないこれまた自分とは違う、けれども囲む3人組とも違う制服の男。
「1人を3人で囲むなんて卑怯だろ」
威勢良く飛び出してきたその男は自分の代わりのように3人組に囲まれる。
さて、ここで彼はどうなるか。
負ける?勝つ?
そんな単純なもんじゃない。
いや、ここで来たのが自分と同じ学校の制服だったらきっと負ける。3人組と同じ制服だったらきっと勝つ。そうして自分が仲間になる、3人組が仲間になるみたいな展開はあるかもしれない。けれどさっきも言った通りどちらの制服でもないのだ。こうなると数多ある可能性がだいぶ絞られる。
そうして、その男は3人組のリーダー格に1発いれたと思ったら逃げ出した。
後を追う3人組。
そうして自分は役目を終える。
そう、自分はこの為の人間なのだ。決してヒーローにはなれない人間なのだ。
どれだけ力が強くても、どれだけ冷静な判断ができても、どれだけ見た目と実際のギャップがあろうとも。自分はヒーロー側の人間ではない。
ヒーローをヒーローにする為の人間なのだ。
そんな人間だって存在するのだ。
「…帰ろ」
自分の前にはいかにも柄の悪そうな男が3人、自分を囲むようにして立っている。頭の色は大凡色を抜きすぎたのではないかというような痛んだ金色。自分とは違ったその制服はこの辺りでは有名な不良校の制服。
頭が悪そうな見た目の彼らは仕切りにゲラゲラと笑いながら自分を囲み、金の催促をしてくる。
初めに断っておくが自分は決して彼らとお金の貸し借りをするような仲良しではない(なんなら自分は仲が良くてもしないくらい疑り深い)もっと言えば知り合いですらない(お前らは誰だ、はじめまして)そんな彼らに自分がお金を貸す理由はないように思うわけだ。
故に先ほどからの自分の答えは1択。
「嫌です」
こう答えるたびに彼らはまたゲラゲラと笑うのだ。なんなんだいい加減にしろ訳がわからん。彼らとは笑いのセンスが違うらしい。
まぁそんなわけでこうして囲まれ絡まれること約数分。いい加減疲れてきた。
さて、では何故自分がこんなに落ち着いているのかという問題についてを議題にあげようか。
きっとこいつはなんでこんなに冷めているんだと思う人が一定数いるであろうから。
だが、これは大した議題ではない。答えは単純だ。彼ら3人に例え殴りかかられようとも負ける気がしないからである。
きっと彼らは自分を小さくてひょろひょろしていて弱そうな脅せば言うことを聞きそうな奴だと思い絡んできてると思うのだが。確かに自分は一見ひょろひょろだし小さいがこれでも柔道の有段者である。身長は遺伝だし(両親ともに小さいんだから女が生まれたら可愛らしかったろうに)筋肉はただつきにくいだけである(これも遺伝だったりする、いっそ忌々しい)
まぁそんな訳で大したことだと思ってないから落ち着いているのだが、そうするときっと誰もが思うことだろう。
『とっとと殴って帰っちゃえば?』と。
しかし、そんな訳にもいかないのだ。それは単に自分がヒーローでないからなのだが。
「おい!!何やってんだ!!」
声のした方へと視線を向ける3人組。その先にはあまり強そうには見えないこれまた自分とは違う、けれども囲む3人組とも違う制服の男。
「1人を3人で囲むなんて卑怯だろ」
威勢良く飛び出してきたその男は自分の代わりのように3人組に囲まれる。
さて、ここで彼はどうなるか。
負ける?勝つ?
そんな単純なもんじゃない。
いや、ここで来たのが自分と同じ学校の制服だったらきっと負ける。3人組と同じ制服だったらきっと勝つ。そうして自分が仲間になる、3人組が仲間になるみたいな展開はあるかもしれない。けれどさっきも言った通りどちらの制服でもないのだ。こうなると数多ある可能性がだいぶ絞られる。
そうして、その男は3人組のリーダー格に1発いれたと思ったら逃げ出した。
後を追う3人組。
そうして自分は役目を終える。
そう、自分はこの為の人間なのだ。決してヒーローにはなれない人間なのだ。
どれだけ力が強くても、どれだけ冷静な判断ができても、どれだけ見た目と実際のギャップがあろうとも。自分はヒーロー側の人間ではない。
ヒーローをヒーローにする為の人間なのだ。
そんな人間だって存在するのだ。
「…帰ろ」
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